忘れることでプレゼンが上手くなる理由

知人がある日、突然プレゼンが上手くなりました。
不思議に思ったので、何かきっかけがあったのか聞いてみました。

「忘れることだったんだよね」

知人曰く、「以前はプレゼン前日まで必死で覚えようとしていた」。

でもあるとき、覚えたことを一度すっかり忘れると、急に肩から力が抜けて話せることに気がついたそうです。

「忘れる」とは、約束を「忘れる」、テストで覚えたことを「忘れる」、持って行く大切なモノを「忘れる」など、ネガティブな意味として捉えられがちです。しかし知人はこう言います。

「忘れることは、とても大きな意味があるようなんです」

脳の力を最大限に発揮できるからだ、と言います。

知人の場合、まず前々日まで何を話すかを徹底的に考えて覚えます。
その上で、「一旦忘れる」のです。意識上は忘れて何も考えていないようでも、既に頭を使ってインプットしていて、本番も
控えているので、プレゼン内容は心のどこかに引っ掛かっています。この状態に持ち込むことがカギだそうです。

「忘れることで潜在意識の働きで勝手に整理してくれるんですよね。プレゼン直前の1時間前に資料をじっくり見直して再度
頭を整理すれば、大抵はいまくいきます」

覚えるだけが学びではありません。人は「忘れる」ことで自らの能力を引き出すことができるのです。

2022/05/26 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

真似プレゼンと、イタい猿真似プレゼンの違い

「ジョブズのようなプレゼンがしたい」
「池上彰さんみたいに話したい」

このようにおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

プレゼンでも、「真似る」ことは悪いことではありません。
「学ぶ」ことは、「真似る」ことでもあります。
「まなび」は、模範となる人を見つけて「まねる」ことから開始するということです。

しかし、真似には怖い罠が仕掛けられています。
それは”猿真似”。
猿真似プレゼンほどイタいものはありません。

ジョブズのような達人は、長い年月の試行錯誤と葛藤を経て、自分に合ったスタイルを確立しています。
資質や生き方、体格もまったく違う人が単に猿真似をしても、聴き手が違和感を感じるのは当たり前ですよね。
本来の真似をして学ぶべきは、結果としてのプレゼンスタイルではなく、そのプレゼンスタイルの背後にある考え方ではないでしょうか?

それらを理解せずに単にスタイルを模倣しているだけの人は猿真似の罠にはまり、「イタいプレゼン」になるのです。

では、猿真似の罠にはまらずに大成するにはどうすれば良いのでしょうか。
それは達人のプレゼンスタイルをそのまま鵜呑みにせずに、まずは形を真似てみて、問題意識を持ちながら改善していくことです。

大本山永平寺の七十八代目貫首、宮崎奕保禅師が、真似について以下のように言っています。

『仏の真似を一日真似れば一日の仏、三日真似れば三日の仏。一生真似ればそれは本物だ』

真似は簡単ですが、真似を継続するのは難しいのです。

美味しいところだけ真似るその場しのぎの真似は、学ぶことにはならないただの「猿真似」。
本物の学びとは、葛藤を伴う試行錯誤のプロセスから為されるものなのだと思います。

2022/05/18 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

緊張バレしないテクニックの徹底活用

「緊張して失敗しちゃう」とお悩みの方、多いですよね。

でも緊張に悩む人でも、一人だけだと緊張しませんよね。
人は、他人の存在を感じるから、緊張します。
さらに「他人に自分の緊張がバレた」と感じと、もっと緊張します。
ではどうすればいいでしょうか?

プレゼンでは、冒頭3分が最も緊張を強く感じるタイミングです。
でも極度な緊張はそう長くは続きません。

だからカギは冒頭3分です。
ここを「緊張バレ」せずに乗り切れば、緊張は徐々に減ります。
でもここで「緊張バレ」すると、さらに緊張する悪循環にはまります。
冒頭で緊張バレしない環境作りが大切です。

声の震えは、聴き手は「こんな声なのね」と思うので、人は気にしません。
一番緊張バレしやすいサインが「手の震え」です。
手が震えていると確実に「あー、緊張しているのね」とバレます。こうなると悪循環ですよね。

そこで緊張する人にお勧めが、「冒頭で、絶対に何かを手に持たない」こと。
たとえば、読み上げるメモやマイク。震えると一瞬で「緊張バレ」です。

冒頭3分は話す内容を覚え、手持ちマイクを使わずにピンマイクやマイクスタンドを使えば、「緊張バレ」は回避できます。ここを乗り切れば、緊張の悪循環を断ち切って、プレゼンも上手くいきます。ぜひお試しを。

2022/05/10 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

女性のプレゼンで気をつけたい4つのポイント

女性がプレゼンするのを見ていると、どうしても女性に共通しがちな、あるパターンが気になることがあります。
そこで今日は、注意したい点と改善方法を4点お伝えしたいと思います。

(1)頭を振って話す→安定させる
一言一言、頭を振りながら、無意識に身体でリズムを取って話す方をよく見かけます。男性の方でもいらっしゃいますが、比率で言うとこのパターンで話すのは女性に多くみられます。このように揺れながら話すと、落ち着きがなく幼い印象を与えてしまいます。
できるだけ体を安定させて話しましょう。ただ、プレゼンしていると話すことに気を取られてしまい、自分の揺れは気がつきにくもの。職場の方に、話しながら揺れているかどうかを確認してもらうといいでしょう。

(2)メイクが濃すぎ→清潔感重視に
ここ一番のプレゼンでは、ついついメイクを頑張りすぎてしまいがちです。でも「ここ一番」のビジネスほど、清潔感を重視しましょう。目安としては、普段通り〜普段の2割増し以内にとどめることがお勧めです。

(3)香水の匂いがキツい→抑えましょう
最近は、強い香りが原因で頭痛やめまい、吐き気などを起こす「香害」が問題になっています。コロナ禍も一段落して、リアルな場のプレゼンが増えてきました。リアルのプレゼンではつけすぎに注意が必要です。

(4)オンラインで顔が半分→位置を確認しましょう
オンライン会議やプレゼンを見ていると、高確率で女性の方は画面で顔半分が切れています。男性は滅多にありません。これはあまり良い印象を相手に与えないので、損をしています。事前にカメラテストで自分の顔の位置を確認し、顔が画面の良い位置に収まるように椅子やカメラの高さを調節しましょう。

以上の4点は、なかなか自分では気付かないもの。身近な方にチェックしてもらうのがお勧めです。

2022/05/04 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

口ベタでもプレゼンが上達する方法」

「口ベタでプレゼンが苦手なので、できれば上手になってからプレゼンしたいんです」

このようにおっしゃる方がいらっしゃいました。
「上手になってからプレゼン」と言っていると、いつまで経ってもプレゼンはできません。
人が成長するために必要なのは、アウトプットして、結果から学ぶこと。
プレゼンも本番を経験することで上達します

プレゼンで聴き手の反応がわかります。その反応を元に「どうすればもっと良くなるか」もわかるのです。

他人の考えや頭の中は、絶対にわかりませんよね。でもアウトプットすれば、他人の反応が見えます。こうして自分が知らないことがわかります。知らないことを知ることが、自分の限界を超える助けとなり、成長につながります。

たとえば、営業のプレゼン。Aさんはプレゼンしたのに上手く契約がとれませんでした。
「なぜ上手くいかなかったのか」と振り返ってみて「お客さんが『困っているのはソレじゃないんだよね』って言ってたなぁ。そうか、聴き手の課題が把握できていなかったんだ」ということにAさんは気がつきました。Aさんは「顧客の悩みをまず理解しなければ」という学びを得ました。次からは、顧客のところに行く回数を増やし、顧客とコミュニケーションをとることで、顧客の悩みをまず理解して、それを解決するプレゼンを心がけるようにできます。

この場合、Aさんの失敗の原因は「プレゼンが下手だったから」ではありませんよね。
「顧客の悩みを把握できていなかった」ということです。

「上手になってからプレゼン」と考えてハウツー本を読んでプレゼンの練習をしていたら、こんなことには気付きません。
まずアウトプットして、そこから学ぶ方が学びも大きいのです。

教育理論家のデービッド・コルブは、この営業のようなサイクルを「一度だけではなく何度も循環させることが成長を促進する」と言います。これがコルブの「経験学習サイクル」といわれるものです。

プレゼンが上手になるための第一歩は、まず思い切ってプレゼンしてしまうことが大事なのです。

2022/04/26 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

オンラインは1〜2万円の投資で、圧倒的に好感度を高くできる

「どうもオンラインでのプレゼンが苦手で…」
「対面じゃないと伝わらないのでは?」

こんなお悩みを抱える方は多くおられます。
しかしこのわずか1〜2年で、オンラインでのコミュニケーションが出来ないと、ビジネス自体が成り立たなくなりました。

「いやいや、コロナが落ち着けば必ず対面に戻るはずだ」
こう信じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし人は一度便利なものを知ってしまうと、もう戻れないものなのです。
たとえば普段スマホを使っているあなたは、以前のガラケーに戻りたいと思うでしょうか?
iPhoneが普及し始めると、それまで「ガラケーでいい」と言っていた人も使うようになりましたよね。iPhoneのように便利なものを知ると、人はiPhone以前の世界には戻れなくなるのです。

オンラインも同じです。オンラインは便利です。いつでもどこでも打ち合わせできます。一度この利便性を知ってしまうと、わざわざ時間をかけて移動して会議をしたいと思わなくなってしまうのです。

オンラインのもう一つの良い点があります。
意外なことかも知れませんが、工夫次第でリアルよりも好感度を高めることができるのです。

現実には、オンラインの印象を良くしようと努力している方は多くありません。
「画面上の顔が暗くて怖い」「声が聞き取り難い」「顔が画面の半分しか出ていない」といった要素は、相手にストレスをかけてしまいます。

そこで、オンライン機材に投資することをおススメします。
オンライン専用の照明器具はリアルより顔映りを良くしてくれます。専用マイクで、異次元の声質に品質アップします。
しかも、全部合わせても1〜2万円程度の投資で、別世界のクオリティになるのです。

いくらオンラインで話す練習をしても、顔が暗く、声が途切れているようでは、印象は悪くなる一方です。

他の人がオンライン機材に投資していない今、投資を行えば、差別化することもできます。
オンラインコミュニケーションは今後なくなることはありません。だから投資はムダになりません。

この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

2022/04/19 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

早口を改善する方法

「ワタシ、早口なんです。プレゼンで緊張しちゃうと、もっと早口になるんです。どうすればいいでしょう?」

こんなご質問をいただきました。

早口の方には共通点があります。まず頭の回転が速い。だから言葉が加速しやすくなります。
しかし早口だと言葉が不明瞭になって、さらに話しの展開が早過ぎるので、聴き手は話しについて行けなくなります。
良いことを話しても、早口で伝わらないのはとても残念ですよね。

そこで早口を改善するために、3つの方法をご紹介します。

(1)まず、しっかり息を吸いましょう
話す前に、まずしっかりと息を吸いましょう。
早口になるのは、文章のワンフレーズを話すための息が足りなくなってしまい、息が続いている途中で慌てて文章を終わらせてしまうからです。

これはプールで10メートル息継ぎ無しで泳ぐことを想像すればわかります。息が足りなければ急いで泳ぐ必要がありますよね。途中で息切れしたら続かなくなります。でも息が足りていれば、ゆっくり泳いでも大丈夫ですよね。

話し方も同じです。しっかり吸ってから話し始めれば、早口にする必要がなくなって、ゆっくり話しやすくなります。意識して大きく呼吸するようにしましょう。

(2)言葉を区切りましょう
早口になっているときは、間合いがなくなっています。間合いがとれないと、スピードはどんどん加速します。
こんなときは、言葉を区切って話します。ブレーキ効果で早口が改善します。

たとえば「先端技術」という言葉。普段言えていても、早口が加速すれば言えなくなります。そこで「先端、技術」、または「先、端、技術」というように短く区切りながら話します。区切ることでブレーキが利き、ゆっくり話せるようになります。

(3)録音して確認しましょう
ゆっくり話しているつもりでも、いつのまにか早口になっていることは多いものです。だから録音して確認してみましょう。今のスマホは録音機能がありますので、カンタンです。実際に会議やプレゼンを録音して自分の声を聞いてみると、想像以上に早口であることが分かります。客観的に早口を認識できれば、改善もしやすくなります。

早口は伝わり難いので損をしがちです。ぜひ落ち着いてゆっくり話す習慣をつけたいものですね。

「緊張で相手の目を見られません」というご相談

「緊張して、相手と目線をあわせられません。つい逸らしてしまう癖があります。どうすれば良いでしょうか」

こんな質問をいただきました。

一対一の対話に限らず、プレゼンでも聴き手と目線を合わせてコミュニケーションしていくことは大事なことです。

しかし一方で、目を逸らすことは一概に悪いこととは限りません。

「目力」という言葉があるように、人の目には力が宿っています。だから相手の目をジッと見るのは、実は疲れることなのです。

私は、目を逸らさずジッと凝視してくる人に圧を感じてしまって、とても疲れたことがあります。凝視せずに、適度に目を逸らしながら会話できるほうがお互い自然にふるまえますよね。これはプレゼンでも同じです。

問題は、目の逸らし方と頻度です。常に目線がキョロキョロしていると落ち着きが感じられずに、聴き手からの信頼が得られません。そこで、相手の目ではなく、少しずらした部分(相手の耳の横や鼻先など)を見て話して、大事な部分だけ目を合わせていくような工夫をすることで、話しやすくなり、相手も聞きやすくなります。

そんな緊張で目線を逸らす癖のある方にとって、本当はオンラインはとても楽なのです。
相手の力が宿っている目を見ずに、カメラのレンズを見て話せばいいわけで、意外に話しやすいものです。
実は緊張する人ほど、オンラインの方が力を発揮しやすいかもしれませんね。

プレジデントウーマンに特集記事掲載いただきました

3月28発売の「プレジデントWOMAN プレミア 2022年春号」に、特集記事を掲載いただきました。タイトルは下記です。

「実は、オンラインもリアルもアガりやすい人が強いんです
 いつもの緊張を魅力に変える魔法のプレゼン技」

こう思っている方、多いと思います。
「緊張するのは悪いこと。だから緊張を無くさないと」

じつは緊張は脳のリミッターを外して最高のパフォーマンスを発揮させようとするすごい武器なのです。

「今から勝負!」と思うと交感神経が活性化し、アドレナリンが出て心臓がドキドキします。これは脳が無意識にリミッターを外し、能力以上のものを出そうとする合図なんです。

この能力のおかげで、私たちの祖先は敵や獣と闘って打ち勝つことができたのです。

最近、大学院の講義で元有名プロ野球選手がゲスト講師に来て、お話をうかがったことがありました。
私が「ここ一番で緊張しますか?」と質問したところ、こうおっしゃっていました。

「凄く緊張します。でも緊張しなくなったら、それはプロを辞めるときです。緊張は結果を出すために必要なものなので、受け容れています」

皆さんも、プレゼンで「緊張してきたな」と感じたら、それは戦闘準備が完了した、ということです。
緊張しているときは、高性能のレーシングカーが最高の状態に仕上がっているのと同じ状態なのです。

まずは冒頭はムリせず落ち着いて開始してください。

極度に緊張していても、最初の数分をしのいでいけば、その後はリズムに乗ることができて、良い結果を出すことができます。

ご興味ある方は、ぜひ雑誌記事でご覧下さいね。

2022/03/29 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

聞き取りにくい苗字を、確実に伝える方法

初対面のとき、苗字を聞き取ってもらえないと困ることがありますよね。先日もこんな質問がありました。

『私の苗字は「可知(かち)」というんですが…。名乗ってもたいてい聞き取ってもらえません。「アチさんですね」とか「カジさん?」とか言われます。どうすれば正しく聞き取ってもらえるでしょうか』

この「苗字を聞き取ってもらえない問題」、2つの解決策があります。

①名乗るときに解説しながら自己紹介する

『可能性の「可」に、「知識」の知で、「可知」です。よく珍しい苗字だねと言われますが、「可能性ある知識」で覚えて下さい」

というように、説明を工夫すると覚えてもらえます。

② 区切って発音すると明瞭に聞き取ることができます

『か』は子音の『k』、『ち』は『ch』とイ母音が鳴りにくいため、『かち』は聞き取り難い組み合わせです。そこで、

『か・ち・です』

というように、『か』と『ち』に小さなアクセントをつけながら、区切って発音すれば確実に聞き取ってもらえます。

他にも苗字を聞き取ってもらえない方は、この2つを組み合わせながら自己紹介すると、確実に伝わるようになりますよ。

経営塾PRIMEの講師を務めてまいりました

昨日は、経営塾PRIME「100年企業戦略メンバーズ会員限定 勉強会」にて『明日から使える「心を動かす」トッププレゼンテーション』というテーマでお話してまいりました。

心を打つトップのプレゼンとは、心を動かす言葉や所作に加えて、個人の特性を生かしながらお話することがとても大事です。
この日は経営者限定の勉強会でしたので、ステークホルダーの心を動かし行動に向かわせるための実践的スキルについてお伝えいたしました。

人は聴き手に「良い行動をしてほしい」と考え思いを託して伝え、聴き手が心を動かされれば「なるほど,そうしよう!」と思い行動します。
いくらリーダーが上手に話しても、聴き手がスルーしていたら意味ないですよね。
聴き手の心を動かし良い行動に向かわせることが、リーダーの役目です。

そこで今回は、
①WHYから語り、人を動かす
②個性を活かして、共感を得る
③話術と態度
④トップの企業ブランディング
の4点について、「明日から使える」実用性の高い内容でお話してきました。

少人数限定でしたが、多くの方にお申し込みいただきましてありがとうございました。

ビジネスパーソンは、AKB指原さんの伝え方を学ぼう

「伝え方の技法」で重要なのは「再現性」です。
世の中には天性の伝える力で人を感動させる人がいますが、こんな人たちの伝え方は、私たちのような一般人には真似できません。でも、再現性があれば、誰でも学ぶことができますよね。

そこで今回は、少しの努力で誰でも真似ができる伝え方をご紹介します。

指原莉乃さんは、他にも可愛いくて歌のうまい子が大勢いるAKBの中で、何度も総選挙1位選ばれ、芸能界でもタモリ、秋元康、松本人志などの大御所に気に入られ、更に活躍の幅を広げています。そのような指原さんが抜きんでている理由は、聴き手の心を動かし、行動変容を促す「伝え方上手」のスキルにあります。

「伝え方上手」のスキルには、ポイントが3点あります。

【その1】なぜこの話しをするか「大義名分」が明確
【その2】聴き手が期待していて自分しか語れない言葉の見極め
【その3】自分らしく伝える

指原さんのAKB48第7回選抜総選挙 (2015)のスピーチを例に挙げて説明しましょう。→リンク

【その1】なぜこの話しをするか「大義名分」が明確

指原さんは、第7回AKB48総選挙の冒頭、『「自信がある、1位になりたい」と言っていたものの、昨晩一人になった時、もし1位じゃなかった時、ワイドショーにどうやって取り上げてもらおうとか、いろいろ考えた』と語っていました。女王として1位にならなければいけない大義名分が明確ですよね。

【その2】聴き手が期待していて自分しか語れない言葉の見極め

さらに指原さんが上手いのは、相手が期待していて、自分しか語れない言葉の見極めです。この総選挙では、それを「落ちこぼれ」という言葉で伝えました。

「私は落ちこぼれです。選ばれた人間ではありません。全国の落ちこぼれのみなさん、私の1位を、どうか自信に変えてください」

指原さんは、AKBの中で落ちこぼれでした。だからファンに「落ちこぼれの指原さんを育てて1位にしたのは、同じ落ちこぼれの自分たち」という自尊心を持たせるように語っています。指原さんはファンが何を期待しているかを見極めて、「落ちこぼれ」という言葉で語りかけ、ファンの心を動かしました。

【その3】自分らしく伝える

そしてこの二つとも、格好つけずに自分の弱さをさらけ出し
ながら、自分らしく語っています。

こうして見ると、指原さんの「伝え方上手」の3ポイントは完璧ですよね。

この指原さんの伝え方のスキルは、ビジネスでもとても参考になります。

次回のプレゼンは、ぜひ「伝え方上手」の3ポイントで考えてみてください。

 

 

 

最恐の「プレゼンで頭真っ白状態」。どうするか?

世の中で「プレゼンで頭真っ白」ほど怖いモノは、そうそうはないでしょう。

頭真っ白で固まってしまうと、次の言葉が出なくなります。そういうときにムリに話すと、話がアッチの方向へ行って二度と戻らず、止まらなくなることもあります。かく言う私も何度か経験しました。怖いですね。

たとえてみると、これは溺れている状態です。溺れているときにジタバタあがくと、ますます沈むだけ。プレゼンでは救命員が来てくれることもありません。

そこで、いざというときの対処法を覚えておけば安心です。
対処法は3ステップあります。

【ステップ1】まず、水を飲む

驚いたときに「ヒィッ!」と変な声が出てしまうことありませんか?「頭真っ白」はこれと同じ状態になっています。人は緊張すると喉頭が上がります。喉頭周辺の筋肉が硬くなり、声が上ずってくるのです。

そういう時は、まず水を「ごっくん」と飲みます。クスリやビールをゴクッと飲むのと同じ要領です。これで喉頭が下がり、声が楽に出るようになります。また水を飲んで息を吸えば少しは落ち着きます。

いざというときのために、プレゼンでは必ず水を用意しましょう。

【ステップ2】そして、2回呼吸する

頭真っ白状態になると、呼吸がしにくくなります。呼吸をつかさどる横隔膜という筋肉が固まってしまい動きにくくなるためです。

ですので、息を2回吸います。1回では足りません。まず1回軽く吸う。そしてもう1回しっかり吸うこと。これで横隔膜が反応し、呼吸がしやすくなります。呼吸が出来るようになれば、自分のリズムを取り戻しやすくなります。

【ステップ3】そして、メモを見る

ステップ1と2の対応で自分を取り戻せることが多いのですが、どうしてもダメな場合は最後の手段。メモを見ます。メモは浮き輪です。溺れている自分に浮き輪を投げてあげましょう。しかしメモと台本は違いますので、要注意。動揺している時に文字ギッシリの台本をみても、読むべき場所を見つけるのは困難を極めます。

そこで、予め内容を箇条書きにしたメモを用意します。箇条書きならば、読むべき場所をすぐに探し出せます。

メモを見て話すときは、できるだけ堂々と話しましょう。オドオドして話すと、聴き手が心配になります。いかにも最初から準備していたように、ゆっくりとメモを取り出して話すように心がけてください。

「V-Value」にインタビュー記事『経営者のためのプレゼンの極意』を掲載いただきました

ボルテックス様の広報誌「V-Value」にインタビュー記事『経営者のためのプレゼンの極意」を掲載いただきました。

緊張は相手の心を動かすことができることや、緊張しながらも自分らしくお話することの大切さを語っています。

経営塾 第9回『オンラインでも「伝わる」プレゼン技術』の講師を務めてまいりました

ボルテックス様主催『経営塾 第9回』にて、『オンラインでも「伝わる」プレゼン技術 心を動かすトッププレゼンテーション』というテーマでお話してまいりました。
300名以上の申し込みをいただきましてありがとうございました。

「オンラインでは伝わらない」と考えておられる方も多いかと思います。
しかし昨今はオンラインでのコミュニケーションがうまくいかないとビジネス自体が成り立たなくなってきているのが現状。
オンラインならではのお悩みに答えつつ、オンラインでも自分らしくお話して、最高のパフォーマンスを発揮する方法をお伝えしてきました。

オンラインプレゼンの成功は最初の1分で決まる

ある企業のオンライン会見の冒頭で、社長さんが事業報告を延々と15分間話していました。

「大企業との提携」というビッグニュースが発表されたのは会見の後半。「もったいない」と感じました。
もし冒頭に大型発表をすればニュースにも取り上げられやすくなり、訴求力が高くなるからです。

オンラインは最初が肝心です。
リアルだと退屈でも席を立たずに聞いていますが、オンラインだと「興味がない」と判断すれば簡単に離脱してしまいます。

興味を持って聞いてもらうには「美味しいネタ」から始めることです。

今週発行の「週刊東洋経済」の特集「デジタル仕事術」で、クロスリバーの越川慎司社長がこんな経験を紹介しておられます。

「300以上のウェビナーの支援をしてきた。…参加者の反応とウェビナー後の購買状況などをデータ分析した。すると、参加者は、約1時間のウェビナーのうち、最初の1分と最後の5分のパートの記憶率が高いことがわかった。それ以外のパートは聞き流していた」

このように実際のデータを見ても、「最初に美味しいネタ」がとても大事なことがわかります。

美味しいネタとは「顧客の聞きたいことで、話し手しか話せないこと」。
それを冒頭で1分以内で話すことです。

最後の5分は質疑応答。質疑応答では、聴き手は興味があることを聞いています。記憶率も高まりますよね。

でも最初の1分で聞いてもらえないと、なかなか最後まで聞いてもらえません。
まずは最初の1分で「美味しいネタ」からお話ししましょう。

 

 

完璧に人間そっくりな読み上げソフトが、緊張して話す人に敵わない理由

入力文字読み上げソフトVOICEPEAKが話題になっています。

このソフト、凄いです。
動画で実際に文章を読み上げている様子をご覧になれますので、ぜひご覧下さい。
完全に人間の声にしか聞こえない上に、感情(楽しさ、幸せ、怒り、悲しみ)の度合いもコントロールできます。
今後、ユーチューバーなど、様々な可能性を期待できる技術ですね。
「情報を読み上げするだけのプレゼンテーションなら、このVOICEPEAKの方が聞きやすい」とさえ思えました。

では、プレゼンは音声読み上げソフトに任せればいいのでしょうか?
実際に動画で、全く読み間違えない完璧な声を聞いて感じたのは、読み上げソフトでは心が動かないことです。
これはなぜでしょうか?

人は何かを伝えようとするとき、「聴き手に行動や考え方、気持ちを、良い方向に変えてほしい」と考えて、言葉や身振りにその思いを託して伝えます。そして本気で伝えようとすればするほど、緊張します。

これは告白と同じです。
ドキドキして緊張しながら「つ…付き合ってください!!」と言われたら「強い想い」が伝わりますよね。
緊張は、人の心を揺さぶり、行動を変えることができるのです。
緊張するのは、人並みはずれた強い想いを持っているからです。緊張するのは当たり前。相手に想いを伝えるためには、緊張していなければいけないのです。

でもこの読み上げソフトで、このような文字を読み上げるとどうでしょうか?
「私はあなたとお付き合いしたいと思っています。付き合っていただけますか?」
伝えたい内容自体は間違いなくスムーズに伝わりますが、「強い想い」は全く伝わりませんよね。
機械(コンピューター)は、目的を持って思いを託すということがありません。だから緊張しないのです。聴き手の心が動きません。

人間が何かを伝えようとするときの緊張こそが、人の心を揺さぶる大きな武器となるのです。

これから新入社員さんが入社してきて会社で話す機会も増えてくる時期。就活でも、面接対策が必要な時期でもあります。

皆さんは、しっかりと緊張して伝えていますか。

 

 

プレゼンの決め手は「決め台詞」…羽生選手の場合

フィギュアスケートの羽生結弦選手、北京五輪で4位入賞。
不調の中で素晴らしいですね。

羽生選手の会見は、ビジネスのプレゼンテーションでもとても参考になります。
羽生選手が、独自の”決め台詞”を持つからです。
今回、フリープログラムで4回転アクセルに挑んだ理由を決め台詞で語っていました。

『僕の中に9歳の自分がいて、アイツが「飛べッ!」てずっと言ってたんですよ』

まるで氷上の哲学者ですね。
羽生選手は、常に考え続けています。だからこんな言葉がほとばしる。
メディアにとっても、羽生選手の決め台詞は「使える」のです。翌朝の新聞の見出しにそのまま使えば、強い訴求力を発揮できる。だからこそ取材の対象になりやすいのです。

この方法、ビジネスプレゼンでも使えます。
多くの方は、プレゼンギリギリまで資料作りに奔走しています。そしてプレゼン本番の『決め台詞』を考えていません。

そこでぜひやってみていただきたいことがあります。
次回のプレゼンでは、資料作りの半分程度の労力で構いませんので、ぜひ『決め台詞」を考えてみていただきたいのです。
もし何らかの『決め台詞』を既に持っている方は、それを磨いてみましょう。

決め台詞を繰り返すことで、聞いた人は他の人にも言いたくなります。
そのうち、「〇〇と言えばこの人」となるとしめたもの。聴き手に記憶されます。そしてビジネスに結びつくかもしれません。

 

羽生選手のプレゼン力については、前回のオリンピック直後にも、『週刊朝日』のインタビューをいただきました。もしよろしければご覧下さい。
「羽生結弦はスピルバーグを超える? 引退後のシナリオ…」

 

「緊張しても話せる面接対策セミナー」でお話させていただきました

2月9日(水)マスナビ様主催の「緊張しても話せる面接対策セミナー」でお話させていただきました。

今回は170名の皆様方にご参加いただきました。積極的にご発表いただきまして本当にありがとうございます。

下記はいただいたご感想の一部です。

「本日は貴重な機会を提供してくださり、誠にありがとうございました。私自身、人前、特に初対面の人と話すことが非常に苦手で、いつも冷や汗をかいているような状況です。また、オンラインでも同様で、とても悩んでおりました。しかし今回の永井様のお話を聞いて、『緊張=悪いこと』ではなく、『緊張=自分の能力以上のパフォーマンスを発揮しようとしているから問題ない!』というマインドにすることが重要だと感じました。まずはこのような心構えで日々のミーティングやプレゼンに臨むことから始めてみようと思います。本日は誠にありがとうございました。」

「”今まで様々な内容のセミナーを受けましたが、今回のセミナーが1番面白く、ためになりました。私は、グループディスカッションや面接で緊張し、手や声が震えてしまうことが多くあり今後の就職活動が心配でした。しかし、今回のセミナーでお話しいただいた、対策方法や気持ちの持ち方などを実践したら、うまくいく気がしました。録画で自分を客観視するという点はすぐにでもトライしてみたいと思います。先生自身のお話の仕方がとても丁寧で聞きやすいセミナーでした。本日は貴重なお話をありがとうございました。”」

「私は声が低いことがコンプレックスでしたが、相手に安心感や『しっかりしている』という印象を与えることができることを知り、自信を持つことができました。また、永井先生ご自身も終始落ち着いたペースで区切りをつけて話されており、1時間お手本を聴くことができたという面でも良かったです。有難うございました。」

「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました。”緊張しないようにする”ではなく、”緊張を生かす”という考え方、非常に勉強になりました。教えて頂いたトレーニングは、面接前のルーティーンとして実践していこうと思います!」

ご質問もたくさん頂戴しております。機会を見まして本コラムでも回答していきたく思います。

皆様の面接が上手くいきますよう、心から応援しております。

オンラインで聞き取れない質問は、聞き直す方が良い理由

オンラインの商談、会議、面接が当たり前の時代になりました。
オンラインで困るのが、Wi-Fiの調子が悪かったりして、質問がうまく聞き取れないこと。
特に相手が目上の人だったり大事なお客様の場合、「聞き直すのは失礼かな」と思いがちです。

そうして質問を聞き取れないまま、前後の流れで推測して、中途半端な答えをしてしまったりします。
これは最悪、「いい加減な人だ」という印象を与えかねません。
オンラインの場合、相手は、こちらがどのように聞こえているか状況を把握できないからです。

相手によっては気を遣ってしまいなかなか聞き直せないものですが、聞き取れない場合は必ず「もう一度お願いできますか?」と聞き直してください。
もう一度言ってもらっても、聞き取れない場合もあります。そのようなときは、「〜〜とおっしゃった後の部分が、分かりません」と具体的に聞いたり、「今のご質問は〜〜という理解でよろしいでしょうか」と確認すると、間違いを避けることができます。

聞き直すことで、実は良いこともあります。
相手は「聞き取れない」と言われると、たいていは恐縮します。これで自分のリズムを作ることもでき、一瞬で楽になります

聞き取れない場合は、勇気を持って聞き直してください。