オンラインで話しが聞き取りにくい理由

オンラインで会議をしていると、言葉が聞き取りにくいのはストレスになります。

聞き取り難いのは、滑舌の問題ではなく、「言葉が流れてしまっている」の大きな原因です。
オンラインは響きの質に広がりがなく、実際よりも粘って聞こえやすいので、言葉が流れているととても聞き取り難いのです。

「言葉が流れる」とは、言葉と言葉がくっつきすぎているということです。
とくに問題になるのは母音同士が結合してしまうことです。

たとえば、「本日はありがとうございました」が、「本日は〜りがとうございました」のように、「本日は」の最後の母音と「ありがとうございました」の最初の母音がくっついて流れてしまうことです。これがあらゆるところで頻繁に起こると、想像で補うことがストレスとなりたいへん聞き難い話し方になります。

日本語は、このような状態になってしまいやすい言語です。
では解決するために「母音の頭をしっかり言い直しましょう」といっても、話している瞬間に母音にフォーカスしながら母音の頭の言い直しができるようになるには、かなりの訓練が必要です。

そこで言葉の粒を立てるように区切って話すことをおすすめします。

最初の例だと「本日は、ありがとうございました」のように、「、」の部分を作ることです。ほとんどの方が「、」を意識して話していないために、言葉が流れやすくなり、聞き取り難くなっています。

これは、あわてていると難しいので、できるだけ落ち着いて臨むようにしてください。

 

オンラインでNGの声

あるオンラインプレゼンを見ていて、ぐったり疲れてしまったことがありました。

話し手の声が甲高かったのです。

プレゼンでは、緊張してテンションも上がりますので、声は高くなりやすいものです。

対面では響きが空間に散るためなんとか我慢できた甲高い声も、パソコンやスマホのスピーカーを通すと金属音のように響きます。
キンキンと響く金属音は聞いているだけで聴き手にストレスを与えてしまうのです。

甲高い声を避けるためには、コツがあります。

(1)話す前に呼吸をする
話し始める前に、深呼吸しておきます。
気持ちが落ち着いて、声が甲高くなるのを抑えることができます。
また、プレゼン中も意識をして息を吸うようにしてください。

(2)水を飲む
話しの途中でテンションがあがって声が高くなってきたなと思ってもなかなか止められないものです。
そこで、途中で水を飲みます。
声が甲高く薄っぺらくなるときは、大抵は喉にある「喉頭」が上がってきています。
ゴクッと水を飲むことで、喉頭という場所が下がり、声が低くなります。
オンラインプレゼンでは、手元にコップに入れた水か、ペットボトルを置いておくことを忘れないでください。

オンラインプレゼンを聞いていて甲高い声は特に気になるものです。
ぜひ低い声を意識してお話ししてみてください。

オンラインで目立つ語尾落ちしなくなる方法

 

オンライン会議では、語尾の不明瞭が目立ちます。

例えば、「これはこういうことで良ムニャムニャ・・・」と文章の終わりまでしっかり話さないと、「良いのです」なのか「良くないのです」なのか、肯定と否定の区別がつかないこともよくあります。

聴き手の聞こえ方によっては、全く正反対の解釈をされてしまうリスクもあります。

また、語尾を不明瞭に話すと、聴き手は話しの意味を一生懸命聞き取ろうとするのでストレスがかかります。
特にオンラインのプレゼンでそうなってしまうと、離脱してしまう人も増えますので気をつけなくてはなりません。

もし一対一だったら、聞こえにくくて意味が分からない場合、また想像力で補えないほどの場合は、「今のところ、もう一度おっしゃっていただけますか?」とたずねることもできます。しかし、複数人の会議だと聞き直しにくいものです。

どうしても語尾が落ちてしまう方に、録音して聞いてもらうと、大抵の方は驚かれます。つまり、気がついていないのです。

語尾落ちは、頭の回転が早く、次にしゃべることや次のチャートが気になってしまう方の場合によく起こります。
そういうときは、たいてい前のめりで、リズム感が早く間がとれていないので、聴き手が内容についてこれていません。

また、十分に息が吸えていないため、語尾で息が足りなくなってしまうこともあります。
優しい性格ではっきりしたものの言い方をしない人にも多いようです。

改善方法は、次にしゃべるチャートを気にするのはほどほどに留めて、今話していることに集中して言い切ること。

言い切った後に、きちんと息を吸うこと。息をしっかり吸っておけば、語尾に息が足りなくなることはありません。

オンラインでは細かい話し方が目立ちますので、ぜひ語尾落ちしないように気をつけてください。

 

音を立てて息を吸う残念なプレゼンへの対処方法

プレゼンで、息を吸うとき「シーッ」と音を立ててしまう方がよくいらっしゃいます。

具体的には、「虫歯かな?」と気にして確認するときとか、男性に多いのですが、ラーメンのような食べ物を食べたあとの息を吸うときの音に似ています。

これは、話し手が不安を感じて話しているような印象を与えますし、何より聞いていてあまり爽やかではありません。

出来れば、息を吸うときは音が立てない方が良いと思います。

加えて、音を立てて息をすうことをおすすめしない理由はもう一つあります。

それは、口の中が狭くなってしまうことです。

口の中が狭くなるとなぜいけないのでしょうか。それは、良い声が出なくなるからです。良い声で話すための条件は、「口の中」が広いことなのです。
(詳しくはこちらのコラムをご参照ください。→ http://nagaichika.jp/20200108-2)

話すときに「シーッ」と音をたてることが癖になっている方は、口の中が狭くなり良い声が出ていない可能性が高いので、意識して音をたてないようにすることをおすすめします。

また、癖になっていなくても、話すときにストレスを感じたり、強く緊張すると、アゴが固くなったり歯をかみしめてしまうため、口の中が狭くなりがちです。

記者会見の質疑応答で、記者から厳しい質問を受けると「シーッ」と音をたてて息を吸うトップを見かけることがよくあります。こういうときに「シーッ」という息の吸い方をすると、声も小さくなり、余計に悪い印象を与えてしまいます。加えて「シーッ」と息を吸っている人に対して、聴き手は「自信がないのだろうか」と不安を感じやすくなります。

対策方法は、落ち着いてアゴを下げながら息を吸うことです。
アゴを下げるだけで、口の中の空間を確保することができ、「シーッ」という音はしなくなります。

必ずできるコツは、「冷たくなった手を暖めるときの息」で「はあ〜」と息をはき、そのままの状態を変えずに息を吸ってください。

【呼吸のやり方】
プレゼン中に行ってください。
(1)アゴを下げて「手を温めるように」ふわーっと息をはく。
(2)アゴを下げたまま、ふわーっと息を吸う
(3)アゴをゆるめながらそのまま話す
※緊張で硬くなっていると一回では上手くいきません。2〜3度意識して繰り返すと上手くいきます。

この呼吸方法を身につけると、良い声がでやすくなります。
アゴを下げて、よく息を吸ってお話してください。安心感、信頼感、説得力が上がります。

 

肺機能が衰えがちな冬は、声も出なくなる。そこで対策

こんなお悩みを聞くことがよくあります。

「最近、声が出なくなってきた」
「話していて、すぐに息切れする」

原因として、肺機能の衰えがあります。
2015/1/31の日本経済新聞の記事「健康:肺の衰えに気をつけて」によると、

「肺機能の維持には定期的な運動習慣が大切。ただ歩くだけでなく、スポーツジムなどを利用して上半身の筋肉をしっかり鍛えることが必要」

つまり運動不足になると呼吸に使う筋肉の衰えを招いてしまうのです。
冬になると、寒くて外を出歩きたくない日々が続きますが、歩かないとさらに身体が動かなくなり、肺機能が衰えます。
この肺機能の衰えは、声にも影響します。良い声は、良い息を流すことで得られるからです。

風邪などで数日間運動しなかっただけで、仕事で話をすると声にパワーがまったくなくなる経験をした方も多いと思います。

運動も大事ですが、呼吸することでしか鍛えられないインナーマッスルを鍛えることも大事です。どうしても仕事で忙しくなってしまい、運動ができないときは、ちょっとの空き時間や道を歩くときに「横隔膜ブレス」を行って、横隔膜を鍛えて良い呼吸を維持するようにすることをおすすめします。

★★ 横隔膜ブレストレーニング ★★

呼吸だけで横隔膜インナーマッスルを鍛えるトレーニングです。

(1)肋骨のすぐ下あたりに手を当てる

(2)顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う

ポイント:肩が上がらないように。お腹が風船のように張る感じを手で確認すること。

(3)口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて頬と鼻の下がパンパンにふくらましながら5秒息をはき、6秒目に止める。

ポイント:頬と鼻の下がパンパンにふくらむように。口の前にティッシューをかざすと地面と平行になびくくらいの呼気です。お腹はできるだけ張った状態を維持します。

(4)再び口を開けて2から繰り返す。5回行う。

身体を使わないことが多い冬だからこそ、お試し下さい。

苦しい「喉締め」や「力み」を抜くための方法

言葉に気合いが入りすぎて喉を締めて出してしまったり、声に力みが入ってしまう方が多くおられます。

話すことに一途で、伝えようと一生懸命になるのですから、当然のことだと思います。

だから、「つい力んで身が入ってしまう」ということは、冷めていたり、感受性が弱かったりする人よりは何百倍も可能性があり、悪いことではありません。

問題は、力むと声帯に余分なストレスがかかってしまい、声嗄れの原因になってしまうことです。すぐ休めば良いのですが繰り返すと声が戻らなくなってしまいますので注意が必要です。話す量も多い政治家は、ガラガラ声の方が多いのもその理由からです。

そこで、ついつい力んでしまう方向けの練習方法があります。

ガラス磨きをするときや眼鏡を拭くとき、「は〜」と息を吹きかけて磨きます。その息で発声するのです。

方法は、窓ガラスを「は〜」と磨きながら話し、またすぐに「は〜」と磨いて話す、という練習を繰り返します。窓ガラスもキレイになりますので一石二鳥です。

コツは、「は〜」の息のまま発声することです。少しずつ、力みがとれて、楽な発声に変わっていきます。

次の段階は、「フクロウ」の発声法です。フクロウが「ホー」と鳴くまねをします。

これは意外にコツがいります。「ホー」と言うとき感情を込めないことです。一生懸命な人ほどフクロウの鳴き声に感情がこもってしまいますので、あくまで本物のフクロウが鳴いているように「ホー」と鳴きます。

以上が出来るようになったら「ホー」を、ロングトーンで「ホーーーーーーー」と伸ばしていきます。

最初は大きな声が出ないので欲求不満になってしまうかもしれません。しかし、大きな声を出して「スッキリした」というのは大抵喉に負担がかかっていることが多いものです。発声に「手応え」を求めてはいけないということです。

この「ホー」が上手く出来るようになると、話しているときに声の力みが取れていきます。

一生懸命な気持ちはそのままに、発声部分はあえて「そらす」という方法も必要なのです。

 

滑舌悪化の原因「子音」は、ピンポイントで克服せよ

「滑舌が悪く聞こえる」という悩みを抱える方、多くおられます。

滑舌が悪くなる原因は、子音が上手く言えていないこと。
子音は、一つずつピンポイントで克服することが必要です。
ピンポイントで意識せずにたとえば早口言葉の練習すると、いつも同じ子音でつまずいてしまい、滑舌の悪さが癖になります。「繰り返し練習」が「つまずく練習」になっているのは、もったいないですよね。

子音をどのようにしてピンポイントで克服するのか。
今日は多くの方があまり得意ではない[n]の子音についてお伝えします。

[n]の発声は、口が少し開いた状態で、舌が上がり上アゴに舌先がべったりとつきます。とくに舌の筋肉が弱いと、舌先が上アゴにしっかりつかず、[l]に聴こえてしまうか、舌が口腔内で空振りして母音しか聞こえないこともあります。
「バナナ」だと、「バララ」とか「バアラ」と聴こえ、滑舌が悪く聞こえます。

[n]の子音は「第六の母音」とも言われています。母音の特徴は音を伸ばせることですが、[n]も「n〜〜」というように、音を伸ばすことができるからです。[n]が母音と同じように響かせることができるようになると、滑舌の悪さは改善できていきます。

[n]の子音は、伸ばすことで簡単にトレーニングすることができます。

【nのトレーニング】

①口を少し開けて息を吸う
②舌の全面を上あごにぴったりつける
③「n〜〜〜〜〜」と伸ばす
①〜③を10回繰りかえす。

舌の筋肉が鍛えられ、[n]が空振りせず、響くようになってきます。

 

プレゼンで行う呼吸の方法

私自身が発声で一番気をつけていることを一つだけあげるとしたら「呼吸」です。

声を出すのだから、「声の高さ」や「抑揚」と思われるかもしれませんね。もちろん、それらのことも大事です。

しかし、一番難しいのは呼吸です。呼吸の問題は、経験を積み重ねるとより効果も上がりやすくなるのですが、同時に課題が増えてくることも大きな特徴だからです。

呼吸の基本は、横隔膜という肺の下にあるドーム型をした呼吸のための筋肉を使えるようにすることです。横隔膜を使えた呼吸ができるようにすれば、専門家が行うような難易度の高いボイストレーニングは必要ないとも言えます。

しかし一方で、難易度の高いボイストレーニング法をこなせていても、なぜか横隔膜が使えていない方が多いのも事実。これでは、一生懸命トレーニングしたとしても効果は得にくいと思います。

つまり、発声にとって「横隔膜を使えない」ということは、足腰がしっかりしてないままスポーツをするようなものです。

「息を吸う」というと、簡単なように思えますが、結構エネルギーを使います。不慣れな人が呼吸を意識しながら話すのは体力的にキツいものです。

以下に、話しながら横隔膜を使った呼吸を扱う方法を具体的にお伝えします。

 

【基本】息を吸ったときに、下腹(へそ下9センチくらいの場所を意識)を張り、張ったまま息をはいていきます。この呼吸を繰り返しながら、発声していきます。
【プレゼン時】文章ごとに、息を吸いながら話す。話しているとき、下腹はできるだけへこまさないようにする。

不慣れな状態でたくさん吸おうとすると身体が力んでしまいますので、ムリに長いセンテンスを話そうとせず、「少しだけ吸って短く話す」を繰り返してください。

 

口を開けなければ、通る声になる

声が小さい。声が通らない。響かない。だから聞き取り難い。結局、聞いてもらえないので伝わらない。

多くの方々にとって共通の悩みでもあります。

大きな声を出そうと思ったら「口を大きくハキハキとあけなさい」と良く言われています。
これは決して間違っていませんが、あまり口を開けずぎると響きが散ってしまい、かえって声が通らなくなってしまいます。
それに口をパクパクして話すのは、ビジネスのシーンやフォーマルな場でエレガントではありませんね。

声を響かせるためには、口の前を開けずに「口の中」が開いていることが大事です。特に縦方向に開いていることがポイントです。
良く響く教会やホールは天上が高いですよね。口の中も同じです。逆に野外ホールはオープンになっていますが声は響き難いものです。プロのオペラ歌手でも野外ホールで演奏するときはマイクを使わなければ声は届きません。

一方で現代人は、アゴの骨格が小さい傾向にあり、口の中が狭い方が多く、大きく縦に口を開けることが難しいのも事実。その結果、声がぺちゃっとして響かず、舌足らずのような話し方になってしまいます。

対策があります。口はあまり開けず「おちょぼ口」にし、アゴを下げることです。見た目は「ハコフグ」のようになります。

口の中を開け、声を響かせるためのトレーニング方法をお伝えします。

(1)口を閉じる。舌を下げて舌先が下歯茎に触れている状態を維持

(2)唇を少し開けて、アゴを下げる。下げるときのコツは下アゴを前に少しだけ出す感じで「受け口」気味に。

(1)と(2)を10回程繰り返し、アゴ周辺の筋肉をほぐし、アゴの可動域を広げる。

慣れてきたら、声を出してみましょう。

(1)口を閉じる。舌を下げて舌先が下歯茎に触れている状態を維持

(2)唇を少し開けて、アゴを下げ、「Mo〜〜」と長く伸ばして発声する。発声しているときは下アゴを少しだけ前に出し、舌は舌歯茎に触れている状態を維持。

見た目は「ハコフグ」です。鏡で確認してみてください。

ドイツの名歌手に、シュヴァルツコップ(Olga Maria Elisabeth Frederike Schwarzkopf,1915-2006)という人がいます。彼女は小柄だったので、ヨーロッパの大柄な歌手たちと声量の差をうめるために口周辺の作り方を細かく工夫していました。口の開け方は、アゴを下げることと、アヒルっぽく上唇をほんの少し前に突き出すことも行っていました。そうすることで、声がより前に響くようになるからです。この方法は、同じように、骨格の小さい日本人のお弟子さんたちにも彼女は勧めていたそうです。口の作り方をちょっと変えるだけでも、響きが劇的に変わります。

職人は、その職業に合わせて体を作りかえると言います。
声もビジネスにおいての道具になります。
ビジネスでも声という道具を使いこなすために体を作っていくことも大事なことだと思っています。

口角が下がると、業績も下がる。だから口角アップの方法

プレゼンで、怒ったり悲しんだりしていないのに、常に口角が下がっている人をよく見かけます。

口角が下がっている人の表情は、寂しそうで暗いイメージを与えます。怒っているようにも見えます。
実年齢より老けて見えてしまうことも多いのです。
小学生でさえ、いつも口角が下がっている顔つきをしている子は、実際より上の学年に見えていました。

また、口角が下がると、声も暗くなります。口角が下がっている上に暗い声で話されると、たとえ良い話でも良い話しを聞いた感じがしなくなり損をしてしまいます。

加えて口角は、意識していないとあっという間に下がってきて、気が付いたときは取り戻しが効かなくなります。
とくに、一日机に向かって仕事をしている人は、表情もとぼしくなりますので、さらに口角が下がってしまいます。

そこで今日は、ボイストレーニングでも行っている「簡単に口角を上げる方法」をお伝えしましょう。
ランチの後にでもお試しください。

【口角アップ・スペシャル】

(1)唇をぴったりと閉じ、口角をあげるように笑う。(見た目はそんなに上がらない)

(2)左右の人差し指を立てて、口角をトントンと軽くたたく(筋肉を刺激することが必要)

(3)唇の両端に1本ずつストローをくわえ、出来たてのフラペチーノを圧をかけて吸い込むようなつもりで、口角が少し痛くなるくらいに緊張感を持たせる
(ストローとフラペチーノはイメージするだけ。実際に用意する必要はない)

(4)唇の両端に1センチくらい離して左右の人差し指を立て、口角を持ち上げるイメージで指をゆっくりとあげる。ゆっくり20数える。(何回か行うと良い)

これを行うと、口角が上がり笑顔が出やすくなりますし、声も響くようになります。

取材でたくさんのトップを見てきました。会社が上手くいっているトップの口角を見ると、たいていの方は下がっていないことに気が付きます。

ちょっとくらい苦しくても、口角を上げるようにしてみると、気のせいか仕事も人生も開けてくるような気がします。

大声を出さなくても話が伝わる方法

「『さっきのお話、もう一回お願いします』とか、『は?』と耳に手を当てられることがよくあって…。声が小さいんでしょうか?」

こんなご相談を受けました。
聴き手は「もう一回言ってください」とは言い出しにくいもの。これを言われるのは余程のときです。

話す内容が明瞭に伝わるためには、「大きな声を出せばいい」と思いがちです。
これは間違いです。

ポイントは「子音」です。

子音の中でも、音程のつくものがあります。たとえば[n]。「n〜♪」と鼻歌みたいにメロディがつきますよね?「第六の母音」とも言われています。[m]、[r]、[L]も、メロディがつけられます。

とくに日本語の場合、[n]の発音「ん」がとても多いのが特徴です。話すときに「ん」が空振りしていまうために、何を言っているのか分かりにくくなることが多くあります。

「ん」は[m]のときもあります。[n]は口を開けますが[m]は口を閉じる、という違いがあります。

[m]の場合、「新聞紙」「先輩」など、「ん」の次に[b]や[p]などの破裂する音がくるときに用います。破裂させるときに一度口びるをしっかり閉じなくてはなりませんから、[m]を使って、口の動きを一度ですませたいのです。

[n]「ん」の発声の場合、口を少しあけて、舌が上がって上アゴに舌がべったりとつきます。舌の筋肉が弱いと、舌先しか上アゴにつかず、[L]に聴こえてしまうか、空振りして母音しか聞こえないこともあります。「バナナ」が「バララ」とか「バアラ」と聴こえてしまったりするのです。

だから、音程のつく母音がしっかり発音できるようにしましょう。
大きな声を出さなくても言葉が良く聞こえるようになります。
今日は簡単なトレーニングの方法をご紹介します。

これらの「音程のつく子音」を長く伸ばす練習です。

好きな曲を聞きを[n]や[m]だけで歌ってみるなどすると、楽しみながらの良い訓練になります。
[r]は、「rrrrrrrr〜」というように巻き舌で伸ばします。

伸ばしているうちに、舌の筋肉がついて、子音が口の中でしっかり鳴るようになります。

お試し下さい。

 

ボイストレーニングをやっても声が良くならない理由

 

いろいろなトレーニングをやっているけれどなかなか思うような良い声が出ないのは、根本的な呼吸のところで間違っているケースが多くあります。

良い声の条件は呼吸です。

「呼吸?そんなのやっているよ」と思われる方多いかもしれません。

それでは質問です。

発声して言葉の最後に息が切れたことを意識していますか?

ほとんどの人は、声を切るときに「なんとなく」切りすぎています。
だんだん声がなくなる自然消滅型になっています。
つまり、語尾がモニャモニャと不明瞭になる「語尾落ち」していることがほとんどです。

原因は、横隔膜が使えていないせいです。

「良い声にする」ためには、「息を横隔膜でコントロールしている」ことが大前提となります。

それでは、息を横隔膜でコントロールするためにはどうすればいいでしょうか?

まず第一段階として、「息を横隔膜で意識して止められる」といいのです。

ただし、こう言うと息を喉でとめてしまう人のほうが圧倒的に多いのです。

喉でとめていると、喉に余計な力が入ってしまったり、喉声になったりする原因になります。これが続くと喉に負担もかかります。

まずは、横隔膜で息を止められるようにすることです。

それでは、本日は横隔膜で息をとめるための簡単なトレーニングをご紹介します。

まず、横隔膜はどこかを確認するためと、横隔膜を鍛えるために「ドギーブレス」をします。
背中を壁につけて行ってください。

 

★★ドギーブレス★★

1、「あ」と言うつもりで口を開け、舌の力を抜いて舌先を下の歯の裏につける。

2、暑いとき犬がするように「ハッハッハッハッ・・・」と呼吸し、休まず5秒続ける。

チェック1:手をお腹に当てて、へこんだり出たり均一に動いているのを確認
チェック2:吸う息と吐く息が同じ量になるように

こんどは、横隔膜でとめる「横隔膜の呼吸トレーニング」です。
ドギーブレスをした直後に継続して行ってください。

★★横隔膜の呼吸トレーニング★★

1、ドギーブレスしてから、そのまま「はあっ」と大きく息を吸う。
そのとき、下腹の真中あたりを押し返すつもりで息を吸う。(もしわからなければ誰かに押してもらうとよい)

☆ポイント:下腹はしっかりと前に出て、さわるとパンと張っている。このとき、下腹を無理に出そうとして壁から背中が離れないように。

2、口あけたまま息を5秒とめる

☆ポイント:このときお腹は押し返したまま。ドギーブレスのときに動いていた場所あたりで息をとめる。これが「横隔膜止め」です

3、下腹はそのまま出来るだけ押し返しを維持しながら「はーっ」と一気に息をはく。

☆ポイント:息をはくとき喉で小さく「kっ・・・」という言う音がした場合、喉で息をとめているのでよくありません。「喉止め」しないコツは、お腹の頑張りに集中すること。喉周辺の力を抜くようにし、喉で音がしないようになるまで練習すること。

4、1~3を何回か繰り返す。慣れてくればお腹を押してもらわなくてもできるようになります。息を吸っているときもはいているときも、出来るだけ下腹は「パン」と張った状態を維持するようにします。

 

 

「え」と「い」を変えれば、あなたの声は響く

 

「声が響かない」「声が良くない」

というお悩みを持つ方に共通するポイントがあります。
「え」と「い」の母音が響いていないことです。

ほとんどの人は、「え」と「い」を発音するとき口の中の空間が狭くなっています。こうなると音声の質が平べったく変化して聴き苦しくなり、加えて響きが浅くたるため幼稚っぽい声になりやすく、説得力も落ちてしまいます。

 

「え」と「い」が響かせることができれば、説得力が上がります。
さらに「え」と「い」を響かすことができれば、他の母音「あ」「う」「お」も響すことも簡単です。

そこで本日は、「え」と「い」を響かせる発声練習をお伝えしたいと思います。

■「え」の発声

1.基本は「あ」と発声する口の形。顎が下りてほおが十分のびている状態です。舌はのびて、舌先が下唇の上にさわっています。
2.「あ~」と発声しながら、舌を少しずつ持ち上げます。そうるすとだんだんと「え」に変化していきます。途中「え」と 聴こえたら舌の動きを止めてください。そのとき注意しなければならないのは、下あごが舌と一緒に上がってこないこと。上がるのは舌だけです。

「え」を響かすことが出来れば、「い」も簡単にできます。

 

■「い」の発音

1.先の「え〜〜」の発声をしながら、下あごを少し上げていきます。途中で「い」と聴こえたらあごを上げるのを止めてください。舌の両脇が奥歯に挟まれる感じになります。

この発声法が上手くいくと、声がマイクで話しているように離れたところで響いて聴こえます。
ぜひお試しください。

 

滑舌が悪く声が良くならない意外な理由

 

「滑舌が悪い」というお悩みをよく聞きます。

実は、どんなに効果的なボストレーニングを行っていても、舌の扱いを間違うとすべてが台無しになってしまうことがあります。

舌というのは、意外にこちらの思うとおりに動いてくれないものです。
舌が奥に下がっていたり、固くなっていたりすると、声がこもってしまって響かなくなります。
ストレスの多さも原因ですが、アゴに力が入りすぎ噛みしめているため、アゴの周辺が固まってしまい、舌が動き難くなっていることもよくあります。

そこで、舌の位置に気をつけていただく訓練を日頃から行って下さい。

ポイントは2つあります。

■ポイントその1:舌の位置

【改善方法】
1 舌をのばして舌先を下の歯か歯茎に軽くふれるようにする
2 舌の位置はそのままで、リラックスしアゴを下げて口をぽかーんとあける
(見た目は口がダイヤ型になります。鳥のひながえさをほしがっているような口です)

この状態で、楽にテレビを見ていられるようにしてください。

■ポイントその2:噛みしめ

いくら舌が良い位置に来ても、アゴを噛みしめていると、アゴが固くなって舌の動きを邪魔します。
アゴをリラックスさせることを意識しましょう。

【改善方法】
気がついたら「リラックス」とイメージして、アゴを緩めながら下げる。
コツは、口を上側に開けようとするのではなく、「上アゴから上は動かさずにアゴを下方向に下げる」ことです。
アゴを緩めれば、歯の健康にも良いとされています。

(医学的にも、噛みしめは歯の持ちを悪くすることが証明されています。
日経ビジネス「100歳まで自分の歯を保つには 上下の歯を接触させない」)

日常のちょっとしたときに、舌をのばして、顎を緩めてみてください。

 

口を開けすぎない方が良い声が出る理由

 

「発声のときは大きく口を開けましょう」とはよく言われることです。

しかし、本来は、口を開けない方が声はよく響きます。

なぜなのでしょうか?

あまり口の前を開けすぎると、せっかく良い声を出していても、音の響きが拡散してしまうのです。

ある程度口の前は閉じて、口の中を開けている方が、響きが集まってよく響きます。

よく響くホールや教会は天井が高いですね。口の中も同じと考えてください。いかに口の中を開けるかというほうが大切です。良い声の人は、口の中で音を共鳴させて音を響かせることをしています。

例えばクラシックの歌手は、大きなホールでもたいていマイクなしで歌いますが、野外劇場の場合はマイクを使うことがあります。それは音が散ってしまうからです。

コツは「お」と発声する口を維持することです。「お」の母音は、アゴが下がり、口の中だけが開きやすいからです。
そのために、簡単なトレーニング方法があります。

「1分間ロングトーン」

ロングトーンとは、音を同じ音で伸ばすことを言います。
「mo~」と1分間のばすだけです。
途中で息継ぎをしてもいいので、1分間伸ばし続けます。

口の中が開いて、声も良くなってきます。

プレゼンで楽に良い声を出す方法

 

「プレゼンで頑張ると、喉が疲れたり声がかすれて困っています」
先日、講演会の後にこんなご質問をいただきました。

「いざ、プレゼン本番」となれば、誰でも喉で頑張ってしまうものです。じつは、発声は喉でするものではありません。

元Jリーガーでサッカー解説者のNさんに、ボイストレーニングをお伝えするラジオ番組に出演したことがありました。

そのとき、下腹のへそ下9センチの場所にある「丹田」という場所を張りながら発声する練習をしました。

そうすると、Nさんは、

「サッカーのシュートを打つときも同じですね」

とおっしゃいました。

「シュートをうつときは、ボクは【内臓を張る】というのですが、下腹を張るように子ども達のサッカーで教えています。リラックスしながら力が発揮できるからです。」

サッカーでも、いざシュートを打とうとすると力みがきて失敗しやすいのだそうです。しかし、丹田を張ることで余分な力が抜け、パワーが発揮できるのです。

声を出すときも、丹田をはることで喉に力みがなくなり、良い声が出るようになります。

例えば、酒屋さんが腰の低い位置でしっかりと前掛けを縛っているのを見たことがあります。重い酒瓶を運ぶときに、下腹を張って丹田に力が入りやすくしているのだそうです。
引っ越し屋さんも、重い荷物を運ぶとき息をはきながら「ふんっ」と持ち上げますが、お腹はへこんでいません。

私は、最初なかなか丹田をはりながら発声することができませんでした。そこで、カフェ・エプロンをぎゅーっとまきながら練習しました。エプロンの圧力を押し返すように下腹をはって発声することで喉の力みがとれて声が良くなるのです。

ぜひ皆さんも下腹を張るようにしてみてください。喉が楽になるはずです。

 

「あー、えー、あのー」を無くせば説得力10倍

 

「あー」「えー」「あのー」といった余分な言葉がどうしても入ってしまう人、とても多いですね。

「『あー』とか『えー』は、よくない」と思っていても、どうしても出てしまうものです。
聴き手から見ても、「あー」「えー」ばかりの話しは聞きづらいものです。
「あー」「えー」が多いプレゼンは、間延びして聞こえ、内容がはっきりせず、聴き手に言いたいことが明確に伝わりにくくなります。
私が見る90%のプレゼンは、この「あー」とか「えー」を多用しています。

ではどうしたら「あー」「えー」を無くすことができるでしょうか。

「あー」「えー」をつけて話す人には、特徴があります。
それは「あー」「えー」でリズムを作りながら話していることです。
だから「あー」「えー」を止めた途端、次の言葉が出てこなくなってしまうのです。

でもこのリズムは自分のためだけのもの。プレゼンを聞いているお客様には、1ミリも意味がありません。
「あー」「えー」をなくすだけでも、すっきりと聞きやすくなりますし、内容が濃く、迷い無く伝わります。

できれば「あー」「えー」なしでも自分のリズムを作って、話せるようになりたいものですよね。

「あー」「えー」をなくすには、「間合い」を作ることです。

皆さんはカラオケで歌うとき、休符だったり伴奏の部分で歌いますか?
例えば「与作」です。

「トントントン〜〜(コーラス:トントントン〜〜)
トントントン〜〜(コーラス:トントントン〜〜)
(ジャジャン!ジャジャン!ジャジャン!ジャジャン!
ジャジャジャジャジャジャジャジャジャン!!!)
(極まって)与作〜与作〜〜・・・・(続く)」

コーラスや「ジャジャン」の部分は、音楽にノリノリですが間合いをとって黙っていますよね?
聴き手からすると、この間合いがたまらなく説得力があって聞こえるのです。
歌い手からしても、この間合いで気持ちを盛り上げているのです。

せっかくの感動的な間合いで、うかつな声を出してしまえば、全体が台無しになります。

プレゼンもまったく同じです。
「あー」「えー」は、この間合いで声を出しているようなものなのです。

「あー」「えー」を言うかわりに、あたまの中で(ジャジャン)というようなリズムを刻むことで、黙って間合いが取れるようになります。
これができれば、説得力は10倍になりますよ。

 

怖い反復練習による「ズレ」の定着。対策は?

 

プレゼンの練習で気をつけていただきたいことがあります。
それは反復練習です。

勉強でもスポーツでも音楽でも、「反復練習が大事」と言われます。
しかし反復練習は怖い点もあります。

間違ったフォームややり方を反復練習すると、それが身についてしまって、なかなか取れなくなってしまうのです。
時間が経った後でも、間違ったやり方が再現してしまうのが怖い点です。
ずれていることに自分が早く気がつき、方法を変えることが、無駄なく最速で上達するコツです。

十種競技をしていた武井壮さんが「スポーツが短時間で上達するコツ」について、お話されてたことが大変参考になります。

・・・・(以下抜粋して引用)・・・・

・どんなに長い時間練習しても、その練習が間違ったフォームでやってしまっては意味がなくなってしまいます。
・単調な動きは短時間やってみてしっくりこなければ、いくら繰り返しても無駄なのです。ひたすら繰り返せば上手になるというのは大きな勘違いです。
(参照→武井壮が語った「スポーツが短期間で上達するコツ」)

・・・・(以上抜粋して引用)・・・・

根性で反復練習しても、なかなか上達しないということ。
これはプレゼンでも同じです。

たとえば、練習のとき無意識に「あー」とか「えー」とか言って話していませんか?コレを何度も練習してしまうと、「あー」とか「えー」とか言う癖を身につけているようなものです。

 

プレゼンの場合、対策は簡単です。自分のプレゼンしている姿を録画すれば、すぐに自己流の問題点がわかります。
ぜひ録画をして、ずれた動きを発見し、無駄なく上達していただきたいと思います。

 

アゴを引くとよい発声はできない

こんなご質問をいただくことがあります。

「アゴを引いて発声した方が良いのでしょうか?
それとも引かない方が良いのでしょうか?」

ちょっとマニアックな質問ですが、実は結構大事なポイントです。

「アゴを引いて声を出したほうがよい」といわれることが多いですし、私も他の方からそういう指導いただいたことがあります。

でも実際には、アゴは引かない方が良い声が出るのです。

アゴを引いてしまうと、のどの周辺が締まり狭くなってしまうので、声が響かなくなるからです。
発声をする際の最優先は、喉の周辺の余分な力みをとることです。

顎の位置は、どの程度が良いのでしょうか。

会議室でしたら、後ろの壁の真ん中より少し上を見るくらいの角度です。このくらいのほうが喉や首周辺がリラックスして発声しやすいのです。
ちなみに音楽家の場合、「ステージから1階席真ん中あたり見て声を出すのが良い」と言われています。

「声が疲れてきたな」と感じるときは、首周辺が固くなり凝っている状態になっていることが多いものです。いったんゆっくりと上を向いて、首を伸ばして、ストレッチしてあげてください。また、水分をとることも大切。水を飲むことで喉頭がストレッチされるので有効です。

一晩中泣く赤ちゃんが声枯れしないワケ

 

「声に自信がない」という方が多くおられます。

でも、本来、人は良い声を持っています。

赤ちゃんが生まれると「オギャー!」と良い声で泣いていますね。赤ちゃんはどんなに一晩中泣いていても声が嗄れることはありません。しゃがれ声の赤ちゃん、なんて聞いたことありません。どんな人でも、平等に良い声を持って生まれてきているのです。

しかし、人生経験を積み重ねる中で、どこかおかしな発声になってしまい、良い声が出せなくなってしまうのです。

例えば、子供の頃「こんな声を出してはいけません」と注意を受けたり、小学校で友達に「変な声」とからかわれたりします。そうすると、自分なりに「こんな声がいいかな?」「こんな風に出すと格好良いかな?」と、間違った方向に工夫し始めます。

そのような状態になると、赤ちゃんの頃は素直に合っていた声帯は、少しずれた方向に働いてしまいます。そして、人生を重ねれば重ねるほど、声帯がおかしな方向に働いてしまう癖がついてしまうのです。つまり、「声帯に厚着をしている」ようなものなのです。

一般的には、声を良くするために始めると思われているボイストレーニングですが、じつは、声帯の厚着を一枚一枚脱がしていって、本来持っていた良い声を取り戻すのが目的です。

ボイストレーニングでは、声帯の働きがずれていることに気がつき、方法を変えていくことが、無駄なく最速で上達するコツでもあります。