ブログ「次世代トッププレゼン」

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No.318 少しの工夫で、オンラインで相手に与える印象を格段に良くする方法

先日、面接対策セミナーを行ったところ、こんなご質問をいただきました。

「オンラインで目線を合わせるためのちょうどいい距離感や角度等を教えてただきいたいです」

今やオンラインでのプレゼンは当たり前です。
オンラインではスクリーン上で顔がアップになります。
このため、対面と比べると、目線の位置や動きがとても目立ってしまいます。

「目は心の窓」と言われます

視線が下向きのままだったり、カメラを真横に置いているせいか画面上でそっぽを向いてたり、台本読み上げのため常に目線を移動させながら話している方々をよく見かけます。
でもカメラに目を向けないと、聴き手と視線が合わないので、相手に気持ちが伝わりません。このため印象が悪くなります。

人は、自分が話している相手を見て、話したくなるものです。

このため聴き手が映っているウィンドウがパソコン上で画面の端にあると、こちらではその画面の端にあるウィンドウを見るようになります。

しかしカメラは通常はパソコンの真正面についていますので、相手から見ると、まるでそっぽ(横)を向いたまま話しているように見えてしまいます。
これって印象がとても悪いですよね。

対策は簡単で、聴き手が映っているウィンドウをクリックして、画面上でカメラの真下にドラッグして置くことです

聴き手が複数人いる場合は、話しかけている対象者、または熱心な聴き手をカメラの下に置くと、話しやすくなります。
こうするとこちらはカメラに視線を向けているので、視聴者全員がまるでこちらと一対一で話をされているように感じます。

話す時に一番集中していただきたいことは、正面のカメラに焦点を合わせて、できる限りぶらさないことです。

あちこち見たくなってしまいがちですが、オンラインでは目線の動きが目立ちます。
カメラを睨むぐらいの気持ちで臨むのが落ち着きと説得力を向上させます。

さらに目線だけではなく、画面で自分が映る部分もとても大事です。

必ずリハーサルをして、バストアップで頭上に空間を取りすぎないように調整してください。時々、図上に空間が広く空いていて、顔は画面の下半分で、鼻から下は映っていない、という方がいます。これも、とてもよくない残念な印象を与えてしまいます。

特にノートパソコンの場合は注意が必要です。
ノートパソコンの内蔵カメラは、目線より下に配置されているので、下からのぞき込んでいるような角度になりやすいからです。暗闇で懐中電灯で下から照らすような怖い映像になってしまうこともあります。
解決するには、パソコンをカメラ目線の位置まで本や段ボールなどを使って上げてみてください。

ほんのちょっとした工夫で、オンラインで相手に与える印象は格段に変わります。
ぜひ試してみて下さい。

2024/01/12 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.317 トップの社内スピーチは、辞めない職場をつくるチャンス

ある社長さんとお話ししていたら、こうおっしゃっていました。

「今、社員たちに望みたいことですか。
すぐ辞めてほしくないんですよ。なるべく長く働いてほしい」

この社長さんの願いとは裏腹に、転職希望者は年々増加中です。

総務省の調査によると転職者希望者は2022年には過去最高を記録。2023年には1000万人超の予想です。
転職希望者の増加に対する取り組みは、もはや重要な経営課題の一つとなっているのです。

社員はなぜ辞めてしまうのでしょうか?

『週刊東洋経済 2023年12月9日号』の「少数異見」に、こんなことが書かれていました。

人事部による退職者へのインタビューを行っても、内容は形式的なものにとどまり、突っ込んだやりとりは少ない。
(中略)
退職の本当の理由を知るには従業員の感情の推移まで洞察する必要がある。
企業には感情を伴う人間が交差する場所である。従業員の「喜び」「誇り」「不安」「イライラ」が何に起因するかを知ることは、退職防止に役立つだけでなく、職場の活力を引き出すことにつながる。
働き続けたい職場とは何か。どんな評価体系ならば責任感をもって働けるか。それを聞き出し、環境を整えるのは経営者である。

この記事を見て実感するのは、社員が本音で話が出来る環境がほとんどの会社で整っていないことです。
大事なのは「この会社なら、皆が気兼ねなく何でも発言できて、かつ自分を偽らずに自分らしく振る舞える」と感じる雰囲気です。これが最近話題になっている「心理的安全性」です。

心理的安全性を高めるカギは、トップの発信です。

まずは「何を話しても良い」というトップの考えを、社内に浸透させる仕組みを作ること。

ただ多くの場合、社員は「ウチのトップは『何を話してもいいよ』って言っているけど、本当のことを話すのはバカみたいだよね。だって本当のことを話すと怒られるし、人事評価も下がるからな。黙っておこう」と思っています。

この考えは長年かけて作られたものなので、なかなか変わりません。

そこでトップは常に社内全体に「トップは本音でそう言っているんだ」と信じてもらうことが大事です。
まず重要なのは、トップが社員の前で話したり交流する機会積極的につくり、率直に腹蔵なく話して謙虚さを示すこと。
そして厳しいこと・耳が痛いことを言ってきても、それを否定せずに、感謝して受け止めること。

さらに社内の経営幹部や部課長にも、この方針と姿勢を徹底することです。せっかく勇気を出した社員が耳の痛いことをいってきても、上司の課長が「最近の若い社員って、ずいぶん正直な発言をするんだねぇ」なんて発言したりすると、(ああ、やっぱり会社は本音で話してほしくないんだなぁ)と感じてしまい、本音で話さなくなります。

私がご支援させていただいたあるトップは、新入社員の入社式の挨拶で「どんどん挑戦してほしい」と言った上で、「仕事の失敗談」をお話しいただきました。するとその後に話した役員たちも、自分の仕事の失敗談を次々と披露しました。

その結果、社員向けのアンケートで多くの人が「とても良かった」と回答していたのです。
トップが格好つけずに謙虚にお話しすることで社員が安心し、少しずつ心理的安全性は高まっていきます。

これから新年会などでお話しする機会も多いかと思います。リーダーの皆さんは、ぜひこの機会に、心理的安全性を高めるようなメッセージを発信していただけたらと思います。

2024/01/05 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.316 大きな声では信用されないし、人も動かない理由

「プレゼンでは、低く落ち着いたトーンで話す方が信頼感が上がりますよ」

私がこのように言うと、ほとんどの方はこうおっしゃいます。

「え?そうなんですか。大きな声でハキハキしゃべることが重要だと思っていました」

確かに「小さな声では伝わらないぞ、大声でハキハキ話せ」という人、多いですよね。

でもこれ、大きな間違いなのです。

実際には、プレゼン、面接、会議などでは、落ち着いたトーンで話す方が、話し手の信頼感も上がります。
たとえば、超一流ホテルの従業員も、必ず落ち着いた声でしっかりと話します。
そして落ち着いたトーンで話してくれる人から、聴き手は自分に対する信頼感を感じるのです。

では、大きな声はなぜ良くないのでしょうか。

それは落ち着いた気持ちで話しても、大きな声には自然と感情が宿って聞こえてしまうからです。
ここでいう「感情」とは、「相手を説得しよう」とする気持ちです。
つまり大声からは「相手に自分の思い通り動いてもらおう」とするエゴが伝わってしまうのです。

「あ、この人、私を自分に従わせようとしているな」と思われた瞬間、聴き手は話し手を無意識レベルで信用しなくなります。さらに自分の価値を感じられなくなるので、やる気(内発的動機付け)も失われてしまいます。

今年、夏の甲子園大会で慶應義塾高校野球部を107年ぶり2度目の優勝に導いた森林監督も、同じ事をおっしゃっています。
森林監督は、練習では必ず拡声器を使っています。大声で指導しないためです。

地声で一対一の会話をあえて全員に聞かせようとすると、どうしても怒鳴るよう言い方になってしまい、それでは言葉が選手の中に素直に入っていきません。できるだけ落ち着いた口調で話せて、なおかつ全員に届かせるためには、拡声器はかなり重要なアイテムです。つい強い口調になってしまうこともありますが、できるだけ冷静に伝えることを心がけています。指導者の仕事は「言う」ことではなく「伝える」ことなのです。
(森林貴彦著「ThinkingBaseball―慶應義塾高校が目指す”野球を通じて引き出す価値”」より)

これから来年に向けて人前でお話する機会も増えてくるかと思います。
ぜひ低く落ち着いたトーンで話すことを意識されてみてください。
人が多い場合は、地声に頼らずに、遠慮なくマイクとスピーカーも活用しましょう。

2023/12/28 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.315 人前で話し慣れていない人が、話し上手に勝つ方法

「私、人前で話し慣れていないので、自信がありません」

こう悩まれている方は多くいらっしゃいます。

最近、ある大手メディア主催の講演会を見る機会がありました。
講演会では、名前の良く知られた数名の方々が登壇されてお話していました。
皆さん舞台慣れしていて、流暢に話しています。でも意外なことに、ほとんどの方が言いたいことが伝わり難く、記憶に残りませんでした。

実は、人前で話し慣れていることと、内容が伝わることは、全く別の話なのです。

今回の講演会で感じたことは、『話し手の「WHY」が不明確なこと』です。

WHYとは「なぜそれをやりたいのか? 伝えたいのか?」という話し手側の動機のこと。

「なぜそれをやりたいか?話したいのか?」を、聴き手が最も集中している冒頭で語れば、聴き手は自分ごととして聞くようになります。

リーダーであれば「自社がなぜそれをやりたいか?」を、自社の強みとつなげて語ると説得力が上がります。

一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏はこうおっしゃっています。

生き方を示すWHYも入れて、「我が社は、なぜ存在するのか」という存在目的を示せば、関係性が広がり、かつ、人の記憶にも残る。経営戦略の実行では、科学的手法も必要ですが、最初に「何のために」という生き方やロマンがないと、元気が出てこないんです。
(ハーバードビジネスレビュー 2023年8月号)

話し慣れていても、WHYの無い話に人の心は動きません。
話し慣れていなくても、その人なりのWHYがあれば人は元気になります。

ちなみに、冒頭で紹介した講演会で、一番記憶に残ったのは、最後に登壇した無名の若手の方でした。決して話し上手とは言えませんでしたが、「この新しいトレンドを、ぜひ皆さんに伝えたい」というWHYが明確で、お話になったコンテンツにもその気持ちが見事に反映されていました。

ぜひ、今度のプレゼンや年末年始の挨拶では堂々とWHYから開始してみてください。
きっと伝わる話になります。

2023/12/15 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.314 パーパスを、借り物の言葉でなく、自分の言葉で語るために

プレゼンで自社のパーパスを語るリーダーが増えました。
「全社員にパーパスを深く理解してもらいたい」と言うトップもいます。

入社や転職時に「パーパスを年収よりも重要視する」という人はこの5年間で倍増し、いまや半分以上いるという調査もあります。
このためパーパスを語るのはちょっとしたブームです。

パーパスとは「自社の存在意義」のこと。
こうしてパーパスを語ることは良いことだと思います。

一方でパーパスを金言のごとく「間違えてはいけない」と考えて、読み上げてしまうケースもよく見かけます。
しかし紙を読み上げても、リーダーの本気度は伝わりません。
ぜひ自分の言葉で語っていただきたいところです。

「自分の言葉でパーパスを語る」
これは、どうすれば良いのでしょうか。

2019年にパタゴニアの新商品発表を取材したときのこと。
記者会見では、前社長の辻井氏が自社のパーパスを以下のように語っていました。

「私たちは気候変動を解決できる最初で最後の世代。
しかし現在の限られたリソースの中で、どの人に手を差し伸べて、どの人を見捨てるのかというのは、政策の優先順位の問題になってくるという現実を知って、ショックを受けた。

そこでパタゴニアも昨年12月、パーパスを『私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む』に変更した」

現代は人類が地球そのものを地質学的に影響を与えると言われる
「人新生」の時代。

辻井前社長は、社会の分配の問題にまで思考を巡らせて話されていました。

本当に自分の言葉でパーパスを語るために必要なことは、
このような抽象的な思考です。

「何のために自社があるのか?」
「地球のために、人類のために、社会のために、
どんな存在価値があるのか?」

抽象的な問いですが、こんな問いを問い続けることです。

「忙しいのに、こんな抽象的なことを考える時間がない」
そう思われるかもしれません。

しかし、時間をかけて練りに練った「思考のコア」を持つリーダーは、
言動にブレがなく首尾一貫しています。

パタゴニアも、全ての行動が「地球を救う」ことで首尾一貫し、
パーパス実現のために行動に移すことで、
他社が真似できないような圧倒的な強いブランドがつくられています。

本当にパーパスを語るなら、抽象的な思考を止めず、
自分自身の信念を語り、行動を首尾一貫させることが大事なのです。

2023/11/30 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika