トッププレゼンこそ、失敗を語れ

 

 

先週は、日本経済新聞主催の世界経営者会議に参加してまいりました。世界の名だたるトップのプレゼンを見ることが出来、また、世界の動向を肌で感じることができる貴重な経験となりました。

二日間、十数名のトップすべてのプレゼンを聞きました。
しかし、聴衆が集中して話しに耳を傾け、共感し、感動するような素晴らしいプレゼンには、ある一つの共通点があったのです。

それは、人から学ばなくては出来ないような難しいプレゼンのテクニックではありません。どんな人でも必ず出来ることです。

その共通点について、今回特に素晴らしかった、3名のプレゼンから学んでみることにしましょう。

 

女性トップで、ザ・モール・グループ会長、スパラック・アムプットさんは、薬剤師から小売りの知識がないままショッピングモールを立ち上げた、タイを代表するデパート経営者です

アムプットさんは、1981年に最初のショッピングモールを作りましたが、店が小さすぎ、品物も少なく、駐車場もなく、たった2年で閉鎖してしまいました。アムプットさんはこのとき、大失敗を受け入れ、諦めずに戦うことを決めます。そして、人々のニーズの基礎である「ハッピーになりたい」「家族・友人と良い時間を過ごしたい」「いつでも買い物ができる」という『勝利の方程式』にのっとった施設が必要と考えました。取引先に「どうか、私に2回目のチャンスをください」と言って、再びデパートを立ち上げ大成功したのです。

女性らしい上品さ、気高さ、自然ににじみ出てくる深い謙虚さが深い余韻を残し、話し終わった後、とりわけ大きな拍手に包まれていたのが印象的でした。

 

そしてもう一人、今注目のウエスタンデジタルCEO、スティーブ・ミリガンさんが、長い沈黙を破って登壇しました。

ミリガンさんは、2007年の結婚記念日にウエスタンデジタルのトップから突然、解雇を言い渡されました。それは、トップが自分の部下を最高責任者に引きあげるためです。奥様に、「結婚記念日なのに、こんな報告をしなくちゃならなくて…」と電話したときのエピソードを、コワモテのままユーモアを持って話す様子は、事前の印象とはまったく違った人柄が伝わってきました。

その後、家族のために職を探していたところ日立製作所の中西宏明会長から誘いを受けて、米HDD子会社へ再就職することができました。経営再建を果たした後、日立は子会社をウエスタンデジタルへ売却。ミリガンさんは、社長としてウエスタンデジタルに返り咲くことが出来たのです。

ミリガンさんは言います。

「私は子供の頃に父から、『夜、頭に枕をつけたとき、正しいことをしたと思えるようなことをしなさい』と教えられた。自分や家族、社員、そして世界にとって正しいかというフィルターをかけて意志決定する」

ミリガンさんの挫折体験を知ったからこそ、言葉が重量感を持ち、聞いていて胸が熱くなった瞬間でした。

 

3人目は、川淵三郎チェアマンです。

かつて日本のサッカーは、ワールドカップよりレベルが低いオリンピック予選を通らないほど実力がなく、挫折や困難の連続だったと言います。そこで川淵さんは「もうこうなったらコペルニクス的転回でプロ化するしかない」と声を挙げ、周囲の反対を乗り越えてJリーグを立ち上げたのです。

さらに川淵さんは、鹿島アントラーズ誕生のストーリーを話しました。アントラーズは「99.999%不可能」と川淵さんが言うところを「0.111%の可能性」にかけて、人口たった4万5千人の町に1万5千人入るスタジアムを建ててJリーグに参入し、日本を代表するサッカーチームとなったのです。

「上品な言葉で話すと自分らしさが出ないので、自分らしく話させてもらう」と冒頭に言い放ち、”川淵節”炸裂のプレゼンで、パッションが会場に熱伝導した素晴らしいプレゼンでした。

 

3人に共通する大事なポイントは一つです。

自らの「失敗」「挫折」というマイナスの部分を、格好つけず、大いに語ること。失敗から学んだことを伝えることです

多くの人は、失敗を語ることは「自分の評価を下げる」と考え、また、「恥をかきたくない」というプライドから、過去の成功体験、「ベストプラクティス」ばかりを語りたがります。

一日目のトリでユニクロの柳井さんが登壇しました。柳井さんのプレゼンも「口ベタなんで…」と言いながら、「自分の言葉」で、「自分の体験」からのみ語る説得力は、群を抜いて素晴らしいものでした。

その柳井さんは、

「ボクはたくさん失敗している。失敗しても諦めずに挑戦する」

と繰り返し語っていました。

失敗から得た学びを語ることで、聴き手は共感し、感動し、良き方向に行動を変えます。

これがプレゼンの神髄なのです。

今、世界は”失敗してもどんどん挑戦する”という流れになっています。不確実で、変化のスピードはますます加速度化するこの世界において、将来の方向性を決めることはとても難しいこと。スピード感を持って挑戦し、成功していくには「失敗」はつきものだということです。

失敗を恐れず、前に進む勇気をいただいた世界経営者会議でした。

 

 

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いつもの振る舞いが増幅されるトッププレゼン

企業発表会や会見で、トップが会社のスタッフや記者に対してリスペクトが不足しているのではと感じるふるまいを見かけることがあります。

「会社でもいつもこうなのでは?」と感じてしまう瞬間です。

誰でも人前のプレゼンでは緊張し、話すことに精一杯だったり、忙しくて疲れていることも多いもの。余裕がなくなり、つい相手に対するリスペクトにまで気が回らなかったりするものですよね。

そんな中、最近、素晴らしいリスペクトを感じたトッププレゼンがありました。
2017年9月19日、銀座マロニエ通り店で行われた、スターバックスコーヒージャパン社長、水口貴文さんのプレゼンです。

最も印象に残ったシーンがありました。

それは、水口さんご自身のプレゼン直後、次のプレゼンを緊張して待つデジタル戦略本部本部長の濱野努さんを気遣い、入れ替わる際に肩をポンと叩いて送り出すシーンでした。さらに濱野さんとの質疑応答では、自分が話し終わってもマイクをすぐ手渡せるよう、濱野さん側に準備して待っている姿も印象に残りました。この日、水口さんは常にニコニコと笑顔を絶やさず、ちょっとした動作も丁寧で、周りに対する配慮から優しい人柄が伝わってきました。

「人前に出たからやっている」というようなわざとらしさがなく、すべて自然なのです。

この会見を見て、思い出したことがあります。

私は、クラシックの演奏家出身です。音楽会の舞台に立つときに厳しく教えられたことがあります。

「舞台は怖い。ちょっとした動作が目立ってしまう。普段の姿が増幅されて見えてしまう。だから、足の先、指の先まで心を行き渡らせなさい」

いくら直前に「プレゼンの立ち居振る舞いのトレーニング」など行ったとしても、それは付け焼き刃でしかありません。舞台に立てば、聴き手には内面がすぐに伝わってしまいます。

これはトップに留まりません。外から見ればトップだけではなく、社員一人一人がその会社を代表しています。
どんな立場でも、プレゼンの舞台では、会社の代表なのです。
その自覚を持ち、想いを発信していただければ、とプレゼンを見る度に願っています。

今回、水口さんのプレゼンについては「広報会議 12月号」の『プレゼン力診断』に詳しく書きました。
もしご興味ある方はご覧ください。

 

 

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トッププレゼンでは、なぜ最上質スーツを着るだけではダメなのか?

 

「イヤ〜!スーツがヨレヨレ!」

広報関係の勉強会で、あるトップ・プレゼンの記事を紹介すると、写真を見て女性が悲鳴をあげました。

トッププレゼンのファッションで何より大事なのが清潔感です。しかし聴き手から自分がどのように見えているか、気にしない男性トップはとても多いのが実態。

最上質のスーツを着ていても、シワやヨレが目立ってしまっては、清潔感が感じられませんよね。

特に難しいのがパンツです。動いたり、座ったりするので、確かにシワがよりやすいからです。

 

今回は、その対策をお伝えしましょう。

プレゼンを見ていると、大半の方はパンツ丈が長すぎます。
長すぎると、プレゼンで舞台に立ったときにだぶつき、シワが目立ってしまうのです。

「丈を長めにしておけば足が長く見えるのでは?」と質問をいただいたことがありますが、実は逆。だぶついている方が短く見えます。特に小柄な方は、パンツの丈を長くしすぎると余分なたるみが増え、足が短く背も低く見えてしまいます

最近はパンツのラインが細いものが主流ですので、立ったときシワが出ないジャスト丈に調整すると格好よく見えます。
模範例は、ソニーの平井一夫さん。いつもおしゃれで完璧。ビジネス界のベスドレッサーです。

もう一つ気をつけたいのは靴です。長めの丈に甲高の靴をはくと、裾が上がりすぎて裾がだぶつきます。立ってプレゼンすることが多い方は、「立ったときにどう見えるか」を考えながら、靴もを選びたいものです

また、ライトグレーなど薄い色は、照明が当たったときにシワが目立ちやすくなります。ダークな色調のほうが多少のシワは目立たちません。もしプレゼン前に余裕があれば、控え室でアイロンをかけて出ると安心です。

もう一人トッププレゼンのベストドレッサーは、政治家の麻生太郎さんです。ゆったりサイズのスーツを着ていても、立ち姿のときはパンツにブレイクがありながらも無駄なたるみもなく、美しく着こなしています。実は麻生さんは、パンツの裾には重り(5円玉)を入れ込んで、その重みで裾を美しく落としこむように工夫しているそうですよ。

 

 

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説得力ある党首は、休符が違う

 

**** 本記事は、私個人の支持政党とは関係はありません****

先日の第48回衆議院選挙。
各党党首の演説で、話術にも注目していました。

まず安倍さん。
小池百合子さん率いる希望の党の勢いに押される厳しい状況からスタートしました。2014年の前回衆議院選のときの自信満々で気迫のこもった話し方とは一変、顔色も冴えず、言葉に力が感じられません。テレビ出演でも、無意識に手書きのパネルで顔半分を隠しながら話す場面もあり、自信のなさが表れていました。しかし後半戦に世論調査で自民優勢が伝えられるようになると、本来の落ち着きと自信を取り戻し、説得力のある演説をしていました。
しかし自信がついてくると、都合のよくない質問には、ついついヒステリックになり甲高い声になってしまうのは、安倍さんの悪い癖。今後、話術で相手に対するリスペクトの表現も課題ですね。

そして枝野さん。
この方は、自分がリーダーになるとイキイキする「パッション型」です。今回は自ら「立憲民主党」を立ち上げられ、よい面が出てきました。
枝野さんの良い点は、良く通る声です。選挙カーの上から話せば声は通りやすいのに、今回の枝野さんは道ばたに立ち、聴衆と同じ高さからの演説でも声が良く通っていました。よく通る声は、話に説得力を加える強力な武器です。選挙戦終盤で、他候補者が声が枯れてしまった中、枝野さんは身体全体を響かせて発声しているので、 最後まで声のクオリティを落とさずに選挙を乗り切りました。さらに間合いのリズム感も抜群。聴衆と呼吸を合わせながらタメを作り、次の言葉に重みを持たせていました。

枝野さんは、どこでこんな良い発声法やリズム感を身につけられたのでしょうか?
じつは、枝野さんは中学生の頃から合唱をやっていて、日本最難関と言われている「NHK合唱コンクール」に優勝するほどの筋金入り「合唱マン」なのです。道理で身体で身についた発声法をしているわけですね。

もう一人あげたいのは、共産党党首の志位さんです。
志位さんの良い点は、声が低く、声質に温かみがあること。実際の街頭演説を聴いたときは、低い声で、声を出していない間合いそのものに深い意味を持たせていて、思わず頷きながら聞き入ってしまいました。
多くの他の党首は、言葉の合間に「あー」とか「えー」とか「えーと」とか「そのう」といった余分な言葉が入りますが、志位さんは皆無。すっきりと聞きやすいのです。また、激しいことを言っていても、なぜか憎めない感じのするビジュアルも大変得をしていると思います。だてに長期間、党首をやってこられたわけではありませんね。
志位さんも実は、特技はピアノで奥様と連弾をするほどの腕前。本気で作曲家を目指していた時期もあったそうです。声質も良いバリトン歌手です。

人の心を引き付けるリーダーのプレゼンとは、「良い声」と「間合い」です。
「間合い」とは、音符で言うと「休符」です。
枝野さんも志位さんも、演奏から「休符」を学んだのではないでしょうか?

「でも私は音楽をやってないから無理…」と思われる方でも大丈夫です。
とにかく最初は慌てずゆっくりと話すことです。

そして役立つのが、当ブログではお約束の「悪代官スペシャル」です。本番前に「(息を吸う)フッフッフッフッ…(間合い)越後屋〜(間合い)おぬしも(小さい間合い)ワルよのう〜」とやってみてくださ い。腹が据わって、深い間合いがとれるようになりますよ。

 

 

 

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神戸製鋼問題で考える、情報が揃うのを待つか?すぐ記者会見するか?

 

神戸製鋼のデータ改ざん問題。いま日本中を揺るがしています。

もしあなたがトップの立場で、いまこの場で、データ改ざんの事実を知らされたとしたら、次のどちらを選ぶでしょうか?

【選択肢1】ほとんどわからない状態だけど、まずは手持ちの情報ですぐに記者会見を開く
【選択肢2】何もわからない状態で記者会見するのは不誠実だと思う。できるだけ情報を揃えた上で、記者会見を開く

神戸製鋼が選んだのは、選択肢2でした。

10月08日 データ改ざんが発表
10月13日 川崎博也会長兼社長が正式な会見の場に現れる

5日間が経過していました。この間に経済産業省の「ゆゆしき事態だ。神戸製鋼にはしっかり対応して欲しい」という会見もありました。さらに川崎会長が経済産業省に謝罪会見した後、翌日に正式に記者会見。また「鉄は問題ない」と言った翌日に、「鉄にも問題の可能性がある」と、言っていることが変わってしまうのもよくありません。

不祥事が起こった際に、何よりも優先すべきことはスピードです。選択肢1で行くべきなのです。

しかし何もわからない状態で記者会見するには、どうすればいいのでしょうか?

私が今まで見てきた中で特に印象に残っているのは、2007年12月14日に長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で発生した銃乱射事件のトップ会見です。

当時、午後10時にテレビをつけたところ、ルネサンスの斎藤社長が記者会見している映像が流れていました。

事件発生が、14日午後7時15分。
斎藤社長の記者会見開始が、同日午後9時30分。
事件発生から記者会見まで、わずか2時間15分での会見でした。

斎藤社長は、2時間15分で、想定できなかった事件を知らされ、そのとき分かっている事実を把握した上で、記者会見をマスコミ各社に通知し、ご自身の言葉で記者会見に臨まれたのです。

当時、ネットでも「この社長すごい」という書き込みが多く見られました。

斎藤社長はこの後責任をとって辞任されました。トップのリーダーシップのあるべき姿を見た思いがしました。

 

しかし多くの企業では、不祥事が起こると次のように考えています。

「何もわからない状態で会見をしても責められるだけだ。トップの面子もある。データが揃ってから、会見をセットしよう」

しかし最優先事項は「時間」です。

すべてのデータを揃えてから会見をセットしようとすると、広報担当者がどんなに不眠不休で頑張っても、数日後あるいは1週間後になります。

不祥事が起こった際に、何よりも不安なのはお客様です。その不安なお客様に応えるためには、何よりもスピードが大切です。遅くなればなるほど、不安は急拡大します。しかし時間をかけても得られる情報は実はそれほど多くありません。

一方でタイミングを失えば失うほど、市場の信頼が落ちてしまうのです。

では、どうするか?
トップが限られた情報の中で判断し、公開できることは隠さずに話し、不安な顧客に応えることです。そして、「現時点で入手可能な情報で、憶測は排除し、語るべきことは何か」を考え抜いた強いメッセージが必要です。

ルネサンスの斎藤社長は、言葉には出しませんが、覚悟ある態度から、

『私は逃げも隠れもしません。任命責任も含め、すべて自分の責任です』

という覚悟が強く伝わってきました。見事です。

トップの謝罪会見は、「事実」よりも、「誠実」かどうかの姿勢が求められます。そして最後に「トップとしてお客さんにどうしたいか」をポジティブに伝える場でもあるのです。そのために「トッププレゼン力」が必要なのです。

一方で川崎会長の会見を見ると、技術面で今すぐ出来る「トッププレゼン力」の改善点が4点あります。

(1)低く落ち着いた声でゆっくり話すこと

声が弱く、頼りなく感じられてしまいます。呼吸を整えて、ゆっくりと低い声で話すことです。会見直前に「悪代官スペシャル」を行うと、トップとしての覚悟と胆力が伝わります。

(2)水を飲んでおく

会見中、頻繁に舌を出して唇をなめていました。唇をなめると、落ち着きのない印象になります。原因は緊張して口が渇いているからです。会見直前にしっかりと水を飲んでおくことでほとんど解決します。

(3)髪を整える

髪の毛が乱れていました。余裕がないように見られます。お忙しかったのかもしれません。特に、前髪がたれて目線にかぶっていました。アイコンタクトは大事なコミュニケーションの武器になります。会見前、2分でも時間をとって、目にかぶらないよう前髪は後方にセットすると印象が良くなります。

(4)まばたき

まばたきが多く、後ろめたい印象を与えています。人は、緊張しているときや、おびえているとき、目が乾燥しているとき、まばたきの回数が増えるのです。逆に、深く集中しているときほどまばたきの回数は少なくなります。直前に、目が乾かないよう潤いを与えるような目薬をさしておくと、まばたきが軽減されるかと思います。

 

 

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たった2秒で誰でも出来るのに、出来ない人が多い「ボタン問題」

 

ある日のトッププレゼンを見に行ったときのことです。トップがスーツ上着のボタンを留めていないことに気がつきました。

「たかがボタン」と思いがちですが、これが出来ていないトップはとても多いのです。就活生が上着のボタンを全部留めているのを見かけて、「あらら」と思うこともよくありますが、ビジネス経験の長いトップでも、留め方を間違えている方、または「うっかりミス」をしている方は、結構多くいらっしゃいます。

立っているときは、2つボタンでも3つボタンでも、一番下ははずして着ます。一番下のボタンは飾りで、留めるものではないのです。

座るときは、全部はずして、上着の前を開けてください。スーツの型がくずれてしまうからです。
そして、面倒かもしれませんが、立つときはまたボタンをかけます。

立つときはかけて、座るときは開ける、これが基本。たった2秒で出来ることです。

ただ、ボタンに気をとられすぎて”まごまご”してしまうと、かえって良くありません。事前に「相手とのアイコンタクトを外さず、ボタンを留めたり、はずしたりできるように」練習をしておくと自信を持ってスマートに出来ると思います。

この「ボタン問題」について、先日テレビを見ていて「さすが!」と思ったことがあります。

ここ10日間、日本は衆議院選挙で大盛り上がりです。テレビをつければ国会議員の先生方のインタビューばかり。よく見ると国会議員の先生方は、突然メディアインタビューを受けるような場面でも、カメラの前に来ると、カメラ目線と同時に必ず脊髄反射で上着のボタンを留めているのです。数限りなく同じ動作を行ってきたことを感じさせる実にスムーズで自然な動きです。

プレゼンの舞台に立つときでも、ただプレゼンが上手であれば良いというものではありません。お客さんの前に出るからには、ある程度のマナーが必要ですし、見た目も大事です。

ちょっとしたことすが、マナーを守るだけでその人の格は上がるもの。皆さんもプレゼンのときに気をつけてみてくださいね。

 

 

 

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トッププレゼンは社員と社会に伝わる無言のメッセージ

 

ある有名外資系企業の新戦略発表会でのこと。

トップのプレゼンで、プロジェクターに映しだしている資料と、話している内容が、かみ合わない場面が長く続きました。それは明らかに資料の操作を行っているスタッフのミスでした。企業のトッププレゼンを見る機会も多いのですが、これほど初歩的な失敗はあまりお目にかかったことのないもの。

そのトップは失敗を不満に思ったのか、突如話すのを止め、壇上で腕組みし、立腹した表情を見せたのです。

ここはメディア関係者を招いている公式発表会。トップは会社を代表する立場として見られています。もし自分のミスでなくとも、怒りをスタッフに向けるくらいでしたら、自ら聴衆側に一言お詫びする方が良いと感じました。

しかし、実はもっと怖いことがあります。

メディアに出るということは、多くの自社社員も見ているということです。トップの心のあり方を社員は敏感に感じ取り、会社全体に広がります。一見、「トップ広報はメディアに向けたもの」と思われるかもしれませんが、社員にメッセージを伝える場でもあることを、ほとんどのトップは意識されていないようです。

その後、この外資系企業は、会見で発表した戦略が2年以上経過してもほとんど形になっておらず、苦戦しています。

一方、ある外資系メーカーのブランド戦略発表会でのことです。

トップは、自分のプレゼン後、会場の客席から部下二人が緊張した様子で行っているプレゼンを見つめていました。私はトップのすぐ後ろの席に座っていたのですが、微動だにせず真剣な表情で見守っているのです。そのまなざしは、「上司として厳しい評価の目」というよりは、「任せた」というような腹決めが感じられました。

そして、会見中最も印象的なシーンが訪れました。極度に緊張しながらも無事話し終わった部下に対して、そのトップは座席を立って自ら歩み寄り、メディアの前でがっちりと握手したのです。

「外資系だし欧米式の儀式だろう」と思われる方もいるかもしれません。しかし、この握手によってイベントの成功を印象づけ、部下へのねぎらいとチームが一枚岩になっていることを社会へ向けて強くアピールすることができたのです。

そして、更に大事なことは、トップの形だけではない「腹決め」が、何も言わなくとも態度から社員に、そしてメディアを通して市場に伝わっているということなのです。

この外資系メーカーは、現在も国内シェアトップの王道を走り続けています。

企業においてのトップとは、一般社員にとって「違う世界の人」であるのではないでしょうか?それが、トップの意図と反して「孤高のカリスマ」となってしまうケースも多いのです。国内最強とまで言われた企業のトップ退任のケースも記憶に新しいところですが、こうなってしまうとどんなに上手くいっている企業でも、その末路は遅かれ早かれ訪れることになるでしょう。

トップの腹決めは、トッププレゼンから無言のメッセージとして社員に伝わり、そして社会に伝わるのです。

 

 

 

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トップの言葉にインパクトが宿る、簡単な方法

 

「トップにプレゼンで『いつもと同じように話してください』と言っても、どうしても堅苦しい言葉で話すんです。インパクトがないんですよね。寝てしまう人も多くって…」

最近、広報の方からこんなご相談がありました。

真面目なトップの方は、「きちんと話さなくては」と思い込み、堅苦しい言葉を使ったプレゼンになりがちです。
また、「頭では分かっているんだけど、本番ではどうしてもよそ行きの言葉になってしまう」という方も多いもの。

アナウンサーがニュースを読むような、普段から使い慣れていないような言葉で話していても、気持ちは伝わりません。

しかし、どんな方でも簡単に、言葉に力を与えてインパクトあるプレゼンができるようになる方法があります。

ファミリーマート社長、澤田貴司さんのプレゼンを取材に行ったときのことです。
じつは、澤田さんは必ずしも上手ではありません。テンションが上がるとだんだん早口になり、言葉が滑って言い間違いも多かったのです。
しかし、今年上半期取材した中で一番の、インパクトあるプレゼンでした。

澤田さんの話し方は、大きな特徴があります。

 「のれんを『ドーンと』(腕を左右に大きく広げる)店の前に作りました」

 「商品開発して、いろんなものを商品展開に『ぶちこんでいく』」

 「『ガツン!』(間合い)と出ますんで(お相撲さんの押しのようにパーにした手を前に出す)」

 「『ガンガン!』(間合い)世の中に対していろんなものを発信していければいいなぁ」

 「面白いものを『ドンドン!』(間合い)仕掛けていきたい」

澤田さんは、「濁点言葉」を多用していたのです。濁点は言葉に迫力を加え、聞き手に強烈な印象を与えます。濁点言葉を言った後に、間合いと手振りを入れると更に効果が高まります。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『熱量の高さで人と市場を動かす ファミマ澤田社長のプレゼン分析』をご覧下さい)

澤田さんのように身振り手振りを加えれば最強ですが、普通に話していても、「濁点言葉」を盛り込めば、簡単に言葉にインパクトを与えることができるのです。

もし、伝えたい強い想いがあるのなら、プレゼンの中で濁点言葉を使ってみてはどうでしょうか。

 

 

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経営者が大変貌する瞬間を実感した、ファミマ・澤田社長のプレゼン

 

「新しいトップは元プログラマーでエンジニア出身です。そのためかすごく地味。うちは営業が強い会社なので、なんとか盛り上げて欲しいのですが…」

確かにエンジニアの方は自分の世界をきちんと持っている人が多いのですが、一方で感情を表に出さない人も少なくありません。もどかしい思いをする広報さんも多いかもしれませんね。

じつは最近、別人のように変わったトップのプレゼンを見て、度肝を抜かれました。

2017年6月5日、ファミリーマート(以下ファミマ)の新戦略記者発表会で、ファミマの社長に就任してちょうど1年の澤田貴司さんのプレゼンを見たときのことです。

どんなプレゼンをするのかとても興味がありました。
プレゼンが始まるや、澤田さんは戦闘能力全開。見た目は以前とは別人でした。

十数年前、ユニクロにご在籍中、澤田さん・柳井さん・玉塚さんが写っている写真があります。この時はメガネをかけてふっくらされていました。前職の経営支援サービス会社・リヴァンプ代表のときは、やや今の雰囲気に近づいてましたが、現在のように首の後ろまで日焼けしていませんし、こんなに筋肉質にシェイプアップされていません。今は目つきも鋭く、プレゼンも完全なパッション型。気合いが漲り、一部のスキも感じられないないほどです。また、ランニングシャツ一枚になって「ファミチキ先輩」というキャラクターに仮装している写真も公開する大サービスぶり。

「演じている」などと言う言葉が生やさしく感じられるほどの「本気」でした。

肉体的な変化はトライアスロンを始めたこともあると思います。しかしこれだけの気迫は、ファミマのトップに就任して世間から脚光を浴び、人生初の「事業会社トップ」という大舞台に立ったことが主な理由かもしれません。

そしてもう一つの理由は、コンビニ業界出身ではなかったということです。

澤田さんはファミマ社長就任当初、「コンビニ業界はど素人です」と言っていたのが強く印象に残っています。コンビニは、社員、店舗オーナー、店舗スタッフを抱えています。さらにファミマだけではなく、会社の風土が違うサークルKとサンクスも買収して仲間になります。巨大な連合体なのでです。

コンビニのプロではない澤田さんが会社を盛り上げるには、「兄貴肌で面倒見よく、積極的な資質を前面に押し出して、社員の目線に立つ」という自分の強みを極限まで活かすことだ、と腹を括ったのではないでしょうか。

この日、澤田さんのなりふり構わない姿を見て、ヒリつくような命懸けの仕事に取り組んでいる姿が心に強く残りました。
人は、人生において何かを成し遂げようと覚悟して進化する瞬間があるのだ、ということを目の当たりにした体験でした。

詳しくは、月刊『広報会議10月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

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プレゼンのピンチを救う「決めフォーム」

 

こんなご質問をいただきました。

「うちのトップ、人前に出ると緊張して普段とは全然変わってしまうんです。いつも通りに話してもらいたいのですが…」

夏の甲子園でも、アナウンサーが「ピンチのときこそ平常心ですね」と言いますよね。でも現実にはなかなか難しいものです。

誰しも、人前に出れば緊張やプレッシャーがあります。とくに責任感の強い人ほど「ちゃんと話さなくては」と硬くなり、緊張がとけないまま、あっという間にプレゼンが終わってしまうこともよくあります。これでは、大切なメッセージがお客さんに伝わりません。

そこで、極度の緊張の中に置かれながらも、リズムを取り戻し、自分のペースで話すためのコツがあります。
プレゼンで独自のリズムを作る方法です。私は「決めフォーム」と名付けています。

2017年5月25日に、カルビー会長・松本晃さんのプレゼンを取材したときのことです。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『カルビー松本晃会長のプレゼン分析「大胆な発言を裏打ちする緻密な戦略」』をご覧下さい)

壇上にあがった松本さんは、両手をブラリと下げて仁王立ちになり、話しながらゴルフするときのように何度も足踏みしてスタンスを探していました。「ビシッ」とベストのスタンスに決まると、リズムに乗ってよどみなく松本節が始まりました。これが松本さんの「決めフォーム」です。「もしかしたら、カラオケもこのスタイルで歌っていらっしゃるのでは」とさえ思わされました。

皆さんもカラオケで歌っているとき、マイクの持ち方とか、足の位置どりで「よし!ここだ!」と感じるところがあるかと思います。「このポジションだと上手くいく」というフォームです。

イチローがバッターボックスに立ってバットをグルグル回したり、振り子打法をしたりするのも、「型」が決まっているそうです。同じように、ゴルフも自分のスタンスを決めることで、上手く打つことができます。

これは、プレゼンもまったく同じです。

人によって決めフォームはそれぞれ違いますが、決めフォームで型を作ることで、プレゼンで自分のリズムを作り、成功に導きやすくなるのです。

真面目な人ほど「そんなポーズをとったら恥ずかしいのではないか」と思いがちです。しかし、プレゼンを失敗するほうがもっと恥ずかしいですよね。

ビジネスパーソンは結果が何よりも大事。円滑にプレゼンを進めるためなら、松本さんのように他人の目は気にせず実行すべきです。

あなた独自の「決めフォーム」を探してみてください。

 

 

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太陽グラントソントン税理士法人様で講演いたしました

2017年8月17日、太陽グラントソントン税理士法人様にて、「ビジネスリーダーは、プレゼン力を鍛えよう」というテーマで講演いたしました。今回で2回目の講演です。
約30名の方々が参加されました。

セミナー講師を務める方も多くいらっしゃるため、より実践に近い内容でお話ししました。

また、皆さまからご質問も数多くいただきました。一つご紹介いたします。

質問:「プレゼンのとき、お客さまを飽きさせないために、歩き回ったりしたほうが良いでしょうか?」

回答:「海外のCEOで、よく激しく歩き回りながら話す人がいます。しかし、あまり動き回ると、落ち着きなく見えますし、感情の浮き沈みが激しいように見えてしまいます。これはリーダーや経営者であれば、あまり良いことではありません。基本的に、話すときは一カ所にとどまり、できるだけ歩き回らない方が、落ち着いて堂々と見え、説得力が増します。話題が変化したりする場合のみ移動し、移動した先でまた正面を向いて下半身は動かさずに話しましょう。メインは、身振り手振り、表情で表現すると良いと思います」

 

皆さまからいただきましたご感想の一部を紹介いたします。

■人前に立って話すことがとても苦手でしたが、どうしてもそうしなければならない機会があるため、ゆっくり低い声で話して信頼を得られるようにしたいと思います。”話し始めの15秒のゴールデンタイム”という概念はとても目からウロコでした。

■クライアントの方とお話しする際、また将来的にプレゼンを行う際に役立つ。筋力という基礎力の不足や、自分自身を分かっていないことを認識できた。

■色々試してみたいことが満載でした。セミナー講師を引き受けるときに参考にしたい。

■これまで独自の研究をしてきましたが、自己流では気づけることに限りがありました。今回の研修によって自己流ではたどりつけないことを色々と学ぶことができました。早速、実際のプレゼンの場で活かしていきたいと思います。

■話すことが苦手で困っていましたが自分のタイプを知って伸ばせばよいと分かり、がんばりたいと思いました。

■セミナー講師をすることが多く、”話し方”で何を注目すればよいか、”滑舌”トレーニングを分かりやすく説明いただき大変参考になりました。

■前回とは異なる視点でのトレーニングもあり、今後のプレゼンに活かせたらと思います。

皆さま、熱心にお聴きくださいましてありがとうございました。

方言の訛りは、封印せずに、活かすべし

ある経営者から、こんなお悩みを伺いました。

「私、田舎出身で、方言の訛りがちょっと恥ずかしいんですよね。訛りをなくそうと思っているんですけどね」

このように、標準語で話さないといけないのではないかと思っているトップは少なくありません。

確かにビジネスでは相手に伝えることが大切なので、わかりやすい標準語で話すことは必要です。しかし訛りまでなくす必要はありません。むしろ訛りは、その人ならではの武器になるのです。

 

2017年5月25日、マンダリンオリエンタル東京で行われた、カルビーの「越境EC事業に関する記者会見」を取材で、松本晃 会長兼CEOのお話しを伺いました。

プレゼンと質疑応答でも、”松本節”本音トークが炸裂していました。

「中国でフルグラに勝てるライバル商品は一つもない」

「中国のECと言われても、IT音痴なのでよく分からない。でもアリババさんの話は、なんとなくワクワクする」

「他に興味がある会社もあるが、アリババと比較するとマイナーだ」

「ポテトチップスはかさばる。運んでたらキリない。ほとんど運賃」

松本会長は京都ご出身。言葉は標準語ですが、アクセントは京都弁です。大胆な発言も、はんなりとした京都弁がクッションになり、不思議とすんなり受け容れられてしまうのです。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『カルビー松本晃会長のプレゼン分析「大胆な発言を裏打ちする緻密な戦略」』をご覧下さい)

 

実は、「方言こそプレゼンの強み」なのです。

聞き手とのハードルを一気に下げて、緊張感を和らげ、暖かみを使えますし、その人ならではの人間性や人柄が伝わってくるからです。

しかしいくら方言がいいと言っても、方言のアクセントを出身者でない人が真似した途端に、バレてしまいます。つまり、方言こそ、出身者ならではの強みになるのです。

 

「奇跡のりんご」で有名な、青森県の木村秋則さんをご存じでしょうか?世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した方です。

この方のお話しを聞きに行ったことがあります。

「これならすっぱい(失敗)するごとなぐ、あんすん(安心)」

木村さんの暖かいお人柄が伝わってきて、会場が柔らかい空気感に包まれました。

方言を封印せず、自らの強みとして使うことで、更に良いプレゼンになるのです。

 

 

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蓮舫議員の「プレゼン力診断」

 

講演に参加された方から、こんなご質問をいただきました。

「民進党の蓮舫さんの話し方について質問です。話している内容よりも、話し方が気になっていました。声が高めなのか?ゆっくり強調すべき言葉を選び間違えているのか?どうもよくわかりません。」

つい先日の7月27日、蓮舫さんが記者会見を行い、民進党の代表を辞任するという発表があったばかり。そこで今回は、蓮舫さんのプレゼン力について考えてみたいと思います。

 

取調室のカツ丼話法

蓮舫さんはもともと細くて高い声でしたが、民進党代表選挙のとき、どんどん声が低くなっていきました。リーダーとして低い声が有効であることをきちんと分かっているからなのです。低い声でハッキリ言い切っているので、とても説得力があります。このアピール力もあって、民進党の代表になりました。

蓮舫さんはタレントでキャスター出身。いつも、その経験や技術を最高度に駆使して話しています。

例えば、「ゆっくり」と「早口」、また「低い声」と「高い声」を頻繁に出し入れして話すことで、相手に対する攻撃力が高まることをよく分かっていて話しているようです。
刑事ドラマの取調室の場面で、「お前がやったんだろう!吐け!」と甲高い声で攻撃する刑事と、「まぁまぁ。お前だって母親がいるんだろう?安心させなよ」という低い声でなだめる刑事が、絶妙なコンビネーションで犯人を追い込む場面があります。私はこれを「取調室のカツ丼話法」と名付けています。
取調室では、これを二人の刑事が行うのですが、蓮舫さんはそれを一人でできる技術を持っています。

また、蓮舫さんがタレント時代に、ビートたけしのバラエティ番組「スーパージョッキー」の「熱湯コマーシャル」に出ていたのは、今や黒歴史。しかし、「やると決めたら身体をはって何でもやる」という度胸はこの頃から座っていました。民進党代表になってからも、追及疑似体験ゲーム「VR蓮舫」にも自ら出演したとき、やはりここでも蓮舫さんのスタイル は貫かれていると確信しました。「自分が何を期待されているのか察知して、それを徹底して演じる能力が高い」のです。

つまり、「攻撃力の高い野党」の代表として、どう演じればいいのかきちんと理解し、それを忠実に行ってきました。

ただ、これらの技術やタレント性が、民進党代表という立場にあって、裏目に出てしまったのではないでしょうか?

 

プレゼンの技術性3つのパターン

プレゼンの技術性には3つのパターンがあります。

 

Aパターン:信念・志と技術がつりあう。聞き手は、「本音で話している。信用できる」と感じる

Bパターン:信念・志はあるが、技術が下回る。聞き手は、「不器用だけど嘘を言っていない」と感じる

Cパターン:信念・志を技術が上回る。聞き手は「なんだかウソくさいなあ」と感じる

 

蓮舫さんの場合、プレゼン技術があまりにも高くて、「Cパターン」になってしまったのです。

蓮舫さんの話し方は、アナウンサーの話し方がベースにあります。アナウンサーは事実を正確に伝えることが仕事。しかし、リーダーは志を伝え、聞き手やチームメンバーが良き方向に行動を変えること。大きな違いがあるのです。
蓮舫さんの話し方は上手いのですが、志や、わき上がるような情熱が今ひとつ感じられません。そこをありあまる技術でカバーした結果、徐々に「なんとなくウソくさいなぁ」という印象を与えてしまったのです。
また、辞任会見の質疑応答でも、質問者に対するリスペクトが足りない場面も見受けられました。ロジカルで冷たい印象を与えてしまいました。

 

発声法に課題も

もう一点、蓮舫さんはじつは発声方法に課題があります。

辞任会見でもそうでしたが、蓮舫さんの声は頻繁に声帯疲労を起こしています。これは、のどだけで「がなっている」発声のためです。声帯疲労を起こした声というのは、印象がよくありません。横隔膜を鍛えて、正しい発声法を獲得すると好感度も高まります。

また、蓮舫さんは母音の響きが浅く、狭く感じられます。発声するとき口の中が狭いからです。母音が狭いと、リーダーとしての深みや人望に欠けて聞こえてしまいます。母音を広くとり豊かな響きで話すと、トップとして器の大きさを感じさせることができます。

 

技術も大事ですが、その前に「志やビジョンがあるか」「わき上がるような情熱を持っているか」ということが、トッププレゼンでは何よりも問われます。

そして、一番大切なのは、「自分の強みの土俵で勝負すること」

プレゼン技術は、あくまでそれを補うもの。決してプレゼン技術が主役になってはいけないのです。

 

 

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ITmediaエグゼクティブ様で講演いたしました

2017年7月26日、ITmediaエグゼクティブ様にて、「ビジネスリーダーは、プレゼン力を鍛えよう」というテーマで講演いたしました。
50名の方々がお集まりくださいました。

皆さまからいただきましたご感想の一部をご紹介いたします。

■あらゆる話しをする場面で使いたいと思います。明日から活かせる内容で嬉しかったです。
■社内・社外に向けたプレゼン時の準備・心構えの参考になりました。
■大変ためになる内容。次回も同様の機会があればぜひ参加したい。
■大きなプレゼンテーションのみでなく、日常の会議での話し方、チームメンバーの前での話し方の参考にもなった。
■とても興味深かった。楽しかった。日々の仕事から離れて自分のスキルを見直すきっかけになった。
■チームで発声練習をしたいと思います。ゆっくり低音を目指します!もう少し長いセッションも聞いてみたいです。
■グループ企業内プレゼン、業界研修会の講師の際、役員会プレゼンなどに役立つ。意外に直接的テクニカルな内容で即効性がありそうです。
■二回目になりますが、再度お話しを伺うことでより身につく様に思われます。実践に活かしていきます。
■最高でした。すごく実践的で良かったです。ぜひ客先提案の機会があれば活かしたいです。
■週末に講演することになっているので、話し方を活用したいと思います。Tipsがあり良かったです。

皆さま、熱心にお聴きくださいましてありがとうございました。

プレゼン本番で集中力を発揮する方法

「プレゼン本番で、いつも集中できないんですよ。失敗することも多くて、もう、プレゼンが嫌いになってしまいそうです。何か良い方法はないでしょうか?」

というお悩みをよくいただきます。

「プレゼン本番で集中力を発揮したい」

これは、多くの人に共通する願いだと思います。

ではなぜ、集中できないのでしょうか?

人前で話すことは誰でも緊張します。緊張すると、普段より多く雑多なことを考えてしまいがちになります。本番間際に思いついても、それでプレゼンが良くなることはほとんどありません。むしろ、マイナスの結果に向かうことが多いのです。

そこで、本番直前は意図的に何も考えない時間を作ります。

私の場合は、少なくとも90分前には会場付近に到着し、静かなカフェやホテルのラウンジに入ります。ちょうどよいカフェがなければ会場の待合スペースでも良いと思います。もちろん、主催者側に楽屋を用意していただければベスト。何処もないときは、人気のないトイレの個室に入ったこともあります。

そこで30分、何も考えない時間を作るためです。

できるだけ周りの音を遮断するために耳栓をし、椅子に座り、静かに目をつぶります。最初のうちは、「これでもか、これでもか」というほど、いろいろなことが頭の中に浮かびますが、その一つ一つを、ピンセットでつまみ出すようにイメージします。

そうすると、頭の中が徐々に静まってきます。

このような状態になってから臨む本番は、頭の中がすっきりとクリアになり、集中できていることに気がつきます。

私自身、今日は講演本番があります。そう書いているそばから、心配ごとや、次々と雑多なことが思い浮かんできますが、90分前まで放っておくことにいたしましょう(笑)

 

 

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話しが上手いのに説得力がイマイチ、というトップを簡単に変える方法

 

「うちの社長、話は上手いんですけど、なぜか、説得力がないんですよね」

今までたくさんのプレゼンを見てきましたが、長い間記憶に残っているプレゼンと、すぐに忘れてしまうプレゼンには、一つの違いがあります。それは、説得力があるかどうか。つまり堂々として、聴衆とコミュニケーションできているかどうかの違いです。

どんな人でも、簡単に「堂々として見えて説得力の上がる方法」があります。

最近のトッププレゼンで強く印象に残ったのは、先週もご紹介した日本交通会長、Japan Taxi社長の川鍋一朗さんです。

川鍋さんは大きな手を、めいいっぱい広げながらプレゼンしていました。それは、まるでピアニストがダイナミックに鍵盤をつかむような手ぶりなのです。特にセンセーショナルな内容を話しているわけではありませんが、記憶に残り、堂々として見え、説得力がありました。そして、ただでさえ大きな手を広げて話すので、舞台上で華やかさも感じられました。

「たかが手振り」と思いがちですが、どんな人でも話しの内容に合わせた手振りを使うことで、堂々として見え、説得力が格段に上がります
特に、手を広げる動きはオープンな印象を与え、聴衆と深くコミュニケーションすることができます。

ただ、「内容に合わせて手振りをつけましょう」と言っても、話すことに精一杯で、実際は手振りの出来ない方が多いのです。
そこで、慣れない方が手振りをつけるためのコツをお伝えしましょう。

手をカチッと両脇に固めてしまうと、いざ動かそうと思っても動かすタイミングを逸してしまいます。手は最初から空中に上げ、出来るだけベルト位置より上に置いて、常に動かせる体勢にすることです。これで自由に手を動かせるようになります。

また動かし方にバリエーションをつけます。

川鍋さんは、手を「ぐわっ」とどんぶりをつかむような形にして、まるでピアノを弾くように動かしていました。こうすると、説得力が上がります。

また、両手をひろげて、ろくろを回すように前後に動かすと、パッションが感じられます。

インパクトが強いのはグーです。グーを出すと、力強いメッセージが伝わりますが、グーを頭より高い位置に掲げると、さらに強烈なイメージになります。ガッツポーズのように両手をあげれば最強です。

手振りをつけるともう一つ良い点があります。自分が話しやすくなるのです。カラオケで、手をリズムに合わせて動かしたり、身体をゆすったりすると、ノってきますよね。それと同じです。

最初は手振りをつけるのが恥ずかしいかもしれません。しかし、手振りをつけることで、だんだんと話しやすくなっていき、聴衆とのコミュニケーションもとれて話しに集中して聞いてもらえるようになります。

 

 

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言葉に魂を宿らせる方法

「ウチの社長、特訓の成果で、プレゼンではスラスラと上手に話せるようになりました。
でもなぜか、『心がこもって聞こえない』と言われるんですよね」

こんなご相談をいただくことがあります。

そもそもプレゼン最大の目的は、「プレゼンを聞いた人の心が動き、良き方向に行動を変えること」。
人は感情で動きます。いくら上手に話せるようになっても、不思議なもので、言葉に魂が宿っていないと、人の心は決して動きません。

皆様もご経験はないでしょうか?
「この人、いかにも話し慣れた感じなんだけど、どこか心がこもっていないなぁ」

トップが話す場合は、必ず動かしたい相手がいます。
言葉に魂を宿らせるためには、どうすればよいのでしょうか。

2017年5月11日、日本交通会長の川鍋一朗さんが「陣痛タクシープロジェクト・マタニティギフト発表会」でプレゼンを行ったときのことです。私はここまで心こめて話す経営者は、今まで見たことがありませんでした。

川鍋さんは、「実はやりたいことがある」と言い、宙を睨み、長い間沈黙したあと、覚悟したように正面を向いて話し始めました。

「陣痛タクシーを…無料化したい」
「内閣府に相談している…しかし、形にならない。…地団駄踏んでいます」
「国策として…全、妊婦さんに、広めたい。…各タクシー会社の強力が…必要です」

と、頻繁に大きな間合いを取りながら話します。ただ間合いを取るだけでは「間抜け」になってしまいますが、川鍋さんの場合は、心の中で思いがこみ上げて、形になるのを辛抱強く待ってから言葉に発していました。この間合いにより、言葉に重み生まれ、言葉に魂が宿って伝わってくるのです。

世の中の多くのトッププレゼンでは、このプロセスが省かれているのです。
一生懸命に覚えた内容を話したり、台本を読み上げるので、心が伝わってこないのです。
また、間合いによる静寂に耐えきれず、安易に言葉を発してしまったり、「あー」「えー」などの言葉を入れてしまい、せっかくの間合いを台無しにしてしまっています。

川鍋さんのような間合いは、耳には聞こえてきませんが、言葉を超えた無言の思いが強く伝わってきます。

間合いは、例えて言うならば相撲の立ち会いのようなもの。相撲の立ち会いは、黙っていても力士同士の気合いの高まりが感じられます。そして、力士はお互いの気合いが高まらなければ立つことはできません。だから、行司は気合いの高まりを見守るだけで「よーいドン!」などと言わなくても一番良いところで立てるのです。

これはプレゼンも同じです。

言葉に魂を宿らせる方法はたった一つ。言葉に魂が宿るまで言葉を発しないことです。
このような間合いは、話しのプロであるアナウンサーが取るリズミカルでスマートな間合いとは、全く違います。

トッププレゼンで必要な間合いは、経営者の魂を込めるためのものなのです。

 

詳しくは、月刊『広報会議8月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

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プレゼンでPDCAを簡単に回し、満足度を格段に上げる方法

「いつも通り上手く話せたはずなのに、アンケート結果でお客様満足度が低いんですよ。寝ている人もいました」

コンサルティングにいらしていたあるトップから、こんなご相談がありました。プレゼンは、いつも話している内容なので、もし満足度が低いとすれば何か別の理由があるはずです。動画を見てみると、意外なことが分かりました。

そこで、そのトップに簡単なコツをお伝えしたところ、1週間後の講演会では、お客様満足度は最高の評価になったのです。

さて、どんなことをしたのでしょうか?

講演の録画を見ると、まるで「お風呂場」で話しているような状態でした。声が響きすぎて何を話しているのか聞き取りにくいのです。

調べてみると、会場は多目的な音楽ホールでした。音楽ホールは、演奏が上手に聞こえるよう、残響を長めに設計しています。また音楽ホールに限らず、教会のような天井が高い会場も残響が長めです。

響きが長いホールでプレゼンをすることになった場合のコツは二つあります。

一つ目は、リハーサルをすること

早めに到着して実際に話してみることです。そして、できれば担当者の方に客席に座ってもらい、聞こえ方をチェックしてもらいましょう。自分で録画して確認する方法もありますが、客席に座って聞いてもらうのが確実です。

二つ目は、とにかくゆっくり話すこと

いつも通り話していると残響が声にかぶってしまい聞こえにくくなります。長めに間合いをとり、「これでもか」というくらいゆっくり話してください。ゆっくり話すためのコツは、「滑舌良くしなければ」と気にしすぎないことです。残響の長い環境で滑舌が良くても、ゆっくり話せなければ話しは聞こえません。

ただ、残響の多い音楽ホールは素晴らしい面もあります。お風呂で歌うと、いつもより上手に聞こえて気持ちいいですよね。音楽ホールも同じ。「どんな人でも良い声になり、上手に聞こえる」のです。ぜひゆっくり話して、音楽ホールの良い面を活かしてプレゼンしてみてください。いつもより評価があがります。

今回の改善点が分かったきっかけは、アンケート調査と録画でした。普通は、アンケートと録画をしないので、「何が悪いか分からない」ことが多く、PDCAを回すことが出来ませんアンケートと録画は、プレゼンの品質を維持するために必須なのです。

冒頭のトップ、最初はあまりプレゼンが上手ではありませんでしたが、この方法でPDCAを回すようになって徐々に上手くなりました。

プレゼンは、アンケート調査と録画という一手間をかけるだけで、お客様満足度は格段に上がっていくのです。

 

 

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プレゼンで、意味なく揺れる「女子揺れ」を撲滅する方法

プレゼンで、女性特有の注意点があります。

言葉のリズムに合わせて頭や体を細かく振ってしまう話し方です。

これは「女子揺れ」とも言われています。

・話しながら体がフラッと細かくゆれる
・ひざをピョコンとする
・髪の毛を触る・かき上げる

などの動作も見られます。95%の女性は無意識にやっていて、可愛らしい印象を与える場合もありますが、ビジネスのプレゼンでは落ち着き無く見えてしまいます。女性以外では、若手の男性に多く、年配男性でも人前で話すことに慣れていない方に多く見られます。

意外にこの話し方はプロの方でも多いのです。先日、ベテラン女性アナウンサーさんがコンサルティングを受けにいらしてくださり、「確かに多いです」と話していました。

また、この癖は他人に指摘されてもなかなか直りません。

昔、私も首をゆすりながら話す癖がありました。録画を見て初めて気がつき、ショックを受けてしまいました。首を揺するどころか、体の中心線もブレて、意味も無く胴体をクニャクニャしながら話しています。直そうとして無理矢理体を固定して話そうとすると、言葉の流れが悪くなり、上手く話せなくなります。

これは、特に緊張しているときに表れます。体や首でリズムをとって話すことで無意識に緊張を和らげているのです。

しかし、いくら「緊張を和らげているのですよ」ということでも、これでは自信がなさそうですし、落ち着き無く見えてしまいます。良いことを話していても、説得力がないのです。

しかし、ある二つのことをすれば、この癖は直り、説得力ある話し方に変えることができます。

一つ目は、横隔膜です。

横隔膜は呼吸をするための筋肉です。しっかりと横隔膜を使えるようになると体幹が安定し、体をクラクラ動かして話そうとしても出来なくなります。「意識していないのに揺れる」ということは、横隔膜がしっかりと使えていないということです。

横隔膜を使うコツは、下腹をしっかり張りながら、息をいつもより多めに吸って話すことです。

二つ目は、手の動きです。

手を広げ、前に出して話すことで、体がバランスをとることが出来て揺れがおさまります。手振りを使えば、堂々として見え、説得力も上がります。

プレゼンで95%の女性は自分自身が揺れていることに気がついていませんので、ぜひ注意してみてください。そして、男性の方は女性が揺れていることが気になっても、なかなか言いにくいと思います。その場合はこのブログを紹介してみると良いかもしれません。

 

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『Mr.パーフェクト』ソニー平井社長が、誰にも見せなかった姿

 

「社長が『あまり人前に出たくない』と言うんですよ。困っています」

広報担当の方から、こんなお悩みをよくうかがいます。

とても参考になったトッププレゼンがありました。

2017年3月31日、銀座・ソニービルで、50年間続いたソニービルを閉館するイベントがありました。ここでソニーCEOの平井一夫さんが登壇されました。

驚きました。なんと平井さん、テナーサックスを吹いたのです。しかも、サックスは初めて。会社の会議室で一ヶ月練習したそうです。

平井さんのプレゼンは、2012年トップ就任直後から数多く見てきました。どんなプレゼンスタイルも完璧にこなします。まさに『Mr.パーフェクト』なのです。しかし、初めてのテナーサックスを吹くとは…。「ここまでやるのか」と驚きました。平井さんは常に自らの殻を破り続けているのです。

でも、こう思われる方もおられるのではないでしょうか?

「それは平井さんだから出来るのでは?」

じつはサックスを吹いた後、控え室に戻るエレベーターを待つ平井さんを偶然見かけました。報道がだれもいない廊下で一人、「ふっ」ととても疲れた表情をされていました。今まで見たことがない平井さんの表情でした。人前で楽器を演奏するだけでも本当に緊張しますし、前の日眠れなくなる人もいるくらいです。しかも多忙な中、練習一ヶ月です。

そのとき、どんなことでも全力投球し、一生懸命に演奏して皆に幸せを届けようとする平井さんの気持ちが心に染み、初めて分かりました。

社員は、「社長にこうなってほしい」と思っています。プレゼンに臨む社長さんに、「これを付けて下さい」と素敵なポケットチーフを買ってあげる社員さんもいます。実は社長さんは、こんな社員の思いを知らないことも多いのです。

平井さんが違う点は、社員の思いを分かっている、ということです。
一方、多くのトップは、「社員のために自分は何ができるか」ということを、口には出さなくても常に考えています。気がついていないだけなのです。

冒頭の広報さんに、「このことを、ぜひ社長さんに伝えてみてください」と申し上げました。

トップでなくても同じことです。プレゼンで、皆さんも自分の役割を演じてみると、色々なことが変わってきます。

詳しくは、月刊『広報会議7月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 
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