トップの言葉にインパクトが宿る、簡単な方法

 

「トップにプレゼンで『いつもと同じように話してください』と言っても、どうしても堅苦しい言葉で話すんです。インパクトがないんですよね。寝てしまう人も多くって…」

最近、広報の方からこんなご相談がありました。

真面目なトップの方は、「きちんと話さなくては」と思い込み、堅苦しい言葉を使ったプレゼンになりがちです。
また、「頭では分かっているんだけど、本番ではどうしてもよそ行きの言葉になってしまう」という方も多いもの。

アナウンサーがニュースを読むような、普段から使い慣れていないような言葉で話していても、気持ちは伝わりません。

しかし、どんな方でも簡単に、言葉に力を与えてインパクトあるプレゼンができるようになる方法があります。

ファミリーマート社長、澤田貴司さんのプレゼンを取材に行ったときのことです。
じつは、澤田さんは必ずしも上手ではありません。テンションが上がるとだんだん早口になり、言葉が滑って言い間違いも多かったのです。
しかし、今年上半期取材した中で一番の、インパクトあるプレゼンでした。

澤田さんの話し方は、大きな特徴があります。

 「のれんを『ドーンと』(腕を左右に大きく広げる)店の前に作りました」

 「商品開発して、いろんなものを商品展開に『ぶちこんでいく』」

 「『ガツン!』(間合い)と出ますんで(お相撲さんの押しのようにパーにした手を前に出す)」

 「『ガンガン!』(間合い)世の中に対していろんなものを発信していければいいなぁ」

 「面白いものを『ドンドン!』(間合い)仕掛けていきたい」

澤田さんは、「濁点言葉」を多用していたのです。濁点は言葉に迫力を加え、聞き手に強烈な印象を与えます。濁点言葉を言った後に、間合いと手振りを入れると更に効果が高まります。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『熱量の高さで人と市場を動かす ファミマ澤田社長のプレゼン分析』をご覧下さい)

澤田さんのように身振り手振りを加えれば最強ですが、普通に話していても、「濁点言葉」を盛り込めば、簡単に言葉にインパクトを与えることができるのです。

もし、伝えたい強い想いがあるのなら、プレゼンの中で濁点言葉を使ってみてはどうでしょうか。

 

 

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経営者が大変貌する瞬間を実感した、ファミマ・澤田社長のプレゼン

 

「新しいトップは元プログラマーでエンジニア出身です。そのためかすごく地味。うちは営業が強い会社なので、なんとか盛り上げて欲しいのですが…」

確かにエンジニアの方は自分の世界をきちんと持っている人が多いのですが、一方で感情を表に出さない人も少なくありません。もどかしい思いをする広報さんも多いかもしれませんね。

じつは最近、別人のように変わったトップのプレゼンを見て、度肝を抜かれました。

2017年6月5日、ファミリーマート(以下ファミマ)の新戦略記者発表会で、ファミマの社長に就任してちょうど1年の澤田貴司さんのプレゼンを見たときのことです。

どんなプレゼンをするのかとても興味がありました。
プレゼンが始まるや、澤田さんは戦闘能力全開。見た目は以前とは別人でした。

十数年前、ユニクロにご在籍中、澤田さん・柳井さん・玉塚さんが写っている写真があります。この時はメガネをかけてふっくらされていました。前職の経営支援サービス会社・リヴァンプ代表のときは、やや今の雰囲気に近づいてましたが、現在のように首の後ろまで日焼けしていませんし、こんなに筋肉質にシェイプアップされていません。今は目つきも鋭く、プレゼンも完全なパッション型。気合いが漲り、一部のスキも感じられないないほどです。また、ランニングシャツ一枚になって「ファミチキ先輩」というキャラクターに仮装している写真も公開する大サービスぶり。

「演じている」などと言う言葉が生やさしく感じられるほどの「本気」でした。

肉体的な変化はトライアスロンを始めたこともあると思います。しかしこれだけの気迫は、ファミマのトップに就任して世間から脚光を浴び、人生初の「事業会社トップ」という大舞台に立ったことが主な理由かもしれません。

そしてもう一つの理由は、コンビニ業界出身ではなかったということです。

澤田さんはファミマ社長就任当初、「コンビニ業界はど素人です」と言っていたのが強く印象に残っています。コンビニは、社員、店舗オーナー、店舗スタッフを抱えています。さらにファミマだけではなく、会社の風土が違うサークルKとサンクスも買収して仲間になります。巨大な連合体なのでです。

コンビニのプロではない澤田さんが会社を盛り上げるには、「兄貴肌で面倒見よく、積極的な資質を前面に押し出して、社員の目線に立つ」という自分の強みを極限まで活かすことだ、と腹を括ったのではないでしょうか。

この日、澤田さんのなりふり構わない姿を見て、ヒリつくような命懸けの仕事に取り組んでいる姿が心に強く残りました。
人は、人生において何かを成し遂げようと覚悟して進化する瞬間があるのだ、ということを目の当たりにした体験でした。

詳しくは、月刊『広報会議10月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

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プレゼンのピンチを救う「決めフォーム」

 

こんなご質問をいただきました。

「うちのトップ、人前に出ると緊張して普段とは全然変わってしまうんです。いつも通りに話してもらいたいのですが…」

夏の甲子園でも、アナウンサーが「ピンチのときこそ平常心ですね」と言いますよね。でも現実にはなかなか難しいものです。

誰しも、人前に出れば緊張やプレッシャーがあります。とくに責任感の強い人ほど「ちゃんと話さなくては」と硬くなり、緊張がとけないまま、あっという間にプレゼンが終わってしまうこともよくあります。これでは、大切なメッセージがお客さんに伝わりません。

そこで、極度の緊張の中に置かれながらも、リズムを取り戻し、自分のペースで話すためのコツがあります。
プレゼンで独自のリズムを作る方法です。私は「決めフォーム」と名付けています。

2017年5月25日に、カルビー会長・松本晃さんのプレゼンを取材したときのことです。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『カルビー松本晃会長のプレゼン分析「大胆な発言を裏打ちする緻密な戦略」』をご覧下さい)

壇上にあがった松本さんは、両手をブラリと下げて仁王立ちになり、話しながらゴルフするときのように何度も足踏みしてスタンスを探していました。「ビシッ」とベストのスタンスに決まると、リズムに乗ってよどみなく松本節が始まりました。これが松本さんの「決めフォーム」です。「もしかしたら、カラオケもこのスタイルで歌っていらっしゃるのでは」とさえ思わされました。

皆さんもカラオケで歌っているとき、マイクの持ち方とか、足の位置どりで「よし!ここだ!」と感じるところがあるかと思います。「このポジションだと上手くいく」というフォームです。

イチローがバッターボックスに立ってバットをグルグル回したり、振り子打法をしたりするのも、「型」が決まっているそうです。同じように、ゴルフも自分のスタンスを決めることで、上手く打つことができます。

これは、プレゼンもまったく同じです。

人によって決めフォームはそれぞれ違いますが、決めフォームで型を作ることで、プレゼンで自分のリズムを作り、成功に導きやすくなるのです。

真面目な人ほど「そんなポーズをとったら恥ずかしいのではないか」と思いがちです。しかし、プレゼンを失敗するほうがもっと恥ずかしいですよね。

ビジネスパーソンは結果が何よりも大事。円滑にプレゼンを進めるためなら、松本さんのように他人の目は気にせず実行すべきです。

あなた独自の「決めフォーム」を探してみてください。

 

 

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太陽グラントソントン税理士法人様で講演いたしました

2017年8月17日、太陽グラントソントン税理士法人様にて、「ビジネスリーダーは、プレゼン力を鍛えよう」というテーマで講演いたしました。今回で2回目の講演です。
約30名の方々が参加されました。

セミナー講師を務める方も多くいらっしゃるため、より実践に近い内容でお話ししました。

また、皆さまからご質問も数多くいただきました。一つご紹介いたします。

質問:「プレゼンのとき、お客さまを飽きさせないために、歩き回ったりしたほうが良いでしょうか?」

回答:「海外のCEOで、よく激しく歩き回りながら話す人がいます。しかし、あまり動き回ると、落ち着きなく見えますし、感情の浮き沈みが激しいように見えてしまいます。これはリーダーや経営者であれば、あまり良いことではありません。基本的に、話すときは一カ所にとどまり、できるだけ歩き回らない方が、落ち着いて堂々と見え、説得力が増します。話題が変化したりする場合のみ移動し、移動した先でまた正面を向いて下半身は動かさずに話しましょう。メインは、身振り手振り、表情で表現すると良いと思います」

 

皆さまからいただきましたご感想の一部を紹介いたします。

■人前に立って話すことがとても苦手でしたが、どうしてもそうしなければならない機会があるため、ゆっくり低い声で話して信頼を得られるようにしたいと思います。”話し始めの15秒のゴールデンタイム”という概念はとても目からウロコでした。

■クライアントの方とお話しする際、また将来的にプレゼンを行う際に役立つ。筋力という基礎力の不足や、自分自身を分かっていないことを認識できた。

■色々試してみたいことが満載でした。セミナー講師を引き受けるときに参考にしたい。

■これまで独自の研究をしてきましたが、自己流では気づけることに限りがありました。今回の研修によって自己流ではたどりつけないことを色々と学ぶことができました。早速、実際のプレゼンの場で活かしていきたいと思います。

■話すことが苦手で困っていましたが自分のタイプを知って伸ばせばよいと分かり、がんばりたいと思いました。

■セミナー講師をすることが多く、”話し方”で何を注目すればよいか、”滑舌”トレーニングを分かりやすく説明いただき大変参考になりました。

■前回とは異なる視点でのトレーニングもあり、今後のプレゼンに活かせたらと思います。

皆さま、熱心にお聴きくださいましてありがとうございました。

方言の訛りは、封印せずに、活かすべし

ある経営者から、こんなお悩みを伺いました。

「私、田舎出身で、方言の訛りがちょっと恥ずかしいんですよね。訛りをなくそうと思っているんですけどね」

このように、標準語で話さないといけないのではないかと思っているトップは少なくありません。

確かにビジネスでは相手に伝えることが大切なので、わかりやすい標準語で話すことは必要です。しかし訛りまでなくす必要はありません。むしろ訛りは、その人ならではの武器になるのです。

 

2017年5月25日、マンダリンオリエンタル東京で行われた、カルビーの「越境EC事業に関する記者会見」を取材で、松本晃 会長兼CEOのお話しを伺いました。

プレゼンと質疑応答でも、”松本節”本音トークが炸裂していました。

「中国でフルグラに勝てるライバル商品は一つもない」

「中国のECと言われても、IT音痴なのでよく分からない。でもアリババさんの話は、なんとなくワクワクする」

「他に興味がある会社もあるが、アリババと比較するとマイナーだ」

「ポテトチップスはかさばる。運んでたらキリない。ほとんど運賃」

松本会長は京都ご出身。言葉は標準語ですが、アクセントは京都弁です。大胆な発言も、はんなりとした京都弁がクッションになり、不思議とすんなり受け容れられてしまうのです。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『カルビー松本晃会長のプレゼン分析「大胆な発言を裏打ちする緻密な戦略」』をご覧下さい)

 

実は、「方言こそプレゼンの強み」なのです。

聞き手とのハードルを一気に下げて、緊張感を和らげ、暖かみを使えますし、その人ならではの人間性や人柄が伝わってくるからです。

しかしいくら方言がいいと言っても、方言のアクセントを出身者でない人が真似した途端に、バレてしまいます。つまり、方言こそ、出身者ならではの強みになるのです。

 

「奇跡のりんご」で有名な、青森県の木村秋則さんをご存じでしょうか?世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した方です。

この方のお話しを聞きに行ったことがあります。

「これならすっぱい(失敗)するごとなぐ、あんすん(安心)」

木村さんの暖かいお人柄が伝わってきて、会場が柔らかい空気感に包まれました。

方言を封印せず、自らの強みとして使うことで、更に良いプレゼンになるのです。

 

 

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蓮舫議員の「プレゼン力診断」

 

講演に参加された方から、こんなご質問をいただきました。

「民進党の蓮舫さんの話し方について質問です。話している内容よりも、話し方が気になっていました。声が高めなのか?ゆっくり強調すべき言葉を選び間違えているのか?どうもよくわかりません。」

つい先日の7月27日、蓮舫さんが記者会見を行い、民進党の代表を辞任するという発表があったばかり。そこで今回は、蓮舫さんのプレゼン力について考えてみたいと思います。

 

取調室のカツ丼話法

蓮舫さんはもともと細くて高い声でしたが、民進党代表選挙のとき、どんどん声が低くなっていきました。リーダーとして低い声が有効であることをきちんと分かっているからなのです。低い声でハッキリ言い切っているので、とても説得力があります。このアピール力もあって、民進党の代表になりました。

蓮舫さんはタレントでキャスター出身。いつも、その経験や技術を最高度に駆使して話しています。

例えば、「ゆっくり」と「早口」、また「低い声」と「高い声」を頻繁に出し入れして話すことで、相手に対する攻撃力が高まることをよく分かっていて話しているようです。
刑事ドラマの取調室の場面で、「お前がやったんだろう!吐け!」と甲高い声で攻撃する刑事と、「まぁまぁ。お前だって母親がいるんだろう?安心させなよ」という低い声でなだめる刑事が、絶妙なコンビネーションで犯人を追い込む場面があります。私はこれを「取調室のカツ丼話法」と名付けています。
取調室では、これを二人の刑事が行うのですが、蓮舫さんはそれを一人でできる技術を持っています。

また、蓮舫さんがタレント時代に、ビートたけしのバラエティ番組「スーパージョッキー」の「熱湯コマーシャル」に出ていたのは、今や黒歴史。しかし、「やると決めたら身体をはって何でもやる」という度胸はこの頃から座っていました。民進党代表になってからも、追及疑似体験ゲーム「VR蓮舫」にも自ら出演したとき、やはりここでも蓮舫さんのスタイル は貫かれていると確信しました。「自分が何を期待されているのか察知して、それを徹底して演じる能力が高い」のです。

つまり、「攻撃力の高い野党」の代表として、どう演じればいいのかきちんと理解し、それを忠実に行ってきました。

ただ、これらの技術やタレント性が、民進党代表という立場にあって、裏目に出てしまったのではないでしょうか?

 

プレゼンの技術性3つのパターン

プレゼンの技術性には3つのパターンがあります。

 

Aパターン:信念・志と技術がつりあう。聞き手は、「本音で話している。信用できる」と感じる

Bパターン:信念・志はあるが、技術が下回る。聞き手は、「不器用だけど嘘を言っていない」と感じる

Cパターン:信念・志を技術が上回る。聞き手は「なんだかウソくさいなあ」と感じる

 

蓮舫さんの場合、プレゼン技術があまりにも高くて、「Cパターン」になってしまったのです。

蓮舫さんの話し方は、アナウンサーの話し方がベースにあります。アナウンサーは事実を正確に伝えることが仕事。しかし、リーダーは志を伝え、聞き手やチームメンバーが良き方向に行動を変えること。大きな違いがあるのです。
蓮舫さんの話し方は上手いのですが、志や、わき上がるような情熱が今ひとつ感じられません。そこをありあまる技術でカバーした結果、徐々に「なんとなくウソくさいなぁ」という印象を与えてしまったのです。
また、辞任会見の質疑応答でも、質問者に対するリスペクトが足りない場面も見受けられました。ロジカルで冷たい印象を与えてしまいました。

 

発声法に課題も

もう一点、蓮舫さんはじつは発声方法に課題があります。

辞任会見でもそうでしたが、蓮舫さんの声は頻繁に声帯疲労を起こしています。これは、のどだけで「がなっている」発声のためです。声帯疲労を起こした声というのは、印象がよくありません。横隔膜を鍛えて、正しい発声法を獲得すると好感度も高まります。

また、蓮舫さんは母音の響きが浅く、狭く感じられます。発声するとき口の中が狭いからです。母音が狭いと、リーダーとしての深みや人望に欠けて聞こえてしまいます。母音を広くとり豊かな響きで話すと、トップとして器の大きさを感じさせることができます。

 

技術も大事ですが、その前に「志やビジョンがあるか」「わき上がるような情熱を持っているか」ということが、トッププレゼンでは何よりも問われます。

そして、一番大切なのは、「自分の強みの土俵で勝負すること」

プレゼン技術は、あくまでそれを補うもの。決してプレゼン技術が主役になってはいけないのです。

 

 

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ITmediaエグゼクティブ様で講演いたしました

2017年7月26日、ITmediaエグゼクティブ様にて、「ビジネスリーダーは、プレゼン力を鍛えよう」というテーマで講演いたしました。
50名の方々がお集まりくださいました。

皆さまからいただきましたご感想の一部をご紹介いたします。

■あらゆる話しをする場面で使いたいと思います。明日から活かせる内容で嬉しかったです。
■社内・社外に向けたプレゼン時の準備・心構えの参考になりました。
■大変ためになる内容。次回も同様の機会があればぜひ参加したい。
■大きなプレゼンテーションのみでなく、日常の会議での話し方、チームメンバーの前での話し方の参考にもなった。
■とても興味深かった。楽しかった。日々の仕事から離れて自分のスキルを見直すきっかけになった。
■チームで発声練習をしたいと思います。ゆっくり低音を目指します!もう少し長いセッションも聞いてみたいです。
■グループ企業内プレゼン、業界研修会の講師の際、役員会プレゼンなどに役立つ。意外に直接的テクニカルな内容で即効性がありそうです。
■二回目になりますが、再度お話しを伺うことでより身につく様に思われます。実践に活かしていきます。
■最高でした。すごく実践的で良かったです。ぜひ客先提案の機会があれば活かしたいです。
■週末に講演することになっているので、話し方を活用したいと思います。Tipsがあり良かったです。

皆さま、熱心にお聴きくださいましてありがとうございました。

プレゼン本番で集中力を発揮する方法

「プレゼン本番で、いつも集中できないんですよ。失敗することも多くて、もう、プレゼンが嫌いになってしまいそうです。何か良い方法はないでしょうか?」

というお悩みをよくいただきます。

「プレゼン本番で集中力を発揮したい」

これは、多くの人に共通する願いだと思います。

ではなぜ、集中できないのでしょうか?

人前で話すことは誰でも緊張します。緊張すると、普段より多く雑多なことを考えてしまいがちになります。本番間際に思いついても、それでプレゼンが良くなることはほとんどありません。むしろ、マイナスの結果に向かうことが多いのです。

そこで、本番直前は意図的に何も考えない時間を作ります。

私の場合は、少なくとも90分前には会場付近に到着し、静かなカフェやホテルのラウンジに入ります。ちょうどよいカフェがなければ会場の待合スペースでも良いと思います。もちろん、主催者側に楽屋を用意していただければベスト。何処もないときは、人気のないトイレの個室に入ったこともあります。

そこで30分、何も考えない時間を作るためです。

できるだけ周りの音を遮断するために耳栓をし、椅子に座り、静かに目をつぶります。最初のうちは、「これでもか、これでもか」というほど、いろいろなことが頭の中に浮かびますが、その一つ一つを、ピンセットでつまみ出すようにイメージします。

そうすると、頭の中が徐々に静まってきます。

このような状態になってから臨む本番は、頭の中がすっきりとクリアになり、集中できていることに気がつきます。

私自身、今日は講演本番があります。そう書いているそばから、心配ごとや、次々と雑多なことが思い浮かんできますが、90分前まで放っておくことにいたしましょう(笑)

 

 

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話しが上手いのに説得力がイマイチ、というトップを簡単に変える方法

 

「うちの社長、話は上手いんですけど、なぜか、説得力がないんですよね」

今までたくさんのプレゼンを見てきましたが、長い間記憶に残っているプレゼンと、すぐに忘れてしまうプレゼンには、一つの違いがあります。それは、説得力があるかどうか。つまり堂々として、聴衆とコミュニケーションできているかどうかの違いです。

どんな人でも、簡単に「堂々として見えて説得力の上がる方法」があります。

最近のトッププレゼンで強く印象に残ったのは、先週もご紹介した日本交通会長、Japan Taxi社長の川鍋一朗さんです。

川鍋さんは大きな手を、めいいっぱい広げながらプレゼンしていました。それは、まるでピアニストがダイナミックに鍵盤をつかむような手ぶりなのです。特にセンセーショナルな内容を話しているわけではありませんが、記憶に残り、堂々として見え、説得力がありました。そして、ただでさえ大きな手を広げて話すので、舞台上で華やかさも感じられました。

「たかが手振り」と思いがちですが、どんな人でも話しの内容に合わせた手振りを使うことで、堂々として見え、説得力が格段に上がります
特に、手を広げる動きはオープンな印象を与え、聴衆と深くコミュニケーションすることができます。

ただ、「内容に合わせて手振りをつけましょう」と言っても、話すことに精一杯で、実際は手振りの出来ない方が多いのです。
そこで、慣れない方が手振りをつけるためのコツをお伝えしましょう。

手をカチッと両脇に固めてしまうと、いざ動かそうと思っても動かすタイミングを逸してしまいます。手は最初から空中に上げ、出来るだけベルト位置より上に置いて、常に動かせる体勢にすることです。これで自由に手を動かせるようになります。

また動かし方にバリエーションをつけます。

川鍋さんは、手を「ぐわっ」とどんぶりをつかむような形にして、まるでピアノを弾くように動かしていました。こうすると、説得力が上がります。

また、両手をひろげて、ろくろを回すように前後に動かすと、パッションが感じられます。

インパクトが強いのはグーです。グーを出すと、力強いメッセージが伝わりますが、グーを頭より高い位置に掲げると、さらに強烈なイメージになります。ガッツポーズのように両手をあげれば最強です。

手振りをつけるともう一つ良い点があります。自分が話しやすくなるのです。カラオケで、手をリズムに合わせて動かしたり、身体をゆすったりすると、ノってきますよね。それと同じです。

最初は手振りをつけるのが恥ずかしいかもしれません。しかし、手振りをつけることで、だんだんと話しやすくなっていき、聴衆とのコミュニケーションもとれて話しに集中して聞いてもらえるようになります。

 

 

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言葉に魂を宿らせる方法

「ウチの社長、特訓の成果で、プレゼンではスラスラと上手に話せるようになりました。
でもなぜか、『心がこもって聞こえない』と言われるんですよね」

こんなご相談をいただくことがあります。

そもそもプレゼン最大の目的は、「プレゼンを聞いた人の心が動き、良き方向に行動を変えること」。
人は感情で動きます。いくら上手に話せるようになっても、不思議なもので、言葉に魂が宿っていないと、人の心は決して動きません。

皆様もご経験はないでしょうか?
「この人、いかにも話し慣れた感じなんだけど、どこか心がこもっていないなぁ」

トップが話す場合は、必ず動かしたい相手がいます。
言葉に魂を宿らせるためには、どうすればよいのでしょうか。

2017年5月11日、日本交通会長の川鍋一朗さんが「陣痛タクシープロジェクト・マタニティギフト発表会」でプレゼンを行ったときのことです。私はここまで心こめて話す経営者は、今まで見たことがありませんでした。

川鍋さんは、「実はやりたいことがある」と言い、宙を睨み、長い間沈黙したあと、覚悟したように正面を向いて話し始めました。

「陣痛タクシーを…無料化したい」
「内閣府に相談している…しかし、形にならない。…地団駄踏んでいます」
「国策として…全、妊婦さんに、広めたい。…各タクシー会社の強力が…必要です」

と、頻繁に大きな間合いを取りながら話します。ただ間合いを取るだけでは「間抜け」になってしまいますが、川鍋さんの場合は、心の中で思いがこみ上げて、形になるのを辛抱強く待ってから言葉に発していました。この間合いにより、言葉に重み生まれ、言葉に魂が宿って伝わってくるのです。

世の中の多くのトッププレゼンでは、このプロセスが省かれているのです。
一生懸命に覚えた内容を話したり、台本を読み上げるので、心が伝わってこないのです。
また、間合いによる静寂に耐えきれず、安易に言葉を発してしまったり、「あー」「えー」などの言葉を入れてしまい、せっかくの間合いを台無しにしてしまっています。

川鍋さんのような間合いは、耳には聞こえてきませんが、言葉を超えた無言の思いが強く伝わってきます。

間合いは、例えて言うならば相撲の立ち会いのようなもの。相撲の立ち会いは、黙っていても力士同士の気合いの高まりが感じられます。そして、力士はお互いの気合いが高まらなければ立つことはできません。だから、行司は気合いの高まりを見守るだけで「よーいドン!」などと言わなくても一番良いところで立てるのです。

これはプレゼンも同じです。

言葉に魂を宿らせる方法はたった一つ。言葉に魂が宿るまで言葉を発しないことです。
このような間合いは、話しのプロであるアナウンサーが取るリズミカルでスマートな間合いとは、全く違います。

トッププレゼンで必要な間合いは、経営者の魂を込めるためのものなのです。

 

詳しくは、月刊『広報会議8月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

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プレゼンでPDCAを簡単に回し、満足度を格段に上げる方法

「いつも通り上手く話せたはずなのに、アンケート結果でお客様満足度が低いんですよ。寝ている人もいました」

コンサルティングにいらしていたあるトップから、こんなご相談がありました。プレゼンは、いつも話している内容なので、もし満足度が低いとすれば何か別の理由があるはずです。動画を見てみると、意外なことが分かりました。

そこで、そのトップに簡単なコツをお伝えしたところ、1週間後の講演会では、お客様満足度は最高の評価になったのです。

さて、どんなことをしたのでしょうか?

講演の録画を見ると、まるで「お風呂場」で話しているような状態でした。声が響きすぎて何を話しているのか聞き取りにくいのです。

調べてみると、会場は多目的な音楽ホールでした。音楽ホールは、演奏が上手に聞こえるよう、残響を長めに設計しています。また音楽ホールに限らず、教会のような天井が高い会場も残響が長めです。

響きが長いホールでプレゼンをすることになった場合のコツは二つあります。

一つ目は、リハーサルをすること

早めに到着して実際に話してみることです。そして、できれば担当者の方に客席に座ってもらい、聞こえ方をチェックしてもらいましょう。自分で録画して確認する方法もありますが、客席に座って聞いてもらうのが確実です。

二つ目は、とにかくゆっくり話すこと

いつも通り話していると残響が声にかぶってしまい聞こえにくくなります。長めに間合いをとり、「これでもか」というくらいゆっくり話してください。ゆっくり話すためのコツは、「滑舌良くしなければ」と気にしすぎないことです。残響の長い環境で滑舌が良くても、ゆっくり話せなければ話しは聞こえません。

ただ、残響の多い音楽ホールは素晴らしい面もあります。お風呂で歌うと、いつもより上手に聞こえて気持ちいいですよね。音楽ホールも同じ。「どんな人でも良い声になり、上手に聞こえる」のです。ぜひゆっくり話して、音楽ホールの良い面を活かしてプレゼンしてみてください。いつもより評価があがります。

今回の改善点が分かったきっかけは、アンケート調査と録画でした。普通は、アンケートと録画をしないので、「何が悪いか分からない」ことが多く、PDCAを回すことが出来ませんアンケートと録画は、プレゼンの品質を維持するために必須なのです。

冒頭のトップ、最初はあまりプレゼンが上手ではありませんでしたが、この方法でPDCAを回すようになって徐々に上手くなりました。

プレゼンは、アンケート調査と録画という一手間をかけるだけで、お客様満足度は格段に上がっていくのです。

 

 

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プレゼンで、意味なく揺れる「女子揺れ」を撲滅する方法

プレゼンで、女性特有の注意点があります。

言葉のリズムに合わせて頭や体を細かく振ってしまう話し方です。

これは「女子揺れ」とも言われています。

・話しながら体がフラッと細かくゆれる
・ひざをピョコンとする
・髪の毛を触る・かき上げる

などの動作も見られます。95%の女性は無意識にやっていて、可愛らしい印象を与える場合もありますが、ビジネスのプレゼンでは落ち着き無く見えてしまいます。女性以外では、若手の男性に多く、年配男性でも人前で話すことに慣れていない方に多く見られます。

意外にこの話し方はプロの方でも多いのです。先日、ベテラン女性アナウンサーさんがコンサルティングを受けにいらしてくださり、「確かに多いです」と話していました。

また、この癖は他人に指摘されてもなかなか直りません。

昔、私も首をゆすりながら話す癖がありました。録画を見て初めて気がつき、ショックを受けてしまいました。首を揺するどころか、体の中心線もブレて、意味も無く胴体をクニャクニャしながら話しています。直そうとして無理矢理体を固定して話そうとすると、言葉の流れが悪くなり、上手く話せなくなります。

これは、特に緊張しているときに表れます。体や首でリズムをとって話すことで無意識に緊張を和らげているのです。

しかし、いくら「緊張を和らげているのですよ」ということでも、これでは自信がなさそうですし、落ち着き無く見えてしまいます。良いことを話していても、説得力がないのです。

しかし、ある二つのことをすれば、この癖は直り、説得力ある話し方に変えることができます。

一つ目は、横隔膜です。

横隔膜は呼吸をするための筋肉です。しっかりと横隔膜を使えるようになると体幹が安定し、体をクラクラ動かして話そうとしても出来なくなります。「意識していないのに揺れる」ということは、横隔膜がしっかりと使えていないということです。

横隔膜を使うコツは、下腹をしっかり張りながら、息をいつもより多めに吸って話すことです。

二つ目は、手の動きです。

手を広げ、前に出して話すことで、体がバランスをとることが出来て揺れがおさまります。手振りを使えば、堂々として見え、説得力も上がります。

プレゼンで95%の女性は自分自身が揺れていることに気がついていませんので、ぜひ注意してみてください。そして、男性の方は女性が揺れていることが気になっても、なかなか言いにくいと思います。その場合はこのブログを紹介してみると良いかもしれません。

 

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『Mr.パーフェクト』ソニー平井社長が、誰にも見せなかった姿

 

「社長が『あまり人前に出たくない』と言うんですよ。困っています」

広報担当の方から、こんなお悩みをよくうかがいます。

とても参考になったトッププレゼンがありました。

2017年3月31日、銀座・ソニービルで、50年間続いたソニービルを閉館するイベントがありました。ここでソニーCEOの平井一夫さんが登壇されました。

驚きました。なんと平井さん、テナーサックスを吹いたのです。しかも、サックスは初めて。会社の会議室で一ヶ月練習したそうです。

平井さんのプレゼンは、2012年トップ就任直後から数多く見てきました。どんなプレゼンスタイルも完璧にこなします。まさに『Mr.パーフェクト』なのです。しかし、初めてのテナーサックスを吹くとは…。「ここまでやるのか」と驚きました。平井さんは常に自らの殻を破り続けているのです。

でも、こう思われる方もおられるのではないでしょうか?

「それは平井さんだから出来るのでは?」

じつはサックスを吹いた後、控え室に戻るエレベーターを待つ平井さんを偶然見かけました。報道がだれもいない廊下で一人、「ふっ」ととても疲れた表情をされていました。今まで見たことがない平井さんの表情でした。人前で楽器を演奏するだけでも本当に緊張しますし、前の日眠れなくなる人もいるくらいです。しかも多忙な中、練習一ヶ月です。

そのとき、どんなことでも全力投球し、一生懸命に演奏して皆に幸せを届けようとする平井さんの気持ちが心に染み、初めて分かりました。

社員は、「社長にこうなってほしい」と思っています。プレゼンに臨む社長さんに、「これを付けて下さい」と素敵なポケットチーフを買ってあげる社員さんもいます。実は社長さんは、こんな社員の思いを知らないことも多いのです。

平井さんが違う点は、社員の思いを分かっている、ということです。
一方、多くのトップは、「社員のために自分は何ができるか」ということを、口には出さなくても常に考えています。気がついていないだけなのです。

冒頭の広報さんに、「このことを、ぜひ社長さんに伝えてみてください」と申し上げました。

トップでなくても同じことです。プレゼンで、皆さんも自分の役割を演じてみると、色々なことが変わってきます。

詳しくは、月刊『広報会議7月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 
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「社長室の状態」でプレゼンしないために

ある大企業のトッププレゼンを取材したときのことです。

恐らく、いつも通り平常心でリラックスされているのでしょう。
プレゼン中、客席に背中を向けたり、海外著名人ゲストがスピーチする横で反り返り後ろに手を組んで見ていたり、部下のプレゼン中は紙に何か別の書き物をしていたり……
ガタガタに緊張するよりは良いかもしれません。
ただ怖いことに、普段の心構えは、舞台の上では透けて見えてしまうものなのです。ちょっとした心構えで大きく好感度が高まるのに、惜しいことですね。

以前、日本コカ・コーラ株式会社 代表取締役社長だったティム・ブレットさんに、「プレゼン力診断」の取材をさせていただいたことがあります。(最近、ブレットさんはザ コカ・コーラ カンパニー西ヨーロッパ地域代表取締役社長に就任されました)

一番印象に残ったシーンがあります。
ブレッドさんは、最前列に座って部下のプレゼンを集中して見守り、プレゼンを終えた部下に自分から手を差し伸べてがっちり握手していたのです。

この時、とても似たシーンを思い出しました。

クラシックのオーケストラの演奏会で、演奏後に指揮者が、楽団員やソリストと握手したり、一人一人立たせたり、何度も出たり入ったりして聴衆から拍手をもらうシーンを見たことがある方は多いと思います。昔から続いている習慣ですが、深い理由があります。

指揮者は自分で音を出せません。自分がイメージする音楽を作るためには、楽団員に音にしてもらうかしかありません。オーケストラの団員が聴衆の前で賛辞されることで、楽団員は名誉に感じ、次回さらに磨きをかけた演奏をするようになります。さらにこのシーンは聴衆から見て美しくもあり、「この演奏は素晴らしかった」と印象づけることができ、演奏の感動と満足感を高める効果もあるのです。仮に演奏の一部でミスをしていたとしても、プロが気にするほど実際の聴衆は細かいミスまで分からないものです。

これは会社でも同じこと。ブレットさんは、この相手をリスペクトする欧米的な習慣が自然に身についていて、無意識に行っていたのではないでしょうか?

一方で日本の多くのトップは、「社長室の状態」をそのまま持ってきて講演会場でプレゼンしていて、とても損をしています。
ブレッドさんと同じことを日本人がやると「嘘くさい」「キザだ」と思われるかもしれません。しかし心から信じて堂々と行えば、板について見えるものです。お客様も、相手へのリスペクトをしっかり感じることができます。

じつは「演じるプレゼン」のほうが聴衆には伝わるのです。

欧米式からも学べることは沢山あります。
これからのトップは、「会見での人格」も育てるべきなのです。

 

 

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語尾落ちすると伝わらない。どう直すか?

こんなお悩みをよくいただきます。

「どうしても語尾が不明瞭になります。語尾までしっかり話せるようにしたいのですが…」

実は声が良くて滑舌が良い方でも、語尾が不明瞭な人は意外と多いのです。
そういう方は、ご本人では意外なほど「自分が語尾落ちしている」ことに気がついていません。

そして自分の録画や録音を聞くと大変驚かれます。

「え?これ、自分?最後まで聞こえていない…。何言っているかわからないよ…」

私が会見でプレゼン取材していても、語尾不明瞭な方は意外と多く見受けられます。たとえば、

「当社はこの戦略を実現すべく、この施策がむにゃむにゃむにゃ…」
「このようなことは、当社としては絶対にむにゃむにゃむにゃ…」

場合によっては、肯定と否定の区別もわからないこともあります。聴き手の解釈次第で、全く正反対に受け取られてしまう可能性すらあります。
さらに語尾が不明瞭だと、聴き手は何を言っているのかを一生懸命聞き取ろうとしてストレスがかかり、内容理解が浅くなります。
一対一の会話なら相手も「もう一度おっしゃっていただけますか?」と尋ねてくれますが、トッププレゼンでは誰も聞き直しません。

せっかく大切なプレゼンなのに、伝えたいことが伝わらないのは、とてももったいないことです。

語尾落ちが厄介なのは、気がついても、すぐには直らないこと。
「語尾までしっかり話さなければ!」と意識しすぎると、なにをしゃべっていいのか分からなくなり、口が止まってしまう方もいます。

語尾落ちするのは、滑舌の問題ではありません。滑舌が悪ければ最初から最後まで聞こえ難いものです。
語尾落ちには、原因がいくつかあります。

【原因1】頭の回転が早く、次にしゃべることや次のチャートが気になってしまう人。話し方が前のめりで、言葉のリズム感が早く、間合いがとれていないので、聴衆は話についてこられなくなります。
【原因2】優しい性格で、日頃からはっきりとしたものの言い方をしない人。
【原因3】意外と多いのが、言葉の最後で口や鼻に手をやってしまう身振り手振りのクセがある方。これをすると声の響きがストップされてしまい、大変聞こえ難いものです。

上記で共通するのは、語尾の最後で息を抜いてしまうことで起こります。息の流れをつかさどる「横隔膜」の筋肉を緩めてしまうと、呼吸が流れなくなり、とたんに声の響きが落ちてしまい、滑舌の良い人でも聞こえなくなってしまうのです。

語尾落ちをなおす対策があります。
・まずゆっくり話すように心がけること。
・そして言葉の間合いで息をしっかり吸い、横隔膜をしっかり使い、最後まで息を流すこと

「語尾落ちしないように!」と考えると、かえって話しにくいものです。
意識してゆっくり話し、息を吸って無意識に横隔膜が使えていれば、話しの内容に集中出来ますし、自然に語尾落ちしないようになります。

 

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「プロンプター依存症」の副作用

ある日本を代表する企業のトッププレゼンを見に行ったときのこと。
スラスラと淀みなく出る言葉。時折出る笑顔。会場の聴衆にもしっかりと目を向けています。

しかし、どこか不自然さが伝わってきます。
話している言葉も、まるで完成された綺麗な文章をそのまま読んでいるようで、パッションが伝わってきません。

目を見ていたら、すぐにわかりました。
目はこちらを向いていますが、聴衆とアイコンタクトしていないのです。
ふと視線の先をたどって後ろを振り向くと、巨大なプロンプターに、トップが読み上げるスピードに合わせて台本がゆっくりと流れていました。その文章には、「間合をとる」「笑顔」という注意書きもしっかり書かれています。

プロンプターは便利な道具です。
プロンプターを使えば、間違いなく話せます。
しかも会場を見ながら、いかにもアイコンタクトをとっているように話すことができます。
最近、多くのトッププレゼンで、プロンプターが使われるようになりました。
トップがプレゼンで一番怖いのは、「何を言うか忘れること」。
だからプロンプターを一度使うと離れられなくなるものなのです。

しかし実は、読みながら話すことは、プロや経験豊富なスピーカーではないと、とても難易度が高いのです。
普通の人がプロンプターに頼ってしまうと、棒読みになったり、視線が泳いでしまったり、言葉に気持ちが入らなくなります。

文章を確認しつつ聴衆には読んでいるように感じさせず、生きたアイコンタクトも欠かさず、プロンプターを使っているのを誰にも気づかせずに、あたかも自然に「今そこでこのストーリーが生まれた」というように即興性を持って話すことは、話しのプロが相当の経験を積んでも難しいことです。

しかも、プロンプターには怖い副作用もあります。
「企業のトップならば覚えて話して当然」と思っている聴衆の期待を裏切って、「ああ、この人はカンニングしているのね」という、「ちょっとずるい人」という印象を無意識に持たれてしまうのです。これは経営者にとっては、大きなマイナスです。

先日、ユニクロの柳井正社長の会見に同席しました。
柳井社長は講演嫌いで、依頼があっても余程の理由がない限り絶対に受けません。
実際に決して上手ではありません。
会場では巨大なプロンプターが設置してありましたが、プロンプターは使わず、内ポケットからメモを取り出し、演台で広げて話していました。メモを置いていても、極めて強いアイコンタクトで聴衆とコミュニケーションし、太い声で自らの壮大なストーリーを腹の底から語っていました。

もちろん、メモを見ずに話すことができればベストです。
しかし、柳井さんが内容を覚えていることは皆知っています。
そしてメモを見ていることも隠しません。
堂々と自分の土俵に立って話しているので、全員納得してしまうのです。

プレゼンの目的とは何なのでしょうか?

間違えずに話すことではないはずです。
プレゼンの目的とは「そのプレゼンを聞いた人が良き方向に行動が変わること」です。
トップの溢れるようなパッションを自分の言葉で語るからこそ、人の心が動き、市場が動くのです

 

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サービス精神旺盛なトップに、広報が隠し持つ伝家の宝刀

 

広報の方から、こんな相談をよくいただきます。

『取材で困るのは、トップのサービス精神なんです。気分がよくなって、『あ、これはまだダメですよ!』というような情報まで提供してしまうんですよね。事前Q&Aもやっていますけど防ぎきれません。どうすればよいのでしょうか?』

確かに、ある小売業トップが会見で、まだ決まっていない閉鎖店舗の名前を出して大問題になったのも、つい最近のこと。

一方で、ついしゃべり過ぎるお気持ちもよく分かります。
しゃべり過ぎてしまうということは、裏返せば、サービス精神が旺盛だったり、責任感が強いということ。この資質はビジネスパーソンとして大事なことです。

実際にプレゼンで「あ〜、言っちゃった〜」というご経験がある方も多いのではないでしょうか?
ただ、頻繁に繰り返すのは困りもの。

2017年3月16日、有明にてファーストリテイリングの柳井社長のプレゼンがあり、取材に伺ってまいりました。
常に堂々と振る舞い、風格も増して、まさに「経済界の巨匠」。圧倒的な存在感を放っていました。

じつはここで、広報の隠れたファインプレーがあったのです。

囲み取材の最後に、こんな質問が出ました。

「米国・トランプ大統領について、就任前から柳井社長はいろいろとお考えをおっしゃっていました。改めてご意見お聞かせください」

柳井社長は、大統領選挙中、トランプ氏についてはかなり辛口の発言をされて話題になっていました。
たとえば、トランプ氏がまだ大統領候補だった頃、日経ビジネス 2016/10/31号にこんな意見を載せていました。

「米共和党はトランプ氏を大統領候補にしたことが恥ずかしくないのだろうか。もし彼が当選したら、米国の終わりの始まりだ。最もふさわしくない人物が大統領になることになる。」

こんな発言をした柳井社長だけに、会場は一気にヒートアップ。複数の記者から「社長!真ん中向いて話してください!」という声もかかりました。そんな中で柳井社長が、

「僕は政治のことはよくわからないが、トランプさんはあまり政治には入らない方がいいんじゃないかと思います…」

と言いかけた途端、広報スタッフが手を広げて大声で、「はい、時間です!」と間髪入れずに打ち切りました。

広報は、「会見時間の仕切り」を任されています。これも広報が持っている手綱の一つ。いわば伝家の宝刀です

トップ広報は、基本的にトップに任せつつ、トップの強みの土俵で勝負させ、個性を最大限に活かす。そして必要なときは躊躇なく手綱をグイッと引き締め、「終わり」と宣言する権限を行使すべきなのです。

柳井社長は、信念型の「超越型」トップなので、言いたいことを言ってしまいますし、全責任を負う覚悟でいますから、何を言っても許される存在です。信念型の「超越型」トップは、発言に「広報ストップ」が効かない場合が多いのも特徴です。囲み取材でトランプ大統領へのコメントが出たときは、広報さんの表情が一瞬で引き締まったのが見えました。

ただ、日本電産の永守社長や、ソフトバンクの孫社長もそうですが、柳井社長だからこそ言える発言をしてくれるからこそ、ファンも嬉しいものです。

様々な会見に伺いますと、Q&Aを完璧に準備しすぎて、トップが操り人形のような受け答えをしているシーンを見ることがよくあります。これでは、せっかくのトップの個性、会社の個性がまったく見えてきませんね。

素晴らしい会社、伸びていく会社のトップは、常に自然体であり、必ず強みの土俵で勝負しているのです。
だからこそ、その強みを活かし、「ここは危ない」と思ったら広報の伝家の宝刀を抜くべきなのです。

詳しくは、月刊『広報会議6月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

 

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パネルディスカッションを成功させるには?

「当社のトップがパネルディスカッションに参加することになりました。良い方法はありますか?」

という質問を受けることがあります。

良いパネルディスカッションとは何なのでしょうか。
それは、聴き手の前で、対話を通じて新たな知見を生み出すことです。

ただ、これは気の合う者同士で話すだけでは生まれません。また、上手なプロの司会者や単なる有名人を呼んでも生まれません。

どうすれば良いのでしょうか?

2017年2月10日に、ライフネット生命保険の岩瀬大輔社長のプレゼンを取材してまいりました。

岩瀬さんは、東大法学部卒、ボストン・コンサルティングを経て、ハーバード・ビジネス・スクールMBA上位5%の称号「ベイカー・スカラー」を授与され、ダボス会議のヤング・グローバル・リーダーズに選ばれ、現在40歳の若さでライフネット生命保険の社長。まさに絵に描いたようなエリートです。

この日、プレゼンの後にパネルディスカッションが行われました。LINEの田端信太郎上級執行役員と、FinTechの第一人者・増島雅和弁護士がゲストに招かれていました。

岩瀬さんは相手の話を十分聞いた上で、必ず自分の意見をぶつけていました。「人前だからこの程度でやめておこう」という手加減はせず、常に直球勝負。そして、ゲストの田端さんも増島さんも、岩瀬さんの意見を真正面から受け止め、自由に意見をのべていました。
こうしてディスカッション後半に向けて次第に3人の波長が合っていき、大胆で新しい考え方が聴衆の目の前で生まれていく、充実したパネルディスカッションとなったのです。

パネルディスカッションを成功させるには、メンバーの力量を高いレベルで揃えることが必要です。パネルディスカッションは、対話による「知のセッション」です。力量がバラバラだと良いセッションができないのは、ジャズトリオの人選と同じ。相手を厳選することが重要なのです。

「知のセッション」は、プロの司会者や有名人を呼んでも生まれません。的確な人選が、このパネルディスカッションを成功に導いたのです。

詳しくは、月刊『広報会議5月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください

ルー語のトッププレゼン

「本日ローンチいたしましたプロダクト、なんと従来比2倍のコストパフォーマンスをオファーしております。ミッション・クリティカルなオペレーションにオプティマイズしたコンフィグレーションも可能です。加えてクライアントにベストなベネフィットをオファーするために、A社様との強固なパートナーシップのスキームのもと、ステークホルダー各社様とのウィンウィンのリレーションもエスタブリッシュしており……」

何を言っているのか、おわかりになりますでしょうか?

デジタル系企業の経営者やマネージャーが、新商品や新サービス発表会でカタカナ用語を羅列しながらプレゼンしているのを見かけることがよくあります。

でも私のような一般人にとっては、何を言っているのかチンプンカンプン。

カタカナ専門用語を連発するのを、タレントのルー大柴さんの話術に例えて「ルー語」と言うそうです。相手がわからないのに、一方的にルー語で話していても、相手は共感しませんし、気持ちの波長が合うこともありません。

「ルー語を使わないから大丈夫」

でも、仮にルー語を使わなくても、トップの言葉が難しすぎて、相手に伝わらなければ、同じことです

子供向けの動物図鑑を編集している方が、

「子供向けの本だからこそ偉い先生に書いてもらうんだよ。本当に深く理解している人は、シンプルで、子供にでも分かるやさしい言葉を使うからなんだ

とおっしゃっていて、なるほどと思ったことがあります。

御社のトップは、相手にわかりやすい言葉で語っていますか?

プレゼンの立ち位置もメッセージ

 

小売業界会でも有名な、ある社長さんのプレゼンを見に行ったときのことです。

その会場は、高くて大きな舞台が設置されていました。プレゼンが始まると、社長さんはなんと舞台の角に立って話し始めたのです。しかも、ご自身はプロジェクターの文字を一生懸命に読んでいるため、客席に背中を向けています。私は何か嫌な予感がして、話しの内容が頭に入ってきませんでした。

一瞬の出来事でした。

なんと社長さんは、舞台の角から右足を踏み外してしまったのです。客席から「アアッ!」と小さく悲鳴があがりました。しかし間一髪、社長さんは持ちこたえ、滑落という最悪の事態は免れたのです。

ただその後も、なぜか社長さんは何事もなかったように舞台端に立ち続けていました。もしかしたら、極度の緊張で自らの危険に気がついていなかったのかもしれませんね。

他の方のプレゼンを見ていても、舞台端に立つ方がよくいらっしゃいます。これは危険です。万が一のことがあれば、プレゼンどころではありません。

他に良くない立ち位置で多いのが、舞台後方です。舞台後方の壁に近づき過ぎるのは不自然です。積極的に話したいという気持ちが伝わらず、お客さんが物足りなく感じてしまいます。できるだけ舞台空間の真ん中に立ち、大きな舞台なら真ん中より前寄りの方に立つと見栄えがします。私の場合、舞台前後を3等分にし、前三分の一くらいの位置を目安にして立っています。

とくにサービス業界の方に多いのですが、良くも悪くも「私はお客様より目立ちません」という謙虚な考えで、舞台真ん中に立つことを躊躇される方もいらっしゃるようです。ただ、プレゼンに限っては話し手が主役。お客さんも、主役が真ん中に立って堂々とプレゼンすることを期待します。

プロジェクターを使う場合は、プロジェクター画面と話し手が客席から見て同一線上にあるようにすると、お客さんとアイコンタクトがとれて満足度が上がります

これは会議室のようなフラットな場所でも同じです。

ただ、意外と舞台に立っている話し手は、自分が客席からどう見えているか分からないものです。ぜひリハーサルを行い、「客席からどのように見えているか」、他の方に立ち位置をチェックしてもらうと良いと思います。