知人がある日、突然プレゼンが上手くなりました。
不思議に思ったので、何かきっかけがあったのか聞いてみました。
「忘れることだったんだよね」
知人曰く、「以前はプレゼン前日まで必死で覚えようとしていた」。
でもあるとき、覚えたことを一度すっかり忘れると、急に肩から力が抜けて話せることに気がついたそうです。
「忘れる」とは、約束を「忘れる」、テストで覚えたことを「忘れる」、持って行く大切なモノを「忘れる」など、ネガティブな意味として捉えられがちです。しかし知人はこう言います。
「忘れることは、とても大きな意味があるようなんです」
脳の力を最大限に発揮できるからだ、と言います。
知人の場合、まず前々日まで何を話すかを徹底的に考えて覚えます。
その上で、「一旦忘れる」のです。意識上は忘れて何も考えていないようでも、既に頭を使ってインプットしていて、本番も
控えているので、プレゼン内容は心のどこかに引っ掛かっています。この状態に持ち込むことがカギだそうです。
「忘れることで潜在意識の働きで勝手に整理してくれるんですよね。プレゼン直前の1時間前に資料をじっくり見直して再度
頭を整理すれば、大抵はいまくいきます」
覚えるだけが学びではありません。人は「忘れる」ことで自らの能力を引き出すことができるのです。