ブログ「次世代トッププレゼン」

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自分でページ送りすれば、話しやすくなる理由

パワーポイントを使ったプレゼンで、ページ送り操作をスタッフに任せる方が多くおられます。
私も他の方にページ送りをしていただいた経験があります。

しかし微妙なズレが気になってリズムに乗れず、上手く話すことができませんでした。
このようにページ送りを他人に任せると、タイミングが微妙にずれて流れがギクシャクし、聴き手も違和感を感じます。
話し手がページ送りする方が、説得力が高まります。

また、ページ送りのタイミングで送り手に「次、お願いします」と言う方もおられます。ただこれはプレゼン内容と無関係な言葉なので、聴き手にとってノイズです。

自分でページ送りしてプレゼンすれば、ジャストタイミングで次ページに行けるので話しやすくなり、良いリズムで話せるため聴き手も聞きやすく、説得力が高まるのです。

しかしどうしてもスタッフにページ送りをお願いしなければいけないケースがあるでしょう。
この場合、ページの送り手にめくるタイミングを書いたシナリオとパワポ資料を予めお渡しし、実際に声に出して読みながら、送るタイミングを練習してもらうことで、上記の問題は最小限に減らすことができます。話し手と同じ気持ちになってもらうことが、良いページ送りをするために必要不可欠なのです。

2022/11/30 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

弱みを隠さず堂々と見せれば人の心が動く理由

年末年始は、人前で話す機会も増えてきますね。
でも、「一生懸命話しているのになかなか聞いてもらえない」とお悩みの方も多いかと思います。

そこでぜひ参考にしていただきたいスピーチがあります。
『代々木アニメーション学院 2022年度入学式』での江頭2:50さんのスピーチです。

手紙をゴツゴツと読み上げています。
お世辞にも上手な話し方ではありません。
しかしYouTubeコメントでは絶賛の嵐です。

「素晴らしい。大感動」「胸が熱くなった」「泣ける」「かっこよすぎ!」

江頭2:50さんの話が人の心を動かす大きな理由は、この一言です。

「自分の弱みや恥をさらけだしている」

海外で半裸になって逮捕され、嫌いな芸人ランキングでは9年連続1位。大好きな女性にフラれたことなど、真剣な表情で語っています。
普通だったら、隠したいことですよね。

「共感されたければ、聴き手の目線まで下げろ」とよく言われます。
しかし江頭2:50さんは、これでもかと言わんばかりに大きく下げているのです。
だから、この最後のメッセージが生きてくるのです。

「99人が馬鹿にしたって1人が応援してくれるならそれでいいじゃないか。
夢をおいかけたら必ず壁にぶつかる。
辛くなったら俺を見ろ!」

江頭2:50さんが共感されたのは、入学生の人たちに寄り添った上で、自分の弱みを語っているからです。

注意していただきたいのは「ただ自分の弱みを語ればいいわけではない」ということ。
聴き手は必ず何かに悩んでいます。その悩みに寄り添う形で、自分の弱みを語ることが大切なのです。

人前でお話する機会のある方は、ぜひあなたの弱みの棚卸しをしてみてください。
あなたの弱みを、聴き手目線で堂々と語ることで、驚くほど相手に伝わるかも知れません。

2022/11/23 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

一瞬で記憶される方法

「”難しくて分かりにくい”とよく言われる」
「話が長くなりがち。よく時間をオーバーしてしまう」

こんなお悩み、よく伺います。

実はこれ、そんなに悪いことではありません。
話が長くなるのは、伝えたい事や話したいことがたくさんある証拠。
「難しくて分かりにくい」のも、思いが強過ぎて、ついつい哲学的に語ってしまいがちだからです。

でも、話が長くて分かりにくいと、聴き手に伝わりませんよね。

このようなタイプの方は「メタファー」を使うことです。
メタファーとは「たとえ話」のこと。
「たとえば、こういうこと」というように、誰でも分かるような例で説明するのです。

パナソニック創業者・松下幸之助さんは、ご自身の経営を「ダム(式)経営」と名付けていました。
川の水を満々と貯めるダムは、雨が降らなくても水を供給できます。
つまり「ダム(式)経営」とは、万が一のためにキャッシュをダムの水のように蓄えておくことの大切さを表現しているのです。
でも「常に余裕を持って万が一のために使えるキャッシュを持っておく経営をしなければいけませんよ」というとちょっと分かりにくいですよね。
でも「ダムのように経営しましょう」と言えば、小学生でも一瞬でわかります。

ソフトバンクの孫正義さんも上手にメタファーを使って話します。
2022年8月に行われた決算説明会でも、2022年4〜6月期連結決算で過去最大の赤字を計上したことを「三方ケ原の戦い」で武田信玄に敗れた徳川家康が慢心の戒めに描かせたとされる「しかみ像」を見せながら、反省の弁を伝えていました。

メタファーは、複雑な話を一言で伝え、確実に記憶に残すための武器になります
話が長くて難しくなりがちな人は、ぜひご自分なりのメタファーを考えてみることをおすすめします。

2022/11/09 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

野田元総理の追悼演説が見事だった理由

10月25日、国会にて立憲民主党の野田佳彦元首相が安倍元総理の追悼演説を行いました。

持ち前の低く響く重量感のある声を活かした見事な演説でした。
しかしこの演説で素晴らしいのは、話術ではありません。
考え抜かれた明確な「バリューポロポジション」があったことです。

バリュープロポジションとは

・お客様が求めていて、
・他の人が提供できないけど、
・自分だけが提供できる価値のこと。

自分が話したいことだけ話しても、聴き手が求めていないことならば、誰も聴いてくれません。
たとえ聴き手が求めていることでも、他の人でも語れる内容なら、聴き手は聞き流します。

しかし、その人しか語れない、聴き手が知りたいことならば、聴き手は必ず身を乗り出して聴いてくれます。
人前で話す場合、バリュープロポジションは、3つの質問で考えます。

〔三つの質問〕
1.聴き手が知りたいことは何か?
2.ライバルが語れることは何か?

3.自分しか語れないことは何か?

この演説では、野田氏は「安倍氏は『仇のような政敵』」と評したうえで、こんな話しを語りました

・安倍総理の親任式で、選挙で敗れた自分が前総理として同室になった控え室で、安倍氏の方から歩み寄り、重苦しい雰囲気を変えてくれた

・総理公邸の一室で密かに会ったとき、「(陛下の生前退位に向けた環境整備で)国論を二分することのないよう、立法府の総意を作るべきだ」と意見が一致し、立場の違いを乗り越え、政治家として国家のあるべき姿を論じ合えるのではないかと期待を持った

・遊説の際に「総理大臣たるには胆力が必要だ。途中でお腹が痛くなってはダメだ」と言ってしまった。謝罪が叶わなかった

どれも誰もが知り得ない、しかし聴き手が知りたかったこと。こんな話しを、野田氏はご自身の経験から存分に語っていました。

野田氏の演説は、見事にバリュープロポジションを組み立てていることがわかります。

〔野田佳彦氏のバリュープロポジション〕
1.聴き手が知りたいことは何か?:政敵・安倍氏との関係をいかに語るか?
2.ライバルが語れることは何か?:安倍氏の負の側面を語る(モリカケ問題など)
3.野田氏が語れることは何か?:野田氏の目線から見た仇敵・安倍氏との真剣勝負を語る

【バリュープロポジション】→安倍氏とのライバル関係を昇華し、最大のリスペクトで追悼する

この追悼演説は、野田氏がバリュープロポジションを明確にした上で語ったからこそ、演説終盤の「言葉と言葉、魂と魂をぶつけ合い、火花散るような真剣勝負を戦いたかった。勝ちっ放しはないでしょう、安倍さん。」という言葉に、ずっしりとした重みが宿ったのだと思います。

2022/11/02 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

プレゼンが苦手な人が、一皮むける瞬間

ある新製品発表会でトップがプレゼンをしていたのを見たのですが、1年前と比較して別人のように上手になっていました。
もともと話すのは苦手な方でしたが「一皮むけた」と感じました。

そのトップに話をうかがいました。すると、

「いやぁ〜、この1年間で60回以上も人前で話しました。修羅場でしたよ」

と笑っています。

米国の有名なリーダーシップ研究機関、CCL(Center for Creative
Leadership)では、一皮むけるような仕事経験の特徴を「ハードシップ(修羅場経験)」と表現しています。

経営学者の金井嘉宏氏はこう述べています。

「一皮むけた経験をした人は、その経験を境にひと回り大きな人間、より自分らしいキャリアを磨く人間に変われる。ひと回り大きな人間になるとは、人としての器作りでもある。たとえば『社長の器だった』と言われるか『副社長止まりの器だった』と言われるかの分岐点にもなる」

修羅場が、人の器を一回りも二回りも大きくする。
だから名経営者と言われるような人ほど、修羅場の数が多いのですね。

これは、あらゆる人に共通です。一皮むけた経験は、人を脱皮させ、ひと回り大きな人間にしてくれます。
修羅場の最中は無我夢中で、とても辛いものです。でも、修羅場から逃げずに受け入れれば、人はより強靱に美しく変容することができるのです。

誰しも最初に人前で話すのは、あまり楽しいものではありません。
でもそれも受け入れて何度も話す機会を作ることで、一皮むけていくものなのです。

2022/10/25 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika