ブログ「次世代トッププレゼン」

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なぜその服を着るか、説明できますか?

 

「どんなファッションでプレゼンしたらいいのでしょうか?最近、ジーンズで出るトップも多いようですが…」

広報担当者さんから、こんな質問をいただきました。

確かに、最近、カジュアルファッションでプレゼンする方が増えてきました。しかし、プレゼンは公式な場です。どんなファッションでも自由に出て良いわけではありません。ファッションにはあるお約束があるのです。

先日、会計ソフト会社Freee・佐々木大輔社長のプレゼンを取材しました。
佐々木社長は、いつでもどこでも会社のロゴ「freee」が入ったコーポレートTシャツを着ています。この日も、やはりTシャツ姿でした。

またイベント会場では社員全員もコーポーレートTシャツを着ていました。しかも、色や形もそれぞれが違ってバリエーション豊かなのです。女性は細身で首の部分が広めに開いた形だったり、髪の色に合わせたTシャツを選んでいる男性もいました。各自が自分に合ったTシャツを選んで着ているのが伝わってきました。

佐々木社長がTシャツを選ぶのは理由があります。「合理的で、分かりやすく、無駄がない」という自身の経営理念を体現しているからです。

トップがメディアの前で話すことは、すべてのステークホルダーが注目しています。
「あなたはどうしてこんな格好で出ているのですか?」と聞かれたとき、説明できることが必要なのです。
納得できる説明ができれば、繰り返し着てもらっても大丈夫。トップファッションには、説明責任が伴うのです。
私は、これを「ファッションのアカウンタビリティー」と名付けています。

佐々木社長は、このファッションのアカウンタビリティーが明確。だからTシャツでOKなのです。

佐々木社長の「プレゼン力診断」にご興味ある方は、下記記事をご覧下さい。

freee佐々木大輔社長のプレゼン分析「一貫した経営哲学を体現」

プレゼンの笑顔は、ふざけて見えるか?

 

「プレゼンでは笑顔を心がけています。でも、『ニヤニヤしてふざけている』って言われないでしょうか…」

講演で、「笑顔が大事ですよ」とお話しすると、こんな質問を受けることがあります。

笑顔は、すべてを癒やします。

ただ、普通のビジネスパーソンは、自分では笑っていると思っていても、笑って見えないことがほとんどです。
だから笑顔を出せるということはとても凄いことです。

 

最近拝見したプレゼンの中で好感度が高かったのは、スタバの水口社長と、KDDIの高橋社長です。お二人とも笑顔が素晴らしく、もし「笑顔選手権」というものがあったとしたら確実に上位入賞できそうです。

特に高橋社長は、基本の顔の作りがいつも笑っているようなお顔をしています。この顔は、黙っていても周囲が和みますので、とても得をしていると思います。

そして高橋社長の場合、笑ったような顔をしていても、決してユルんだ空気になりません。囲み取材で高橋社長を至近距離で見ていましたら、目の奥がまったく笑っていないことに気がつきました。目の奥底に湛えた厳しさに、怖ささえ感じたほどです。これは、あらゆる修羅場をくぐり抜けて来た人だけが持つまなざしです。このまなざしが、ニコニコと記者との敷居を外しながらも、程よい緊張感がある理由なのだと思いました。

水島新司のマンガ「ドカベン」で微笑三太郎という三塁手がいます。微笑は、「笑ったような顔をしていて優しそうだが実は気が強い」というギャップのあるキャラクターが際立っていました。高橋社長は、まさに経済界の微笑三太郎だと思います。

「高橋社長は別格だ」と思われるかもしれませんね。でも、どんな人でもユルんだ空気にならないポイントがあります。

それは「緊張感」です。
皆さんは、プレゼンのとき緊張しますよね。
緊張感さえ持っていれば、雑談をしているときの笑顔とはまったく違ったものになります。

緊張感は悪いもののようにばかり言われますが、じつは本番ではなくてはならないものなのです。

ぜひ、笑顔を出して、素晴らしいプレゼンをしてください。

 

 

 

早口で話すと、戦う前から負ける

 

国会中継の生放送を何気なく見ていたときのことです。

質疑者に女性議員さんが立っていたのですが、猛烈な早口に驚きました。さらにその女性議員さんは、とても甲高い声なのです。

早口過ぎて言葉が処理し切れず、言葉をはしょって話しているところも多く見られました。早口は、下り坂を下るように加速がつくものです。話す速度はますます速くなっていきました。国会はあらかじめ質問の内容が決まっていますので、もし言葉が聞き取れなくてもある程度内容が予想できるので良いのですが、そうでなかったら何を話しているのか理解できなかったでしょう。

また、ご本人も自信がないのか、資料から目を離せずに読んでいるので、相手の大臣とのアイコンタクトがとれていません。質問の様子を見ていた大臣は、口元にニッとした笑みを含みながら、「勝ったな」とばかりに自信に満ちて立ち上がりました。

国会の質疑は、国民を代表して質問する場。説得力を持って話をすることが問われます。「舌鋒鋭く」という言葉もあるくらいで、攻撃力も必要とされます。真剣勝負の戦いの場でもあるのです。

しかし早口では内容を聞き取りにくくなりますし、聞いている方は話を理解するのに頭がついていけません。加えて、戦う相手とアイコンタクトをせず、文章を読み上げているようでは、自信がないという印象を与えてしまいます。

早口では説得力が失われてしまうと言うことです。

早口で話すことで、戦う前から負けているのです。

この女性議員さんは、猛烈な早口でも話しはできていたので、本来滑舌は悪くないと思います。興奮していたせいか、息を吸うときに「ヒィッ」という音がしていました。十分に息が吸えていない状態です。女性議員さんの改善点は、落ち着いて息を吸うことです。深く息を吸って、ゆっくりと落ち着いた良く響く低い声で質疑をお願いしたいと思いました。

現在の国際状況を見ても、日本は大事な場面に立たされていると感じています。国会議員の皆さんには、自らの発言が国の将来を左右しているという覚悟を持って、戦いの場としての話し方を極めていただきたいと願っています。

 

困った質問を受けたときに、まず行うべきこと

質疑応答で、答え難い質問が出てしまったとき。
あるいは、予想してなかった質問を受けてしまったとき。

緊張して、不用意に答えてしまったり、ごまかそうとしてしまう場面をよく見かけます。
こういうときは、どうすればいいのでしょうか?

子供の頃、学園ドラマが好きでよく見ていました。
クラスで問題が起こり、女子生徒が先生に訴えます。

「先生!山田君がお掃除係りをサボって困ります!」

すると先生は、「それはいけませんね」…とはいいません。

「そうか。山田君はお掃除係りをサボるのか。」

と、ゆっくりと響く声で、質問そのものを繰り返すのです。
なぜ繰り返すのでしょうか?

3つ理由があります

一つ目は、「質問者を受け止めました」という意思表示にもなること。これで質問者が安心します。
二つ目は、すぐに結果を言ってしまうと質問者が考えなくなってしまいますので、これが避けられること。
三つめは、質問を繰り返すことで、先生側が質問について考える時間が取れるようになり、またゆっくり話すことで心も落ち着き、より良い回答ができることです。

ただし、相手に対してリスペクトがない場合、相手にムッとされてしまうことがありますので注意が必要です。

私自身、自分が質問したときに「これって、こういうことですよね?」と甲高い声で質問し返されたことがあります。これはマニュアル通りなのですが、ちょっと印象が良くなかった記憶があります。

困ったら、まずは「ゆっくりと、質問を繰り返す」。
また困った質問は緊張して息が止まりがちになります。
繰り返す前に大きく息を吸うのも効果がありますよ。

 

質疑応答を盛り上げるには、リズム感

 

「プレゼン後の質疑応答が盛り上がらない」
これはよくあることです。
質疑応答はお客様の意見を聞く貴重な機会。できれば良い感じで進めたいですよね。
質疑応答で、お客様の言葉を引き出すコツがあります。

2018年5月29日、KDDIの「au発表会2018 Summer」記者発表会で、新しくトップに就任した高橋誠社長のプレゼンを取材したときのこと。高橋社長の囲み取材は大盛況。記者から活発に本音の質問やコメントが数多く出ていました。

高橋社長のお人柄もあるのでは?と思いがちですが、理由はそれだけではありません。

記者から質問があると「ほう!」とか「おおお〜!」とか、特に辛口の質問には「えっ!?…えええっ!?」と3割増しくらいで大げさにリアクションしながら、リズミカルに掛け声をかけていました。
高橋社長の掛け声で、記者を乗せながら言いやすい流れにしていたのです。囲み取材の雰囲気が「祭り」のようになっていく不思議な感じでした。まさに盆踊りのノリなのです。

後日分かったのですが、高橋社長は和太鼓をやっていたとのこと。
和太鼓はテンポ感、リズム感、間合いが命。
メロディや歌詞がありませんから、テンポとリズムだけで情緒を表現します。また、和太鼓は掛け声も大事です。「セイヤ!」 「ソイヤ!」といった様々な掛け声を、ここぞという間合いでかけながら音楽に魂を入れていきます。記者にへの掛け声は、まさに和太鼓の掛け声を彷彿とさせるものでした。

質疑応答は、お客さんとの対話。
相手が気持ちよく話せるように、掛け声をかけてのせてあげることも質疑応答を盛り上げるコツなのです。

質疑応答がなんとなく盛り上がらないなあと感じたら、思い切って質問に対して「ほう!」と掛け声をかけてみましょう。

月刊広報会議2018年9月号「プレゼン力診断」で、KDDI高橋社長のプレゼンを診断しました。
この日は、悪女キャラでブレイク中の菜々緒さんも登壇しました。高橋社長の、菜々緒さんに対する怖い物知らずのコメントもリズム感抜群でした。

下記リンク先からも読むことができますので、もしご興味ありましたらご覧下さい。

「微笑みながら空気は緩めず 卓越したコミュニケーション術」