ブログ「次世代トッププレゼン」

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プレゼンで、意味なく揺れる「女子揺れ」を撲滅する方法

プレゼンで、女性特有の注意点があります。

言葉のリズムに合わせて頭や体を細かく振ってしまう話し方です。

これは「女子揺れ」とも言われています。

・話しながら体がフラッと細かくゆれる
・ひざをピョコンとする
・髪の毛を触る・かき上げる

などの動作も見られます。95%の女性は無意識にやっていて、可愛らしい印象を与える場合もありますが、ビジネスのプレゼンでは落ち着き無く見えてしまいます。女性以外では、若手の男性に多く、年配男性でも人前で話すことに慣れていない方に多く見られます。

意外にこの話し方はプロの方でも多いのです。先日、ベテラン女性アナウンサーさんがコンサルティングを受けにいらしてくださり、「確かに多いです」と話していました。

また、この癖は他人に指摘されてもなかなか直りません。

昔、私も首をゆすりながら話す癖がありました。録画を見て初めて気がつき、ショックを受けてしまいました。首を揺するどころか、体の中心線もブレて、意味も無く胴体をクニャクニャしながら話しています。直そうとして無理矢理体を固定して話そうとすると、言葉の流れが悪くなり、上手く話せなくなります。

これは、特に緊張しているときに表れます。体や首でリズムをとって話すことで無意識に緊張を和らげているのです。

しかし、いくら「緊張を和らげているのですよ」ということでも、これでは自信がなさそうですし、落ち着き無く見えてしまいます。良いことを話していても、説得力がないのです。

しかし、ある二つのことをすれば、この癖は直り、説得力ある話し方に変えることができます。

一つ目は、横隔膜です。

横隔膜は呼吸をするための筋肉です。しっかりと横隔膜を使えるようになると体幹が安定し、体をクラクラ動かして話そうとしても出来なくなります。「意識していないのに揺れる」ということは、横隔膜がしっかりと使えていないということです。

横隔膜を使うコツは、下腹をしっかり張りながら、息をいつもより多めに吸って話すことです。

二つ目は、手の動きです。

手を広げ、前に出して話すことで、体がバランスをとることが出来て揺れがおさまります。手振りを使えば、堂々として見え、説得力も上がります。

プレゼンで95%の女性は自分自身が揺れていることに気がついていませんので、ぜひ注意してみてください。そして、男性の方は女性が揺れていることが気になっても、なかなか言いにくいと思います。その場合はこのブログを紹介してみると良いかもしれません。

 

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『Mr.パーフェクト』ソニー平井社長が、誰にも見せなかった姿

 

「社長が『あまり人前に出たくない』と言うんですよ。困っています」

広報担当の方から、こんなお悩みをよくうかがいます。

とても参考になったトッププレゼンがありました。

2017年3月31日、銀座・ソニービルで、50年間続いたソニービルを閉館するイベントがありました。ここでソニーCEOの平井一夫さんが登壇されました。

驚きました。なんと平井さん、テナーサックスを吹いたのです。しかも、サックスは初めて。会社の会議室で一ヶ月練習したそうです。

平井さんのプレゼンは、2012年トップ就任直後から数多く見てきました。どんなプレゼンスタイルも完璧にこなします。まさに『Mr.パーフェクト』なのです。しかし、初めてのテナーサックスを吹くとは…。「ここまでやるのか」と驚きました。平井さんは常に自らの殻を破り続けているのです。

でも、こう思われる方もおられるのではないでしょうか?

「それは平井さんだから出来るのでは?」

じつはサックスを吹いた後、控え室に戻るエレベーターを待つ平井さんを偶然見かけました。報道がだれもいない廊下で一人、「ふっ」ととても疲れた表情をされていました。今まで見たことがない平井さんの表情でした。人前で楽器を演奏するだけでも本当に緊張しますし、前の日眠れなくなる人もいるくらいです。しかも多忙な中、練習一ヶ月です。

そのとき、どんなことでも全力投球し、一生懸命に演奏して皆に幸せを届けようとする平井さんの気持ちが心に染み、初めて分かりました。

社員は、「社長にこうなってほしい」と思っています。プレゼンに臨む社長さんに、「これを付けて下さい」と素敵なポケットチーフを買ってあげる社員さんもいます。実は社長さんは、こんな社員の思いを知らないことも多いのです。

平井さんが違う点は、社員の思いを分かっている、ということです。
一方、多くのトップは、「社員のために自分は何ができるか」ということを、口には出さなくても常に考えています。気がついていないだけなのです。

冒頭の広報さんに、「このことを、ぜひ社長さんに伝えてみてください」と申し上げました。

トップでなくても同じことです。プレゼンで、皆さんも自分の役割を演じてみると、色々なことが変わってきます。

詳しくは、月刊『広報会議7月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 
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「社長室の状態」でプレゼンしないために

ある大企業のトッププレゼンを取材したときのことです。

恐らく、いつも通り平常心でリラックスされているのでしょう。
プレゼン中、客席に背中を向けたり、海外著名人ゲストがスピーチする横で反り返り後ろに手を組んで見ていたり、部下のプレゼン中は紙に何か別の書き物をしていたり……
ガタガタに緊張するよりは良いかもしれません。
ただ怖いことに、普段の心構えは、舞台の上では透けて見えてしまうものなのです。ちょっとした心構えで大きく好感度が高まるのに、惜しいことですね。

以前、日本コカ・コーラ株式会社 代表取締役社長だったティム・ブレットさんに、「プレゼン力診断」の取材をさせていただいたことがあります。(最近、ブレットさんはザ コカ・コーラ カンパニー西ヨーロッパ地域代表取締役社長に就任されました)

一番印象に残ったシーンがあります。
ブレッドさんは、最前列に座って部下のプレゼンを集中して見守り、プレゼンを終えた部下に自分から手を差し伸べてがっちり握手していたのです。

この時、とても似たシーンを思い出しました。

クラシックのオーケストラの演奏会で、演奏後に指揮者が、楽団員やソリストと握手したり、一人一人立たせたり、何度も出たり入ったりして聴衆から拍手をもらうシーンを見たことがある方は多いと思います。昔から続いている習慣ですが、深い理由があります。

指揮者は自分で音を出せません。自分がイメージする音楽を作るためには、楽団員に音にしてもらうかしかありません。オーケストラの団員が聴衆の前で賛辞されることで、楽団員は名誉に感じ、次回さらに磨きをかけた演奏をするようになります。さらにこのシーンは聴衆から見て美しくもあり、「この演奏は素晴らしかった」と印象づけることができ、演奏の感動と満足感を高める効果もあるのです。仮に演奏の一部でミスをしていたとしても、プロが気にするほど実際の聴衆は細かいミスまで分からないものです。

これは会社でも同じこと。ブレットさんは、この相手をリスペクトする欧米的な習慣が自然に身についていて、無意識に行っていたのではないでしょうか?

一方で日本の多くのトップは、「社長室の状態」をそのまま持ってきて講演会場でプレゼンしていて、とても損をしています。
ブレッドさんと同じことを日本人がやると「嘘くさい」「キザだ」と思われるかもしれません。しかし心から信じて堂々と行えば、板について見えるものです。お客様も、相手へのリスペクトをしっかり感じることができます。

じつは「演じるプレゼン」のほうが聴衆には伝わるのです。

欧米式からも学べることは沢山あります。
これからのトップは、「会見での人格」も育てるべきなのです。

 

 

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語尾落ちすると伝わらない。どう直すか?

こんなお悩みをよくいただきます。

「どうしても語尾が不明瞭になります。語尾までしっかり話せるようにしたいのですが…」

実は声が良くて滑舌が良い方でも、語尾が不明瞭な人は意外と多いのです。
そういう方は、ご本人では意外なほど「自分が語尾落ちしている」ことに気がついていません。

そして自分の録画や録音を聞くと大変驚かれます。

「え?これ、自分?最後まで聞こえていない…。何言っているかわからないよ…」

私が会見でプレゼン取材していても、語尾不明瞭な方は意外と多く見受けられます。たとえば、

「当社はこの戦略を実現すべく、この施策がむにゃむにゃむにゃ…」
「このようなことは、当社としては絶対にむにゃむにゃむにゃ…」

場合によっては、肯定と否定の区別もわからないこともあります。聴き手の解釈次第で、全く正反対に受け取られてしまう可能性すらあります。
さらに語尾が不明瞭だと、聴き手は何を言っているのかを一生懸命聞き取ろうとしてストレスがかかり、内容理解が浅くなります。
一対一の会話なら相手も「もう一度おっしゃっていただけますか?」と尋ねてくれますが、トッププレゼンでは誰も聞き直しません。

せっかく大切なプレゼンなのに、伝えたいことが伝わらないのは、とてももったいないことです。

語尾落ちが厄介なのは、気がついても、すぐには直らないこと。
「語尾までしっかり話さなければ!」と意識しすぎると、なにをしゃべっていいのか分からなくなり、口が止まってしまう方もいます。

語尾落ちするのは、滑舌の問題ではありません。滑舌が悪ければ最初から最後まで聞こえ難いものです。
語尾落ちには、原因がいくつかあります。

【原因1】頭の回転が早く、次にしゃべることや次のチャートが気になってしまう人。話し方が前のめりで、言葉のリズム感が早く、間合いがとれていないので、聴衆は話についてこられなくなります。
【原因2】優しい性格で、日頃からはっきりとしたものの言い方をしない人。
【原因3】意外と多いのが、言葉の最後で口や鼻に手をやってしまう身振り手振りのクセがある方。これをすると声の響きがストップされてしまい、大変聞こえ難いものです。

上記で共通するのは、語尾の最後で息を抜いてしまうことで起こります。息の流れをつかさどる「横隔膜」の筋肉を緩めてしまうと、呼吸が流れなくなり、とたんに声の響きが落ちてしまい、滑舌の良い人でも聞こえなくなってしまうのです。

語尾落ちをなおす対策があります。
・まずゆっくり話すように心がけること。
・そして言葉の間合いで息をしっかり吸い、横隔膜をしっかり使い、最後まで息を流すこと

「語尾落ちしないように!」と考えると、かえって話しにくいものです。
意識してゆっくり話し、息を吸って無意識に横隔膜が使えていれば、話しの内容に集中出来ますし、自然に語尾落ちしないようになります。

 

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「プロンプター依存症」の副作用

ある日本を代表する企業のトッププレゼンを見に行ったときのこと。
スラスラと淀みなく出る言葉。時折出る笑顔。会場の聴衆にもしっかりと目を向けています。

しかし、どこか不自然さが伝わってきます。
話している言葉も、まるで完成された綺麗な文章をそのまま読んでいるようで、パッションが伝わってきません。

目を見ていたら、すぐにわかりました。
目はこちらを向いていますが、聴衆とアイコンタクトしていないのです。
ふと視線の先をたどって後ろを振り向くと、巨大なプロンプターに、トップが読み上げるスピードに合わせて台本がゆっくりと流れていました。その文章には、「間合をとる」「笑顔」という注意書きもしっかり書かれています。

プロンプターは便利な道具です。
プロンプターを使えば、間違いなく話せます。
しかも会場を見ながら、いかにもアイコンタクトをとっているように話すことができます。
最近、多くのトッププレゼンで、プロンプターが使われるようになりました。
トップがプレゼンで一番怖いのは、「何を言うか忘れること」。
だからプロンプターを一度使うと離れられなくなるものなのです。

しかし実は、読みながら話すことは、プロや経験豊富なスピーカーではないと、とても難易度が高いのです。
普通の人がプロンプターに頼ってしまうと、棒読みになったり、視線が泳いでしまったり、言葉に気持ちが入らなくなります。

文章を確認しつつ聴衆には読んでいるように感じさせず、生きたアイコンタクトも欠かさず、プロンプターを使っているのを誰にも気づかせずに、あたかも自然に「今そこでこのストーリーが生まれた」というように即興性を持って話すことは、話しのプロが相当の経験を積んでも難しいことです。

しかも、プロンプターには怖い副作用もあります。
「企業のトップならば覚えて話して当然」と思っている聴衆の期待を裏切って、「ああ、この人はカンニングしているのね」という、「ちょっとずるい人」という印象を無意識に持たれてしまうのです。これは経営者にとっては、大きなマイナスです。

先日、ユニクロの柳井正社長の会見に同席しました。
柳井社長は講演嫌いで、依頼があっても余程の理由がない限り絶対に受けません。
実際に決して上手ではありません。
会場では巨大なプロンプターが設置してありましたが、プロンプターは使わず、内ポケットからメモを取り出し、演台で広げて話していました。メモを置いていても、極めて強いアイコンタクトで聴衆とコミュニケーションし、太い声で自らの壮大なストーリーを腹の底から語っていました。

もちろん、メモを見ずに話すことができればベストです。
しかし、柳井さんが内容を覚えていることは皆知っています。
そしてメモを見ていることも隠しません。
堂々と自分の土俵に立って話しているので、全員納得してしまうのです。

プレゼンの目的とは何なのでしょうか?

間違えずに話すことではないはずです。
プレゼンの目的とは「そのプレゼンを聞いた人が良き方向に行動が変わること」です。
トップの溢れるようなパッションを自分の言葉で語るからこそ、人の心が動き、市場が動くのです

 

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