滑舌が悪く声が良くならない意外な理由

 

「滑舌が悪い」というお悩みをよく聞きます。

実は、どんなに効果的なボストレーニングを行っていても、舌の扱いを間違うとすべてが台無しになってしまうことがあります。

舌というのは、意外にこちらの思うとおりに動いてくれないものです。
舌が奥に下がっていたり、固くなっていたりすると、声がこもってしまって響かなくなります。
ストレスの多さも原因ですが、アゴに力が入りすぎ噛みしめているため、アゴの周辺が固まってしまい、舌が動き難くなっていることもよくあります。

そこで、舌の位置に気をつけていただく訓練を日頃から行って下さい。

ポイントは2つあります。

■ポイントその1:舌の位置

【改善方法】
1 舌をのばして舌先を下の歯か歯茎に軽くふれるようにする
2 舌の位置はそのままで、リラックスしアゴを下げて口をぽかーんとあける
(見た目は口がダイヤ型になります。鳥のひながえさをほしがっているような口です)

この状態で、楽にテレビを見ていられるようにしてください。

■ポイントその2:噛みしめ

いくら舌が良い位置に来ても、アゴを噛みしめていると、アゴが固くなって舌の動きを邪魔します。
アゴをリラックスさせることを意識しましょう。

【改善方法】
気がついたら「リラックス」とイメージして、アゴを緩めながら下げる。
コツは、口を上側に開けようとするのではなく、「上アゴから上は動かさずにアゴを下方向に下げる」ことです。
アゴを緩めれば、歯の健康にも良いとされています。

(医学的にも、噛みしめは歯の持ちを悪くすることが証明されています。
日経ビジネス「100歳まで自分の歯を保つには 上下の歯を接触させない」)

日常のちょっとしたときに、舌をのばして、顎を緩めてみてください。

 

口を開けすぎない方が良い声が出る理由

 

「発声のときは大きく口を開けましょう」とはよく言われることです。

しかし、本来は、口を開けない方が声はよく響きます。

なぜなのでしょうか?

あまり口の前を開けすぎると、せっかく良い声を出していても、音の響きが拡散してしまうのです。

ある程度口の前は閉じて、口の中を開けている方が、響きが集まってよく響きます。

よく響くホールや教会は天井が高いですね。口の中も同じと考えてください。いかに口の中を開けるかというほうが大切です。良い声の人は、口の中で音を共鳴させて音を響かせることをしています。

例えばクラシックの歌手は、大きなホールでもたいていマイクなしで歌いますが、野外劇場の場合はマイクを使うことがあります。それは音が散ってしまうからです。

コツは「お」と発声する口を維持することです。「お」の母音は、アゴが下がり、口の中だけが開きやすいからです。
そのために、簡単なトレーニング方法があります。

「1分間ロングトーン」

ロングトーンとは、音を同じ音で伸ばすことを言います。
「mo~」と1分間のばすだけです。
途中で息継ぎをしてもいいので、1分間伸ばし続けます。

口の中が開いて、声も良くなってきます。

プレゼンで楽に良い声を出す方法

 

「プレゼンで頑張ると、喉が疲れたり声がかすれて困っています」
先日、講演会の後にこんなご質問をいただきました。

「いざ、プレゼン本番」となれば、誰でも喉で頑張ってしまうものです。じつは、発声は喉でするものではありません。

元Jリーガーでサッカー解説者のNさんに、ボイストレーニングをお伝えするラジオ番組に出演したことがありました。

そのとき、下腹のへそ下9センチの場所にある「丹田」という場所を張りながら発声する練習をしました。

そうすると、Nさんは、

「サッカーのシュートを打つときも同じですね」

とおっしゃいました。

「シュートをうつときは、ボクは【内臓を張る】というのですが、下腹を張るように子ども達のサッカーで教えています。リラックスしながら力が発揮できるからです。」

サッカーでも、いざシュートを打とうとすると力みがきて失敗しやすいのだそうです。しかし、丹田を張ることで余分な力が抜け、パワーが発揮できるのです。

声を出すときも、丹田をはることで喉に力みがなくなり、良い声が出るようになります。

例えば、酒屋さんが腰の低い位置でしっかりと前掛けを縛っているのを見たことがあります。重い酒瓶を運ぶときに、下腹を張って丹田に力が入りやすくしているのだそうです。
引っ越し屋さんも、重い荷物を運ぶとき息をはきながら「ふんっ」と持ち上げますが、お腹はへこんでいません。

私は、最初なかなか丹田をはりながら発声することができませんでした。そこで、カフェ・エプロンをぎゅーっとまきながら練習しました。エプロンの圧力を押し返すように下腹をはって発声することで喉の力みがとれて声が良くなるのです。

ぜひ皆さんも下腹を張るようにしてみてください。喉が楽になるはずです。

 

「あー、えー、あのー」を無くせば説得力10倍

 

「あー」「えー」「あのー」といった余分な言葉がどうしても入ってしまう人、とても多いですね。

「『あー』とか『えー』は、よくない」と思っていても、どうしても出てしまうものです。
聴き手から見ても、「あー」「えー」ばかりの話しは聞きづらいものです。
「あー」「えー」が多いプレゼンは、間延びして聞こえ、内容がはっきりせず、聴き手に言いたいことが明確に伝わりにくくなります。
私が見る90%のプレゼンは、この「あー」とか「えー」を多用しています。

ではどうしたら「あー」「えー」を無くすことができるでしょうか。

「あー」「えー」をつけて話す人には、特徴があります。
それは「あー」「えー」でリズムを作りながら話していることです。
だから「あー」「えー」を止めた途端、次の言葉が出てこなくなってしまうのです。

でもこのリズムは自分のためだけのもの。プレゼンを聞いているお客様には、1ミリも意味がありません。
「あー」「えー」をなくすだけでも、すっきりと聞きやすくなりますし、内容が濃く、迷い無く伝わります。

できれば「あー」「えー」なしでも自分のリズムを作って、話せるようになりたいものですよね。

「あー」「えー」をなくすには、「間合い」を作ることです。

皆さんはカラオケで歌うとき、休符だったり伴奏の部分で歌いますか?
例えば「与作」です。

「トントントン〜〜(コーラス:トントントン〜〜)
トントントン〜〜(コーラス:トントントン〜〜)
(ジャジャン!ジャジャン!ジャジャン!ジャジャン!
ジャジャジャジャジャジャジャジャジャン!!!)
(極まって)与作〜与作〜〜・・・・(続く)」

コーラスや「ジャジャン」の部分は、音楽にノリノリですが間合いをとって黙っていますよね?
聴き手からすると、この間合いがたまらなく説得力があって聞こえるのです。
歌い手からしても、この間合いで気持ちを盛り上げているのです。

せっかくの感動的な間合いで、うかつな声を出してしまえば、全体が台無しになります。

プレゼンもまったく同じです。
「あー」「えー」は、この間合いで声を出しているようなものなのです。

「あー」「えー」を言うかわりに、あたまの中で(ジャジャン)というようなリズムを刻むことで、黙って間合いが取れるようになります。
これができれば、説得力は10倍になりますよ。

 

怖い反復練習による「ズレ」の定着。対策は?

 

プレゼンの練習で気をつけていただきたいことがあります。
それは反復練習です。

勉強でもスポーツでも音楽でも、「反復練習が大事」と言われます。
しかし反復練習は怖い点もあります。

間違ったフォームややり方を反復練習すると、それが身についてしまって、なかなか取れなくなってしまうのです。
時間が経った後でも、間違ったやり方が再現してしまうのが怖い点です。
ずれていることに自分が早く気がつき、方法を変えることが、無駄なく最速で上達するコツです。

十種競技をしていた武井壮さんが「スポーツが短時間で上達するコツ」について、お話されてたことが大変参考になります。

・・・・(以下抜粋して引用)・・・・

・どんなに長い時間練習しても、その練習が間違ったフォームでやってしまっては意味がなくなってしまいます。
・単調な動きは短時間やってみてしっくりこなければ、いくら繰り返しても無駄なのです。ひたすら繰り返せば上手になるというのは大きな勘違いです。
(参照→武井壮が語った「スポーツが短期間で上達するコツ」)

・・・・(以上抜粋して引用)・・・・

根性で反復練習しても、なかなか上達しないということ。
これはプレゼンでも同じです。

たとえば、練習のとき無意識に「あー」とか「えー」とか言って話していませんか?コレを何度も練習してしまうと、「あー」とか「えー」とか言う癖を身につけているようなものです。

 

プレゼンの場合、対策は簡単です。自分のプレゼンしている姿を録画すれば、すぐに自己流の問題点がわかります。
ぜひ録画をして、ずれた動きを発見し、無駄なく上達していただきたいと思います。

 

アゴを引くとよい発声はできない

こんなご質問をいただくことがあります。

「アゴを引いて発声した方が良いのでしょうか?
それとも引かない方が良いのでしょうか?」

ちょっとマニアックな質問ですが、実は結構大事なポイントです。

「アゴを引いて声を出したほうがよい」といわれることが多いですし、私も他の方からそういう指導いただいたことがあります。

でも実際には、アゴは引かない方が良い声が出るのです。

アゴを引いてしまうと、のどの周辺が締まり狭くなってしまうので、声が響かなくなるからです。
発声をする際の最優先は、喉の周辺の余分な力みをとることです。

顎の位置は、どの程度が良いのでしょうか。

会議室でしたら、後ろの壁の真ん中より少し上を見るくらいの角度です。このくらいのほうが喉や首周辺がリラックスして発声しやすいのです。
ちなみに音楽家の場合、「ステージから1階席真ん中あたり見て声を出すのが良い」と言われています。

「声が疲れてきたな」と感じるときは、首周辺が固くなり凝っている状態になっていることが多いものです。いったんゆっくりと上を向いて、首を伸ばして、ストレッチしてあげてください。また、水分をとることも大切。水を飲むことで喉頭がストレッチされるので有効です。

一晩中泣く赤ちゃんが声枯れしないワケ

 

「声に自信がない」という方が多くおられます。

でも、本来、人は良い声を持っています。

赤ちゃんが生まれると「オギャー!」と良い声で泣いていますね。赤ちゃんはどんなに一晩中泣いていても声が嗄れることはありません。しゃがれ声の赤ちゃん、なんて聞いたことありません。どんな人でも、平等に良い声を持って生まれてきているのです。

しかし、人生経験を積み重ねる中で、どこかおかしな発声になってしまい、良い声が出せなくなってしまうのです。

例えば、子供の頃「こんな声を出してはいけません」と注意を受けたり、小学校で友達に「変な声」とからかわれたりします。そうすると、自分なりに「こんな声がいいかな?」「こんな風に出すと格好良いかな?」と、間違った方向に工夫し始めます。

そのような状態になると、赤ちゃんの頃は素直に合っていた声帯は、少しずれた方向に働いてしまいます。そして、人生を重ねれば重ねるほど、声帯がおかしな方向に働いてしまう癖がついてしまうのです。つまり、「声帯に厚着をしている」ようなものなのです。

一般的には、声を良くするために始めると思われているボイストレーニングですが、じつは、声帯の厚着を一枚一枚脱がしていって、本来持っていた良い声を取り戻すのが目的です。

ボイストレーニングでは、声帯の働きがずれていることに気がつき、方法を変えていくことが、無駄なく最速で上達するコツでもあります。

 

姿勢を直せば、声が改善する

 

プレゼンで声が良くない人に共通する点があります。

姿勢が良くないことです。

発声のときに姿勢が悪いと、なかなかボイストレーニングの効果は発揮されません。

普段、椅子に座っている時間が長い人は、肩が斜めになっていたり、アゴが出て猫背になっていたりなどの状態が多く見られます。
ほとんどの方はご自分の状態に気がついていいません。

壁に背中はりつけて発声することで、違和感のあるところに気づくことができます。
壁に背中をはりつけて立ちながら発声すると、首、頭、肩、背中、腰、あごなど、発声のボトルネックになっているところが分かります。そしてこの方法を継続することで少しずつ姿勢と発声を矯正することも可能です。

もう一つの方法は、「丹田」と言われる、へそ下9センチの場所を張って力をこめることです。


うすると、どんな人でも自然に良い姿勢になることができます。「姿勢良くしましょう」と言われると、肩に力が入ってしまったり、背中が緊張してしまったり
して、姿勢が長続きしないものです。しかし丹田に力を込めると、良い姿勢を作ることが出来て、声も格段に良くなります。

最後に、もう一点気をつけていただきたいことがあります。

「肩が内側に入っていないか」というとです。

パソコンを使う人に多いのですが、肩が内側に入ってしまう姿勢です。一度、肩が内側に入る癖がついてしまうと、矯正が難しくなります。

これを一瞬で矯正する方法があります。

(1)両腕を斜め下にまっすぐ伸ばす
(2)手の親指側を上に向けて「クルッ」と軽く手のひらを後ろにかえす

そうすると肩と胸がすっきりのびて良い姿勢になります。気がついたときに頻繁に繰り返すことで、肩が内側に入る癖を直していくことができます。

プレゼンに夢中になるとつい忘れがちですが、気をつけたいところですね。

 

力んで声がかすれる人へのアドバイス

 

「ついつい力んで話してしまい、声がかすれるんです」

こんな相談を受けることがよくあります。プレゼンの後や会議の後に、声がかすれてしまったり、喉の疲労がたまってしまう方が多いようです。

「伝えたい」という気持ちが強く、一途であったり、一生懸命であったりする傾向にある方々に多くみられます。
だから、「つい力んで、身が入ってしまう」ということは、冷めていたり、感受性が弱かったりする人よりは何百倍も可能性があり、必ずしも悪いことではありません。

ただ、声力みは声帯に余分なストレスがかかってしまい、声嗄れの原因になってしまいます。話す量も多い政治家においては、ガラガラ声の方が多いのもその理由です。すぐ休めば良いのですが、継続しすぎると声が戻らなくなってしまいますので注意が必要です。

ついつい声が力んでしまう方向けの練習方法があります。

ガラス磨きをするときや眼鏡を拭くときに「は〜」と息を吹きかけ、磨くことがありますね。

その息でそのまま発声するのです。

【ガラス磨きボイトレ】
窓やメガネを「は〜」と磨きながら何かしゃべり、またすぐに「は〜」と磨いてしゃべり…を繰り返します。(プレゼンの練習をしながらやれば、窓やメガネも綺麗になり、プレゼンも上手になって一石二鳥です)

コツは、「は〜」の息のまま発声することです。最初はふわっとした感じの声になります。
少しずつ、力みがとれて、楽な発声に変わっていきます。

【フクロウボイトレ】
もう一つの方法は「フクロウ」の発声法です。

フクロウが「ホー」と鳴くときの真似をします。これ、意外にコツがいります。

「ホ〜♪」と、感情を込めてやろうとしてはダメです。
一生懸命な人ほど、フクロウの鳴き声にまで感情がこもってしまいます。
あくまで、本物のフクロウが、何も考えずにただ鳴いているように、「ホー」と鳴きます。

それが出来るようになったら、その「ホー」を、ロングトーンで「ホーーーーーーー」と伸ばしていきます。

最初は大きな声が出ないので、欲求不満になってしまうかもしれませんが、発声して「はあ〜、スッキリした!」というのは大抵喉に負担がかかっていますので方向性がずれています。発声に「手応え」を求めてはいけないということです。声帯に負荷がかかっていなければ、意外と声は響いていますので安心してください。

ぜひ、プレゼン前にお試しください。

 

よい声を出そうとするほど、よい声からかけ離れてしまう

いつも声をよくするためのノウハウをお伝えしております。
でも今日は逆のことをお伝えしたいと思います。それは、

「人はよい声を求めようとすればするほど、よい声とはかけ離れていく」

ということです。

多くの人が、「ノドでよい声を出そう」という先入観を持っているからです。
この先入観があるために、良い声を出そうと思ったとたんにノドに意識が集中します。
しかしノドで声を出そうとすると、声帯に力みが入ってしまい、かえって声は響かなくなるのです。

良い声を出すためには、ノドを意識するのはやめるべきです。
かわりに意識する必要があるのは、「横隔膜」です。
横隔膜とは、肺の下にある呼吸をつかさどる筋肉です。
横隔膜を鍛えれば、ノドに意識が行くことなく、自然と良い声を出すことが出来るようになります。

でも「横隔膜の場所を意識する」なんて、難しいとお思いになるかもしれませんね。

今日は、簡単に横隔膜を確認できて、横隔膜を鍛えることができるトレーニング方法をご紹介します。

「ドギーブレス」。
つまり「犬の呼吸」です。

■ドギーブレスのやり方

(1)「あ」と言うつもりで口をポカンと開け、ダラリと舌の力を抜いて舌先を下の歯の裏に軽くつける。

(2)暑いとき犬がするように「ハッハッハッハッ・・・」と呼吸し、休まず15秒続ける。

チェック1:手をお腹に当てて、肋骨の下あたりが均一に動いているのを確認
チェック2:吸う息と吐く息が同じ量になるように
チェック3:やっているうちに口が閉じてくる方が多いのですが、トレーニング中はアゴをしっかりおろしてください。

横隔膜がぺこぺこと動いているのが確認できたかと思います。

このトレーニングを1週間に3回ほど行って下さい。身体が温まって、声を出していないのに、発声練習をした後のように声が出やすくなります。

プレゼン前はもちろん、カラオケ前のウォーミングアップにも最適ですよ。

実は簡単な「声のひっくり返り」を防ぐ方法

 

「プレゼンやお客さんの前で話していると、声がひっくり返ってしまいます。恥ずかしいので、どうにかならないものでしょうか?」

こういった質問をよく受けます。

確かに、声が「ヒョエッ」といった感じで裏返るのは、意識してもコントロールできないため、困りものですよね。
じつは、声が裏返るのは、理由があります。

ちょっと音楽的な話になりますので、少し我慢して読んでみてください。

人は男性でも女性でも、音楽の「中間音」と言われる音の高さ(「ファ」か「ソ」の音あたり)で、発声方法を声帯が自動で調整し、チェンジします。人には高音を発声するために声の変換点があるからです。車でいうと、ギアチェンジしている感じです。
そのため、中間音から高音にかけて発声していると、声帯がどっちのギアを選んだらいいのか迷っていまい、ギアが上手く入らず声が裏返ってしまうのです

そのため、発声トレーニングをしていないほとんどの方が、必ずと言っていいほど、中間音域で声が裏返ります。上手な人は、訓練によって一定の声で発声することができるので、高い声や低い声を出していても同じように聴こえます。

ここでプレゼンに話を戻して、声がひっくり返らない簡単な方法をお伝えしましょう。
声の変わり目を避けることで、声が裏返らずに話すことができるのです。

声の高さを、声が裏返る手前までに留めればいいのです。
つまり、意識して声を少し低くしてみる
そうすれば、声は裏返らなくなります。

「声がひっくり返る」という質問している方の話し声を聴いてみると、決まって声が高めです。

人の話し声は、大抵中間音くらいの高さです。人前で、ちょっと興奮したり、緊張したりして、高い声を出してしまうと、声の変換点に来てしまい、中間音から高音にかけてのギアチェンジが上手くいかず、声が裏返ってしまうのです。

そうすると、ただでさえ高い声がさらに高くなり、ちょうど声の変換点にきてしまい、声が裏返る、という結果になってしまうのです。
プレゼンや営業に行って、声がひっくり返るのはやっぱり恥ずかしいものですね。

ぜひ、今より少し声を低くしてみる工夫をしてみてください。声を低くすれば、落ち着きを感じさせ、説得力が増し、良いことばかりです

「いつもより少し低くしてみよう」と思うだけでも全然違います。
ぜひお試しください。

 

「プレゼンで緊張して声が震える」というお悩み

 

「私は人前で話すときに緊張しやすく、声が震えてしまいます。ずっと声の震えが悩みで、トレーニングで自分を変えていきたいです。声の震えをおさえる良いトレーニングはありますでしょうか?」

このようなご質問をいただきました。

緊張のために人前で震えるのは大変に辛いことです。

緊張する方は大勢いらっしゃり、講演で毎回一度は必ず質問を受けます。

まず聞きたいことがあります。ご自身のプレゼンを録画、または録音したことはありますか?
ご自身の目で、「本番で自分がどのような状態になっているか」必ず確認してください。
客観的に聞いてみると、自分自身が感じているほど震えていないケースが結構あります。

なぜなら、緊張していると人は神経が研ぎ澄まされている状態となっており、実際よりすべての物事を過敏に感じすぎてしまうからです。
もし、少々声が震えていたとしても、聴き手は話し手が感じているほど気にしていませんし、ほとんどの場合気がついていません。

もう一点、録画を見て、声が十分なボリュームを保っているか、確認してください。

声が震えるのは、息が足りなくて声が小さい場合に多く見られます。

話す前に、息を吸って大きな声を出してみてください。大きな声を出せば、声楽のビブラートのように意図的に振るわせない限り、声は震えにくいものです。

普段話しているとき、声は震えていないはずですよね。
ここからが大事な点ですので録画をよく確認してください。

本番が始まって、何分以内に震えはおさまりますか?
または、震えは少なくなりますか?
震える時間を測ってください。

ずーっと震えているということはないはずです。
緊張で震えるのはとても体力がいるからです。

もし、10分激しく震えるならば、その10分は得意な話しをしてつなぎましょう。そして,震えが楽になってくるタイミングで、本題に入りましょう。
慣れている話しですと、緊張度も高くなりませんので、かなり楽に話せるはずです。

 

同時に、緊張に慣れていく方法も行ってください。

本番を積極的に企画し、事前に必ず「何を話すか」構成を決め、その通り話せるように準備してください。
そして、前々日までに一回はリハーサルをして、録画してください。本番の日も録画をしましょう。録画は、必ず確認してください。

今までの経験からすると、この工程を10回ほど繰り返せば、緊張はかなり改善できると思います。

その上で、ボイストレーニングを行えば、さらに自信がついてくるでしょう。

 

 

 

早口は損

人前に出るとどうしても早口になってしまう方が多くおられます。
実は早口は損をします。伝える内容に自信がないと思われてしまうからです。

さらに早口は、滑舌悪く聞こえてしまいます。聴き手が内容が聞き取れずに大事なことが伝わらず、何度も聞き返さすことになり、聴き手に迷惑をかけます。

私自身、経験があります。伝統あるお店で買い物をしたのですが、対応してくださった店員さんがあまりに小さい声で早口で、聞き取りにくかったのです。この時も何回か聞き直しました。

有能な秘書が見抜く『信用してはいけない人』の特徴」という記事で「早口の人は信用できない」という内容があります。

不自然に早口な人は、伝える内容に自信がないといえる。アメリカの心理学者ポール・エクマンによると、人間は恐れると早口になるとされている。それに加え、あわてると声が高くなる。自分の魂胆を隠して、企業トップや政治家を利用しようと思っている人は、嘘がばれることをひそかに恐れているため、無意識に早口になるのだ。

確かに自信がないと無意識に早口になります。

しかし人間は、自信があっても、人前に出るとテンションが上がり、どうしてもいつもより声が甲高くなり、早口になってしまうものです。人前で頻繁に話していて慣れている方であっても、いつもよりは声が高くなり、スピードも早くなります。

早口だから、その人が「信用できない」「自信がない」とひとくくりに決めつけるのは、ちょっと難しいかもしれません。
しかし、上記の記事の通り、甲高い声で早口は、「信用できない」と一般的に受け取られてしまいがちのようです。
ゆっくりと良く響く低い声で話す方が、「安心感があり信頼されやすい」ということなのでしょう。

人前で緊張している状態で、ゆっくり話すことは簡単なことではありません。しかし意識して自分ではあり得ないくらいゆっくり話してみてください。そのスピードがちょうどよいのです。そして聴衆の反応が良くなってくることが実感できると思います。

 

リーダーの甲高い声は、失望させる

ワールドカップ、残念でしたね。
ところで活躍されているカッコいいスポーツ選手の声を聴いて、「あれっ?」と違和感を覚えたことがありませんか?

特に印象に残っているのは、サッカーのベッカム選手。
選手としての見事なプレー、チームのリーダーとしての圧倒的な存在感。
私の脳内イメージでは、ベッカム選手の声は、「なめらかに響く低い声」でした。

あるときテレビのインタビューでベッカム選手が話していました。
なんと、意外に「甲高かった」のです。
ちょっとがっかりしてしまい、私の脳内にあったイメージとのギャップをうめるのに時間がかかってしまいました。

甲高い声のリーダーは、成果を発揮しにくいとも言われています。チームメンバーがリーダーに無意識に期待していることと少しズレがあるからかもしれません。逆に、名伯楽と言われるような監督や、素晴らしいリーダーは、大抵が良く響く低い声の持ち主であることが多いものです。

日経ビジネス No.1772「遺言 日本の未来へ」にて印象的な記事がありました。

戦後のリーダーたちが日本の未来へ贈る言葉を特集しています。
稲盛和夫さんが、玉音放送で初めて天皇の声を聴いたときのの一言がありました。

「甲高い声やなとおもったけど、くやしかった」

当時、一般国民は天皇陛下の声を聴いたことがありませんでした。
稲盛さんにとって、天皇の声がイメージしていたものより甲高かったのでしょう。

人は無意識にリーダーに期待するものがあるのです。

オペラでも、国民から信頼の厚い王様や裁判官の役は、必ず低い声の歌手が担当します。
また映画「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で、英国の首相を目指すサッチャーが低い声を獲得しようとトレーニングしている様子が描かれています。

やはりリーダーとは、低い声がもとめられるものなのです。
これからはリーダーは、否が応でもメディアに露出していく時代。
自分の話し声や見た目にも気を配るべきなのです。

 

プレゼン本番では、ボイトレは全部忘れた方がいい

 

こんなことで、心配される方がいらっしゃいます。

「ボイストレーニングができないと、声が上手くでないし、上手にプレゼンできないのでは?」

私はお客様に、「プレゼンをするときは、ボイトレのことは忘れてくださいね」とお伝えしています。
ボイトレとは、ボイトレを忘れるために行っているからです。
トレーニング不足では、表現したいことがあっても思い通りに表現できず、もどかしい思いをします。
そうならないようにトレーニングをしているのです。

でもボイトレが上手くいかないからダメだということはありません。

しかししっかりストレッチを行っているにも関わらず、アスリートでも身体の硬い人もいます。
でも身体が硬いアスリートでも、成績が悪くない選手もいます。
ストレッチは身体を柔らかくして柔らかさを表現するために行うのではありません。
故障を減らして、身体を守るために行っているのです。
イチロー選手はとても身体が柔らかいと言われています。だから故障しません。

一昨年、ゴルファーの青木功さんの講演を聞いたことがあります。
「私は、身体を守るために毎日のストレッチは欠かしません。自分の身体を守るのは自分しかいませんから」とおっしゃっていました。そして毎日「神様、今日もゴルフをさせてくださってありがとうございます」と祈るのだそうです。
ストレッチをしっかり行い、後は天に任せてゴルフを楽しんでいるのです。

ボイトレも同じです。
「ボイトレのためのボイトレ」では残念です。
ボイトレは、あくまでボイトレ。
プレゼン本番では、そのときに盛っている実力で発声して表現を楽しみましょう。

プレゼン本番で、一つだけ意識していただきたいのが「横隔膜」です。
横隔膜が使えれば、喉のストレスが減り、発声が楽になり、聴き手に声が届くようになります。

横隔膜を使えるようにするには、ポイントは一つ。
へそ下9センチの場所にある「丹田」を張ること。つまり、下腹をしっかり張ることです。

本番では、声帯や喉などのことはすっかり忘れましょう。
下腹をしっかり張って、横隔膜だけに意識を持っていってください。
そうすれば、言葉が力に満ちて、聴衆の心に届きます。
あなたが今持っている実力を、必ず発揮できるようになります。

 

「本番になると滑舌が悪くシドロモドロになる」というお悩み

 

「ほんでぃつやごへえ・・ごへえとう・・・ん?・・・ごせいとう・・あ・・?」

プレゼンの大事な締めくくりの場面、「本日はご清聴、ありがとうございました」と言おうと、何度も言い直している方を見て、本当に気の毒と思いました。その方はプレゼン途中でも、簡単な言葉で何度もつっかえていました。

普段はスラスラと話せるものまで言えなくなると、「あれ?私おかしくなっちゃったのかな?」と焦り、「またしゃべれなくなるのでは?」と不安になるもの。こうなると、さらにつっかえるという悪循環に陥ります。

オリンピックの柔道代表を発表する方が、「〇〇キログラム級」と言えなくなってしまっています。

リンク動画

こういうことってよくあることですよね。

こんな様子を見ていると、「今日は滑舌の調子が悪いのかな?」と思ったりしますが、実際には、滑舌に調子が良い・悪いはありません。
原因は滑舌のせいではないのです。

ほとんどの原因は、話すスピードが速いこと。
人は、緊張したりあがったりすると、話すスピードが速くなります

緊張しているときは、意識をしなくても自然にスピードが上がり、早口になってしまいます。こうなると、普段はスムーズに話せている言葉でも、口が回らなくなって言えなくなるのは当然です。

「では本番前に、『いつも通りに話そう』と心がけよう」
こう考えても、やはり失敗します。プレゼン本番では、普段とは心と身体の状態が違うのですから、普段通りにはならないのです。だから当人は「普段通り」に話しているつもりでも、第三者から見るととても早口になっていることも多いのです。

周防正行監督の代表作「シャル・ウィ・ダンス?」で、主人公演じる役所広司さんがダンスコンクールの本番で踊る時、先生役の草刈民代さんが「落ち着いて。落ち着いて。」と祈るように言っていました。これが大きなヒントになります。

本番で成功するコツは、「落ち着くこと」。

「普段通り」に動かすと身体が速くなってしまいますから、筋肉が追いつかなくなり、ミスしてしまうのです。

緊張は悪いことばかりではありません。神経が研ぎすまされ、身体が危機に対して迅速に対応する準備が出来るようになります。だから、いつもより「落ち着いて」臨むようにすれば、自ずと結果はいつもより良くなります。

プレゼンで話す場合も同じです。
いつもより意識して、とてもゆっくり話すこと。
こうすれば、ほとんどの滑舌の問題は解決します。
もともと速くなっているので、これでちょうど良い速さになり、聞いている人も聞きやすくなります。

コツは、三つあります。

(1)まず、息を吸う

息が足りないと子音を言うときに、舌で口の中をこすったり、はじいたりすることがしにくくなります。しっかり呼吸して息をたくさん使いましょう。

(2)言葉を区切る

どんなに難しい言葉でも、少し区切って言うと、確実に言えるようになります。
ちょっと危ないなあと思ったらば、人に分からない程度に少し区切ってアクセントをつけると安定感が増します。

例えば、冒頭の文章だと、息をしっかり吸って、ゆっくり話しなが

「本日は(間)ご(微妙な間)静聴(間)ありがとう(間)ございました」

というようにします。区切ることでブレーキが効いて、早口防止にもなります。

(3)水を飲む

水が手元にあれば水を飲むことをおすすめします。舌やのどの筋肉が緊張で硬直しているのがリラックスすることができます。

本人はとてもゆっくり話しているつもりでも、第三者からは普通のスピードに聞こえます。
ぜひお試し下さい。

身体を楽器と考えれば、プレゼンでよい声を使える

 

大きな声を出そうと思ったら「口を大きくハキハキとあけなさい」と良く言われていますね。
これは問題もあります。口の前を開けずぎると、響きが散ってしまい、かえって声が通らなくなってしまうこともあるのです。

また口を大きく開きすぎていると、唇を閉じて発音する「m」などの子音で時間ロスが生じるため子音の発音に舌が届かなくなり、軒後して滑舌が悪くなってしまいます。

そもそも口を開けすぎて口がパクパクしているのは、ビジネスのシーンやフォーマルな場では、見た目があまりエレガントではありません。

大切なのは、口が開いていることよりも「口の中」が開いていることです。
ただ日本人の場合、アゴの骨格が小さいという特徴があります。特に最近の人はあまりものを噛まなかったり、大きな声を出す機会もないので、さらに口の中が狭くなっています。

そこで必要なのは、口自体はあまり意識して開けずに、常に「顎を下げる」ようにすることです。
顎を少し前に出すように下げるのがコツ。発声のときだけは少し「受け口に」気味になります。

実際に声の良い人の顔を見ると、後ろに顎を引いている人はほとんどおられません。
今まで取材したトップで声が良かったトップは、必ず顎がしっかり下がっています。
加えて口腔内は、上歯と下歯の間は常に空間が開き、舌を下げて舌先を下の歯にさわっている状態を維持しておけば最高です。

ソニーの平井一夫会長(当時、社長)を取材したときも、平井さんの顎は大変良いポジションで開いていました。
会見で一緒だったジョン・カビラ氏顔負けの良く響く素晴らしい声でした。

ドイツの名歌手でシュバルツコプフという人がいました。小柄だったので声が小さく、当初はヨーロッパの歌手たちと差がついていました。そのため、口周辺の作り方を細かく工夫していました。口の開け方はもちろん、アヒルっぽく上唇をほんの少し前に突き出すことも行っており、おなじように骨格の小さい日本人の生徒さんにも勧めていました。こんな少し工夫でも、響きが劇的に変わるのです。

声も楽器ですので、自分の身体をうまく使うことが大切です。
どんな人でも、上手に身体を使いこなすことで必ず良い声になります。
楽器に合わせた体を作りこんでいくことも大事なことなのです。

か細い声でも、母音を鍛えれば響くようになる

 

こんなご相談をよくいただきます。

「声がか細くて聞き取り難いって言われます。響く声を出したいんです」

声が響くかどうかは母音で決まります。
子音はどんなに頑張っても響きにくいからです。
だから響く声に必要なのは、「あいうえお」だけです。

ただ、単に「あいうえお」を練習すればいいわけではありません。
そこで「響く声を出すための母音のトレーニング」についてお伝えします。

実は母音は、「アエイ系」と「アオウ系」の二系統にわかれます。

■まず「アエイ系」の発声方法です。

「ア」は、意識しなくとも響きやすいですよね。
でも「エ」と「イ」が響かない人が多いもの。
これは「エ」と「イ」を発音する時に、口の中が狭くなっているからです。
そこで「ア」の母音を基本にして、「エ」と「イ」が響く口の中のポジションをトレーニングすればよいのです。
実際に発音しながらやってみてください。

(1)基本は「ア」の口です。顎が下りてほおが十分のびている状態。舌はのびて舌先は下唇の上に触れています。

(2)「ア~」と発声しながら、舌の両脇を少しずつ持ち上げて、上奥歯に当たるところまで上げていきます。徐々に「エ」に変化していきますよね。「エ」と聴こえたら、そこで舌の動きを止めてください。このときの「エ」が、響く「エ」の母音です。
(一つだけ注意。舌と一緒に下顎が上がらないこと。上がるのは舌だけですよ)

ここでのポイントは「ア」から「エ」に移行する間を意識すること。
徐々に動きながら「エ」の響きに到達することです。このときの筋肉の動きがとても大事です。
例えば、手のひらを開いた状態からモノを握るとき、「パー」がいきなり「グー」にはらなずに、ゆるく握っている段階もありますよね。ちょうど卵を割れないようにやわらかく持つという感覚です。

舌を上げていく途中で「ア」と「エ」の中間のような曖昧な母音が聴こえてくるはずです。よーく自分の声を聞いて、音を確認しながらやってみて下さい。

(3)次は「イ」です。「エ」が出来れば、「イ」は簡単にできます。
先ほどの「エ」のポジションで「エ〜」と長く伸ばして発声をしながら、今度は少しずつ下あごを上げいきます。上げていく途中で「イ」と聴こえたら止めます。舌が奥歯に挟まれる感じが強くなります。そこが、響く「イ」のポジションです。

響く「イ」の声を、試しに離れた場所にいる人に聞いてもらってください。離れていても聴こえるはずです。

この「アエイ」系は、口の中を出来るだけ解放しながら、舌だけを少しずつ調節することで、響く声を獲得する方法です。

 

■次は「アオウ系」です。

試しに鏡の前で、普通に「アーオーウー」と一つずつ伸ばしながら発音してみてください。
唇がだんだんすぼまってきて、口の中がせまくなってきますね。

ただここで、「ウ」の時に口を噛み合わせて発音していると、響きません。
コンサートホールや教会では、空間の天井が高いほど、音は豊かに響きます。
実は口の中も同じ。口の中の空間が広いほど、響くのです。
逆に口の中の空間がないと響きません。

だから口の中の空間を確保することが必要になります。
では、やってみましょう。

(1)あくびをするときの口で「アー」と伸ばして発音したまま、口の中を変化させずに、少しずつ唇だけをすぼめていってください。鼻の下やあごの皮膚を伸ばすような動きです。

(2)唇の開きが500円玉くらいになると、自然に「オ」の音が聞こえてきます。「オ」と聞こえたら唇の動きをストップしてください。ここが響く「オ」のポジションです。

(3)そして、さらにすぼめていき、親指をしゃぶる程度の開きになったところで「ウ」が聞こえてくるはずです。ここが響く「ウ」のポジションです。

上手な人は、口の中の容積を保ったまま、舌を軟口蓋(口内の上奥にある柔らかい部分)の方へ引き上げて発音されるので、通常の響かない「ウ」とは比較にならないほどの豊かな響きとなります。

「ウ」は倍音が少なく、響きが作りにくい母音でもあります。できる限り、「アオウ系」の口のポジションを探り、口の中を「オ」の母音に近いところで響かせるようにしましょう。

 

「アエイ系」と「アオウ系」をマスターして響く声を獲得すると、驚くほど言葉が伝わるようになります。
ぜひお試し下さい。

 

 

 

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みんな意外と息が吸えていない

声が良い人には共通点があります。
それは、「息が吸えている」こと。

「息を吸う?いつもやっているし、簡単だよ」と思われるかもしれませんね。

でも実際には、プレゼンできちんとした「息の吸い方」が出来ている人は少ないのです。声が響かないときは、ほとんどの場合、原因は息が吸えていないことです。特に緊張していると、体が硬くなり、十分に息が吸えなくなっているので、声がか細くなったり、震えたりしてしまいがちです。

話す前にしっかり息を吸うのを意識すれば、声は良くなります。

息の吸い方は内容にも大きく影響します。
話している人の息の吸い方を見れば、次に「どんな声が来るか」「どんな内容の話をするか」予測がつきます。

例えば、美しい景色を見たとき。

「(はぁ〜!←息を吸う)なんて美しいんだ!」

となります。「はぁ〜!」と息を吸ったときに、何を表現するかすでに予感できると思います。このように息の吸い方が熟練してくると、息を使って話す前に聴き手へ感情表現で内容を伝えることができるようになります。そのためには、思い浮かんだことをを行き当たりばったりで話すのではなく、あらかじめ「何を話すか」決めて、その内容に合わせて息を吸うことです。

「良い息の吸い方」の簡単なコツを一つお伝えしましょう。

話すとき、息は鼻ではなく、口から吸いましょう。
良い声のためには口の中の空間を出来るだけ広くとる必要があります。試しに鼻から吸ってみてください。舌の根元が上がって上顎にくっつきます。この状態だと、口の中が狭くなって声は響かなくなります。必ず口から息を吸い、舌をしっかりと下げて口の中の空間を維持しましょう。

良い声で話すためには、

口から息を吸う→話す(息をはく)→口から息を吸う→話す→・・・・

この繰り返しが良い声で話すことにつながります。

次回のプレゼンでは、ぜひ「息を吸う」。この一点に集中してみてください。

ほんじつわ〜りがとうございました

 

「ほんじつわ〜りがとうございました」

これって何を言っているか分かりますか?

「本日は、ありがとうございました」が、きちんと言えていないのです。

話し方が、メリハリのない、だらしない印象に聞こえてしまう方は、大抵このような発音方法になっています。

日本人同士であれば、不明瞭で「なんかはっきりしないな」と感じながらでも、想像で補いながら聞くことはできます。しかし、「言葉を察しながら聞いている状態」というのは、聴き手にストレスを与えますので、内容がダイレクトに伝わりません。

それは、日本語特有の現象です。日本語は、言葉の頭に母音が来る場合、冒頭の例のように前の母音とつながりやすいのです。こうなると何を言っているのか分からなくなります。

では、どうすれば明瞭に話すことができるのでしょうか。

息を十分に吸って、母音の頭の前で一瞬間合いを取ると、スッキリと印象よく、内容もダイレクトに伝わります。

「(息を吸う)本日は(一瞬間合い)ありがとうございました」

となります。

今日は、上級者向けの方法もお伝えしましょう。

「声帯のアタック」という方法です。

分かりやすい例ですと、歌手の平井堅さんが頻繁に用いています。「『お”』おきな、のっぽの古時計、『お”』じいさんの時計〜」と歌うとき、『』の部分で母音の頭に声帯のアタックを使っています。母音に小さな濁点がついているような感じです。

声帯のアタックの方法は、言葉の頭に母音が来るとき、ほんの少し声帯をギュッと閉じます。

話し方の場合は、「本日は、『あ”』りがとうございました」と、「あ」で一瞬声帯をギュッと閉じるのです。

この方法は、話し方で用いることにより、明瞭且つエレガントに聞こえます。

ただ、常に声帯のゆるい方はギュッと閉じにくいので、母音がだらしなく響いてしまいがちです。かすれ声の方も声帯がきちんと閉じられていません。

どうしても声帯が閉じられない方向けのトレーニングも紹介しましょう。

やり方は、「あ」というように口を開けて、舌先は下唇か下の歯に触れているよう状態で舌を伸ばしリラックスしながら、「声を出すのをちょっと我慢するように」して、息を流し、「あ”〜〜〜〜」と発声していきます。音のイメージは、映画の「呪怨」のような声です。コツは、少しの息で行い、大きな音を出さず、息を止めないことです。また、「あ”っ、あ”っ、あ”っ・・・」というように途切れやすいので注意してください。常に平均して息が流れているようにコントロールすると上手くいきます。

 

 

 

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