口を開けすぎない方が良い声が出る理由

 

「発声のときは大きく口を開けましょう」とはよく言われることです。

しかし、本来は、口を開けない方が声はよく響きます。

なぜなのでしょうか?

あまり口の前を開けすぎると、せっかく良い声を出していても、音の響きが拡散してしまうのです。

ある程度口の前は閉じて、口の中を開けている方が、響きが集まってよく響きます。

よく響くホールや教会は天井が高いですね。口の中も同じと考えてください。いかに口の中を開けるかというほうが大切です。良い声の人は、口の中で音を共鳴させて音を響かせることをしています。

例えばクラシックの歌手は、大きなホールでもたいていマイクなしで歌いますが、野外劇場の場合はマイクを使うことがあります。それは音が散ってしまうからです。

コツは「お」と発声する口を維持することです。「お」の母音は、アゴが下がり、口の中だけが開きやすいからです。
そのために、簡単なトレーニング方法があります。

「1分間ロングトーン」

ロングトーンとは、音を同じ音で伸ばすことを言います。
「mo~」と1分間のばすだけです。
途中で息継ぎをしてもいいので、1分間伸ばし続けます。

口の中が開いて、声も良くなってきます。