環境がプレゼンの満足度を落とす理由

 

「会場が寒かった」「会場が暑苦しかった」

こんなコメントを聞くことがあります。

実は、プレゼン会場の環境は、満足度にダイレクトに関係します。

今日は、プレゼンでお客様をお招きするときの、環境についてお伝えいたします。

プレゼンは、聴き手の「知覚」でも判断されます。
知覚とは、人の主観的な判断によるものです。
つまり、寒すぎたり、暑すぎたりと環境が良くないと判断した場合、いくらプレゼンが良くても満足度も確実に下がってしまうのです。
他には、周囲条件である、温度、空気環境、騒音、音楽、匂いなども含まれますので注意が必要です。

私が、ある屋外イベントを取材したときのことです。

当日は2月半ば。最低気温1.8度となっており、特に寒さの厳しい日でした。加えて、場所が高架下で日陰。体感温度は1度くらいだったのではないでしょうか?屋外との情報も事前に知らされていなかったため、その場であわてて携帯用カイロを買いに走りました。
イベントでタレントさんが、こたつに入って熱燗を飲んでいるのを見ると余計に寒さが身に染みます。

取材では、寒さはもちろんですが、2月の極寒の時期に「なぜ屋外開催するのか?」という意図が明確に伝わってこなかったところも残念な点です。
これは想定ですが、屋外開催でタレントを呼ぶことで、見物客を集めようという狙いが主催側にあったかと思います。しかし日陰で寒いために、それほど足を止めて見る人は多くなかったような印象です。

タレントさんが、面白いネタをいくら話してもまったくウケず、しまいには「すみません、こんなにウケなくて…」と謝っていました。あまりに寒いと、人は笑う余裕がなくなるのだなということがよく分かった会見でした。

寒さというと、これからの季節は冷房の空調コントロールも難しい季節になってきますね。

ぜひ、プレゼンだけではなく、知覚される環境についても注力していただくことをおすすめします。

 

 

プレゼンの空気を作る言語の扱い方

「空気を読む方法はありますか?」

という質問をよくいただきます。

プレゼンでは、あえて空気を読んではいけません。

なぜなら、話し手が空気を読んで話してしまうと、主張がブレて説得力が落ちるからです。

プレゼンは、時間をかけてジワジワとコミュニケーションするものではありません。プレゼンは一回限り。しかも限られた時間で伝え、聞いた人が動くことが目的です。空気を読む行為は、主張が明確に伝わらないというリスクが伴います。

つまり、空気は読むものではなく、「作るもの」なのです。

物事の流れは「空気」で左右されます。

何度も協議を重ねてきたのに、ある「空気」のもと、突然計画をひっくり返されたり、しつこく努力しても全く芽が出なかったことが、ある「空気」をきっかけに認知されたりするという経験をされた方も多いのではないでしょうか。

今日は、プレゼンの空気を作る上で有効な1つのテクニックをお伝えしましょう。

「コードスイッチ」です。

通常は「です・ます」で話すことが多いかと思います。そこに、「だ・である」または「体言止め」(名詞や代名詞などで終わること)を混ぜながら話すことです。

ここで冷泉彰彦氏の著書「『関係の空気』『場の空気』」より引用します。

元首相である小泉純一郎という人の、「空気」の扱いでは天才的で、構造改革、抵抗勢力との抗争、拉致問題の使い方、靖国問題、郵政民営化、日米関係、イラク派兵、何から何まで「空気」を巧みに操って政治生命を保ってきた。

「いいですか。改革っていうのは重要なんだ。わかりますか。この選挙の結果で日本の将来が決まるんです。大変だ。・・・」という言葉づかいである。

これは「です・ます」と「だ・である」を混ぜることで、硬い感じと柔らかい感じ、間接的なイメージを直接的なイメージといったメリハリをつけて言語表現としては、反論を許さないとでもいうような一方的なものとした。

ビジネスであれば、

「よろしいですか。今回の新規事業はなんとしてでも成功させなくてはいけない。わかりますか。我が社の社運をかけているんです。このままでは将来はない」

というような話し方をすることもできるでしょう。

空気は読むものではなく、作るもの。
空気を作るための方法の1つとして、コードスイッチを用いてみることをお試し下さい。

 

アイコンタクトをすればプレゼンが上手くいく理由

「アイコンタクトをとりたいけど、緊張してお客さんと目を合わせるなんてとんでもない!」

そんなお悩みをよくうかがいます。

じつは緊張していても、プレゼンを成功させるためにはアイコンタクトが必須なのです。

ターゲットは、話し手に目線を投げかけてくれている方や、うなずいて熱心に聞いてくださっている方です。「そんな人いないよ」と思うかもしれませんが、私の経験では、そういう良い方は必ずいらっしゃいます。初めて聞く話しにワクワクしたり、ドキドキしながら聞いてくれていることもあるんですよ。

マラソンで「ラビット」と呼ばれる人がいるのをご存知でしょうか?
レース前半でペースメーカーの役割をする人です。プレゼンでも、ラビットになってくれる方を見つけて話しかけることで、リズム感がつかめて流れを自分のペースに引き入れることができます。

さらに激しい緊張を和らげる効果も期待できます。たとえばカラオケで歌うときに、仲間に手拍子を打ってもらったり、ニコニコしながら歌のリズムに合わせて一緒に身体をゆすってもらうと歌いやすくなりますよね。それと同じです。

私が今まで見てきた素晴らしいプレゼンをする方々は、必ずアイコンタクトを取っていました。
とくに、トップの場合はオフィシャルな記者会見が多いのですが、記者は仕事で来ているのでなかなか温かいアイコンタクトは期待できません。それでも、アイコンタクトする人を探しているトップをたくさん見てきました。

私が今まで経験した中で最もすごいアイコンタクトは、ある製造業のトップのアイコンタクトです。私にギュッと目線を合わせてきて、なんと私を指さしながら「今の会社嫌やろ?ウチに来なさい。今、課長職以上、大募集しとるから!ほら、皆さんも来なさい」。

トップはこの瞬間、場の空気を完全に掌握してしまいました。

もちろん、ここまで出来なくても大丈夫です。

必ずあなたの話しを聞いてくれている人はいます。勇気をもってアイコンタクトを行って自分のペースを作ってみてください。

 

最初の3分ですべてが決まる理由

 

「とにかく会見の印象を良くしたいんですよ」

広報担当者さんからの切実なご相談をいただくことがあります。
会見の印象を良くするために、注意すべき最重要ポイントをお伝えします。

ある有名な外資系企業の発表会に取材に行ったときのことです。

米国本社から役員が来日し、プレゼンを行いました。

プレゼン冒頭での出来事です。
足元を見ると、靴の先がパックリと割れて靴下の先が見えていました。靴を買い換える資金が無いわけではないでしょうから、気にしない性格なのかもしれません。確かにプレゼンは場慣れしたものでしたが、なぜか話すことすべて印象が良くありません。(「まさか米国本社役員が…。話を盛っているのでは」と思われるかもしれませんが、事実です)

逆もあります。
最初の印象が素晴らしいと、その後多少のミスがあっても会見全体の印象が良いのです。

これは”認知的不協和の解消”で説明ができます。
人は、「自分の判断は正しかったのかな?」と、内心不安を抱えています。

例えば、マンションなど高額な買い物をしたとき、「正しい買い物だったのかな?」と内心不安を抱えています。これが認知的不協和です。そして「やはり良い買い物だった」と自分を納得させるために他のマンションの広告を眺めて比較します。これが「認知的不協和の解消」です。人は認知的不協和を解消するために、自分が正しいと証明する理由を探し始めるのです。

プレゼンの聴き手も同じです。
もし最初がダメだと、その後いくら素晴らしいプレゼンをしたとしても、聴き手はダメな理由を探し始めています。もう間に合わないのです。

だから、印象づけるためには、最初が一番大事なのです。人間ですから、長時間のプレゼン全てを完璧にすることはなかなか難しいと思います。でも、最初の3分なら完璧にこなせる可能性は高まります。

つまり、プレゼンの印象を良くしたければ、最初の3分だけは何が何でも「手抜かり無く」行うことです。

 

プレゼン成功のための冒頭3分攻略法

 

プレゼンを成功させるコツがあります
最初の3分を攻略することです。

冒頭の3分は、聴き手が聞くか聞かないか決めるタイミングです。ここを逃してはいけません。聴き手が聞く姿勢になれば、その後も聞いてもらえます。

またプレゼンは、どんな人でも大なり小なり緊張するものです。
緊張する人にとって、冒頭3分を乗り切ることはとても大事なポイントになります。

「手足が震える、声が震える、身体が硬直する」などという極度な緊張は永遠には続きません。大抵は最初の3分がピークです。最初の3分を成功させれば、その後も気持ちが切れずに維持できます。緊張する人は「最初の3分間は、魔の時間」と覚えておいてください。

ではどうすればいいのか?

冒頭の3分だけは、飛行機のオートパイロットと同じように、何があっても話せるようにしておくことです。

冒頭3分をオートパイロット化するための練習方法は以下になります。

(1)冒頭3分はできるだけ自分が話しやすい内容にすること。

(2)自宅でリハーサルするときは、冒頭3分だけはスマホで録画して見直すくらいの準備をしておくと安心です。

(3)冒頭3分を、自宅から駅まで歩きながらしゃべってみることです。意外に話しにくいことが分かります。この歩きしゃべりができるようになれば、どんなプレッシャーがかかる状況になってもオートパイロットで話せるようになります。

いつもいまひとつの出来で悩んでいる方はぜひ、冒頭3分をオートパイロットにしてみてください。

 

首を動かさず話すだけで説得力が上がる理由

 

あるワークショップでのこと。

「首を動かさないで話してみましょう」

という課題に対して、30人中、ほぼ100%の人が首を動かして話してしまいました。

参加者のコメントは、

「首を動かさないと、話せない…」
「え?首を動かしてないつもりだったけど…」

ほとんどの人は、首を動かすことは無意識に「自分のリズムをつくるため」にやっています。意識しなければ、人は無意識に身体がフラフラ揺れたり、首を振ったりしています。
動きは自分のためだけであって、聴き手ためではないのです。

では逆に、意識して頻繁に首を振りながら話してみるとどうなるでしょうか?

落ち着きなく、自信のない印象を受けてしまいます。この人と真剣なビジネスをしたいと思うでしょうか?

じつは、聴き手に対して正面を向き、動かずに姿勢やポーズを決めてみると、圧倒的な自信と説得力が生まれることに気がつきます。

歌舞伎でも、「見得を切る」というのがありますよね。そこに特別な存在感が生まれ、観客は引き込まれるのです。

プレゼンの場合は、首は固定し、手振りで表現していくのが安定感と存在感を感じさせます。

首を動かさずに話すことは、いざやってみると、簡単なようでいて、実行するのはなかなか難しいものです。今まで、いかに自分の話のリズムを作るために首をコクコク振っていたかということに気がつきます。プレゼンで、「意志を持って動かない」ということは、とても大事なことです。無意識に首を振っていることも多いので、ぜひ一度スマホで録画してみることもおすすめします。

 

不機嫌な顔は、しっかり印象に残る

 

10万円の指輪と100万円の指輪が飾ってあったら、「100万円の方が高級」と思う人が多いはずです。人は「高い商品は、高品質」と考えているからです。

だから高級品の値付けにはコツがあります。最初から高い値段にすることです。一度「安物」と思われてしまうと、後から値上げしたら「高い」と思われてしまうのです。
第一印象は大事なのですね。

このように最初に良い印象を与えることは大事ですが、その逆もあります。特にプレゼンでは注意が必要です。

ある年の「行く年来る年」で、名優と言われる俳優のNさんが司会をしていました。
途中で段取りの手違いがあったようです。Nさんは、カメラが向いてないと思い込んでいたのでしょう。「何やってんだよ!」とスタッフに対して怒っている姿がテレビに映りました。しかしある瞬間、Nさんはカメラに撮られていると気がつきました。さすが名優。即座に感じの良い司会者に見事に変身しました。

でもこのときの印象があまりにも強烈で、Nさんが映画やドラマでどんな素晴らしい演技をしていても、「スタッフに怒っていた気難しいNさん」というイメージが蘇ってしまうのです。

これは、私が俳優Nさんに対して、マイナスイメージが印象づけられてしまったためです。

メディアを集めたプレゼンのときも、スタッフの手違いに対して立腹したり不機嫌になる方をよくお見かけします。また、そもそもやる気があまり感じられなかったり、緊張感の無い方もいらっしゃいます。

でもその姿は確実にお客様に強い印象を残しています。そしてその印象をぬぐい去る機会は、なかなかありません。
これってとっても損ですよね。

プレゼンで不機嫌な顔は、強く印象に残ります。気をつけたいですね。

 

誰でも伝わるプレゼン構成のコツ

 

「子供たちにプレゼンする機会が多いのですが、子供でも伝わるコツってありますか?」

3月27日、ITmediaエグゼクティブ様講演の質疑応答で、このような良いご質問いただきました。

解決策は、結論から先に話すことです。

ありがちなのが時系列でお話しすることです。

時系列は話しが長くなりがちで、聴き手は「要は何なのかな?」と思って退屈してしまいます。結局、話しが伝わりません。ですので、ぜひ結論から話してください。冒頭で意図が明確になり聴き手は「聞いてみたい」という姿勢が瞬時にできあがり、話し手も話しやすくなります。

多くのプレゼンは「起承転結」で話しています。
もし多くのプレゼンを「桃太郎」に例えると、よくあるパターンはこうなります。

【起】桃から生まれた桃太郎が大きく育った
【承】村人は鬼ヶ島の鬼にいじめられていた
【転】桃太郎は村娘と恋に落ちたが、心機一転
【結】桃太郎は手下を従え、鬼をやっつけた

特に注意いただきたいのが【転】「桃太郎は村娘と恋に落ちたが、心機一転」の部分です。
もし映画や小説だと美味しいところです。ついつい語りたくなってしまいますが、ここはお客さんにとってはノイズになりやすいのです。

勇気を持って【転】は外して、【結】【承】【起】で話します。

【結】桃太郎は手下を従え、鬼をやっつけた
【承】村人は鬼ヶ島の島の鬼にいじめられていた
【起】桃から生まれた桃太郎が大きく育った

【結】桃太郎は手下を従えて、鬼をやっつけた、から開始して良いのです。

聴き手はウルトラマンだと思いましょう。
ウルトラマンは3分が経過するとカラータイマーが切れて地球をオサラバしなければなりません。聴き手の集中力は、長くても3分しか持ちません。まず結論から入れば、聴き手は聞いてみようかなという姿勢が出来上がり、最後まで集中して聴いてもらえます。

もしビジネスならば、結論・主張から話し、「なぜならば…」と話していくと、聞いてもらえます。

現代のビジネスパーソンは忙しいものです。子供だけではなく、ビジネスでも同じような考え方が必要になると考えます。

 

プレゼンの出来が冒頭15秒で決まる理由

 

プレゼンは、スタートで出来の善し悪しが決まります。

映画や小説は、クライマックスは最後のほうに来るものですが、プレゼンだけは違います。

特に、最初の15秒はゴールデンタイムです。

出だしの15秒は、聴衆が一番興味と関心を持って見ているところです。
ここでしっかりとお客さんのお気持ちをつかんでおく必要があります。
すべってしまったり、つまらないことを話してしまい、一度離れてしまったお客さんの気持ちは二度と取り戻しがききません。

特に危険なのは、「自己紹介」「時事ネタ」「自慢話」の『3J』(スリージェイ)です。

ビジネス・プレゼンの聴衆が興味があるのはテーマです。話し手にはほとんど興味がありません。だから、できるだけ早くテーマに入ることです。他のことは後からゆっくり説明すればいいのです。

この事のことに気がついたきっかけは、2つあります。

1つ目は、「広報会議」さんの連載で、50人以上の社長さんのプレゼンを取材してきて、気がつきました。

最初の15秒が素晴らしいと、プレゼンの結果は確実に良いのです。

2つ目は相撲です。

相撲は、「立ち会い」で勝負がつきます。

お相撲さんは、何度も水を飲んだり、タオルで汗を拭いたり、身体を叩いたりしながら、時間をかけて気合を高めていき、立ち会いに集中します。それほど、立ち会いとは大事なものなのです。

プレゼンも、話す内容を深く考え抜き、本番当日は集中力と気持ちを高めて冒頭15秒に臨みたいものですね。

 

ボタンダウンシャツでスーツを着てはいけない

 

これまで数多くのプレゼンを取材してきて、トップのファッションでとても気になっていることがあります。

それは、正式な場のプレゼンにもかかわらず、スーツにボタンダウンを合わせる方が多いことです。

ボタンダウンシャツはポロ競技に使われるようになって広まったシャツです。もともとはスポーツ用です。一般ではカジュアルな場面で着るものとされています。

ビジネスマンでもスーツにボタンダウンを着る方がいますが、スーツにネクタイでは合わせないのがルールです。こんなちぐはぐな格好をするくらいなら、スーツではなく会社のユニフォームの方が断然潔く見えると思います。ホンダの八郷社長が、たまに作業着でメディアの前に出られることがありますが、とても格好良く見えます。

(ボタンダウンではドゥエボットーニという襟の高いシャツがあり、これは正式な場でもOKとされています)

スーツに合わせるなら、ごく普通のYシャツを着ればまったく問題ありません。

正式なプレゼンをスーツで臨まれるとき、どんなシャツを着るか確認してみてください。

 

トッププレゼンは自分の強みで勝負

「ウチのトップには、あの会社の〇〇社長みたいに会社のことを力強くPRしてほしいのですが、あまり人前に出たがらないんですよね」

広報担当者さんからこんなご相談を受けることがあります。

確かに人には向き不向きがあります。しかし、会社のメッセージはトップが言うことで強い訴求力を発揮します。やはりどんどん人前に出て話してほしいものですよね。

先日、ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社の上島成介社長のプレゼンを取材してまいりました。

1933年創業のコーヒー専業老舗であるUCCは、UCCグループ会長・上島達司氏のもと、グループCEO兼社長を長男の豪太氏が、海外事業を統括するUCCインターナショナルを次男の昌佐郎社長が務めています。この日登壇した成介氏は三男。

実は私が当日会場に到着した時、入り口を間違えてしまいました。すると、成介社長が出てきて「入り口はあちらになります」といってご案内してくれました。また、私の背後に花壇があることに気がつき「あ、後ろが花壇になっています。お足元にお気をつけください」との気遣いもいただきました。

ちょっとしたことなのですが、会場でトップ自ら道案内する姿勢から、「すべてに責任を持つ」という創業家ならではの覚悟が感じられました。

成介社長はプレゼン前、緊張している様子が伝わってきました。しかし、舞台に出ると覚悟を決めたように集中。華やかに舞台慣れした姿ではなく、どちらかというと地味で内向的な姿でしたが、私をご案内していただいたような優しさと上品さに溢れて好感度の高いものでした。
プレゼン内容も、本格派コーヒーの老舗らしく、コーヒーの深い世界観を呼吸するように説明し、ご自身の強みを活かした「強みの土俵」で勝負する説得力の高いものでした。

トップになれば、人前に立つ立場も多いもの。そこでご自身のタイプや強みを活かしてプレゼンすれば、強い訴求力を発揮できるのです。

広報の皆さんにも、トップには理想とする「こうあるべき」というスタイルをお勧めするのではなく、トップのタイプを見極めてプレゼンを構成することを考えてみてはどうでしょうか。

詳しくは、「広報会議4月号」に記事が掲載されています。ご興味ありましたらご覧下さい。

 

聴き手との対話を深めるプレゼン

 

先日、ある記者さんから取材を受けました。

ストレートで本質的な質問をいくつもいただきました。
そうすると、こちらも考えるのですよね。
そしてまた新たな質問をいただき、対話が深まる面白さを感じました。

このような深い質問を受けると、私はその後も考え続けてしまいます。

「あの質問は本当はどういう意味だったのだろうか?
私の答えはあれでよかったのだろうか?」

考え続けていくと、気づきがあったり、新しいアイデアが生まれたりします。

立場を変えて自分が質問するとき、いつも質問の難しさを感じています。
対話が深まらず「つまらない質問をしちゃったなぁ」と反省することもよくあります。
聞くだけなのに難しいのですよね。

ですので良い質問を投げかけてくださる方の力量には敬服しています。

良い問いを投げかけると、相手は深く考える。
その答えにより、さらに新しい問いが生まれる。
そしてまたさらに深い答えが返ってくる。
この良い循環が生まれることが、対話の醍醐味ではないかと思えます。

これは一対一の対話ですが、この対話を不特定多数の方々と行うのが、プレゼンではないかと思います。
聴き手の方々は、黙って聞いているだけでも目や気で問いかけてきます。
それを感じるようになれれば、聴き手との深い対話が生まれてきます。

プレゼンで対話の深まりを感じられるようにしたいですね。

 

プレゼンでやってはいけない動作ワースト3

たくさんの講演やプレゼンを拝見してきましたが、8割以上の方々が悪気なく「やってはいけない動作」しておられます。ご自分で動画を見て、「え?」と驚く方も多いのです。

(1)手を後ろで組む
「休め」の姿勢のように後ろで手を組む姿勢です。
これは何か隠しているように見えてしまいます。
また、人によっては「偉そう」という印象にとられますのでご注意ください。

(2)腕組みする
胸の前で腕を組む姿勢です。
聴衆に対してブロックしているイメージに見られます。
質疑応答でされると、「怒っているのかな?」と心配になってしまいます。

(3)指で差して指名する
攻撃的なイメージで、「上から目線」になります。
慌てていると思わずやってしまう方が多い代表的な動作です。
政治家で意図的になさる方もいます。
手の平を上にして「どうぞ」と指名すると良いでしょう。

これらは全て手の動きですよね。手は、両脇にたらすか、表現したいときはベルトの位置より上で動かすことです。そして手は握るより広げている状態が「聴き手を受け入れているというオープンなイメージにつながります。

皆さん、「自分はやっていない」と思われていても「自分のことは分からない」ものです。一度、スマホで動画を撮られてみることをおすすめします。

プレゼンで分かりやすく話せない理由

 

「簡単なことをわざわざ難しく話してしまう」

という方が結構多くいらっしゃいます。

難しい話しをする方にはある傾向があります。プレゼンの後に質問をすると、その答えがさらに難しく、かえって分からなくなってしまうということが往々にしてあるのです。

「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男さんが、「『やさしく言えるから管理職』――できないのは自らが理解していないから」についてお話しされていたのがたいへん参考になります。

・・・・(以下引用)・・・・

・やさしく言えるから管理職です。聞く側(部下)が難しく感じるということは、理解できないということです。理解してもらわなければ、部下の方は会社が求めている行動が十分にできなくなってしまいます。

・人は理解していないことはやりたくないし、できないものです。部下を含めた社員がこれでは、組織はまとまりません。

・管理職の一番の仕事は、きちんと理解してもらえるように伝えることです。

・やさしく言えないというのは、管理職自らが理解していないということです。

・・・・(以上引用)・・・・

 

やさしく語ることは、相手の立場に立つということだと思います。

そのためには、まず自分ができる限り深く理解をして、そして、相手の立場に立って「もし自分が初めてこの話を聞くとしたら」という想像力を働かせなくてはなりません。プレゼンテーションは、自分が管理職でなくてもお客さんに理解して行動してもらうためのものですから、考え方としては管理職と同じです。

難しいことをやさしく説明するということは、内容を深く分かっていないとできないことです。子供向けの科学の本や辞典とか、初心者向けのビジネス書など、簡単に面白く書かれている良く出来たものの著者をみると、実は難しいところまで深く理解できている人が書いているのです。

やさしい言葉で語ること、つまり「自分が消化できている自分の言葉で語る」ことの大切さを感じています

風邪で大事なプレゼンを失敗しないために

 

風邪が流行っていますね。こうなると、マスクが手放せません。

そもそも大事なプレゼンで風邪を引くのは、とても困ります。
声も出ませんし、大勢集まっていただいた聴き手の皆さんに風邪をうつしてしまうのも、迷惑ですよね。

上手にマスクを使いこなして、風邪を防ぎたいものですね。

ただ最近のマスクはフィルター性能が高いものは多いのですが、使い方を間違うと、ウイルスをほとんどカットできていないのだそうです。その原因は、マスクと顔のすき間。 すき間があるとフィルター性能が発揮できないのです。

そこで、鼻、ほほ、あごの3点に隙間を出さずフィットさせる必要があります。ワイヤー付きなら、折り曲げてフィットさせたり、プリーツ式ならあごまでしっかりのばせば、すき間が減らせます。フィットさせることに気をつけるだけで、カット率は大幅に改善するそうです。

さらに手洗いやうがいも、風邪の感染防止に効果があります。

風邪を防止して、万全の体調でプレゼンに望みたいですね。

プレゼンで好印象を与えるコツ

「プレゼンで好印象を与えるコツは何ですか?」と聞かれることがあります。

実はそんなに難しいことではありません。

昔、仕事場に行くと、まず「元気ですか!?」と聞いてくる先生がいらっしゃいました。

私は、「風邪をひているわけでもなく、疲れているわけでもないのに、なぜ『元気か?』なんておたずねになるのだろう?」といつも思っていました。

しかし最近になって、先生が「元気ですか?」とおっしゃっていた意味が分かってきたのです。

よくアントニオ猪木さんが「ダァーッ!元気ですかー!?」とおっしゃっていましたよね。
国会で質問に立ったときもコレをなさったので、この方は相変わらず凄いなあと思いました。こういう方がいると、ポジティブな空気感になり、前向きな議論を展開しやすくなるような気がします。猪木さんは、体調を崩されていたそうですが、精一杯エネルギーを出されていましたので、病気がちにはとても見えませんでした。

元気とは「エネルギー量」なのです。

プレゼンで、どうしてもエネルギーが出ない方がいらっしゃいます。

人生いろいろ。仕事が上手くいかないこともあれば、プライベートで悩むこともあると思います。そういうときはエネルギー量が落ちて、マイナスの空気感が出てしまうことも多いものです。
それは周囲にも影響します。

「なんでこんな仕事をしなくてはならないんだろう」と思っている人が、暗い気持ちで人前に立てば、全体もネガティブな空気になって前向きになれませんね。

しかしリーダーともなれば、悩みがあっても、多少二日酔いでも、人の人生の時間をお預かりする立場。まずはたとえカラ元気であっても、自分のエネルギー量を増やして元気を出すことが、好印象につながり、組織も明るくなり、仕事も上手くいく秘訣ではないかと思います。

プレゼンは、笑顔で!

 

こんなご相談が多くいただきます。
「うちのトップ、笑顔がないので困ってます」

取材で感じるのは、フォトセッションや囲み取材で笑顔量不足の方が多いことです。どんな質問が来るかと身構えているのが伝わってきます。
メディア露出のときこそ、笑顔量5割増で訴求したいところです。囲み取材でも表情豊かに受け答えをすれば、記者とのコミュニケーションもスムーズになり、質疑内容も深まります。

メディアとのコミュケーションが上手なトップは、笑顔倍増で受け答えするので、やりとりが活発になり、その後の露出が増えることが多いものです。

今年取材した中では、特にKDDIの高橋誠社長が笑顔の使い方が上手でした。
常に微笑みを絶やさない表情です。基本の顔の作りが、いつも笑っているような顔をしているのです。
この顔は、何も話さなくても周囲が和みますので、とても得です。

ただ高橋社長は、笑った顔でも緩んだ感じになりません。囲みのとき、至近距離で高橋社長を見ていたのですが、高橋社長の目の奥はまったく笑っていないことに気がつきました。その目の奥底にある厳しさに、ある種の怖ささえ感じました。この厳しさや怖さが、敷居を外しながらも、程よい緊張感がある理由なのだと思いました。

水島新司のマンガ「ドカベン」で微笑三太郎という三塁手がいます。微笑は「笑ったような顔をしていて優しそうだが、実は気が強い」というギャップのあるキャラクターが際立っていました。高橋社長は、まさに経済界の微笑三太郎だと思います。

ぜひ頑張って笑顔を出してみることをお勧めします。

 

アイコンタクトをしないのは損

真剣な話し合いの場で、もしお相手の方が私たちの目を見て話さなかったり目をそらしたりすると、ちょっと不安になりますよね。
プレゼンの質疑応答でも、同じ事を感じることがよくあります。
質問者に対して目線をすぐにそらしてしまう人は、自信がない印象を与えてしまいます。これはちょっと損ですよね。

アイコンタクトができない方にお話しを伺うと、「相手の目を見るのが耐えられない」という方も少なくありません。
しかし厳しい言い方になりますが、目線を合わせないのは、相手に正対していないからです。
目を見ていることが難しいのであれば、大事なポイントだけでもアイコンタクトをとるべきです。

また、アイコンタクトの印象は、その場だけのものではありません。
「別れる直前の表情を見れば、その人がどういう人かわかる」と教えていただいたことがあります。人は別れ際にその人の人となりが一番表れます。

「あなたとのご縁に感謝しています」という心の余韻を慈しむ気持ちというのが必要なのです。

かけがえのない時間を割いてその場に来ていただいている相手をリスペクトし、正対してアイコンタクトをしたいものです。