意外と誰もやらない、プレゼン結果を知る最も効果的な方法

プレゼンの後、悩んでいる方がいました。

「今回のプレゼン、絶対良くなかったと思うんです。つまらなそうに聞いている人も多かったし…」

せっかく面白いことを話しているのにウケが悪いと、こう思いたくなってしまうものです。
でも、他人の心の中は、意外とわからないものです。

ある絵画教室で、同じ「赤い」リンゴを描いていたのを見た時に、1人1人まったく違う配色だったことがあります。
人によっては青みがかっていたり、茶色だったり、黄色っぽかったり…。
私が赤く見えているリンゴが、他人も赤く見えているとは限らないようです。
さらに、絵の具のクオリティや、描き手の技術・体調も影響しますので、実際に描かれるリンゴが果たしてその人の頭の中にあるリンゴと本当に同じかどうかも分かりません。どう見えているか科学的に証明する手段もありません。このように、実際に置いてあるリンゴでさえ、人によって見え方が違います。

教育学者の田端健人氏は、「心理学的に他人の内面を知ることは疑問の余地があり、安易に他人の内面を判断することは危険」と警鐘を鳴らしています。
臨床心理学者で心理カウンセラーのロジャーズも、「他人の内面を知ることを確信しているわけではなく、出来るだけ内面を知ろうとする努力目標程度のものでしかない」と言っています。
専門的なトレーニングを積んだ心理カウンセラーでも他人の心は分からないのです。

つまり、いくら考えても、それだけでは人がどのように考えているかはわからないのです。

ではどうするか? 簡単な方法があります。それはアンケートをとること。
「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、実際には多くの方々はプレゼンの際にアンケートをとっていません。
冒頭で悩んでいた方もアンケートをとっていませんでした。

アンケートをとれば、聴き手の反応が分かり、余計な心配ごとも減ります。足りなかったところは次回に活かすこともできるのです。
プレゼンを控えている方は、ぜひ今度はアンケートを取ってみて下さい。
必ず何か発見があるはずです。

人に教えれば、プレゼンは上手くなる

一生懸命プレゼンの練習をしている。
でも、なかなか上手くならない。
こんなお悩みを抱えている方は多いと思います。

短期間で圧倒的な成果を上げる方法があります。
人に「教える(説明する)」こと。

「人に教える」のは、教えるプロだけの仕事ではありません。
大人なら誰でも「経験」を持っています。
その経験を他人に教える機会があれば、学びが深まり成長が加速します。

私はコンサルタントという仕事上、人に教える行為をします。
でも一方的に教えているだけでは成果は上がりません。
特に自分の技術、能力、価値観を超える問題に直面したときがポイントです。
この状況を乗り越えるには、自分の経験を総動員しても不十分なことがあります。
こんな時は、「お客さんの経験」も総動員します。
お客さんの声に耳を傾け、なんとか新しい解決策を”ひねり出す”のです。
そしてこんな時は、無事しのいで「あ〜良かった」で終わってはいけません。
この結果から学びが得られれば、自分の専門性は大きく進化していきます。

「省察的実践」の概念を提唱した哲学者、ドナルド・A・ショーンはこう述べています。
「現場で実践する専門家の専門性とは、現場の実践のなかに存在する『知と省察』それ自体にある」

持っている「知」を総動員させて相手に説明し、「省察」で振り返って形(言語化)にする。そのプロセスを繰り返すことで、大人の成長は圧倒的な成果を上げることができます。

「自分なんかまだまだ力不足で恥ずかしい」
…なんて思わずに、自分の経験を活かして人に教えてみることです。

まずはプレゼンで困っている新入社員さんや同僚にアドバイスしたりすることから始めてみてはいかがでしょうか?

早口を改善する方法

「ワタシ、早口なんです。プレゼンで緊張しちゃうと、もっと早口になるんです。どうすればいいでしょう?」

こんなご質問をいただきました。

早口の方には共通点があります。まず頭の回転が速い。だから言葉が加速しやすくなります。
しかし早口だと言葉が不明瞭になって、さらに話しの展開が早過ぎるので、聴き手は話しについて行けなくなります。
良いことを話しても、早口で伝わらないのはとても残念ですよね。

そこで早口を改善するために、3つの方法をご紹介します。

(1)まず、しっかり息を吸いましょう
話す前に、まずしっかりと息を吸いましょう。
早口になるのは、文章のワンフレーズを話すための息が足りなくなってしまい、息が続いている途中で慌てて文章を終わらせてしまうからです。

これはプールで10メートル息継ぎ無しで泳ぐことを想像すればわかります。息が足りなければ急いで泳ぐ必要がありますよね。途中で息切れしたら続かなくなります。でも息が足りていれば、ゆっくり泳いでも大丈夫ですよね。

話し方も同じです。しっかり吸ってから話し始めれば、早口にする必要がなくなって、ゆっくり話しやすくなります。意識して大きく呼吸するようにしましょう。

(2)言葉を区切りましょう
早口になっているときは、間合いがなくなっています。間合いがとれないと、スピードはどんどん加速します。
こんなときは、言葉を区切って話します。ブレーキ効果で早口が改善します。

たとえば「先端技術」という言葉。普段言えていても、早口が加速すれば言えなくなります。そこで「先端、技術」、または「先、端、技術」というように短く区切りながら話します。区切ることでブレーキが利き、ゆっくり話せるようになります。

(3)録音して確認しましょう
ゆっくり話しているつもりでも、いつのまにか早口になっていることは多いものです。だから録音して確認してみましょう。今のスマホは録音機能がありますので、カンタンです。実際に会議やプレゼンを録音して自分の声を聞いてみると、想像以上に早口であることが分かります。客観的に早口を認識できれば、改善もしやすくなります。

早口は伝わり難いので損をしがちです。ぜひ落ち着いてゆっくり話す習慣をつけたいものですね。

「緊張で相手の目を見られません」というご相談

「緊張して、相手と目線をあわせられません。つい逸らしてしまう癖があります。どうすれば良いでしょうか」

こんな質問をいただきました。

一対一の対話に限らず、プレゼンでも聴き手と目線を合わせてコミュニケーションしていくことは大事なことです。

しかし一方で、目を逸らすことは一概に悪いこととは限りません。

「目力」という言葉があるように、人の目には力が宿っています。だから相手の目をジッと見るのは、実は疲れることなのです。

私は、目を逸らさずジッと凝視してくる人に圧を感じてしまって、とても疲れたことがあります。凝視せずに、適度に目を逸らしながら会話できるほうがお互い自然にふるまえますよね。これはプレゼンでも同じです。

問題は、目の逸らし方と頻度です。常に目線がキョロキョロしていると落ち着きが感じられずに、聴き手からの信頼が得られません。そこで、相手の目ではなく、少しずらした部分(相手の耳の横や鼻先など)を見て話して、大事な部分だけ目を合わせていくような工夫をすることで、話しやすくなり、相手も聞きやすくなります。

そんな緊張で目線を逸らす癖のある方にとって、本当はオンラインはとても楽なのです。
相手の力が宿っている目を見ずに、カメラのレンズを見て話せばいいわけで、意外に話しやすいものです。
実は緊張する人ほど、オンラインの方が力を発揮しやすいかもしれませんね。

聞き取りにくい苗字を、確実に伝える方法

初対面のとき、苗字を聞き取ってもらえないと困ることがありますよね。先日もこんな質問がありました。

『私の苗字は「可知(かち)」というんですが…。名乗ってもたいてい聞き取ってもらえません。「アチさんですね」とか「カジさん?」とか言われます。どうすれば正しく聞き取ってもらえるでしょうか』

この「苗字を聞き取ってもらえない問題」、2つの解決策があります。

①名乗るときに解説しながら自己紹介する

『可能性の「可」に、「知識」の知で、「可知」です。よく珍しい苗字だねと言われますが、「可能性ある知識」で覚えて下さい」

というように、説明を工夫すると覚えてもらえます。

② 区切って発音すると明瞭に聞き取ることができます

『か』は子音の『k』、『ち』は『ch』とイ母音が鳴りにくいため、『かち』は聞き取り難い組み合わせです。そこで、

『か・ち・です』

というように、『か』と『ち』に小さなアクセントをつけながら、区切って発音すれば確実に聞き取ってもらえます。

他にも苗字を聞き取ってもらえない方は、この2つを組み合わせながら自己紹介すると、確実に伝わるようになりますよ。

経営塾PRIMEの講師を務めてまいりました

昨日は、経営塾PRIME「100年企業戦略メンバーズ会員限定 勉強会」にて『明日から使える「心を動かす」トッププレゼンテーション』というテーマでお話してまいりました。

心を打つトップのプレゼンとは、心を動かす言葉や所作に加えて、個人の特性を生かしながらお話することがとても大事です。
この日は経営者限定の勉強会でしたので、ステークホルダーの心を動かし行動に向かわせるための実践的スキルについてお伝えいたしました。

人は聴き手に「良い行動をしてほしい」と考え思いを託して伝え、聴き手が心を動かされれば「なるほど,そうしよう!」と思い行動します。
いくらリーダーが上手に話しても、聴き手がスルーしていたら意味ないですよね。
聴き手の心を動かし良い行動に向かわせることが、リーダーの役目です。

そこで今回は、
①WHYから語り、人を動かす
②個性を活かして、共感を得る
③話術と態度
④トップの企業ブランディング
の4点について、「明日から使える」実用性の高い内容でお話してきました。

少人数限定でしたが、多くの方にお申し込みいただきましてありがとうございました。

ビジネスパーソンは、AKB指原さんの伝え方を学ぼう

「伝え方の技法」で重要なのは「再現性」です。
世の中には天性の伝える力で人を感動させる人がいますが、こんな人たちの伝え方は、私たちのような一般人には真似できません。でも、再現性があれば、誰でも学ぶことができますよね。

そこで今回は、少しの努力で誰でも真似ができる伝え方をご紹介します。

指原莉乃さんは、他にも可愛いくて歌のうまい子が大勢いるAKBの中で、何度も総選挙1位選ばれ、芸能界でもタモリ、秋元康、松本人志などの大御所に気に入られ、更に活躍の幅を広げています。そのような指原さんが抜きんでている理由は、聴き手の心を動かし、行動変容を促す「伝え方上手」のスキルにあります。

「伝え方上手」のスキルには、ポイントが3点あります。

【その1】なぜこの話しをするか「大義名分」が明確
【その2】聴き手が期待していて自分しか語れない言葉の見極め
【その3】自分らしく伝える

指原さんのAKB48第7回選抜総選挙 (2015)のスピーチを例に挙げて説明しましょう。→リンク

【その1】なぜこの話しをするか「大義名分」が明確

指原さんは、第7回AKB48総選挙の冒頭、『「自信がある、1位になりたい」と言っていたものの、昨晩一人になった時、もし1位じゃなかった時、ワイドショーにどうやって取り上げてもらおうとか、いろいろ考えた』と語っていました。女王として1位にならなければいけない大義名分が明確ですよね。

【その2】聴き手が期待していて自分しか語れない言葉の見極め

さらに指原さんが上手いのは、相手が期待していて、自分しか語れない言葉の見極めです。この総選挙では、それを「落ちこぼれ」という言葉で伝えました。

「私は落ちこぼれです。選ばれた人間ではありません。全国の落ちこぼれのみなさん、私の1位を、どうか自信に変えてください」

指原さんは、AKBの中で落ちこぼれでした。だからファンに「落ちこぼれの指原さんを育てて1位にしたのは、同じ落ちこぼれの自分たち」という自尊心を持たせるように語っています。指原さんはファンが何を期待しているかを見極めて、「落ちこぼれ」という言葉で語りかけ、ファンの心を動かしました。

【その3】自分らしく伝える

そしてこの二つとも、格好つけずに自分の弱さをさらけ出し
ながら、自分らしく語っています。

こうして見ると、指原さんの「伝え方上手」の3ポイントは完璧ですよね。

この指原さんの伝え方のスキルは、ビジネスでもとても参考になります。

次回のプレゼンは、ぜひ「伝え方上手」の3ポイントで考えてみてください。

 

 

 

最恐の「プレゼンで頭真っ白状態」。どうするか?

世の中で「プレゼンで頭真っ白」ほど怖いモノは、そうそうはないでしょう。

頭真っ白で固まってしまうと、次の言葉が出なくなります。そういうときにムリに話すと、話がアッチの方向へ行って二度と戻らず、止まらなくなることもあります。かく言う私も何度か経験しました。怖いですね。

たとえてみると、これは溺れている状態です。溺れているときにジタバタあがくと、ますます沈むだけ。プレゼンでは救命員が来てくれることもありません。

そこで、いざというときの対処法を覚えておけば安心です。
対処法は3ステップあります。

【ステップ1】まず、水を飲む

驚いたときに「ヒィッ!」と変な声が出てしまうことありませんか?「頭真っ白」はこれと同じ状態になっています。人は緊張すると喉頭が上がります。喉頭周辺の筋肉が硬くなり、声が上ずってくるのです。

そういう時は、まず水を「ごっくん」と飲みます。クスリやビールをゴクッと飲むのと同じ要領です。これで喉頭が下がり、声が楽に出るようになります。また水を飲んで息を吸えば少しは落ち着きます。

いざというときのために、プレゼンでは必ず水を用意しましょう。

【ステップ2】そして、2回呼吸する

頭真っ白状態になると、呼吸がしにくくなります。呼吸をつかさどる横隔膜という筋肉が固まってしまい動きにくくなるためです。

ですので、息を2回吸います。1回では足りません。まず1回軽く吸う。そしてもう1回しっかり吸うこと。これで横隔膜が反応し、呼吸がしやすくなります。呼吸が出来るようになれば、自分のリズムを取り戻しやすくなります。

【ステップ3】そして、メモを見る

ステップ1と2の対応で自分を取り戻せることが多いのですが、どうしてもダメな場合は最後の手段。メモを見ます。メモは浮き輪です。溺れている自分に浮き輪を投げてあげましょう。しかしメモと台本は違いますので、要注意。動揺している時に文字ギッシリの台本をみても、読むべき場所を見つけるのは困難を極めます。

そこで、予め内容を箇条書きにしたメモを用意します。箇条書きならば、読むべき場所をすぐに探し出せます。

メモを見て話すときは、できるだけ堂々と話しましょう。オドオドして話すと、聴き手が心配になります。いかにも最初から準備していたように、ゆっくりとメモを取り出して話すように心がけてください。

「V-Value」にインタビュー記事『経営者のためのプレゼンの極意』を掲載いただきました

ボルテックス様の広報誌「V-Value」にインタビュー記事『経営者のためのプレゼンの極意」を掲載いただきました。

緊張は相手の心を動かすことができることや、緊張しながらも自分らしくお話することの大切さを語っています。

経営塾 第9回『オンラインでも「伝わる」プレゼン技術』の講師を務めてまいりました

ボルテックス様主催『経営塾 第9回』にて、『オンラインでも「伝わる」プレゼン技術 心を動かすトッププレゼンテーション』というテーマでお話してまいりました。
300名以上の申し込みをいただきましてありがとうございました。

「オンラインでは伝わらない」と考えておられる方も多いかと思います。
しかし昨今はオンラインでのコミュニケーションがうまくいかないとビジネス自体が成り立たなくなってきているのが現状。
オンラインならではのお悩みに答えつつ、オンラインでも自分らしくお話して、最高のパフォーマンスを発揮する方法をお伝えしてきました。

オンラインプレゼンの成功は最初の1分で決まる

ある企業のオンライン会見の冒頭で、社長さんが事業報告を延々と15分間話していました。

「大企業との提携」というビッグニュースが発表されたのは会見の後半。「もったいない」と感じました。
もし冒頭に大型発表をすればニュースにも取り上げられやすくなり、訴求力が高くなるからです。

オンラインは最初が肝心です。
リアルだと退屈でも席を立たずに聞いていますが、オンラインだと「興味がない」と判断すれば簡単に離脱してしまいます。

興味を持って聞いてもらうには「美味しいネタ」から始めることです。

今週発行の「週刊東洋経済」の特集「デジタル仕事術」で、クロスリバーの越川慎司社長がこんな経験を紹介しておられます。

「300以上のウェビナーの支援をしてきた。…参加者の反応とウェビナー後の購買状況などをデータ分析した。すると、参加者は、約1時間のウェビナーのうち、最初の1分と最後の5分のパートの記憶率が高いことがわかった。それ以外のパートは聞き流していた」

このように実際のデータを見ても、「最初に美味しいネタ」がとても大事なことがわかります。

美味しいネタとは「顧客の聞きたいことで、話し手しか話せないこと」。
それを冒頭で1分以内で話すことです。

最後の5分は質疑応答。質疑応答では、聴き手は興味があることを聞いています。記憶率も高まりますよね。

でも最初の1分で聞いてもらえないと、なかなか最後まで聞いてもらえません。
まずは最初の1分で「美味しいネタ」からお話ししましょう。

 

 

完璧に人間そっくりな読み上げソフトが、緊張して話す人に敵わない理由

入力文字読み上げソフトVOICEPEAKが話題になっています。

このソフト、凄いです。
動画で実際に文章を読み上げている様子をご覧になれますので、ぜひご覧下さい。
完全に人間の声にしか聞こえない上に、感情(楽しさ、幸せ、怒り、悲しみ)の度合いもコントロールできます。
今後、ユーチューバーなど、様々な可能性を期待できる技術ですね。
「情報を読み上げするだけのプレゼンテーションなら、このVOICEPEAKの方が聞きやすい」とさえ思えました。

では、プレゼンは音声読み上げソフトに任せればいいのでしょうか?
実際に動画で、全く読み間違えない完璧な声を聞いて感じたのは、読み上げソフトでは心が動かないことです。
これはなぜでしょうか?

人は何かを伝えようとするとき、「聴き手に行動や考え方、気持ちを、良い方向に変えてほしい」と考えて、言葉や身振りにその思いを託して伝えます。そして本気で伝えようとすればするほど、緊張します。

これは告白と同じです。
ドキドキして緊張しながら「つ…付き合ってください!!」と言われたら「強い想い」が伝わりますよね。
緊張は、人の心を揺さぶり、行動を変えることができるのです。
緊張するのは、人並みはずれた強い想いを持っているからです。緊張するのは当たり前。相手に想いを伝えるためには、緊張していなければいけないのです。

でもこの読み上げソフトで、このような文字を読み上げるとどうでしょうか?
「私はあなたとお付き合いしたいと思っています。付き合っていただけますか?」
伝えたい内容自体は間違いなくスムーズに伝わりますが、「強い想い」は全く伝わりませんよね。
機械(コンピューター)は、目的を持って思いを託すということがありません。だから緊張しないのです。聴き手の心が動きません。

人間が何かを伝えようとするときの緊張こそが、人の心を揺さぶる大きな武器となるのです。

これから新入社員さんが入社してきて会社で話す機会も増えてくる時期。就活でも、面接対策が必要な時期でもあります。

皆さんは、しっかりと緊張して伝えていますか。

 

 

プレゼンの決め手は「決め台詞」…羽生選手の場合

フィギュアスケートの羽生結弦選手、北京五輪で4位入賞。
不調の中で素晴らしいですね。

羽生選手の会見は、ビジネスのプレゼンテーションでもとても参考になります。
羽生選手が、独自の”決め台詞”を持つからです。
今回、フリープログラムで4回転アクセルに挑んだ理由を決め台詞で語っていました。

『僕の中に9歳の自分がいて、アイツが「飛べッ!」てずっと言ってたんですよ』

まるで氷上の哲学者ですね。
羽生選手は、常に考え続けています。だからこんな言葉がほとばしる。
メディアにとっても、羽生選手の決め台詞は「使える」のです。翌朝の新聞の見出しにそのまま使えば、強い訴求力を発揮できる。だからこそ取材の対象になりやすいのです。

この方法、ビジネスプレゼンでも使えます。
多くの方は、プレゼンギリギリまで資料作りに奔走しています。そしてプレゼン本番の『決め台詞』を考えていません。

そこでぜひやってみていただきたいことがあります。
次回のプレゼンでは、資料作りの半分程度の労力で構いませんので、ぜひ『決め台詞」を考えてみていただきたいのです。
もし何らかの『決め台詞』を既に持っている方は、それを磨いてみましょう。

決め台詞を繰り返すことで、聞いた人は他の人にも言いたくなります。
そのうち、「〇〇と言えばこの人」となるとしめたもの。聴き手に記憶されます。そしてビジネスに結びつくかもしれません。

 

羽生選手のプレゼン力については、前回のオリンピック直後にも、『週刊朝日』のインタビューをいただきました。もしよろしければご覧下さい。
「羽生結弦はスピルバーグを超える? 引退後のシナリオ…」

 

「緊張しても話せる面接対策セミナー」でお話させていただきました

2月9日(水)マスナビ様主催の「緊張しても話せる面接対策セミナー」でお話させていただきました。

今回は170名の皆様方にご参加いただきました。積極的にご発表いただきまして本当にありがとうございます。

下記はいただいたご感想の一部です。

「本日は貴重な機会を提供してくださり、誠にありがとうございました。私自身、人前、特に初対面の人と話すことが非常に苦手で、いつも冷や汗をかいているような状況です。また、オンラインでも同様で、とても悩んでおりました。しかし今回の永井様のお話を聞いて、『緊張=悪いこと』ではなく、『緊張=自分の能力以上のパフォーマンスを発揮しようとしているから問題ない!』というマインドにすることが重要だと感じました。まずはこのような心構えで日々のミーティングやプレゼンに臨むことから始めてみようと思います。本日は誠にありがとうございました。」

「”今まで様々な内容のセミナーを受けましたが、今回のセミナーが1番面白く、ためになりました。私は、グループディスカッションや面接で緊張し、手や声が震えてしまうことが多くあり今後の就職活動が心配でした。しかし、今回のセミナーでお話しいただいた、対策方法や気持ちの持ち方などを実践したら、うまくいく気がしました。録画で自分を客観視するという点はすぐにでもトライしてみたいと思います。先生自身のお話の仕方がとても丁寧で聞きやすいセミナーでした。本日は貴重なお話をありがとうございました。”」

「私は声が低いことがコンプレックスでしたが、相手に安心感や『しっかりしている』という印象を与えることができることを知り、自信を持つことができました。また、永井先生ご自身も終始落ち着いたペースで区切りをつけて話されており、1時間お手本を聴くことができたという面でも良かったです。有難うございました。」

「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました。”緊張しないようにする”ではなく、”緊張を生かす”という考え方、非常に勉強になりました。教えて頂いたトレーニングは、面接前のルーティーンとして実践していこうと思います!」

ご質問もたくさん頂戴しております。機会を見まして本コラムでも回答していきたく思います。

皆様の面接が上手くいきますよう、心から応援しております。

オンラインで聞き取れない質問は、聞き直す方が良い理由

オンラインの商談、会議、面接が当たり前の時代になりました。
オンラインで困るのが、Wi-Fiの調子が悪かったりして、質問がうまく聞き取れないこと。
特に相手が目上の人だったり大事なお客様の場合、「聞き直すのは失礼かな」と思いがちです。

そうして質問を聞き取れないまま、前後の流れで推測して、中途半端な答えをしてしまったりします。
これは最悪、「いい加減な人だ」という印象を与えかねません。
オンラインの場合、相手は、こちらがどのように聞こえているか状況を把握できないからです。

相手によっては気を遣ってしまいなかなか聞き直せないものですが、聞き取れない場合は必ず「もう一度お願いできますか?」と聞き直してください。
もう一度言ってもらっても、聞き取れない場合もあります。そのようなときは、「〜〜とおっしゃった後の部分が、分かりません」と具体的に聞いたり、「今のご質問は〜〜という理解でよろしいでしょうか」と確認すると、間違いを避けることができます。

聞き直すことで、実は良いこともあります。
相手は「聞き取れない」と言われると、たいていは恐縮します。これで自分のリズムを作ることもでき、一瞬で楽になります

聞き取れない場合は、勇気を持って聞き直してください。

 

 

謝罪会見後に株価が上がる会見、下がる会見

ここ数年、増える一方の不祥事会見。
メディアから厳しい批判にさらされながら深々と頭を下げている経営者を見ると、いつも胸が痛みます。
決して他人事ではないからです。メディアの前に立つ可能性は低いものの、一般人でも、社内やコミュニティでいきなり同じ立場に立たされる可能性は少なくありません。そして、こんな場面は、ある日突然やって来ます。

世の中の謝罪会見を見ていると、会見後に鎮火する会見と、さらに炎上してしまう会見があることに気がつきます。どこが違うのでしょうか。

ハーバード・ビジネススクール教授・ビル・ジョージらの著書「オーセンティック・リーダーシップ」で、“効果的な謝罪”と“逆効果を招いてしまう謝罪”の違いが最近の研究で明らかになっていると述べられています。

トップが笑みを浮かべて謝罪した企業は、株価の下落が判明しました。謝罪に誠意がないとみなされたからです。
逆に、悲しそうな表情のトップが謝罪した後、株価は上昇していることが明らかになりました。
悲しそうな表情で行った謝罪は、投資家に「この人は誠実だ」と感じさせて、信頼を獲得することができるのです。

また謝罪会見で業績悪化を外部要因のせいにする企業は、自社の力不足を認める企業より2倍多く、それらの企業の財務状況はその後も引き続き悪化していました。逆に、自らの責任を認めた企業の収益状況は上昇に転じているのです。

これらを理解すると、効果的な謝罪には2つのポイントがあることがわかります。

・まず、自分の非を認める。
・そして心から謝罪の意を示す。

孔子は『論語』の中で、「過ちて改めざる。 これを過ちという」と言っています。
誰でも間違いはあります。間違う事が悪いのではありません。間違いを反省せずに改めない事が、間違いなのです。

人間ですから道から外れるのは仕方ありません。
間違いから反省して正しい道に戻ってくること。
そして大切なことは、単に反省して戻ってくるのではなく、改め、成長する、ということなのです。

 

リーダーの弱みが、組織を強くする

ある大企業の女性広報部長さんがこうおっしゃっていました。

「社長から責任ある役職を打診されたんだけど、自信がないんですよね」

普通は喜んで受けるような大抜擢のポジションです。しかしその方は「自分にはムリ。断ろうかな」と悩んでおられました。

これはとてももったいないことです。
実は、自分の弱さを認識した上で、そのことを隠そうとしない人のほうが、最強のチームを創れる可能性が高いのです。

100円ショップのダイソーを成功させた創業者の矢野博丈さんも、人前で自分の弱さを隠さない方です。

出演したテレビ番組で、苦難の創業秘話を語ると人目をはばからず泣き、イベントや商談には、頭に巨大ナイフを刺した被り物をして「申し訳ない、こんな格好で社長です」と皆を笑わせながら登場します。

また、雑誌のインタビューでも、虚勢を張らずに弱い自分をさらけ出しています。

「ワシは運が良かっただけ。先見の明とかそんな話じゃありません。運の悪い企業は油断するとすぐに倒産しかねません。改めて考えると、ダイソーも本当に大大夫なんでしょうか。こんなにいろんな歯車がうまく噛み合うということは、逆にそろそろ噛み合わなくなる可能性もあるわけで…。お話ししている間に怖くなってきました」(日経ビジネス2017.12.11)

『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』の著者、ダニエル・コイルは、「リーダーが自分の弱さを認め、チームで弱さを共有することが強い協力関係をつくり上げる」と述べています。

一般的に、リーダーは弱さを隠そうとして、強い自分をアピールしがちです。しかし、このような虚勢を張るリーダーの姿を見た部下は、自分も弱さを隠すようになります。こうして組織の中で信頼関係が生まれにくくなってしまいます。むしろリーダーが弱さを隠さないことで、相手との間に「弱さのループ」が生まれ、チーム全体が信頼関係が生まれて、協力しあうような組織になっていくのです。

もちろんいつも弱音ばかりを吐くのは論外です。
しかしリーダーに抜擢されたのは、上司が「この人は任せれば力を発揮する」と潜在力を見極めたからです。

真面目に仕事に取り組みつつ、自身の弱みを隠さないリーダーが率いるチームが、強いチームに育つのです。

 

『2023 広告界就職ガイド』に「緊張しても話せる面接対策」特集記事掲載

『2023 広告界就職ガイド』(宣伝会議)に、6ページの「緊張しても話せる面接対策」特集記事掲載いただきました。

口ベタで話せない、頭が真っ白になってしまう、重役が出てきてビビってしまった…。そうやって自分自身を伝えきれずに泣いてしまう学生さんもいます。
そんな学生さん方に、緊張を操って、悔いなく自分を伝えられるテクニックを伝える内容になっています。

学生さんだけではなく、通常の面接にも応用できますので、ご興味ございましたらぜひご覧下さい。

 

失敗体験を語れる組織文化は、成長する組織文化

今、組織行動学者エドモンドソンが提唱した「心理的安全性」が注目されています。

エドモンドソンは「『心理的安全性』の高い組織は不正が起こりにくく、成長や進化をもたらす」と述べた上で、心理的安全性の高い組織を作るためのポイントとして、リーダーが「格好つけずに正直に話し、失敗を恐れないこと」を挙げています。

しかし失敗は恥ずかしいですし、隠したくなるものです。誰にとっても失敗を語るのは、気持ちの良いものではありません。そして失敗をネガティブに捉えると、間違いは報告されず、不正隠蔽が起こりやすくなります。

『失敗の科学』の著者、マシュー・サイドによれば、人は失敗について2つのタイプがいると言います。

・「固定型マインドセット」の人…失敗をネガティブに捉えてスルーします
・「成長型マインドセット」の人…失敗をポジティブに捉えて強い興味を示します

ある2人の心理学者が「フォーチュン1000」にランクインした7社の社員を対象に広範なアンケートを行い、各企業のマインドセットを調査したところ、大成功を収めた企業は「成長型マインドセット」の組織文化を持っていることが分かりました。

「固定型マインドセット」の企業は失敗を恐れ、ミスが報告されにくい一方、「成長型マインドセット」の企業では、誠実で協力的な組織文化が浸透していて、ミスに対する反応もはるかに前向きだったのです。

そして組織文化に最も大きな影響力があるのは、リーダーの本気の行動です。社員はリーダーの一挙手一投足をしっかり見ています。

そこで必要なことが、まずはリーダーが率先して派手な失敗談を語ること。これが失敗から学ぶ「成長型マインドセット」の企業文化へ徐々に変革するきっかけとなることです。

この際に大事なことは、失敗を認めること。認めるだけではなく失敗から学んだ経験を語ることです。

これから4月の新年度にかけて、皆さんの前でお話することも増えてくると思います。
つい自分の成功談を話したくなるものですが、多くの社員は、上司の自慢話には本音では飽き飽きしています。しかし失敗談は興味を持って聞くものです。

この機会に「失敗体験の棚卸し」をしてみるのもいいかもしれませんね。

 

商談で相手が真剣に話しを聞くために

伝え方が上手い人には1つの共通点があります。

それは「聴き手が期待していて、自分しか語れないこと」を話すこと。

どんなに話し方の技術を高めても、自分が話したいことだけを話していたり、他の誰でも語れる内容を話していれば、相手は聞き流してしまいます。しかしたとえ話し下手であっても、聴き手が期待する自分しか語れないことを話せば、聴き手は真剣に話を聞いてくれます。

そのためには、まず相手を知ること

「そんなこと言っても、相手がどんなことに関心があるのか分からない…」と思われるかもしれません。でもネットやSNSで検索してプロフィールを読み込めば、その人がどんな人で、何に興味がありそうか、おおよその見当がつきます。

またB2Bでは、相手の勤務先の企業サイトたメディア情報を読み込んでおくのも一つの方法です。

伝え方が上手な人は、まず会う前に相手に興味を持って調べています。
とくにカリスマ営業と言われるような人は、商談前に会う相手のことを徹底的に調べ尽くします。
その上で、相手が興味があり、かつ自分だけが伝えられることを話します。だから相手は真剣に話を聞き、結果としてビジネスが成功するのです。

ただこのような準備も、あくまでも「仮説」に過ぎません。
当日は相手の話をよく聞いた上で、予め考えた「仮説」を検証し、もし違ったら別に用意していた二の矢・三の矢の仮説を繰り出しながら話せば、さらに成功する可能性が高まります

話が伝わらないのは必ずしも話し方の技術の問題だけではなく、事前準備にも原因があるのです。