早口言葉はいらない

「滑舌が悪くて困りました。早口言葉をやったほうが良いのでしょうか?」

多くのビジネスパーソンからいただくご質問です。
人前で話して滑ってしまったり、つっかかってしまったり、恥ずかしい思いをすると、「滑舌が悪いのは早口言葉ができないからだ」と思いがちです。

じつは、滑舌が良くないのは、「早口言葉ができないから」ではありません。

早口言葉が必要なのは「情報を正確に伝達すること」を目的とするアナウンサー。ビジネスパーソンのプレゼンの目的は、「聴衆がプレゼンを聞くことにより、より良い方向に行動を変えること」です。

早口で饒舌に話しても、初めて聞く聴衆は、内容の理解が追いついていかないことがほとんどです。むしろビジネスパーソンに必要なのは、ゆっくり話すこと。そのために、舌の筋肉を鍛えることです。舌の筋肉を鍛えると滑舌がよくなり、説得力を持って話しが伝わるようになります。

そこで、本日は舌の筋肉を鍛えるための「舌筋のトレーニング」をご紹介しましょう。

一日一回行います。3週間くらい継続すると舌の動きが良くなってきます。

 1 口を閉じます。トレーニングの最後まで口は閉じています
 2 舌を下唇と下歯茎の間にさし込みます
 3 舌の先に力を入れて、右端から左端に5秒間かけて移動します
 4 左端までいったら、そのまま力をゆるめずに右端に戻ります
 5 以上を3往復みっちり行います
 6 3往復終わったら、休まず舌を上唇と上歯茎の間に移動します
 7 同じように3往復行います

確実に行うと、あごの周辺まで筋肉痛になってしまう方が多いかと思います。じつはこのトレーニング、良くなるのは滑舌だけではないのです。

舌の筋肉を鍛え続けることによって、伸びきっていたフェイスラインや二重あごもスッキリ解消されます。特にほうれい線が気になっている人にはとても良いトレーニングです。また、口を閉じる力がつくので、顔全体の筋肉が引き締まって小顔になります。

「プレシャス 10月号」に、『二重あご、ほうれい線が消える!?エグゼクティブ向けボイストレーニングで顔の下半身を鍛え直す』というインタビュー記事を掲載いただきました。「舌筋トレーニング」についてさらに詳しく書かれています。他にも、顔の血流アップ、むくみ、くま、くすみの改善効果や表情筋を鍛えるボイトレもご紹介しています。

もしご興味ありましたらぜひご覧ください。

 

 

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あなたがなりたいのは、アイドル?ビジネスパーソン?

 

「女性らしいカワイイ声、高い声のほうが、社員やお客さんウケが良いのでは?」

という質問を、女性マネージャーの方からいただくことがあります。

そういうとき、「会社のアイドルになりたいですか?それとも一流のビジネスパーソンになりたいですか?」とおたずねします。

カワイイ声や甲高い声は、かわいらしさや屈託の無さ、明るさを感じさせてくれます。

一方、低い声は信頼感、安心感、説得力を感じさせる声なのです。

最近、真矢みきさんという女優さんが、テレビの司会などでひっぱりだこなのだそうです。

昨年の年末、ポルシェ・ジャパン、七五三木敏幸社長のプレゼンを取材に行ったときのことです。真矢さんがゲスト出演していました。

立ち居振る舞いや衣裳の選び方も完璧だったのですが、生で聞く「声」の素晴らしさ。ビロードのような響きの低い声がエレガントで、一流の大人の女性を感じさせました。

真矢さんの真の凄さは、その話し方や声を聞いていると、どんなことを話していても「本音で話している」「真剣だ」と感じさせる点です。そこが信頼感につながっているのだと思います。

そういえば、東京都知事の小池百合子さんも低い声ですね。

ただ、低い声の良さは分かっていても、人前に出るとどうしても甲高い声になってしまう方が多いのも事実なのです。そこで、どんな人でも低くて響く声で話せるようになる方法を考え出しました。

時代劇で悪代官が越後屋と密談する場面を思い出してください。「んっんっんっんっん~。越後屋~、お前もワルよのう」と言う場面です。

まず顎を下げ、口を開けて、ゆっくり大きく息を吸います。横隔膜を意識して肋骨の下のおなかの部分に手を当てたまま、このセリフを言うと、どんな人でも、低い声で話せるようになります。

この方法は、「んっんっんっんっん~」と笑うところでは声の響きと、横隔膜が使えるようになり、台詞では言葉のスピード感や間合い、滑舌の感覚をつかみやすくなります。

特に緊張しやすいプレゼン本番前に試すと効果抜群ですよ。

 

 

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プレゼン本番で良い声を出すコツ

「プレゼン本番で良い声を出そうと思っても、何故かいつもよりか細くて甲高い声になってしまうんです」

と、女性経営者のKさん。

本番で良い声が出ない原因は、「横隔膜」が使えていないせいです。

横隔膜とは、肺の下にある呼吸をつかさどる筋肉です。横隔膜は、精神的な影響を受けやすく、緊張してしまうと固くなってしまい、息が流れにくくなります。緊張すると、自分の意志に反して勝手に声が震えたりすることがありますよね?これは、横隔膜がダイレクトに心の影響を受けているのです。

では、どうやったら本番で横隔膜を使って声の実力を発揮することができるでしょうか?難しいボイトレを行うよりずっと簡単な方法があります。

横隔膜は、おへその下9㎝の下腹にある「丹田」という場所をしっかり張ることで使えるようになります。

そこで、常に丹田を意識するために、何かベルトのようなもので、丹田のある場所をギュッと支えると良いでしょう。

おすすめは、腰でしめる酒屋さんのエプロン、またはカフェエプロンです。

これを、腰骨のあたりで「ありえない」ほどしっかりとエプロンのひもをしめます。そうするとちょうど丹田の場所に圧がかかって、丹田が自然に張りやすくなり、横隔膜も使えるようになります。

もう一つ良いのは、骨盤ベルトです。幅広で安定感があり、ギュッとしめることができます。骨盤ベルトは、洋服の上から目立たないものも出ていて、本番に巻いて出るとさらに安定して横隔膜が使えるようになるでしょう。

丹田は常に意識していないとすぐに張れていない状態になってしまいます。私も、他のことに気を取られていたりすると、丹田が抜けていることに気がついてハッとすることがあります。そのため、練習のときはカフェエプロンや、骨盤ベルトを巻くようにしています。

本番でも良い声で話すために、常に丹田を意識するようにしましょう。

 

 

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プレゼンの「ダメ声」、かすれ声を克服する方法

 

 

先日、ある企業のトッププレゼンを見てきたときのことです。最初は元気よく話していたのですが、開始後たった10分で声がかれていました。

声がかれてしまうと、本人もしゃべりにくいですし、声が通らなくなって内容が聞き取りにくくなってしまいます。

プレゼンで内容が聞きにくいのは困りものです。この問題は多くの方々に共通していて、「プレゼンで声がかすれないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?」という質問もよくうけます。

声がかすれる原因の一つに、緊張や空気の乾燥などでのどが渇いているということがあげられます。

このようなときは、応急処置として水を飲むと良いでしょう。プレゼンのときは、忘れずに水を用意しておきます。ただ、これはあくまで応急処置であって、水を飲んだとしても声の出し方が良くないと、またすぐに声はかれてしまいます。

声がかすれる主な原因は、声帯に無理なストレスがかかりすぎてしまった場合です。

「頑張って声を出すのだから、のどを使うのは当たり前」と思いがちなのですが、じつはのどに頼りすぎているせいで、声帯疲労を起こしてしまい、声がかれてしまいます。これは、一概に「大きな声を出しているから」ということではありません。声は、出し方を間違えると、ボリュームに関係なく小さな声でも声がかれてしまいます。

とくに、「今日は声が出ている」と手ごたえを感じるときこそ、注意が必要です。そういうとき、聴こえているのは自分だけで、あまり響いていません。つまり「近くはうるさく、遠くは聞こえにくい」という状態になっています。

のどにストレスをかけずに声を響かせることが大事なのです

そのためには、二つの方法があります。

一つ目は、響きを作ることです

「響きを作る」というと難しそうに聞こえますが、じつは皆さんが普段何気なくやっていることで響きは作られています。それは「ハミング」です。機嫌のよいときに「フ~ン♪フ~ン♪」と自然に出てしまうハミングは、響きを作る上で最も簡単な方法です。ハミングをした後、大抵の人は声に透明感が出て響きやすくなっています。ハミングしたときの「ライト感覚」で話すことがコツです。

二つ目は、横隔膜でささえることです

横隔膜でしっかりささえれば、自然に息が流れて声が響きやすくなります。横隔膜を使うには、まず息をしっかり吸うこと。そして、おへその下9㎝の場所にある丹田を張ることです。こうすることで、のどに力みがいかなくなり、ストレスなく声を響かせられるようになります。

 

 

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話し方の教科書は、トッププレゼンで役立つか?

トップの方々からお話しを伺うと、お悩みのトップはこの二つです。

「プレゼンで声が高くなって、どんどん早口になってしまう」
「たたみかけるように話してしまい、間合いがなく余裕がなくなってしまう」

しかし一般的な話し方の本などでは、「少し高めの声で話しなさい」「滑舌を良くしなさい」と書かれています。
実は、トッププレゼンで求められる話し方は、一般の話し方の教科書とは正反対なのです。

先日お伺いしたある経営者のプレゼンが、まさにそうでした。最初はとても気をつけてゆっくりと丁寧に話していました。しかし時間が経過すると、次第に早口になり、声も甲高くなっていったのです。

あまりに早口でスピードが速すぎるので、何を伝えようとしているのか、理解がついていきません。
さらに声が高いために落ち着きがなく感じられ、説得力も落ちてしまいました。
内容も専門的な内容なので、ふと客席を見ると寝ている人が何名かいました。

なぜ最初はよかったのに、こうなるのでしょうか?

たとえば、あなたの知り合いで、気に入らないことがあって声を張り上げているうちに、興奮して声がもっと大きくなり、次第にその人の怒りが増幅していく、というのを見た経験はありませんでしょうか?

あるいはあなた自身、最初はそれほど悲しくもなかったのに、悲しい声で話しているうちに、なんだかものすごく悲しくなってしまうという経験はありませんか?場合によっては泣いてしまいたくなることさえあります。

声というものは、想像以上に出している本人に、加速する方向で影響を与えます。

早口や、声の高さも、「加速化」しやすいのです。

では、どうすればよいのでしょうか?

数年前に聞いたあるベテラン経営者のプレゼンが、まさにそのお手本でした。

ゆっくりと落ち着いた低い声で話されるのです。そして大事なところは、かんで含めるように更にゆっくりになります。
素晴らしく説得力のあるプレゼンで、聴衆全員が、話しの内容を理解しながら、集中していました。

その方と個人的に話しをしても、やはり同じように落ち着いて低い声で話し、こちらが理解できていないところは、さらにゆっくりと何度でも話してくださるのです。

低い声、ゆっくりした声は、加速することがありません。
逆に落ち着きや説得力がさらに強化され、話し手がより自信を持って話せるようになってきます。

トッププレゼンでは、早口や高い声はむしろ大敵。ゆっくりと、低い声で話すことが必要なのです。

 

 

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口を大きくハキハキ開けても声は良くならない その原因と対策

先日、あるアパレル業界のトッププレゼンを聞いてきたときのことです。口をハキハキと開け、次世代を担う経営者らしい明るく若々しい声質で話していました。

ただ、こんなにハキハキ話しているのに、なぜか声が響かないのです。

大きな声を出そうと思ったら「口を大きくハキハキと開けなさい」と良く言われていますよね。

これは間違っていません。口を開けることは大事です。

ただし「開け方」が問題なのです

あまり口を開けると声は響かず、かえって滑舌も悪くなってしまう、ということをほとんどの方が知らないまま一生懸命口を開けて話しています。

口が大きく開きすぎていると、唇を閉じて言う[m]や[p]などの子音で時間のロスがあったり、[t]や[d]、[n]などの子音を言うときに舌が上顎に届かず空振りしてしまい、大抵滑舌が悪くなってしまいます。
そして、あまり口がパクパクしているのは、ビジネスやフォーマルなシーンでは見た目がエレガントではありません。
声の良い人をよく見てみるとほとんど大口を開けていませんし、声で仕事をしている一流のボーカリストでさえ「ここぞ」という超高音以外はあまり開いていません。

それでは、良く響く声を出すためには、どうやって口を開けたら良いのでしょうか?

口ではなく、「口の中」を開けることです。

なぜでしょう?

口の中を良く響くホールや教会のようなものとイメージしてみてください。
よく響くホールや教会は天井が高いですよね。そして、クラシックの歌手はどんな音楽ホールでもたいていマイクなしで歌いますが、大きな野外劇場の場合はマイクを使います。それは、野外ホールでは音が散ってしまうからです。

口の中も同じです。

口の中を開ければ声は響きますが、口の前を開けすぎてしまうと口が野外劇場のようになり、声が散ってしまって響かなくなるのです。

むしろ、口をあまり開けずに息を多く送り込む方が、響く声になります。

開け方のポイントは、口の前はあまり開けずに、アゴを下げることです。口の中にゆで卵を入れているようなイメージでしょうか。そして、息をたくさん吸って強めに空気を送り込みます

こうすると、声帯は疲労しませんし、頑張って声を張り上げなくても声はエレガントに響き、迫力と説得力を持って聴き手に届きます。専門的には、これを「共鳴」と言います。共鳴を使えるようになると、響きを自在にコントールし、表現豊かなプレゼンができるようになるのです。

プレゼンで声が良くなる水の飲み方

ある大手自動車業界のトップがプレゼンをするというのでうかがったときのことです。

冒頭は滑舌良く話せていたのですが、しばらくすると、口の中が乾いたような音がして、声もかすれて聞き難くなってきました。ご本人もしゃべりにくいのか、声のトーンが落ちてきています。結局、20分のプレゼンをそのまま最後まで乗り切ってしまいました。

口が乾いた音をさせてしまうのは聞いていてあまり印象がよくありません。ネチャネチャとした音がしていて「あ、喉が渇いているんだな」「話しづらそうだな」と気になってしまうのです。せっかく良い感じで話されていたのに、もったいないと思いました。

プレゼンで口が乾きやすい原因の一つは緊張です。緊張して普段より汗もかきますし、かなりの水分が失われます。

もう一つ、意外に気がついていない点があります。発声をすることで呼気と共に水分が蒸発しているのです。最近は、季節を問わず空調のため室内が乾燥していますので、余計に喉が渇きやすくなっています。

かなり多くの方のプレゼンは、口の中が乾いているせいで声が悪くなっています。今まで拝見したトッププレゼンでも、平均10人中7人の方々は水分不足のまましゃべっていました。

「口の中が乾いてきた」と思ったら、早めに水を飲むことです。

もし1時間の講演であれば、水500mlのペットボトル1本は用意しておくと良いですね。知人のビジネスコンサルタントは、一日研修のとき、水1リットルのペットボトル2本用意して全部飲みきっていました。
30分くらいのプレゼンなら、本番前に水をしっかり飲んでおくと、口の中が乾く問題はほぼ解決できると思います。私の経験では、講演直前にごくごく大量に水を飲んでも、呼気で水分がドンドン出るためか、トイレが近くなることはほとんどありませんでした。だから「講演30分前ではなく、直前5分くらいで沢山飲むこと」です。

■■ 飲み方が大事 ■■

そして、ほとんどの方が知らないことなのですが、プレゼンで水を飲むとき、ほんの少し飲み方を意識するだけで声が格段に良くなります。

緊張すると喉周辺の筋肉が硬くなり、声が出しにくくなります。そして、声が硬かったり、喉が疲労してきたときというのは、大抵は喉頭(喉仏)を下げる筋肉が硬くなって上がりすぎている状態になっています。喉頭の上下は声の音色に影響します。喉頭が上がりすぎていると声が薄っぺらな響きになりやすいのです。では、喉頭を下げるにはどうしたらよいのでしょうか?それは、喉頭を下げる筋肉をリラックスさせることです。そのためには、あくびをしたり、水を飲んだりすれば良いのです。

喉頭を下げる筋肉をリラックスさせるためには、水を飲むとき、静かにすするように飲むのではなく、はしたなくならない程度に「ごっくん」と飲み込む動作が有効です。「ごっくん」と飲み込むと、喉頭はいったん上がって下がる運動を行います。この動きが喉のリラックスにつながるのです。

プレゼンのときは、遠慮せずに舞台上に水を用意するか、短めのプレゼンなら直前にしっかり水分補給しておくと、声の質を落とさずに話すことができます。

大間違いの腹式呼吸「お腹をへこますと、いい声は出ません!」

Kids soccer penalty kick

世の中の腹式呼吸は、「おなかを凹ませろ」と言いますよね。
私も漠然とそう思っていました。
でも、初めて音楽でボイストレーニングを受けた時、とても驚きました。

「息を吐くときは、おなかをふくらましなさい」

と言われたからです。

お腹といっても、下腹のへそ下9㎝にある「丹田」という場所を思い切り張ります。息をはいたとき、何も意識しなければ自然にお腹はへこみます。へこむのに抵抗して思い切り張るのですから、今までの腹式呼吸と動作があべこべ。最初のうちは大変でした。しかし、あるとき、雷に打たれたようなショックを受けました。一生懸命お腹を張りながら発声しているうちに、いきなり信じられないような声が出たのです。

「火事場の馬鹿力」という言葉があります。火事になったとき、非力な女性が普段は持てないような重い箪笥を抱えて、家の外に持ち出す様子を言っているのですが、それと似た感覚を覚えました。

「自分にこんな力が眠っていたのか」

これが私の原体験でした。

以前、TOKYO FMのラジオ番組「クロノス」で、”元Jリーガーでスポーツジャーナリストの中西哲生さんを「ミラクルボイス」にするためにボイトレを行う”という企画コーナーに出演したときのことです。

「声を出すときにしっかり下腹を張ってくださいね」とアドバイスしながらボイストレーニングを行うと、中西さんは「これって、サッカーのシュートするときと同じですね」とおっしゃいます。

シュートの瞬間は最高の勝負所。一気に持てる力を存分に出し切るには、下腹を張るのだそうです。また、「ここぞ」というチャンスには、「力み」も来やすいものです。でも、下腹に力を込めてを張ると、逆に余分な力みが抜けて、リラックスしてプレーができるのだとか。中西さんはジュニアのサッカーチームも指導しているそうですが、いつも「下腹を張って、内臓をふくらますようにと指導している」とおっしゃっていました。

スポーツも声も同じなのですね。

発声トレーニングにおける腹式呼吸はやればやるほどダメになる

テレビを見ていましたら、サービス系のお仕事の研修場面が映し出されていました。
ちょうど発声のトレーニングをしていたのですが、お約束の「息を吸って〜、お腹をふくらまして〜、息をはいて〜、お腹をへこませて〜」を行っています。

腹式呼吸としては悪くないのですが、この方法では良い声は出るようにはなりません。
良い声を出そうと思ったら、お腹はへこましてはいけません。
張りっぱなしなのです

他にも、足に力をいれたり、腹筋運動をして頑張ったり、うるさいところで聞こえるように思い切り声を張り上げたりするようなトレーニングも、声帯に力みがいってしまい、良くありません。

声帯とは、なかなか思い通りに動いてくれない場所です。だからこそ無意識に行った間違った法からなかなか抜けられないのです。やればやるほど声帯に悪い癖がついてダメになります。
声帯はとてもデリケートですので、無理矢理大声を出したりすれば、すぐに疲労しますし、聞いているほうからすると、実際声は通らずうるさいだけで良い結果につながりません。

発声をするときは、横隔膜という肺の下にある呼吸をつかさどる筋肉だけが頑張るのであって、他はすべてリラックスさせたいのです。

それをするには、力を入れずに自然にまっすぐに立って、おへその下9センチあたりのお腹を張るだけ。

人は「リラックスしましょう!」と言われても、本当にリラックスさせることは大変難しいのです。
ただ、このへそ下9センチの場所を張るようにすると、横隔膜が使いやすくなり、身体の他の部分がリラックスやすくなります。

最近、大きな冷蔵庫から、巨大なプリンが出てくるCMがありますね?
お皿の上にプリンが乗っていてプルプルとしているあれです。
お腹はお皿で、身体はプリンになっているイメージです。

それを考えると、一般的な発声方法は、本当にいろいろなところが力みすぎていて、わざわざ悪い癖をつけているようなものです。
発声の悪い癖は一度身につくとなかなかとれません。

私も以前は、古い発声方法を習っていました。それが良いとばかりに、ひたすら信じてやっていたのですが、後になって悪い癖をとるのに長い時間かかってしまったのです。
最初からリラックスする発声方法を行っていれば、こんな時間の無駄はなかったと思います。

それでは、本日は、まず一番の基本である良い発声のための呼吸トレーニングをお伝え致しましょう。

この方法を行って、力まず下腹を張る感覚を覚えてくださいね。

プレッシャーのかかる場面だったら、もう少し頑張ってバンッと下腹を張るようにできると、気持ちも安定し、声もよくなって力を発揮できます。

(1)壁に背中をつけて立つ(座ってする場合は背もたれに背中をつけて)

(2)顎を下げて口を開ける。肩を上げずに、下腹を張りながら「はあっ」と大きく息を吸う。
(もしわからなければ誰かに軽く下腹を軽く押してもらい、それを張り返すつもりで行うとよい)

 ☆ポイント:下腹はしっかりと前に出て、さわるとパンと張っている。このとき、下腹を無理に出そうとして壁から背中が離れない 

(3)そのまま息を5秒とめる

 ☆ポイント:下腹は張ったまま。

(4)下腹を張りながら「はーっ!」と一気に息をはく。(そーっとはいてはだめです)

 ☆ポイント:息をはくとき喉で小さく「あ”っ」という言う音がしたら喉でとめているのでよくありません。「喉止め」しないコツは、お腹の頑張りに集中すること。喉の周辺がリラックスしやすくなります。いくら良い呼吸をしていても、「喉止め」をしている限り良い発声はできません。喉で音がしないようになるまで練習すること。
 
(5)(2)~(4)を何回か繰り返す。慣れてくればお腹を押してもらわなくてもできるようになります。息を吸っているときもはいているときも、出来るだけ下腹は「パン」と張った状態を維持するように。

聞いている人には何の意味もない話の合間に出る余分な「あー」「えー」を止める方法

言葉の合間に出る余分な「えー」「あー」「あのー」などを多用すると聞きづらく、気になるのものです。

大抵は、「えー」と語尾を伸ばすことから、話が引き締まらず、間延びして聞こえます。
また、のらりくらりとしてはっきり言いたくないのか、それとも迷っているように感じます。これでは、話の内容が明確に伝わりません。
そして、余分な言葉が多いとそれだけ時間を使いますから、聞いている人の貴重な時間を無駄に奪います。

そして、私が聞くほとんどのスピーチはこの「あー」とか「えー」を多用しています。
どうしても直らない方は、癖になっています。
録音を聞いていただくと「言っているなんて思わなかった」と自覚がない方もいらっしゃいます。

「それでは『えー』をストップしてみましょう」と言うと、次の言葉が出なくなってしまう方も多いのです。

いつもこれで自分のリズムを作りながら話しているためです。

しかし、このリズムは自分のためだけであって、プレゼンを吟味して聞いているお客様には何の意味もありません。
ぜひ、「えー」なしでも、自分のリズムを作って話せるようになりたいものです。

この余分な言葉をなくすだけでも、すっきりと聞きやすくなりますし、内容が迷い無く伝わります。

そこで今日は「あー」「えー」をなくす方法をお伝えしましょう。

(1)自覚すること

無意識の方が多いので、話しているのを録音して聞いてみましょう。
または、誰かに聞いてもらい「えー」を言うたびに、ベルなど何か音を鳴らしてもらったり、声をかけてもらったりしてください。
一文の中に3〜4回言っている人も多いですよ。

(2)話の内容を整理しておく

「あー」とか「えー」とか言いながら話している人は、話の内容が整理されていません。「考えないでしゃべっているのだろうか」という印象がついてしまうと残念。ある程度話の内容を整理してから話しましょう。

(3)体で語尾を止める

体を使って語尾をしっかり止めます。横隔膜という場所を使って止めると、言葉にキレが出てきて「えー」が出にくくなります。

【方法】
お腹をおさえながら、「わっはっはっは!」と”役者笑い”したり、女王様のように「お~ほっほっほっ!」と笑ったとき動くところが横隔膜です。その場所をつかんだら今度は、「皆さん、こんにちわっはっはっは!(横隔膜で切る)」と練習し、そのあと「皆さん、こんにちは(横隔膜で切る)」と、語尾を笑ったとき動いた場所で切ってください。

間合いを取るときも、すぐにお腹をダラリと休めない。そうすれば間合いは辛くなくなります。大きなインターバル以外、横隔膜は休む暇はありません。

(4)良く響く低音で深い声で話す
 
文章の合間の「あー」「えー」は、浅い響きの場所で発声していて、息も流れていません。
発声は、浅い声から深い声に切り替える場合「声のギア・チェンジ」をしています。声のトーンを浅いところや深いところを行ったり来たりチェンジするには、運動が伴うのです。話し始めが肝心。いったん低い声の響きに思い切りギアを入れてしまってください。気を抜かない限り「あー」「えー」の浅い響きには戻りにくくなります。

 

(5)話す前に息を吸う

息を吸うことで声もよくなり、間合いがとれて、余分な言葉がでなくなります。

プレゼンで堂々として見えるたった一つの方法

プレゼンやスピーチで、自信がなさそうに見えるのは損をします。

「自信がなさそう」「オドオドしている」ということと、「謙虚さ」は別です。

謙虚であっても、自信がなさそうにしているのは、お客さんが不安になりますから、出来るだけ堂々とふるまいたいものです。

堂々として見える方法は一つです。

ゆっくりとよく響く低い声で話すこと。

良い声で発声できれば、姿勢も良くなりますし、自然と堂々して見えます。

これさえできれば、ほとんどの問題は解決します。

ただ、今まで見ている中でほぼ97%の方々はこれが出来ていません。

その中では、せっかくトレーニングしたのに、本番で緊張してしまい、また元の声に戻ってしまったという方も。

「ゆっくりとよく響く低い声で話すこと」
は、最初の第一声を成功させることがとても大事です。

例えば、「おはようございます。00株式会社の永井でございます。」

簡単な例ですが、まずこの部分だけを、自分の思い通りに話せるように練習しておくことです。

最初が上手くいくと、その後も同じように話せるものです。

逆に、最初を失敗してしまうと、なかなか取り戻すのは簡単ではありません。

発声の技術を練習したら、あとは自分なりの気分の盛り上げ方を工夫なさると良いですね。

私は、本番前は必ず1人になる時間を作ります。
目をつぶって心の無駄なものを取り除き、心が静かになったところで出てくるようにしています。
そうすると、心がざわつかず、落ち着いて本番に臨むことができるのです。

最近、サッカー選手の三浦知良選手をテレビで見る機会がありました。
ファンの期待を裏切らず、三浦選手らしく堂々とふるまっておられました。

三浦選手は、いつも映画「ゴッドファーザー」を観て気持ちを盛り上げるとのことですよ。
家庭での良きパパから、ゴッドファーザーの登場人物に自分の人格を切り替えるのでしょう。
だから、その人格のときは、近所のコンビニにもスーツで出かけるそうですから徹底しています。

技術をマスターしたら、自分なりの集中の仕方を工夫してみることをおすすめします。

話に心がこもって聞こえる簡単な2つのポイント

「心がこもってないと言われる」「話し方に抑揚がつかない」

良く受ける相談です。

以下2点を守れば誰でも話に抑揚をつけることができます。

【1】本番で台本を置かない

人に用意してもらった原稿を読むときは要注意。
ほとんどの人が読み上げることに精一杯で、抑揚をつける余裕などありません。

また、原稿をほぼ覚えたとしても、本番で原稿を置いておけばつい見てしまうのが人情です。
せっかく覚えて練習したのに、やはり棒読みになってしまいます。

もし、内容をほぼ覚えたとしたらば、本番で原稿の台本は置かず、話のポイントと全体の流れだけが分かるものを置いておくと良いでしょう。

自分の言葉で話すということです。

自分の言葉ではなしたほうが、より感情がのせやすく抑揚がついて聞こえるようになります。

特に経営者の方々は、他の人に資料を作ってもらうケースが多いので、棒読みになりやすく、内容が伝わりません。
忙しいかもしれませんが、出来れば、基本的に話す内容は自分で用意すると、より会社の理念が皆さんに伝わりやすくなります。

【2】声に息を混ぜる

「抑揚をつける」というと、声に高低差をつけることだと勘違いなさっている方が意外に多いのです。

実は,抑揚は、「声帯をきつく閉じるか、ゆるく閉じるか」によって決まります。

声を高くしたり低くしたりする必要はありません。

声帯をきつく閉じれば、強い声になり、緩く閉じれば弱く柔らかい声になります。
弱い声を出そうとして息を少なく出す方が多いのですが、実は、より弱い声を出したければ、声帯をよりゆるく閉じて息を混ぜれば良いのです。
この方法が良いのは、声帯をゆるく閉じて、息の流れを減らさなければ、どんなに弱い声でも遠くまで聞こえるようになることです。

そして、強い表現や、激情を表現したいときは、声帯をほどほどに閉じて、よりたくさんの息を流すと、熱いパッションを感じさせるような声になります。

例えば、小泉純一郎さんは、パッションが伝わりやすい政治家でした。
小泉さんは、言葉に息をたくさん混ぜて発声していることから、感情が伝わり、抑揚がついて聞こえたのです。

それでは声に息を混ぜて話すにはどうすればよいでしょうか?

まずは、一番簡単な方法をお伝えしましょう。

内緒話のときの声。
ヒソヒソとした声を出すとき、声帯はゆるく閉じられて、息が流れています。

この声で台詞を練習します。
息の量を減らさずに、何度か繰り返しながら、少しずつ声をしっかりさせていくと、息混じりの声で感情を表現できるようになります。

このとき注意すべきは、声を「少しずつ」しっかりさせていくということです。

一気に強くしてしまうと、またいつもの一本調子に戻ってしまいます。
イチロー選手も、練習するときは、ほんの少しずつ動きを調整していくそうですよ。一気に変えてしまうと、どこで良くなかったか分かり難くなるからです。少しずつ変えていけば「ここが良くなかったのか」とか「今ここで丁度良い」という場所がみつかります。

話に豊かな表現力をもって抑揚をつけるには、

【1】本番で台本を置かない

【2】声に息を混ぜる

という2つの方法を行うことです。

お腹を張りながら息をはくことで声がよくなり力も発揮できる

今私が皆さんにお伝えしているボイストレーニングの方法は、自分自身が初めてボイストレーニングを習ったときと違っています。

ここ数年、外に勉強に行ったり、新しく開発したりしたものを、私の経験からできるだけわかりやすくアレンジしてお伝えしているものです。

私はこれを「次世代ボイストレーニング」と呼んでいます。

昔は、良い声を出すための「腹式呼吸」は、お腹をへこまして息をはいて,お腹を膨らませて息をはく、という方法を教えてもらいました。しかし、この方法でトレーニングしても、健康には良いですが、お腹をへこましては声は充実してきません。

次世代ボイストレーニングの呼吸方法によって出す良い声のためには、「お腹、特にへそ下9センチの場所を意識して下腹ををふくらませながら息をはく」ということを練習してもらいます。

これが出来るようになると、声が力に満ちて、身体全体を楽器のように響かせながら声を出せるようになります。

小さな声でも、大きな声でも、同じように豊かな響く声になるので、1000人のホールでもマイクなしで隅々まで声が届くようになるのです。

これは狭い会議室のようなところでも同じです。
「狭い部屋だから声を小さくしよう」と思ってしまうと、モゴモゴと声が響かなくなり、聞いている方が不安になってしまい、説得力が落ちてしまうのです。
小さな声でも、豊かに響かせることが信頼感には必要なのです。

また、お腹を張って声を出すということは、横隔膜も使えている証拠になりますから、息が良く流れます。

息が流れると滑舌も良くなります

滑舌は、主に子音のさばき方です。子音をさばくには、舌が口の中をこすったり、たたいたりしながら発音します。
息によって舌や口の中の抵抗感が増し、舌のさばきが改善されるので、自然に滑舌が良くなるというわけです。
[m]や[p]など、子音で唇を閉じたとしても、息が流れていなければ声は聞こえなくなります。

ただ、「お腹をはって息をはく」ということの意識は、ほとんどの方は出来ていません。
慣れればすぐに出来るものなので、ボイストレーニングをするならぜひここからスタートしてください。

先日、ラジオで元Jリーガーでスポーツジャーナリストの中西哲生さんの番組に出演させていただきました。
そのとき、中西さんも「サッカーでゴールするときは、今練習した発声のお腹の使い方と同じです」とおっしゃっていました。
「子供達にもサッカーを教えていますが、そのときも、いかに内蔵を張るか、という方法を伝えています。」と真剣な表情でお話くださいましたのが印象に残っています。

「息をはきながらお腹を張る」ということを覚えると、声だけではなく、何かのとき、力を最大限に発揮することができるのです。

一流ボーカリストも必ず行う簡単なボイトレ、あなたはどうしてやらないの? 知的で説得力のある響きを手に入れるビジネスボイストレーニング『リップロール』

「リップロール」というボイトレ。

たった4年前ですが、私がクラシック業界でこのボイトレ方法をお伝えすると、その場がざわめきました。特に40代以上ベテランの方々には拒絶反応に近いものがありました。

それは・・・

「何これ?」
「子供の遊び?」
「馬鹿にしているのか?」
「アハハハ・・・(呆れ笑い)」
というものでした。

しかしこの頃、少しずつですが、30代前くらいの方から「それ、聞いたことあります」と言われます。最近に至っては、「あなた(永井)のブログで知りました」とおっしゃっていただけるようになり、やっと広まってきたのかな、という思いです。

私は、今まで様々なボイトレをお伝えしたきましたが、やはり一番最強だと思うのはこの「リップロール」に他なりません。

皆さん、喉を押して「頑張って」発声しておられる方が大変多く、これはなかなか治すことができません。発声とは、喉に余計なストレスがかかっていると、なかなか上達しないのです。しかしこのリップロールは、自然な形で喉を絞めずにリラックスした正しい発声を覚えるには最適です。

また、深い声を出すためには、ある程度は喉頭が下がった状態が望ましいのですが(下がりすぎもよくありませんがそういうケースはあまり多くありません)、リップロールでの発声は、喉頭があまり上がらない状態で発声することができます。

また、この方法は声帯のマッサージになり、声帯周辺の血流がよくなりますので、声を出す前に行うと大変なめらかに発声することができます。

◆◇◆ リップロールの方法 ◆◇◆
     

    1、軽く口を閉じる(上下の歯は離れている)。基本のポジション。
     
    2、口を開けて息を吸う
     
    3、口を閉じ、唇をほんの少し突き出し、閉じた唇の間から息を出して唇を「ブルブル」と振動させる。
     
    ポイント:振動は緩やかに細かくならないように。良い状態のときは「プルプル」とゆったりと軽やかに回転して聞こえます。振動が細かい場合は 力が入っています。そして、できるだけ長い時間続けられること。もし途中で切れてしまう場合は上手くできていません。上手くできない方は、口 周りをリラックスさせて、左右の人差し指で少しずつ口角を寄せたり上げたりしてみてください。
     
    4、3が続くようになったら、「う~」と歌うように、声帯を反応させながらリップロールを行う。息が続かなくなったらブレスは必ず口を開けて吸うこと。横隔膜呼吸を同時に行う。
     
    ポイント:音を付けたリップロールのときは、なるべく口の中を広くとりたいので、上手になった方は出来る限り顎を下げるように。
     
    5、さらに発声トレーニングしたい方は、4の状態に、ド~、シ~、シ♭~・・・と音程をつけて長くのばしながら各音でリップロールを行ってみる。
     
    ポイント:リップロールではリラックスしているので実際に歌うより高い音まで出ます。本来はそこまで出るのです。さらにリラックスのために低い音も行うこと。

人前で話す前、歌う前、どんなに時間がなくとも「リップロール」を行ってください。声の出方が違います。ぜひ上手にリップロールできるようになって良い声を手に入れてくださいね。

舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります

「巻き舌がどうしても出来ないんです。どうしたらいいでしょうか」という質問を良く受けます。
巻き舌は、全員がすぐに出来るわけではないようです。
10人いたら2人くらいは、ちょっと苦手だったり、全く出来なかったりする人がいます。
私が初めて声楽のレッスンに行ったとき、先生から「巻き舌できる?」とわざわざ聞かれたくらいです。

歌やしゃべりは、とにかく舌です。
巻き舌が出来ない人も出来る人も、まず舌筋を鍛えるトレーニングをおすすめします。

    1、口を閉じます。トレーニングの最後まで口は閉じています
    2、舌を下唇と下歯茎の間にさし込みます
    3、舌の先に力を入れて、右端から左端にゆっくり移動します
    もしメトロノームがあれば目盛60で5拍かけて移動します
    4、左端までいったら、そのまま力をゆるめずに右端に戻ります
    5、以上を3往復みっちり行います
    6、3往復終わったら、今度はそのまま上唇と上歯茎の間に移動
    7、同じように3往復行います

意外ですが、これ、結構きついです。
初めての人は身もだえしながらやるほどなんですから。

このトレーニングをすると、舌筋が鍛えられて滑舌が各段に良くなりますよ。
一回やったくらいでは効果はありませんが、1週間に2回くらい行い2~3ヶ月するとある時突然違ってきますから、続けてみてください。

さて、次は巻き舌がどうしても出来ない方のトレーニングです。

1、プル、プラ、プル、プラ・・・と何度も繰り返す
2、トゥル、トゥラ、トゥル、トゥラ・・・同様に繰り返す
3、アラ、オロ、アラ、オロ・・・同様に繰り返す
4、アrrrrrrrr・・・・・

私は、今ではこの方法を皆さんにお勧めしています。
この1から4まで各パターンを呪文のように何度も繰り返してください。
トレーニングの積み重ねで、ある時あるきっかけでいきなり舌が回ります。
この時を辛抱強く諦めずに待つのです。
人によっては何ヶ月もかかることがあります。

巻き舌が出来れば「タングトリル」のエクササイズも出来ますから、声にとって良いことずくめですね。

舌筋のトレーニングも、巻き舌のトレーニングも、ちょっとした時間で出来てしまうものなので、ぜひ続けてやってみてくださいね。

声を低くすると背が高く見える「低音トレーニング」

映画『テルマエ・ロマエII』を観ました。

映画の中で、ラーメン屋さんが出てくるのですが、登場する店主のことを私は小柄な女性だと思って観ていました。
後から分かったのですが、実は白木みのるさんという男性俳優だというのです。

白木さんが出るだけで、その場の空気感が変わるほど。素晴らしく味のある性格俳優だと思いました。

白木さんはもともと身長が140cmで小柄な上、声が甲高いので余計に小さく見え、しかも男性なのに女性に見えてしまったのです。

俳優という職業なら別ですが、ビジネスにおいて、もし一流の風格や威厳を発揮したかったら、出来るだけ声は高くしないほうが得策です。

最近、強く感じたのが、ジャパネットたかた・高田社長の退任会見です。
記者会見でゆっくり低い声で話している姿を見たとき、テレビショッピングの早口で甲高い声で話しているときより身体が大きく見え、経営者としての人物の重みを感じました。

人は、低い声の人から威厳や威圧感を感じ、実際より人物が大きく見えてしまうものなのです。

プレゼンなど、人前に立つときは、身体が大きく見えたほうが威厳を感じますし、話に説得力が出てきます。

また、強い交渉力を発揮しようとするときは、いつもよりわざと低い声にして話すと有利に働きます。

もしどうしても甲高い声が直らなければ、下記のトレーニングをおすすめいたします。

★★  低音トレーニング  ★★

1、顎を下げて口を開け、舌先が下の歯にさわるようにします。これが基本のポジションです。

2、あばら骨の一番下の骨の下あたりに左手を当てる。

*ポイント:その場所には横隔膜があります。横隔膜を動かすのはインナーマッスルです。筋トレでも、筋力アップしたい筋肉を意識すると効果が高いですね。それと同じ理論です。インナーマッスルを意識できるように横隔膜に近い場所に手を当てます。

3、1のポジションを変えずに息を吸って、 「はあ~ぁ~」と高い声から低い声に向かって、物が落ちる効果音のように音をずり下げる。同時に右手を、手の平を上に向けて、頭の上から下に向けて声の高さにあわせて下げていく。同時に、お腹に当てている左手で低い声に向けてお腹をグーッと押していく。お腹は手に抵抗するように張り返してください。

*音をずり下げることで声帯のストレッチになり、低い声が出やすくなります。

もう「聞こえない」なんて言わせない 小さな声でも遠くまで声が届くようになる方法 そしてどんな人でも持っている増幅器に気がつくための簡単なトレーニング方法

「遠くまで聞こえる声を出したい」とレッスンを受けにいらした方がいました。プレゼンのとき声が届かなくて、「何を言っているのか聞こえないよ!」とよく指摘されるのだそうです。
しかし、その方、テーブルをはさんでお話していても、「えっ?」と何度も聞き返したくなってしまうような声でした。
だから、仕事のときには無意識に頑張って声を出しているのでしょう。夕方頃になると声が嗄れてしまうのだそうです。

そういう方は、他人に自分の声が聞こえているのかいつも心配で、必要以上に無理をして声を出してしまうか、諦めてしまい声を出さなくなってしまいます。

しゃべってるだけなのに声がすぐ嗄れてしまうのは、やはりどこか間違っています。
また、自信がなくなって声を出さなくなってしまうのも、大変もったいないことです。

本当は、どんな人でも生まれた瞬間は元気に泣きながらこの世に出てきました。
赤ちゃんは、あんな小さな体で、一日中泣いていても声が嗄れることはありませんね?しゃがれ声の赤ちゃんなんてあまりお見かけしたことはありません。

だから、どんな人でも生まれながらにして神様から良い声をいただいています。
そして、一日中精一杯声を出していても嗄れることのないような、無駄のない素直な発声方法を知っていたのです。

人は頑張って声を出そうとすると「怒鳴って」しまいます。
怒鳴る行為というのは、本来は声を調節するだけの場所である、声帯だけに頼っています。
大きな声を出そうとして、声帯にものすごいストレスをかけているのです。
そうなると、声帯はすぐに疲労してしまい、声がかすれます。

声帯だけで頑張って発声する声は、近くでは大きく聞こえますし、出している人も大きな声を出したような気になって満足しています。しかし、そういう声は、残念ながら実際は遠くまで鳴らないという特徴があるのです。

さて、それでは、どうしたら遠くまで届くような、人の心に届くような良い声を出すことが出来るのでしょうか。

声帯を通して声が出ることは確かなのですが、声帯は頑張ってはいけません。
良い声が出ているときというのは、声帯はリラックスして、大変小さなエネルギーしか使いません。
ただ、それだけでは、遠くまで届く声にはならないのです。

響く声で良い発声を行う仕組みとは、声帯で調節した小さな声を、「共鳴」といわれる、鼻の後ろあたりで、響きを増幅させて出しています。

だから「今日は声がよく出ているな」と思うときというのは、声帯は楽なのですが、常に鼻の後ろあたりで響きが持続している感覚を持っています。

それでは、試しに、その感覚を人工的に作ってみましょうか。

小鼻の脇を両人差し指で軽くおさえ、大きく息をすってから、口を閉じて鼻から息を流すように「m~」とハミングしてみてください。そのとき鼻のあたりが「ビーン」と振動する感じがします。
これを「共鳴ハミング」とよびます。

良い声の人は、発声しているときこの振動がいつもあるのです。
これは、楽器が豊かな響きをつくり出しているのと同じ原理です。バイオリンも、弦に弓を強くこすりつければ強い音がするわけではありません。ピアノの鍵盤を強い力で叩けば大きな音が出るわけではありません。プロレスラーが演奏しても大きな音がするわけではないのです。

本当に良く響く声を出したかったら、共鳴ハミングのトレーニング方法を行ってみてください。初めのうちは指で押さえますが、だんだんと、おさえなくてもつかう場所を覚えていきますので、手放しでも響くようになります。

私は、この響きを得てからかなり発声が変わりました。ただ、これに気がついている人は少ないです。このトレーニングを行うと、早い人は瞬間で気がつきます。また遅い人で数ヶ月はかかります。

私は数ヶ月かかったほうでしたが、気がついてよかったと思っています。

良い声が出ないのは肺活量が足りなくて呼吸が上手くできないおかげです 息を強めるためのどこでもできる簡単なトレーニング「横隔膜ブレス」(プラスの効果も期待)

力強い声、柔らかい声、響きのある低い声、華やかな高い声・・・人はどんな声を出すことも出来る可能性に満ちています。

ただし、そのためにはたくさんの息が必要です。
特に、呼気を強めると言っても、ただ息をたくさんはけば良いというわけではありません。

呼吸は、息を吸うと横隔膜という肺の下側にある膜が下がって肺がふくらみ、横隔膜が上がって肺から空気がはき出されます。
この横隔膜がしっかり使えているかどうかが大きなポイントとなります。

横隔膜がどこか分からない方は、おへその上あたりに手を当てながら、「ケホッ」と空咳をするか、「お~ほっほっほっ」と女王様のような笑いをしてみてください。
動いている場所がありますね?
そこが横隔膜となります。

まずこの状態を確認してください。

それでは次に呼気を強めるために腹圧を上げるトレーニングをご紹介します。

★「横隔膜ブレス」★

 
1、横隔膜のあたり(おへそと一番下のあばら骨の間)に手を当てる
 
ポイント:横隔膜意識のために手を当てます。横隔膜はインナーマッスルで動きます。筋力トレーニングのときに筋肉をつけたい部分を意識すると筋肉の付きが早いですね。それと同じ理論です。

2、顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う

ポイント:このとき肩が上がらないように。お腹が張る感じを手で確認すること。

3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて思い切り息をはき、さらにはき切る。

ポイント:頬と鼻の下がパンパンにふくらむように。口の前にティッシューをかざすと簡単に吹き飛ぶくらいの呼気です。ここで一番大事なのは、横隔膜で支えている感じを意識することです。腹圧が高まります。

4、息をはききったら、再び口を開けて1から繰り返す。

ポイント:息をはき切ると慌てて息を吸い込みたくなりますが、それは我慢して「ゆ~っくり」と大きく吸うこと。大きなクジラがえさを吸い込むように。慌てると余分なところに力みがきます。
    繰り返すと「頭が白くなくる」方がいますが、その場合吸う息が足りません。
    そうは言っても、楽なトレーニングではありませんので、少しキツいくらいが正解です。 

・・・気分はどうですか?

そうなんです。
実はこのトレーニング、ストレスが楽になるというオマケつきです。
仕事で「イラッ」ときたときやピンチになったときに。とにかく一息行う。仕事の合間にだれもいないエレベーターで思い切り行う。
スッと気持ちが楽になります。

お試しあれ!