ブログ「次世代トッププレゼン」
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オンラインプレゼンの成功は最初の1分で決まる
ある企業のオンライン会見の冒頭で、社長さんが事業報告を延々と15分間話していました。
「大企業との提携」というビッグニュースが発表されたのは会見の後半。「もったいない」と感じました。
もし冒頭に大型発表をすればニュースにも取り上げられやすくなり、訴求力が高くなるからです。
オンラインは最初が肝心です。
リアルだと退屈でも席を立たずに聞いていますが、オンラインだと「興味がない」と判断すれば簡単に離脱してしまいます。
興味を持って聞いてもらうには「美味しいネタ」から始めることです。
今週発行の「週刊東洋経済」の特集「デジタル仕事術」で、クロスリバーの越川慎司社長がこんな経験を紹介しておられます。
「300以上のウェビナーの支援をしてきた。…参加者の反応とウェビナー後の購買状況などをデータ分析した。すると、参加者は、約1時間のウェビナーのうち、最初の1分と最後の5分のパートの記憶率が高いことがわかった。それ以外のパートは聞き流していた」
このように実際のデータを見ても、「最初に美味しいネタ」がとても大事なことがわかります。
美味しいネタとは「顧客の聞きたいことで、話し手しか話せないこと」。
それを冒頭で1分以内で話すことです。
最後の5分は質疑応答。質疑応答では、聴き手は興味があることを聞いています。記憶率も高まりますよね。
でも最初の1分で聞いてもらえないと、なかなか最後まで聞いてもらえません。
まずは最初の1分で「美味しいネタ」からお話ししましょう。
完璧に人間そっくりな読み上げソフトが、緊張して話す人に敵わない理由
入力文字読み上げソフトVOICEPEAKが話題になっています。
このソフト、凄いです。
動画で実際に文章を読み上げている様子をご覧になれますので、ぜひご覧下さい。
完全に人間の声にしか聞こえない上に、感情(楽しさ、幸せ、怒り、悲しみ)の度合いもコントロールできます。
今後、ユーチューバーなど、様々な可能性を期待できる技術ですね。
「情報を読み上げするだけのプレゼンテーションなら、このVOICEPEAKの方が聞きやすい」とさえ思えました。
では、プレゼンは音声読み上げソフトに任せればいいのでしょうか?
実際に動画で、全く読み間違えない完璧な声を聞いて感じたのは、読み上げソフトでは心が動かないことです。
これはなぜでしょうか?
人は何かを伝えようとするとき、「聴き手に行動や考え方、気持ちを、良い方向に変えてほしい」と考えて、言葉や身振りにその思いを託して伝えます。そして本気で伝えようとすればするほど、緊張します。
これは告白と同じです。
ドキドキして緊張しながら「つ…付き合ってください!!」と言われたら「強い想い」が伝わりますよね。
緊張は、人の心を揺さぶり、行動を変えることができるのです。
緊張するのは、人並みはずれた強い想いを持っているからです。緊張するのは当たり前。相手に想いを伝えるためには、緊張していなければいけないのです。
でもこの読み上げソフトで、このような文字を読み上げるとどうでしょうか?
「私はあなたとお付き合いしたいと思っています。付き合っていただけますか?」
伝えたい内容自体は間違いなくスムーズに伝わりますが、「強い想い」は全く伝わりませんよね。
機械(コンピューター)は、目的を持って思いを託すということがありません。だから緊張しないのです。聴き手の心が動きません。
人間が何かを伝えようとするときの緊張こそが、人の心を揺さぶる大きな武器となるのです。
これから新入社員さんが入社してきて会社で話す機会も増えてくる時期。就活でも、面接対策が必要な時期でもあります。
皆さんは、しっかりと緊張して伝えていますか。
プレゼンの決め手は「決め台詞」…羽生選手の場合
フィギュアスケートの羽生結弦選手、北京五輪で4位入賞。
不調の中で素晴らしいですね。
羽生選手の会見は、ビジネスのプレゼンテーションでもとても参考になります。
羽生選手が、独自の”決め台詞”を持つからです。
今回、フリープログラムで4回転アクセルに挑んだ理由を決め台詞で語っていました。
『僕の中に9歳の自分がいて、アイツが「飛べッ!」てずっと言ってたんですよ』
まるで氷上の哲学者ですね。
羽生選手は、常に考え続けています。だからこんな言葉がほとばしる。
メディアにとっても、羽生選手の決め台詞は「使える」のです。翌朝の新聞の見出しにそのまま使えば、強い訴求力を発揮できる。だからこそ取材の対象になりやすいのです。
この方法、ビジネスプレゼンでも使えます。
多くの方は、プレゼンギリギリまで資料作りに奔走しています。そしてプレゼン本番の『決め台詞』を考えていません。
そこでぜひやってみていただきたいことがあります。
次回のプレゼンでは、資料作りの半分程度の労力で構いませんので、ぜひ『決め台詞」を考えてみていただきたいのです。
もし何らかの『決め台詞』を既に持っている方は、それを磨いてみましょう。
決め台詞を繰り返すことで、聞いた人は他の人にも言いたくなります。
そのうち、「〇〇と言えばこの人」となるとしめたもの。聴き手に記憶されます。そしてビジネスに結びつくかもしれません。
羽生選手のプレゼン力については、前回のオリンピック直後にも、『週刊朝日』のインタビューをいただきました。もしよろしければご覧下さい。
「羽生結弦はスピルバーグを超える? 引退後のシナリオ…」
「緊張しても話せる面接対策セミナー」でお話させていただきました
2月9日(水)マスナビ様主催の「緊張しても話せる面接対策セミナー」でお話させていただきました。
今回は170名の皆様方にご参加いただきました。積極的にご発表いただきまして本当にありがとうございます。
下記はいただいたご感想の一部です。
「本日は貴重な機会を提供してくださり、誠にありがとうございました。私自身、人前、特に初対面の人と話すことが非常に苦手で、いつも冷や汗をかいているような状況です。また、オンラインでも同様で、とても悩んでおりました。しかし今回の永井様のお話を聞いて、『緊張=悪いこと』ではなく、『緊張=自分の能力以上のパフォーマンスを発揮しようとしているから問題ない!』というマインドにすることが重要だと感じました。まずはこのような心構えで日々のミーティングやプレゼンに臨むことから始めてみようと思います。本日は誠にありがとうございました。」
「”今まで様々な内容のセミナーを受けましたが、今回のセミナーが1番面白く、ためになりました。私は、グループディスカッションや面接で緊張し、手や声が震えてしまうことが多くあり今後の就職活動が心配でした。しかし、今回のセミナーでお話しいただいた、対策方法や気持ちの持ち方などを実践したら、うまくいく気がしました。録画で自分を客観視するという点はすぐにでもトライしてみたいと思います。先生自身のお話の仕方がとても丁寧で聞きやすいセミナーでした。本日は貴重なお話をありがとうございました。”」
「私は声が低いことがコンプレックスでしたが、相手に安心感や『しっかりしている』という印象を与えることができることを知り、自信を持つことができました。また、永井先生ご自身も終始落ち着いたペースで区切りをつけて話されており、1時間お手本を聴くことができたという面でも良かったです。有難うございました。」
「本日は貴重なお時間を頂きありがとうございました。”緊張しないようにする”ではなく、”緊張を生かす”という考え方、非常に勉強になりました。教えて頂いたトレーニングは、面接前のルーティーンとして実践していこうと思います!」
ご質問もたくさん頂戴しております。機会を見まして本コラムでも回答していきたく思います。
皆様の面接が上手くいきますよう、心から応援しております。
オンラインで聞き取れない質問は、聞き直す方が良い理由
オンラインの商談、会議、面接が当たり前の時代になりました。
オンラインで困るのが、Wi-Fiの調子が悪かったりして、質問がうまく聞き取れないこと。
特に相手が目上の人だったり大事なお客様の場合、「聞き直すのは失礼かな」と思いがちです。
そうして質問を聞き取れないまま、前後の流れで推測して、中途半端な答えをしてしまったりします。
これは最悪、「いい加減な人だ」という印象を与えかねません。
オンラインの場合、相手は、こちらがどのように聞こえているか状況を把握できないからです。
相手によっては気を遣ってしまいなかなか聞き直せないものですが、聞き取れない場合は必ず「もう一度お願いできますか?」と聞き直してください。
もう一度言ってもらっても、聞き取れない場合もあります。そのようなときは、「〜〜とおっしゃった後の部分が、分かりません」と具体的に聞いたり、「今のご質問は〜〜という理解でよろしいでしょうか」と確認すると、間違いを避けることができます。
聞き直すことで、実は良いこともあります。
相手は「聞き取れない」と言われると、たいていは恐縮します。これで自分のリズムを作ることもでき、一瞬で楽になります。
聞き取れない場合は、勇気を持って聞き直してください。