ブログ「次世代トッププレゼン」

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質問を受ける時は、首を動かすのを止めよう

 

インタビュアーの質問を受けるとき、何度も相づちをうちながら頻繁に首を上下させたり、ペコペコとお辞儀を繰り返す方をよく見かけます。

確かにこうすることで、謙虚さが伝わったり、「話しを聞いていますよ」という印象を伝えることができます。

反面、落ち着きがなかったり、自信がないように見えてしまうのが玉に瑕。
質問者から見ても、あまりに細かく「うん・・うん・・なるほど」と相づちをされると、話を促されているようで、自分のリズムが崩れてしまうこともあります。
相づちをうちながら、アイコンタクトはまったく違う方向を向いているのも印象がよくありません。私自身も「ちゃんと聞いてくれているのかしら?」と思ったことがあります。

質問を受けるときは、首で頷くよりも、アイコンタクトを重視したいところです。

ある会見で、質問の聴き方が素晴らしい、と思ったトップがいました。

その方は、首はほとんど動かさないのに、穏やかなまなざしできちんとアイコンタクトをとっているので、深く聞いていることが感じられました。頷かなくても声や表情で、きちんと相手に敬意を持って聞き届けていることが伝わるのです。そして、自分が答える番になったときに初めて、「そのとおりです」「なるほど」というように大きくうなずいてから話し始めるのが好印象でした。首を動かさずに人の質問に答えることで、自信のオーラにあふれ、堂々たる経営者としての姿を印象づけていました。

大事なプレゼンの質疑応答では、首を動かさないように意識しながら質問を聞き届けるようにすることで、自信と信頼感を与えることができます。たとえ困った質問を受けても、首をかしげたり、身体を細かく動してはいけません。

質問を受ける際に、必ずアイコンタクトをとりながら、要点だけをメモをとって聴くと、首をフラフラさせることななくなり、大きく改善することができます。ぜひお試し下さい。

 

早口は損

人前に出るとどうしても早口になってしまう方が多くおられます。
実は早口は損をします。伝える内容に自信がないと思われてしまうからです。

さらに早口は、滑舌悪く聞こえてしまいます。聴き手が内容が聞き取れずに大事なことが伝わらず、何度も聞き返さすことになり、聴き手に迷惑をかけます。

私自身、経験があります。伝統あるお店で買い物をしたのですが、対応してくださった店員さんがあまりに小さい声で早口で、聞き取りにくかったのです。この時も何回か聞き直しました。

有能な秘書が見抜く『信用してはいけない人』の特徴」という記事で「早口の人は信用できない」という内容があります。

不自然に早口な人は、伝える内容に自信がないといえる。アメリカの心理学者ポール・エクマンによると、人間は恐れると早口になるとされている。それに加え、あわてると声が高くなる。自分の魂胆を隠して、企業トップや政治家を利用しようと思っている人は、嘘がばれることをひそかに恐れているため、無意識に早口になるのだ。

確かに自信がないと無意識に早口になります。

しかし人間は、自信があっても、人前に出るとテンションが上がり、どうしてもいつもより声が甲高くなり、早口になってしまうものです。人前で頻繁に話していて慣れている方であっても、いつもよりは声が高くなり、スピードも早くなります。

早口だから、その人が「信用できない」「自信がない」とひとくくりに決めつけるのは、ちょっと難しいかもしれません。
しかし、上記の記事の通り、甲高い声で早口は、「信用できない」と一般的に受け取られてしまいがちのようです。
ゆっくりと良く響く低い声で話す方が、「安心感があり信頼されやすい」ということなのでしょう。

人前で緊張している状態で、ゆっくり話すことは簡単なことではありません。しかし意識して自分ではあり得ないくらいゆっくり話してみてください。そのスピードがちょうどよいのです。そして聴衆の反応が良くなってくることが実感できると思います。

 

リーダーの甲高い声は、失望させる

ワールドカップ、残念でしたね。
ところで活躍されているカッコいいスポーツ選手の声を聴いて、「あれっ?」と違和感を覚えたことがありませんか?

特に印象に残っているのは、サッカーのベッカム選手。
選手としての見事なプレー、チームのリーダーとしての圧倒的な存在感。
私の脳内イメージでは、ベッカム選手の声は、「なめらかに響く低い声」でした。

あるときテレビのインタビューでベッカム選手が話していました。
なんと、意外に「甲高かった」のです。
ちょっとがっかりしてしまい、私の脳内にあったイメージとのギャップをうめるのに時間がかかってしまいました。

甲高い声のリーダーは、成果を発揮しにくいとも言われています。チームメンバーがリーダーに無意識に期待していることと少しズレがあるからかもしれません。逆に、名伯楽と言われるような監督や、素晴らしいリーダーは、大抵が良く響く低い声の持ち主であることが多いものです。

日経ビジネス No.1772「遺言 日本の未来へ」にて印象的な記事がありました。

戦後のリーダーたちが日本の未来へ贈る言葉を特集しています。
稲盛和夫さんが、玉音放送で初めて天皇の声を聴いたときのの一言がありました。

「甲高い声やなとおもったけど、くやしかった」

当時、一般国民は天皇陛下の声を聴いたことがありませんでした。
稲盛さんにとって、天皇の声がイメージしていたものより甲高かったのでしょう。

人は無意識にリーダーに期待するものがあるのです。

オペラでも、国民から信頼の厚い王様や裁判官の役は、必ず低い声の歌手が担当します。
また映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で、英国の首相を目指すサッチャーが低い声を獲得しようとトレーニングしている様子が描かれています。

やはりリーダーとは、低い声がもとめられるものなのです。
これからはリーダーは、否が応でもメディアに露出していく時代。
自分の話し声や見た目にも気を配るべきなのです。

 

プレゼン本番では、ボイトレは全部忘れた方がいい

 

こんなことで、心配される方がいらっしゃいます。

「ボイストレーニングができないと、声が上手くでないし、上手にプレゼンできないのでは?」

私はお客様に、「プレゼンをするときは、ボイトレのことは忘れてくださいね」とお伝えしています。
ボイトレとは、ボイトレを忘れるために行っているからです。
トレーニング不足では、表現したいことがあっても思い通りに表現できず、もどかしい思いをします。
そうならないようにトレーニングをしているのです。

でもボイトレが上手くいかないからダメだということはありません。

しかししっかりストレッチを行っているにも関わらず、アスリートでも身体の硬い人もいます。
でも身体が硬いアスリートでも、成績が悪くない選手もいます。
ストレッチは身体を柔らかくして柔らかさを表現するために行うのではありません。
故障を減らして、身体を守るために行っているのです。
イチロー選手はとても身体が柔らかいと言われています。だから故障しません。

一昨年、ゴルファーの青木功さんの講演を聞いたことがあります。
「私は、身体を守るために毎日のストレッチは欠かしません。自分の身体を守るのは自分しかいませんから」とおっしゃっていました。そして毎日「神様、今日もゴルフをさせてくださってありがとうございます」と祈るのだそうです。
ストレッチをしっかり行い、後は天に任せてゴルフを楽しんでいるのです。

ボイトレも同じです。
「ボイトレのためのボイトレ」では残念です。
ボイトレは、あくまでボイトレ。
プレゼン本番では、そのときに盛っている実力で発声して表現を楽しみましょう。

プレゼン本番で、一つだけ意識していただきたいのが「横隔膜」です。
横隔膜が使えれば、喉のストレスが減り、発声が楽になり、聴き手に声が届くようになります。

横隔膜を使えるようにするには、ポイントは一つ。
へそ下9センチの場所にある「丹田」を張ること。つまり、下腹をしっかり張ることです。

本番では、声帯や喉などのことはすっかり忘れましょう。
下腹をしっかり張って、横隔膜だけに意識を持っていってください。
そうすれば、言葉が力に満ちて、聴衆の心に届きます。
あなたが今持っている実力を、必ず発揮できるようになります。

 

「本番になると滑舌が悪くシドロモドロになる」というお悩み

 

「ほんでぃつやごへえ・・ごへえとう・・・ん?・・・ごせいとう・・あ・・?」

プレゼンの大事な締めくくりの場面、「本日はご清聴、ありがとうございました」と言おうと、何度も言い直している方を見て、本当に気の毒と思いました。その方はプレゼン途中でも、簡単な言葉で何度もつっかえていました。

普段はスラスラと話せるものまで言えなくなると、「あれ?私おかしくなっちゃったのかな?」と焦り、「またしゃべれなくなるのでは?」と不安になるもの。こうなると、さらにつっかえるという悪循環に陥ります。

オリンピックの柔道代表を発表する方が、「〇〇キログラム級」と言えなくなってしまっています。

リンク動画

こういうことってよくあることですよね。

こんな様子を見ていると、「今日は滑舌の調子が悪いのかな?」と思ったりしますが、実際には、滑舌に調子が良い・悪いはありません。
原因は滑舌のせいではないのです。

ほとんどの原因は、話すスピードが速いこと。
人は、緊張したりあがったりすると、話すスピードが速くなります

緊張しているときは、意識をしなくても自然にスピードが上がり、早口になってしまいます。こうなると、普段はスムーズに話せている言葉でも、口が回らなくなって言えなくなるのは当然です。

「では本番前に、『いつも通りに話そう』と心がけよう」
こう考えても、やはり失敗します。プレゼン本番では、普段とは心と身体の状態が違うのですから、普段通りにはならないのです。だから当人は「普段通り」に話しているつもりでも、第三者から見るととても早口になっていることも多いのです。

周防正行監督の代表作「シャル・ウィ・ダンス?」で、主人公演じる役所広司さんがダンスコンクールの本番で踊る時、先生役の草刈民代さんが「落ち着いて。落ち着いて。」と祈るように言っていました。これが大きなヒントになります。

本番で成功するコツは、「落ち着くこと」。

「普段通り」に動かすと身体が速くなってしまいますから、筋肉が追いつかなくなり、ミスしてしまうのです。

緊張は悪いことばかりではありません。神経が研ぎすまされ、身体が危機に対して迅速に対応する準備が出来るようになります。だから、いつもより「落ち着いて」臨むようにすれば、自ずと結果はいつもより良くなります。

プレゼンで話す場合も同じです。
いつもより意識して、とてもゆっくり話すこと。
こうすれば、ほとんどの滑舌の問題は解決します。
もともと速くなっているので、これでちょうど良い速さになり、聞いている人も聞きやすくなります。

コツは、三つあります。

(1)まず、息を吸う

息が足りないと子音を言うときに、舌で口の中をこすったり、はじいたりすることがしにくくなります。しっかり呼吸して息をたくさん使いましょう。

(2)言葉を区切る

どんなに難しい言葉でも、少し区切って言うと、確実に言えるようになります。
ちょっと危ないなあと思ったらば、人に分からない程度に少し区切ってアクセントをつけると安定感が増します。

例えば、冒頭の文章だと、息をしっかり吸って、ゆっくり話しなが

「本日は(間)ご(微妙な間)静聴(間)ありがとう(間)ございました」

というようにします。区切ることでブレーキが効いて、早口防止にもなります。

(3)水を飲む

水が手元にあれば水を飲むことをおすすめします。舌やのどの筋肉が緊張で硬直しているのがリラックスすることができます。

本人はとてもゆっくり話しているつもりでも、第三者からは普通のスピードに聞こえます。
ぜひお試し下さい。