ブログ「次世代トッププレゼン」

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No.321 「経験学習モデル」がわかれば大事な本番で成功できる

「大事な本番なのに、緊張しすぎて力を発揮できない」

こういうお悩みの方は多くいらっしゃいます。

緊張を強める原因は、過度なプレッシャーです。
プレッシャーに強くなるには、経験が必要ですよね。

ただ「経験を積もう」とよく言われますが、失敗が多すぎるのもまた逆効果です。
失敗を何十回と繰り返すと、やる気も自信を失われます。

そこでカギになるのは、失敗を最小限、できれば数回程度に留めて、成功経験を増やしながら、改善していくことです。

成功体験はやる気を高め、より次の挑戦を行いやすくさせます。
その結果、プレゼンや面接の成功確率がさらに高まる「良い循環」を生み出します。

そこで参考になるのが心理学者デイビッド・コルブ「経験学習モデル」です。
これは、

 「経験」 実際に経験して、結果を認識する。
「こんな結果になったぞ」
→「省察」 結果を考える。
「う~ん、なんでだろう?」
→「概念化」考えた結果を仕組み化する。
「こうすれば上手くいく!」
→「試行」 考えた仕組みを試す。
「とにかくやってみよう!」

というサイクルの繰り返し、経験を通して成長する、という考え方です。

一周するとまた経験に戻りますが、またここで新たな課題が出てきます。
その課題を考えることで、新たなサイクルが回り、さらに成長します。

これが「良い循環」なのです。

ここでのおすすめは「シミュレーション」することです。

たとえばプレゼンであれば、本番さながらのリハーサルをします。

想定外の事態が起こったときのことも頭に入れておきます。
たとえば、こんな状況です。

「パソコンがプロジェクターにつながらない。どうする?」
「攻撃的な質問が出た。どう答えるか?」

気心知れた友人や同僚、家族の前でプレゼンするのがお勧めです。質問や意見もドンドンしてもらいましょう。
それを録画し、自分で見ることで、この経験学習モデルがさらに回っていきます。

本番リハーサルをたくさんやればやるほど、いざというときにあわてず、緊張が軽減し、成功しやすくなるのです。

2024/02/09 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.320 プレゼンで緊張するときに役立つ3つの方法

本番で緊張しすぎて頭が真っ白になってしまうこと、ありますよね。
でも緊張は、実は能力を発揮するために必要な機能です。

ただし、過度な緊張は力を発揮しにくくなる原因にもなります。

その違いを生むのは心拍数の違いです。

心拍数が130~140ほど上がると、呼吸が浅くなり酸素が足りず頭が真っ白になってしまいやすくなります。

スマートウォッチなどで心拍数を測ってみると自分の状態がわかるので、ぜひ試してみてください。

それでは、プレゼン前に心拍数が上がって過度な緊張状態になってしまったときはどうすればいいでしょうか?

以下、緊張を和らげるための3つの方法をご紹介します。

(1)まず、横隔膜を使って深呼吸

深呼吸することで心拍数が下がります。

しかし、過度な緊張では呼吸をする際の筋肉「横隔膜」が硬くなり、呼吸しにくくなってしまっています。
そこで手をおへその下に当て、ゆっくりと4回以上深呼吸してみてください。

(2)水を飲む

口の中がカラカラになって呼吸が浅くなっているため、しっかり水を飲んでみてください。
「ごくっ」と音をたてるくらいの一気飲みでも構いません。
これで落ち着きをある程度は取り戻すことができます。

(3)温かいおしぼりを顔や首に当てる

ぬるめの風呂に入るとリラックスできると感じたことはありませんか?
これはぬるめの温度が副交感神経を活発にするためです。

居酒屋で温かいおしぼりで顔を拭いている人を見かけること、よくありますよね。
これも副交感神経を活発にし、緊張がほぐれるためです。

過度な緊張は交感神経が過剰に働いている状態ですので、38度くらいの温かいタオルを顔や首に当てると緊張が和らぎます。

本番前には、ぬるめのお湯を入れた魔法瓶とタオルを持って出かけると良いかもしれません。

2024/01/26 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.318 少しの工夫で、オンラインで相手に与える印象を格段に良くする方法

先日、面接対策セミナーを行ったところ、こんなご質問をいただきました。

「オンラインで目線を合わせるためのちょうどいい距離感や角度等を教えてただきいたいです」

今やオンラインでのプレゼンは当たり前です。
オンラインではスクリーン上で顔がアップになります。
このため、対面と比べると、目線の位置や動きがとても目立ってしまいます。

「目は心の窓」と言われます

視線が下向きのままだったり、カメラを真横に置いているせいか画面上でそっぽを向いてたり、台本読み上げのため常に目線を移動させながら話している方々をよく見かけます。
でもカメラに目を向けないと、聴き手と視線が合わないので、相手に気持ちが伝わりません。このため印象が悪くなります。

人は、自分が話している相手を見て、話したくなるものです。

このため聴き手が映っているウィンドウがパソコン上で画面の端にあると、こちらではその画面の端にあるウィンドウを見るようになります。

しかしカメラは通常はパソコンの真正面についていますので、相手から見ると、まるでそっぽ(横)を向いたまま話しているように見えてしまいます。
これって印象がとても悪いですよね。

対策は簡単で、聴き手が映っているウィンドウをクリックして、画面上でカメラの真下にドラッグして置くことです

聴き手が複数人いる場合は、話しかけている対象者、または熱心な聴き手をカメラの下に置くと、話しやすくなります。
こうするとこちらはカメラに視線を向けているので、視聴者全員がまるでこちらと一対一で話をされているように感じます。

話す時に一番集中していただきたいことは、正面のカメラに焦点を合わせて、できる限りぶらさないことです。

あちこち見たくなってしまいがちですが、オンラインでは目線の動きが目立ちます。
カメラを睨むぐらいの気持ちで臨むのが落ち着きと説得力を向上させます。

さらに目線だけではなく、画面で自分が映る部分もとても大事です。

必ずリハーサルをして、バストアップで頭上に空間を取りすぎないように調整してください。時々、図上に空間が広く空いていて、顔は画面の下半分で、鼻から下は映っていない、という方がいます。これも、とてもよくない残念な印象を与えてしまいます。

特にノートパソコンの場合は注意が必要です。
ノートパソコンの内蔵カメラは、目線より下に配置されているので、下からのぞき込んでいるような角度になりやすいからです。暗闇で懐中電灯で下から照らすような怖い映像になってしまうこともあります。
解決するには、パソコンをカメラ目線の位置まで本や段ボールなどを使って上げてみてください。

ほんのちょっとした工夫で、オンラインで相手に与える印象は格段に変わります。
ぜひ試してみて下さい。

2024/01/12 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.317 トップの社内スピーチは、辞めない職場をつくるチャンス

ある社長さんとお話ししていたら、こうおっしゃっていました。

「今、社員たちに望みたいことですか。
すぐ辞めてほしくないんですよ。なるべく長く働いてほしい」

この社長さんの願いとは裏腹に、転職希望者は年々増加中です。

総務省の調査によると転職者希望者は2022年には過去最高を記録。2023年には1000万人超の予想です。
転職希望者の増加に対する取り組みは、もはや重要な経営課題の一つとなっているのです。

社員はなぜ辞めてしまうのでしょうか?

『週刊東洋経済 2023年12月9日号』の「少数異見」に、こんなことが書かれていました。

人事部による退職者へのインタビューを行っても、内容は形式的なものにとどまり、突っ込んだやりとりは少ない。
(中略)
退職の本当の理由を知るには従業員の感情の推移まで洞察する必要がある。
企業には感情を伴う人間が交差する場所である。従業員の「喜び」「誇り」「不安」「イライラ」が何に起因するかを知ることは、退職防止に役立つだけでなく、職場の活力を引き出すことにつながる。
働き続けたい職場とは何か。どんな評価体系ならば責任感をもって働けるか。それを聞き出し、環境を整えるのは経営者である。

この記事を見て実感するのは、社員が本音で話が出来る環境がほとんどの会社で整っていないことです。
大事なのは「この会社なら、皆が気兼ねなく何でも発言できて、かつ自分を偽らずに自分らしく振る舞える」と感じる雰囲気です。これが最近話題になっている「心理的安全性」です。

心理的安全性を高めるカギは、トップの発信です。

まずは「何を話しても良い」というトップの考えを、社内に浸透させる仕組みを作ること。

ただ多くの場合、社員は「ウチのトップは『何を話してもいいよ』って言っているけど、本当のことを話すのはバカみたいだよね。だって本当のことを話すと怒られるし、人事評価も下がるからな。黙っておこう」と思っています。

この考えは長年かけて作られたものなので、なかなか変わりません。

そこでトップは常に社内全体に「トップは本音でそう言っているんだ」と信じてもらうことが大事です。
まず重要なのは、トップが社員の前で話したり交流する機会積極的につくり、率直に腹蔵なく話して謙虚さを示すこと。
そして厳しいこと・耳が痛いことを言ってきても、それを否定せずに、感謝して受け止めること。

さらに社内の経営幹部や部課長にも、この方針と姿勢を徹底することです。せっかく勇気を出した社員が耳の痛いことをいってきても、上司の課長が「最近の若い社員って、ずいぶん正直な発言をするんだねぇ」なんて発言したりすると、(ああ、やっぱり会社は本音で話してほしくないんだなぁ)と感じてしまい、本音で話さなくなります。

私がご支援させていただいたあるトップは、新入社員の入社式の挨拶で「どんどん挑戦してほしい」と言った上で、「仕事の失敗談」をお話しいただきました。するとその後に話した役員たちも、自分の仕事の失敗談を次々と披露しました。

その結果、社員向けのアンケートで多くの人が「とても良かった」と回答していたのです。
トップが格好つけずに謙虚にお話しすることで社員が安心し、少しずつ心理的安全性は高まっていきます。

これから新年会などでお話しする機会も多いかと思います。リーダーの皆さんは、ぜひこの機会に、心理的安全性を高めるようなメッセージを発信していただけたらと思います。

2024/01/05 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.316 大きな声では信用されないし、人も動かない理由

「プレゼンでは、低く落ち着いたトーンで話す方が信頼感が上がりますよ」

私がこのように言うと、ほとんどの方はこうおっしゃいます。

「え?そうなんですか。大きな声でハキハキしゃべることが重要だと思っていました」

確かに「小さな声では伝わらないぞ、大声でハキハキ話せ」という人、多いですよね。

でもこれ、大きな間違いなのです。

実際には、プレゼン、面接、会議などでは、落ち着いたトーンで話す方が、話し手の信頼感も上がります。
たとえば、超一流ホテルの従業員も、必ず落ち着いた声でしっかりと話します。
そして落ち着いたトーンで話してくれる人から、聴き手は自分に対する信頼感を感じるのです。

では、大きな声はなぜ良くないのでしょうか。

それは落ち着いた気持ちで話しても、大きな声には自然と感情が宿って聞こえてしまうからです。
ここでいう「感情」とは、「相手を説得しよう」とする気持ちです。
つまり大声からは「相手に自分の思い通り動いてもらおう」とするエゴが伝わってしまうのです。

「あ、この人、私を自分に従わせようとしているな」と思われた瞬間、聴き手は話し手を無意識レベルで信用しなくなります。さらに自分の価値を感じられなくなるので、やる気(内発的動機付け)も失われてしまいます。

今年、夏の甲子園大会で慶應義塾高校野球部を107年ぶり2度目の優勝に導いた森林監督も、同じ事をおっしゃっています。
森林監督は、練習では必ず拡声器を使っています。大声で指導しないためです。

地声で一対一の会話をあえて全員に聞かせようとすると、どうしても怒鳴るよう言い方になってしまい、それでは言葉が選手の中に素直に入っていきません。できるだけ落ち着いた口調で話せて、なおかつ全員に届かせるためには、拡声器はかなり重要なアイテムです。つい強い口調になってしまうこともありますが、できるだけ冷静に伝えることを心がけています。指導者の仕事は「言う」ことではなく「伝える」ことなのです。
(森林貴彦著「ThinkingBaseball―慶應義塾高校が目指す”野球を通じて引き出す価値”」より)

これから来年に向けて人前でお話する機会も増えてくるかと思います。
ぜひ低く落ち着いたトーンで話すことを意識されてみてください。
人が多い場合は、地声に頼らずに、遠慮なくマイクとスピーカーも活用しましょう。

2023/12/28 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika