オンラインの質疑応答で困ったときにはこの言葉

最近、新型コロナウイルス感染症の流行によりオンラインでの会見が増えていますね。

オンライン会見ではライブで質疑応答を行う際に動画が残ってしまうので、不用意な発言には要注意です。
一方でどんな質問にも「詳細はお答えできません」では、印象は悪くなります。

質問する方の中には、残念ながらこちらが知らないような自分の専門知識を多用してマウンティングしたり、明らかにつぶしにかかる相手もいます。
そういう相手に対して、とても良い答え方をしているトップがいましたのでご紹介したいと思います。

「勉強不足なのですが」

有名なトップでもあったので、業界の知識はそれなりにお持ちだと思うのですが、知ったかぶりをしない謙虚な姿勢に好感を持ちました。
「勉強不足なのですが」は、質疑応答で困ったときに使える、好感度を高める良いフレーズです。ぜひ覚えておいてください。

 

「プレゼンが時間超過しても聞きたくなってしまう理由」

 

「プレゼンが時間超過しても聞きたくなってしまう理由」

プレゼンで時間超過すると、ほぼ確実に満足度が下がるものです。

しかし先日、時間超過しても「もっと聞きたい」と思ってしまったプレゼンを見てきました。

2020年1月21日に行われた、くら寿司「グローバル事業戦略発表会」での田中邦彦社長のプレゼンです。

冒頭、プレゼンの調子はいま一つだったのですが、開始3分後に「明治維新が成功したのは『この国は滅びる』というコンセプトがあったから。企業経営も同じ」と語った瞬間にスイッチが入りました。幕末志士たちの魂が乗り移ったかのように熱く語り始めたのです。

「ホラを吹く経営者は多い。私はホラが大嫌いだ。言ったことは必ずやる」
「2020年中国進出、2030年に売上高3千億円、全世界で1千店舗を目指す」

と宣言した後は、日本経済界を憂い、喝破しながら、話しが止まらなくなりました。

昨年、念願のナスダック上場を果たしたくら寿司。

「ここまで来るのに涙を流すことがたくさんあった」と話しながらも、その目線の先にあるのは「世界」。田中社長の大きな夢に共感した会見でした。

もし、話し手が熱い想いを持っていたならば、その想いを語り尽くすことが強い説得力につながるのです。

 

質疑応答こそ、説得力の差が出る

こんなご質問をいただきました。
「質疑応答で、質問を打ち切るタイミングはいつでしょうか」

質問が尽きないということは、会見が盛り上がっているということですし、聞き手の問題意識や当事者意識が高い好ましい状況です。

私の経験では、問題意識の高い記者たちは彼らは良い質問を重ねながら問題の核心に迫っていきます。そして話し手が真剣に質問に答えることで聞き手の問題意識が刺激され、さらに良い質問が出る、という良い循環が生まれます。このような「知的コンバット」とも言えるような場になることこそ、記者会見における質疑応答の神髄でしょう。

話し手と聞き手の高い問題意識と良い質問による議論は、より良き世の中にするためにも重要です。

ただせっかく質問が尽きない状況となっても、どこで打ち切ったらよいのか判断に迷うところです。

会場の時間制限もあるかもしれません。
時間が長引けばトップの不用意な発言を心配する人もいるでしょう。
しかしそれでも、もし質疑応答が「議論すべき良い場」となったと判断したならば、時間の許す限り質問に答えることが大切だと考えます。

私が今まで取材してきた記者会見の質疑応答や囲みで、司会者や広報担当者が質問を打ち切ろうとするのを制して「質問が尽きるまで、全て答えます」と言ったトップは数えるほどしかいません。

最近では、ストライプインターナショナルの石川康晴社長とZHDの川邊健太郎社長です。このお二人は、会見が「良い場」となっていると判断した上で、担当者を制して質問に答え続けると意思決定を行いました。ご自身のビジネスに対して強い責任感を持ち、何を聞かれても明快でした。また良い質問を受け続けることで、彼らの答えも相対して深まっていくことも感じられました。

一方で予め質問を打ち合わせておいたり、質問を想定して回答を用意しているトップもいます。想定問答を用意するは良いことですが、「想定問答集」を読みながら回答するトップもよく見受けられます。質疑応答までカンペを見るようでは、説得力は格段に下がってしまいます。想定問答は確認にとどめて、ぜひ自身の言葉で語っていただきたいものです。

 

プレゼンでは腹を据えて何でもやるのがリーダー

「人前に出ると恥ずかしくて、どうしてもぎごちないプレゼンになってしまう」

そうおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

プレゼンの目的は、話し手がリーダーシップを発揮し、聴き手の考えが良い方向に変わり行動することです。
ぎごちないプレゼンをしてしまうことで本来の意図が伝わらず、聴き手の行動が変わらないのであれば、そのプレゼンは失敗です。

村井嘉浩宮城県知事の会見を取材したときのこと。村井知事のプレゼンは「MC村井」に扮してラップを披露したり、ゆるキャラに抱きついたりとサービス精神を発揮していました。しかし村井知事は陸上自衛隊出身の硬派。「チャラチャラは苦手」とのこと。

ただ、「宮城の観光ためなら、何でもやる」と腹決めし、「還暦近いが、歯を食いしばって頑張った」「笑ってください」と話していました。

リーダーシップとは、変革を成し遂げるために、率先してバカになって踊るものであることを良く知っている人の言葉です。

私はここに「伝えきる」リーダーシップの源泉があると考えます。

宮城県を良き方向に変革するという大義名分のためなら自分を捨ててどんなことでもやるのが村井知事のリーダーシップが伝わってきました。
伝えきる気持ちが恥ずかしさを上回ったとき、聴き手の心が動き、良い方向に行動に変わるのだと思います。

 

音を立てて息を吸う残念なプレゼンへの対処方法

プレゼンで、息を吸うとき「シーッ」と音を立ててしまう方がよくいらっしゃいます。

具体的には、「虫歯かな?」と気にして確認するときとか、男性に多いのですが、ラーメンのような食べ物を食べたあとの息を吸うときの音に似ています。

これは、話し手が不安を感じて話しているような印象を与えますし、何より聞いていてあまり爽やかではありません。

出来れば、息を吸うときは音が立てない方が良いと思います。

加えて、音を立てて息をすうことをおすすめしない理由はもう一つあります。

それは、口の中が狭くなってしまうことです。

口の中が狭くなるとなぜいけないのでしょうか。それは、良い声が出なくなるからです。良い声で話すための条件は、「口の中」が広いことなのです。
(詳しくはこちらのコラムをご参照ください。→ http://nagaichika.jp/20200108-2)

話すときに「シーッ」と音をたてることが癖になっている方は、口の中が狭くなり良い声が出ていない可能性が高いので、意識して音をたてないようにすることをおすすめします。

また、癖になっていなくても、話すときにストレスを感じたり、強く緊張すると、アゴが固くなったり歯をかみしめてしまうため、口の中が狭くなりがちです。

記者会見の質疑応答で、記者から厳しい質問を受けると「シーッ」と音をたてて息を吸うトップを見かけることがよくあります。こういうときに「シーッ」という息の吸い方をすると、声も小さくなり、余計に悪い印象を与えてしまいます。加えて「シーッ」と息を吸っている人に対して、聴き手は「自信がないのだろうか」と不安を感じやすくなります。

対策方法は、落ち着いてアゴを下げながら息を吸うことです。
アゴを下げるだけで、口の中の空間を確保することができ、「シーッ」という音はしなくなります。

必ずできるコツは、「冷たくなった手を暖めるときの息」で「はあ〜」と息をはき、そのままの状態を変えずに息を吸ってください。

【呼吸のやり方】
プレゼン中に行ってください。
(1)アゴを下げて「手を温めるように」ふわーっと息をはく。
(2)アゴを下げたまま、ふわーっと息を吸う
(3)アゴをゆるめながらそのまま話す
※緊張で硬くなっていると一回では上手くいきません。2〜3度意識して繰り返すと上手くいきます。

この呼吸方法を身につけると、良い声がでやすくなります。
アゴを下げて、よく息を吸ってお話してください。安心感、信頼感、説得力が上がります。

 

気まずくなりがちな質疑応答を盛り上げる方法

「質疑応答で質問がないと気まずい雰囲気になります。そういうときどうすれば良いでしょうか?」

という質問を受けることがあります。

質疑応答は、話し手にとって本編の内容を補足する大事な時間です。記者会見では質問に答えることでPR効果も出ます。質疑応答こそ、勝負の場。
ただ聴き手の立場になると、「質問が思い浮かばない」「緊張する…。誰か最初に手を挙げてくれないかな」と考えて待っていることもあります。

2019年9月30日に行われた「宮城県×ポケモン『ラプラス』共同観光キャンペーン記者発表会」の宮城県知事・村井嘉浩氏のプレゼンでは、質問がない中で、上手に質疑応答を活性化させていました。

村井知事は、何度か質問を募っても静まりかえる会場に向かい、ニコニコしながら「ちなみにマスコミの皆さん関心があるかと思いますが」と前置きし、「2020年の目標ですが宮城県では来年1年間宮城県では来年1年間で7000万人の観光客動員、のべ1000万人の宿泊客、4000億円の観光消費を目指しています」と、自らPRを始めました。

質問がないことを上手く利用し、言うべきことを伝え、PR漏れがないようにしていたのです。

静まりかえる質疑応答は気まずい雰囲気になりがちですが、せっかくメディアが集まっています。質疑応答を止めるのはあまりにももったいないですよね。慌てず騒がず、「ちなみに関心あるかと思いますが」と、ひとこと入れてから言いたいことをぬかりなくPRする臨機応変な対応は「さすが政治家」と思いました。

これは企業のプレゼンでも応用できます。質問がないと気まずい雰囲気になってしまいがちです。そういうときのために話す内容を準備しておき、「よくある質問ですが」と前置きして話すと、次の質問に繋がりやすくなります。ぜひお試しください。

ちなみに村井知事の会見は、村井知事がラッパーになったりとサービス精神旺盛なプレゼンでした。
ご興味ある方はぜひこちらの記事をご覧下さい。

「変革のためなら我を捨てる 気骨ある硬派知事のプレゼン」

 

肺機能が衰えがちな冬は、声も出なくなる。そこで対策

こんなお悩みを聞くことがよくあります。

「最近、声が出なくなってきた」
「話していて、すぐに息切れする」

原因として、肺機能の衰えがあります。
2015/1/31の日本経済新聞の記事「健康:肺の衰えに気をつけて」によると、

「肺機能の維持には定期的な運動習慣が大切。ただ歩くだけでなく、スポーツジムなどを利用して上半身の筋肉をしっかり鍛えることが必要」

つまり運動不足になると呼吸に使う筋肉の衰えを招いてしまうのです。
冬になると、寒くて外を出歩きたくない日々が続きますが、歩かないとさらに身体が動かなくなり、肺機能が衰えます。
この肺機能の衰えは、声にも影響します。良い声は、良い息を流すことで得られるからです。

風邪などで数日間運動しなかっただけで、仕事で話をすると声にパワーがまったくなくなる経験をした方も多いと思います。

運動も大事ですが、呼吸することでしか鍛えられないインナーマッスルを鍛えることも大事です。どうしても仕事で忙しくなってしまい、運動ができないときは、ちょっとの空き時間や道を歩くときに「横隔膜ブレス」を行って、横隔膜を鍛えて良い呼吸を維持するようにすることをおすすめします。

★★ 横隔膜ブレストレーニング ★★

呼吸だけで横隔膜インナーマッスルを鍛えるトレーニングです。

(1)肋骨のすぐ下あたりに手を当てる

(2)顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う

ポイント:肩が上がらないように。お腹が風船のように張る感じを手で確認すること。

(3)口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて頬と鼻の下がパンパンにふくらましながら5秒息をはき、6秒目に止める。

ポイント:頬と鼻の下がパンパンにふくらむように。口の前にティッシューをかざすと地面と平行になびくくらいの呼気です。お腹はできるだけ張った状態を維持します。

(4)再び口を開けて2から繰り返す。5回行う。

身体を使わないことが多い冬だからこそ、お試し下さい。

苦しい「喉締め」や「力み」を抜くための方法

言葉に気合いが入りすぎて喉を締めて出してしまったり、声に力みが入ってしまう方が多くおられます。

話すことに一途で、伝えようと一生懸命になるのですから、当然のことだと思います。

だから、「つい力んで身が入ってしまう」ということは、冷めていたり、感受性が弱かったりする人よりは何百倍も可能性があり、悪いことではありません。

問題は、力むと声帯に余分なストレスがかかってしまい、声嗄れの原因になってしまうことです。すぐ休めば良いのですが繰り返すと声が戻らなくなってしまいますので注意が必要です。話す量も多い政治家は、ガラガラ声の方が多いのもその理由からです。

そこで、ついつい力んでしまう方向けの練習方法があります。

ガラス磨きをするときや眼鏡を拭くとき、「は〜」と息を吹きかけて磨きます。その息で発声するのです。

方法は、窓ガラスを「は〜」と磨きながら話し、またすぐに「は〜」と磨いて話す、という練習を繰り返します。窓ガラスもキレイになりますので一石二鳥です。

コツは、「は〜」の息のまま発声することです。少しずつ、力みがとれて、楽な発声に変わっていきます。

次の段階は、「フクロウ」の発声法です。フクロウが「ホー」と鳴くまねをします。

これは意外にコツがいります。「ホー」と言うとき感情を込めないことです。一生懸命な人ほどフクロウの鳴き声に感情がこもってしまいますので、あくまで本物のフクロウが鳴いているように「ホー」と鳴きます。

以上が出来るようになったら「ホー」を、ロングトーンで「ホーーーーーーー」と伸ばしていきます。

最初は大きな声が出ないので欲求不満になってしまうかもしれません。しかし、大きな声を出して「スッキリした」というのは大抵喉に負担がかかっていることが多いものです。発声に「手応え」を求めてはいけないということです。

この「ホー」が上手く出来るようになると、話しているときに声の力みが取れていきます。

一生懸命な気持ちはそのままに、発声部分はあえて「そらす」という方法も必要なのです。

 

滑舌悪化の原因「子音」は、ピンポイントで克服せよ

「滑舌が悪く聞こえる」という悩みを抱える方、多くおられます。

滑舌が悪くなる原因は、子音が上手く言えていないこと。
子音は、一つずつピンポイントで克服することが必要です。
ピンポイントで意識せずにたとえば早口言葉の練習すると、いつも同じ子音でつまずいてしまい、滑舌の悪さが癖になります。「繰り返し練習」が「つまずく練習」になっているのは、もったいないですよね。

子音をどのようにしてピンポイントで克服するのか。
今日は多くの方があまり得意ではない[n]の子音についてお伝えします。

[n]の発声は、口が少し開いた状態で、舌が上がり上アゴに舌先がべったりとつきます。とくに舌の筋肉が弱いと、舌先が上アゴにしっかりつかず、[l]に聴こえてしまうか、舌が口腔内で空振りして母音しか聞こえないこともあります。
「バナナ」だと、「バララ」とか「バアラ」と聴こえ、滑舌が悪く聞こえます。

[n]の子音は「第六の母音」とも言われています。母音の特徴は音を伸ばせることですが、[n]も「n〜〜」というように、音を伸ばすことができるからです。[n]が母音と同じように響かせることができるようになると、滑舌の悪さは改善できていきます。

[n]の子音は、伸ばすことで簡単にトレーニングすることができます。

【nのトレーニング】

①口を少し開けて息を吸う
②舌の全面を上あごにぴったりつける
③「n〜〜〜〜〜」と伸ばす
①〜③を10回繰りかえす。

舌の筋肉が鍛えられ、[n]が空振りせず、響くようになってきます。

 

プレゼンで行う呼吸の方法

私自身が発声で一番気をつけていることを一つだけあげるとしたら「呼吸」です。

声を出すのだから、「声の高さ」や「抑揚」と思われるかもしれませんね。もちろん、それらのことも大事です。

しかし、一番難しいのは呼吸です。呼吸の問題は、経験を積み重ねるとより効果も上がりやすくなるのですが、同時に課題が増えてくることも大きな特徴だからです。

呼吸の基本は、横隔膜という肺の下にあるドーム型をした呼吸のための筋肉を使えるようにすることです。横隔膜を使えた呼吸ができるようにすれば、専門家が行うような難易度の高いボイストレーニングは必要ないとも言えます。

しかし一方で、難易度の高いボイストレーニング法をこなせていても、なぜか横隔膜が使えていない方が多いのも事実。これでは、一生懸命トレーニングしたとしても効果は得にくいと思います。

つまり、発声にとって「横隔膜を使えない」ということは、足腰がしっかりしてないままスポーツをするようなものです。

「息を吸う」というと、簡単なように思えますが、結構エネルギーを使います。不慣れな人が呼吸を意識しながら話すのは体力的にキツいものです。

以下に、話しながら横隔膜を使った呼吸を扱う方法を具体的にお伝えします。

 

【基本】息を吸ったときに、下腹(へそ下9センチくらいの場所を意識)を張り、張ったまま息をはいていきます。この呼吸を繰り返しながら、発声していきます。
【プレゼン時】文章ごとに、息を吸いながら話す。話しているとき、下腹はできるだけへこまさないようにする。

不慣れな状態でたくさん吸おうとすると身体が力んでしまいますので、ムリに長いセンテンスを話そうとせず、「少しだけ吸って短く話す」を繰り返してください。

 

口を開けなければ、通る声になる

声が小さい。声が通らない。響かない。だから聞き取り難い。結局、聞いてもらえないので伝わらない。

多くの方々にとって共通の悩みでもあります。

大きな声を出そうと思ったら「口を大きくハキハキとあけなさい」と良く言われています。
これは決して間違っていませんが、あまり口を開けずぎると響きが散ってしまい、かえって声が通らなくなってしまいます。
それに口をパクパクして話すのは、ビジネスのシーンやフォーマルな場でエレガントではありませんね。

声を響かせるためには、口の前を開けずに「口の中」が開いていることが大事です。特に縦方向に開いていることがポイントです。
良く響く教会やホールは天上が高いですよね。口の中も同じです。逆に野外ホールはオープンになっていますが声は響き難いものです。プロのオペラ歌手でも野外ホールで演奏するときはマイクを使わなければ声は届きません。

一方で現代人は、アゴの骨格が小さい傾向にあり、口の中が狭い方が多く、大きく縦に口を開けることが難しいのも事実。その結果、声がぺちゃっとして響かず、舌足らずのような話し方になってしまいます。

対策があります。口はあまり開けず「おちょぼ口」にし、アゴを下げることです。見た目は「ハコフグ」のようになります。

口の中を開け、声を響かせるためのトレーニング方法をお伝えします。

(1)口を閉じる。舌を下げて舌先が下歯茎に触れている状態を維持

(2)唇を少し開けて、アゴを下げる。下げるときのコツは下アゴを前に少しだけ出す感じで「受け口」気味に。

(1)と(2)を10回程繰り返し、アゴ周辺の筋肉をほぐし、アゴの可動域を広げる。

慣れてきたら、声を出してみましょう。

(1)口を閉じる。舌を下げて舌先が下歯茎に触れている状態を維持

(2)唇を少し開けて、アゴを下げ、「Mo〜〜」と長く伸ばして発声する。発声しているときは下アゴを少しだけ前に出し、舌は舌歯茎に触れている状態を維持。

見た目は「ハコフグ」です。鏡で確認してみてください。

ドイツの名歌手に、シュヴァルツコップ(Olga Maria Elisabeth Frederike Schwarzkopf,1915-2006)という人がいます。彼女は小柄だったので、ヨーロッパの大柄な歌手たちと声量の差をうめるために口周辺の作り方を細かく工夫していました。口の開け方は、アゴを下げることと、アヒルっぽく上唇をほんの少し前に突き出すことも行っていました。そうすることで、声がより前に響くようになるからです。この方法は、同じように、骨格の小さい日本人のお弟子さんたちにも彼女は勧めていたそうです。口の作り方をちょっと変えるだけでも、響きが劇的に変わります。

職人は、その職業に合わせて体を作りかえると言います。
声もビジネスにおいての道具になります。
ビジネスでも声という道具を使いこなすために体を作っていくことも大事なことだと思っています。

ヤフー!川邊社長から学ぶ「なすべきことをなす」

経営者のプレゼンを見るとき、大事にしているポイントがあります。

それは、「その会社にとってなすべきことをなす」ことを考えているかどうかです。

2019年11月18日、衝撃のZホールディングスとLINEの経営統合が正式に発表されました。そのとき、川邊健太郎ZHD代表取締役社長CEOはプレゼンで、「日本・アジアから世界をリードするAIテックカンパニーを目指す」と、GAFAに対抗し世界第三極を狙う決意を発表しました。このままヤフー単体では国際的なプラットフォーマーの中で埋没し、規模の小さい日本同士で戦っても業界全体が再編されない限り会社自体も埋没する、と考えたからです。

そのとき、川邊社長の言葉で最も印象に残ったメッセージがあります。

「日頃から、経営者は自分がやりたいことではなく、その会社にとって今、なすべきことをなすべきだ、と考えている。東アジアからもう一極作れる展開を、社長として成すべきことの最大の一つとして取り組む」

アウシュビッツの強制収容所の体験記『夜と霧』でも知られる、オーストリアの神経科医、ビクトール・フランクル(Frankl,v.e.1905-97)は「生きる意味」の問題を追求した人です。
フランクルは、言います。
「どんな時も、人生には、意味がある。どんな人の、どんな人生にも、なすべきこと、満たすべき意味が与えられている。私たち人間の『なすべきこと』『満たすべき意味』『この人生でなしとげるべきテーマ』、これらはすべて今も、また今も、あなたの足元に送り届けられてきている」

人生は自分のしたいことや欲望をかなえていく場、つまり人生の中心を自己に置きがちです。しかし欲望にはキリがありません。昨今、経営の意思決定において、経営者のエゴイズムが勝ってしまい、企業の価値を落としてしまう会社が多くみられます。
経営者は、社会からの為すべきことを為せという要請に対して虚心に耳を傾け、持続的な生き方を求めているからこそ、動じないリーダーシップを発揮できるのではないかと思います。

川邊社長は、自身のなすべきことの意味と使命を実現していくことが人生だと考えているのです。今後、さらに素晴らしくなっていく経営者だと思います。

詳しくはこちらの記事をご覧下さい

ヤフーとLINE緊急会見 川邊健太郎社長のプレゼンを分析

 

最後まで首尾一貫したプレゼンとは

プレゼンで大切なことは、質疑応答も含めて、話している内容をブラさずに、首尾一貫させることです。

しかし、質疑応答で聴き手から突っ込まれると、しどろもどろになってしまったりして一貫性を欠いてしまう例を多く見てきました。

2019年9月12日に、ストライプインターナショナルの石川康晴社長の会見を取材してきました。石川社長の素晴らしい点は、KPIがとても明確で、話しにまったくブレがないことです。

記者からのあらゆる質問に対しKPIをもとに数字で明快に回答していました。囲み取材も、通常は10分程度で終わるものを、石川社長の意志で30分に延長しました。囲みは、時間が長引けば記者はどんどん突っ込んだ質問をするものです。
しかし骨太な戦略を立てた上で、事実に基づいて明確なKPIを設定して発表に臨んでいるので、どんな質問を受けても最後まで一切のブレがありませんでした。

明確なKPIで一切のブレがない上、聴き手をその気にさせる説明は、25年以上のアパレル業界での接客経験を持っている石川社長ならでは。さらにファッションも「こなれ感」があり、まさに達人のプレゼンでした。

今後の活躍が楽しみな経営者です。

詳しい記事はこちらです。お読みいただけましたら幸いです。

ストライプ石川社長のプレゼン分析「説明力とロジックで業界の地殻変動に対峙」

 

 

業界第一人者の講演なのに、7割の人が寝る理由

業界第一人者であるA氏の講演を聞いていたときのこと。他では聞けない貴重なお話しなのですが、聴き手の皆さんは次第にフェイスブックを見たりやラインをやり始めました。ウトウト寝ている人もいます。後方から拝見していますと、ほぼ7割の方は聴いていません。

こうなってしまった理由は、余分な言葉が多すぎるためです。
・「後ですねー、実はXXXXということもありまして…」→もっと正確に伝えなければと思うあまり、思いつきの付け加えが多くなる。しかし、初めて聞く話しばかりの聴き手は理解がついていかないため迷子になる。
・「定義づけしてます…あっ、義務づけしてます」→言葉の正確さを重視するあまり言い直しが多くなり、聴き手は混乱する。
・「それで〜」「あのですね〜」「え〜と」→間違いがないか吟味する時間をとるため間に入る言葉を多用する。それが聴き手にとってはノイズとなり、聞き難くなる。
・「XXXって知ってますか?(皆さんが)知ってないこと自体問題でして…」など、回りくどい説明をして物事をストレートに言わないため、もどかしさを感じる。

これらは全て「ノイズ」です。

さらにチャートの情報過多。「あれもこれも伝えなければ」とチャートには小さな文字がぎっしり。チャートを台本代わりに読み上げていました。
文字ぎっしりの画面が出たとたん条件反射的にあくびをする人たちが多発していました。(ちなみに聴き手を眠らせる最短の方法は、この文字と数字がぎっしり書いたチャートを出すことです)

正しい内容を話しているのに、分かりにくいトーク展開をすることで、聴き手が混乱し、聞いてもらえなくなってしまったのです。
そもそも難しい専門分野で情報がギッシリなのに、さらにノイズを加えている。これで眠くならないわけがありません。
せっかく素晴らしい内容を話しているのに聞いてもらえないのではもったいないですよね。

間違ったことを話すのはもちろんNGです。でも余分な言葉や情報を減らせば、ずっとわかりやすくなるし、聴き手も集中力を持って聞いてくれるようになります。
話し手は、聴き手であるお客さんが何を求めているのかを、常に考え続けたいものです。

アンケートは「人の鏡」

コンサルティングを行う際に、私は講演会やプレゼンで必ず聴き手にアンケートを取ることをお勧めしています。

プレゼンの目的は、プレゼンを聞いた聴き手に、良い方向に動いてもらうこと。
プレゼンは「他人に影響を及ぼし、望ましい行動を起こさせる」というリーダーシップを発揮する場なのです。

一方で聴き手は無言で聞いています。自分の言葉が伝わっているのかがなかなか分かりません。アンケートは、どのように伝わっているかを知り、改善する手段。ここから学ぶことで、より的確に望ましい行動を起こさせることが可能となります。

職位が高い人は「アンケートなんていらない」と言いがちですが、実はそんな人ほど、アンケートは必要です。
リーダーになると、周囲に本当のことを言ってくれる人が少なくなるもの。役職が高くなったり、年齢が高くなれば尚更です。

『貞観政要』でリーダーは、「三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)」という3つの鏡を持たなくてはならないという教えが書かれています。

三つ目の「人の鏡」は「リーダーは耳の痛い厳しい諫言を受け入れなければならない」と言っています。
耳の痛い言葉は自分にとって辛いこと。しかし唐朝の第2代皇帝の太宗は、自分が傲慢にならないよう、魏徴を始め、厳しい直言をしてくる人物を側近として任用していました。あえて批判に耐えて自らをリーダーとして成長させていったのです。

プレゼンのアンケートで積極的に厳しい意見を受け入れれば、自分の良い鏡となってくれます。特に忌憚のない意見が書かれる匿名のアンケートは宝の山です。
ぜひアンケートをとってみることをおすすめします。

 

 

「早口で甲高い声の人は、信用されない」

 

人前に出ると早口になる方、意外と多いですね。
これは、伝える内容に自信がないと思われてしまうので損をします。自信がないのを補おうするあまりあせって話しているような印象を与えるからです。

早口は舌の動きが話すスピードについていかず滑舌が悪く聞こえます。このため内容が聞き取れず、大事なことが伝わらなかったり、何度も聞き返す必要があり、聞き手に迷惑をかけます。

私の体験ですが、銀座の伝統あるお店で買い物をしたとき、対応してくださった店員さんがあまりに小さい声で早口だったので、聞き取りにくくストレスがたまってしまったことがありました。何を聞いても「聞いて参ります。少々お待ちください」と他のスタッフに確認していましたので、自信がなかったのでしょう。

プレジデントオンライン記事「有能な秘書が見抜く『信用してはいけない人』の特徴」に、早口の人は信用できないという内容がありました。

・・・・(以下引用)・・・・

不自然に早口な人は、伝える内容に自信がないといえる。アメリカの心理学者ポール・エクマンによると、人間は恐れると早口になるとされている。それに加え、あわてると声が高くなる。自分の魂胆を隠して、企業トップや政治家を利用しようと思っている人は、嘘がばれることをひそかに恐れているため、無意識に早口になるのだ。

・・・・(以上引用)・・・・

実際には、人間は自信があっても人前に出るとテンションが上がり、いつもより声が甲高くなり、早口になるという傾向もあります。

早口だからと言って、その人が「信用できない」「自信がない」とひとくくりに決めつけるのは、ちょっと難しいかもしれません。

しかしこの記事の通り、甲高い声で早口は、一般的には信用できないと受け取られてしまいがちです。

ゆっくりと良く響く低い声で話した方が、確実に、安心感があり信頼されやすくなります。

人前で話すときは、できるだけゆっくり堂々と話すように心がけたいものです。

 

 

何度言っても意外と伝わらない。だから繰り返す

 

「『これは大事だ』と思っていることを、ミーティングでメンバーにいつも同じことばかり話している。でも退屈されてないだろうか。ちゃんと聞いてくれているだろうか。何か良い方法があれば教えてほしい」

こう心配するリーダーからの質問をいただくことがよくあります。

答えは「同じメッセージを繰り返して大丈夫です」。

特にリーダーが強い意志を持って組織を良い方向に変革しようとするならば、同じ内容を繰り返すことが必須です。
メッセージの内容を変えれば組織は混乱し、進むべき方向を見失ってしまいます。
そもそも人は、一回言っただけで内容を理解して行動に移すことはありません。

新しいことを始めようとする場合はなおさらです。古い習慣が身についてしまった組織の人たちは、リーダーの言う変革で目指す姿をなかなか頭でイメージできません。だから何度でも、しつこく繰り返すこと。そして、毎回心をこめて話すことです。

最近、「米海軍で屈指の潜水艦艦長による『最強組織』の作り方」(L・デビッド・マルケ
著)を読みました。
これは、アメリカ海軍でダメな艦として有名だった潜水艦「サンタフェ」の乗組員を、わずか1年で海軍トップのチームに生まれ変わらせたリーダーシップの話しです。

中でも、組織開発を行うために、艦長が同じメッセージを繰り返す場面が印象に残りました。

・・・・(以下、引用)・・・・

それからは、くる日もくる日も、ミーティングを開くたびに、何かを行うたびに、同じメッセージを繰り返した。
(中略)
艦での働き方をどう変えるかの説明を私がしているとき、乗員は耳で聞きながら心ではこう考えている。「はいはい。わかってますよ。前の艦のときと同じだろ」
聞きながら何の話しかわかっている気になっているが、じつは分かっていない。聞いた内容を自分の頭に思い描こうとはしない。わかったふりをして私を騙そうというわけではなく、私が思い描いていることを、自分で思い描こうとしないのだ。
(中略)
彼らが思い描いたリーダーシップや働き方は、「かつて乗っていた艦」で目にしたものだった。過去に見たものを思い描いただけだったから、この艦でわれわれが成し遂げようとしていることをうまくイメージできなかったのだ。

・・・・(以上、引用)・・・・

古い習慣をなくし、組織開発を行うことの難しさが理解できる名著だと思います。

ただ皆さんが、もし飽きずに話しを聞いてもらい、説得力を高めたければ、内容は変えずに、観点を変えて話すことが有効です。

例えば、「従業員から見た観点」「顧客から見た観点」「サプライヤーから見た観点」など、観点を変えながら話すことで、より共感してもらえるようになります。

朝礼やミーティングでメンバーに話す機会のある方、話しが繰り返しになって悩んでいる方は、ぜひお試しください。

口角が下がると、業績も下がる。だから口角アップの方法

プレゼンで、怒ったり悲しんだりしていないのに、常に口角が下がっている人をよく見かけます。

口角が下がっている人の表情は、寂しそうで暗いイメージを与えます。怒っているようにも見えます。
実年齢より老けて見えてしまうことも多いのです。
小学生でさえ、いつも口角が下がっている顔つきをしている子は、実際より上の学年に見えていました。

また、口角が下がると、声も暗くなります。口角が下がっている上に暗い声で話されると、たとえ良い話でも良い話しを聞いた感じがしなくなり損をしてしまいます。

加えて口角は、意識していないとあっという間に下がってきて、気が付いたときは取り戻しが効かなくなります。
とくに、一日机に向かって仕事をしている人は、表情もとぼしくなりますので、さらに口角が下がってしまいます。

そこで今日は、ボイストレーニングでも行っている「簡単に口角を上げる方法」をお伝えしましょう。
ランチの後にでもお試しください。

【口角アップ・スペシャル】

(1)唇をぴったりと閉じ、口角をあげるように笑う。(見た目はそんなに上がらない)

(2)左右の人差し指を立てて、口角をトントンと軽くたたく(筋肉を刺激することが必要)

(3)唇の両端に1本ずつストローをくわえ、出来たてのフラペチーノを圧をかけて吸い込むようなつもりで、口角が少し痛くなるくらいに緊張感を持たせる
(ストローとフラペチーノはイメージするだけ。実際に用意する必要はない)

(4)唇の両端に1センチくらい離して左右の人差し指を立て、口角を持ち上げるイメージで指をゆっくりとあげる。ゆっくり20数える。(何回か行うと良い)

これを行うと、口角が上がり笑顔が出やすくなりますし、声も響くようになります。

取材でたくさんのトップを見てきました。会社が上手くいっているトップの口角を見ると、たいていの方は下がっていないことに気が付きます。

ちょっとくらい苦しくても、口角を上げるようにしてみると、気のせいか仕事も人生も開けてくるような気がします。

会見では、タレントに使われるな。タレントを使え

 

「会見で芸能人を呼ぶと、芸能人ばかりがメディアで話題になって、商品が全く注目されないので困ってます」

このようなお悩みを持つ広報さんが多くいらっしゃいます。

確かに有名タレントを会見に呼べば注目度が上がり、メディアも多く集まります。特に話題になっているタレントが出演する会見は、テレビ関係者も多く集まり、会見は賑わいます。

ただ、企業が会見を行う本来の目的は商品を訴求することです。問題はタレント情報中心に訴求されてしまうことなのです。

タレントを使いながら商品・サービスの訴求力を上げるための方法があります。それは、タレントのコンテンツを商品と融合させて、タレントの言葉でストーリーを語らせること。

具体的には、タレントが商品に対する愛着があること、または愛着を持ってもらうことが有効です。

2019年9月5日に行われた、三陽商会『GINZA TIMELESS 8』オープン記念セレモニー&メディア向け内覧会では、タレントでモデルのパンツェッタ・ジローラモ氏が出演していました。

この日、会見の目玉である三陽商会のオーダースーツ「STORY&THE STUDY」をあらかじめジローラモ氏に着用してもらい、着心地や質の良さを語ってもらっていました。ファッション誌のモデルを長く務めてきたことでギネスにも載っているジローラモ氏が語るファッションのストーリーは説得力が極めて高く、会見後一般メディアだけでなく芸能ニュースでも、ジローラモ氏の言葉でSTORY&THE STUDYを取り上げられていました。

一方ある企業では、会見当日、タレントに商品をプレゼントするという演出を行っていました。このような演出だと、タレントはサプライズで喜んでくれるのですが、商品を使ったことがないので使い心地もよく分からず、タレントの語る言葉に説得力が出てきません。従って、訴求力も弱くなってしまうのです。結果的にタレント情報ばかりがメディアに露出し、商品はほとんど無視されてしまっていました。

高額なコストをかけてタレントを使っても、これではもったいないですね。

会見でタレントを使いながら商品を訴求するには、タレントとコンテンツと融合させ、タレントの言葉でストーリーを語らせることなのです。

詳しくは、広報会議12月号に記事が掲載されています。

 

2019/11/13 | カテゴリー : 広報戦略 | 投稿者 : nagaichika

パネルディスカッションのコツは座り方にある

 

「パネルディスカッションでどう振る舞っていいのか分からない」

という質問を受けることが多くあります。

パネルディスカッションは、一見仲良く話しているようでいて、静かな闘いの場であるということを覚えておいてください。

人間は上下関係を意識せざるを得ない生き物であり、それが行動に影響を与えます。

パネルディスカッションは、聴き手から見ても話し手が横に並ぶため比較しやすい場です。そのためパネルディスカッションの「闘い」を一度でも経験し、感じた方であれば「入念な準備が必要である一人の講演より話しにくい」という方も多いほどです。

先週、第21回日経フォーラム世界経営者会議に二日間参加してきました。そこで印象に残ったのが、パネルディスカッションでの外国人と日本人登壇者による振る舞いの差です。
日本人は良い意味で控えめ。ただ、舞台の上で海外のリーダーと比較すると、消極的でリーダーシップの弱さが感じられてしまった点が印象に残りました。

そこで、今日はパネルディスカッションにおけるちょっとした振る舞いについてお伝えいたします。

基本的に「なわばり争い」と思ってください。

なわばりとは、自分の周辺スペースのことです。

とくに椅子に座るときが重要です。できるだけ自分の周辺スペースを広くとりましょう。
足を組んで大丈夫です。肘掛けにはゆったりと両腕を置いて下さい。
外国のリーダーは、足を組みながら長い足を存分に前に出し、「なわばり」を大きくとっていました。これだけで余裕が生まれステイタスが高まります。

また、カウンターチェアが用意される場合もあるかと思います。
その場合は、片足は椅子の足かけにかけて、もう片方の足は前方向に伸ばしてください。伸ばすことでスペースが大きくとれます。
足かけに両足をかけて広げる姿をよく見かけますが、客席から見て美しくありませんのでNGです。

パネルディスカッションの座り方一つで、ステイタスが高まり、説得力が向上します。
お試し下さい。