プレゼンの後、悩んでいる方がいました。
「今回のプレゼン、絶対良くなかったと思うんです。つまらなそうに聞いている人も多かったし…」
せっかく面白いことを話しているのにウケが悪いと、こう思いたくなってしまうものです。
でも、他人の心の中は、意外とわからないものです。
ある絵画教室で、同じ「赤い」リンゴを描いていたのを見た時に、1人1人まったく違う配色だったことがあります。
人によっては青みがかっていたり、茶色だったり、黄色っぽかったり…。
私が赤く見えているリンゴが、他人も赤く見えているとは限らないようです。
さらに、絵の具のクオリティや、描き手の技術・体調も影響しますので、実際に描かれるリンゴが果たしてその人の頭の中にあるリンゴと本当に同じかどうかも分かりません。どう見えているか科学的に証明する手段もありません。このように、実際に置いてあるリンゴでさえ、人によって見え方が違います。
教育学者の田端健人氏は、「心理学的に他人の内面を知ることは疑問の余地があり、安易に他人の内面を判断することは危険」と警鐘を鳴らしています。
臨床心理学者で心理カウンセラーのロジャーズも、「他人の内面を知ることを確信しているわけではなく、出来るだけ内面を知ろうとする努力目標程度のものでしかない」と言っています。
専門的なトレーニングを積んだ心理カウンセラーでも他人の心は分からないのです。
つまり、いくら考えても、それだけでは人がどのように考えているかはわからないのです。
ではどうするか? 簡単な方法があります。それはアンケートをとること。
「なんだ、そんなことか」と思うかもしれませんが、実際には多くの方々はプレゼンの際にアンケートをとっていません。
冒頭で悩んでいた方もアンケートをとっていませんでした。
アンケートをとれば、聴き手の反応が分かり、余計な心配ごとも減ります。足りなかったところは次回に活かすこともできるのです。
プレゼンを控えている方は、ぜひ今度はアンケートを取ってみて下さい。
必ず何か発見があるはずです。