ブログ「次世代トッププレゼン」
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No.270 祝・テレビ東京 「CHANGE MAKER U-18」優勝!
12/18(日)放映のテレビ東京「CHANGE MAKERU-18~未来を変える高校生 日本一決定戦~2022」で、全国250の高校からプレゼン大会を勝ち抜いた高校生5チームの決勝戦が行われました。
私はこのうち、長野県「ショコラうさぎの三つ子」チームをご支援しましたが、このチームが見事、優勝しました。
内容の深みも含めて、優勝にふさわしい見事なプレゼンだったと思います。
今回テレビ東京から「支援して欲しい」とご依頼をいただいた時に、私が自分に課したミッションは「チームの思いを形にすること」でした。
決勝戦まで勝ち抜いたチームなので、素晴らしいコンテンツです。
しかしチームのプレゼン資料を見て、「もっとその思いを強く表現できるはず」と思いました。
そこで指導では、チームメンバーの思いを言葉にすることに力を注ぎ、限られた時間の中したが、かなりの時間を使いました。
プレゼンは話し方のテクニックも大事です。
一方で、「自分の思い」をいかに言葉にして伝えるかは、より大事です。
いくら話し方が素晴らしくても、語っている内容がイマイチだったら、プレゼンは成功しません。
そして「思いを言葉にすること」は、簡単なようでいて意外に難しいものです。
最後は私も一緒になって、高校生3人と私の4人全員で頭に汗をかきました。
おかげで素晴らしい内容になったと思います。
プレゼンでは、思いを言葉にして聴き手に伝え、聴き手の行動につなげることが成功の秘訣です。
今回、「高校生も社会人も経営者も、全く同じ」ということを身をもって体験したのは、大きな学びでした。
プレゼンでは、話し方の練習の前に、思いを言葉にするための時間を十分にとることをおすすめします。
今回は「ショコラうさぎの三つ子」チームの皆さん、優勝おめでとうございました!

↑真ん中の3人が「ショコラうさぎの三つ子」チームの皆さんです。

スタジオがどよめいていました…(汗)
番組動画は、1月15日までこちらで配信いただいています。
CHANGE MAKER U-18~未来を変える高校生 日本一決定戦~ 2022
No.269 ムリに演じても、ウソはバレる

ある外資系企業の日本トップのプレゼンを見たときのこと。
17世紀貴族の衣装で登場。
大きな身振り手振りに加え、完璧な台詞回し。
まるでシェイクスピアの舞台です。
ご本人がものすごく練習したのが伝わってきます。
でも残念ながら、あまり説得力が感じられませんでした。
このトップのプレゼンが伝わらない大きな原因があります。
プレゼンで語る内容と、ムリめな振る舞いとのギャップが目立ってしまい、何を言いたいかが伝わってこないのです。
一方で10年ほど前、米国で品質問題を起こしたトヨタの豊田章男社長が、米国議会の公聴会で証言したことがありました。
そして公聴会の後、「米国トヨタ」の工場を訪れた豊田社長は、従業員からねぎらいの言葉を受けて男泣きに泣いてしまったのです。
「経営者たるもの人前で涙を流すなんて言語道断」と思われるかも知れません。でもこの涙はトヨタ社員の結束を高めました。
人間の脳は、他者の感情や行動表現を無意識に読み取る共鳴(レゾナンス)という仕組みを持っています。
言ってる内容と現れる態度にギャップがあると、脳内で無意識に違和感を感じてしまって「なんか違う」と思ってしまうのです。
しかし言っている内容と現れる態度が一致していれば、脳内でこのような違和感を感じずに、「この人は本音で話している」と感じるのです。
つまり本心を偽って無理に演じると、聴き手は無意識に「なんかウソくさいなぁ」とわかってしまうのです。
人は、ウソ偽りのない言葉を話すリーダーに対して、強い絆を感じます。
プレゼンで説得力を高めたければ、ムリに演じずに自分らしくお話することが大事なのです。
No.268 緊張しても、必ず本番プレゼンで上手く話せる方法

こんなお悩みを抱えている方、多いかと思います。
「本番で緊張する。失敗するかもって不安」
そもそもここ一番の本番で「緊張するな」という方がムリというもの。
ただ、緊張のために伝えるべき内容が伝わらないのは、とても残念です。
緊張しても上手く話すための一番効果の高い方法は、「自分のリハーサルをスマホで録画して、見ること」です。緊張で失敗する方は、この「録画して見る」⇒「確認して改善する」ことをやっていません。
これで、自分のプレゼンを客観的に認識することが目的です。
私の経験では、録画するとほとんどの方が「意外と緊張して見えないですね」「それほど悪くないような気がする」とおっしゃいます。
スマホ録画の目的は、「それほど悪くない」と認識することです。これで人前で話す恐怖がかなり減らせます。
これは「認知行動療法」とも呼ばれる方法です。
録画すると、他にも良いことがあります。
自分が気がつかなかった、改善すべき点が見つかることです。
たとえば「滑舌が悪い」と思っていたのに、録画を見ると、実際には早口で滑舌が悪くなっていることが分かったりします。この場合はゆっくり話せば滑舌の問題は即解決です。
また「自分は低くてダンディな声が強み」と思っていたけど、じつは甲高い声だったりすることもよくあります。
次のプレゼンでは、ぜひご自分でリハーサルしてスマホ録画してみてください。
圧倒的な改善効果を発揮します。
No.267 自分でページ送りすれば、話しやすくなる理由

パワーポイントを使ったプレゼンで、ページ送り操作をスタッフに任せる方が多くおられます。
私も他の方にページ送りをしていただいた経験があります。
しかし微妙なズレが気になってリズムに乗れず、上手く話すことができませんでした。
このようにページ送りを他人に任せると、タイミングが微妙にずれて流れがギクシャクし、聴き手も違和感を感じます。
話し手がページ送りする方が、説得力が高まります。
また、ページ送りのタイミングで送り手に「次、お願いします」と言う方もおられます。ただこれはプレゼン内容と無関係な言葉なので、聴き手にとってノイズです。
自分でページ送りしてプレゼンすれば、ジャストタイミングで次ページに行けるので話しやすくなり、良いリズムで話せるため聴き手も聞きやすく、説得力が高まるのです。
しかしどうしてもスタッフにページ送りをお願いしなければいけないケースがあるでしょう。
この場合、ページの送り手にめくるタイミングを書いたシナリオとパワポ資料を予めお渡しし、実際に声に出して読みながら、送るタイミングを練習してもらうことで、上記の問題は最小限に減らすことができます。話し手と同じ気持ちになってもらうことが、良いページ送りをするために必要不可欠なのです。
No.266 弱みを隠さず堂々と見せれば人の心が動く理由

年末年始は、人前で話す機会も増えてきますね。
でも、「一生懸命話しているのになかなか聞いてもらえない」とお悩みの方も多いかと思います。
そこでぜひ参考にしていただきたいスピーチがあります。
『代々木アニメーション学院 2022年度入学式』での江頭2:50さんのスピーチです。
手紙をゴツゴツと読み上げています。
お世辞にも上手な話し方ではありません。
しかしYouTubeコメントでは絶賛の嵐です。
「素晴らしい。大感動」「胸が熱くなった」「泣ける」「かっこよすぎ!」
江頭2:50さんの話が人の心を動かす大きな理由は、この一言です。
「自分の弱みや恥をさらけだしている」
海外で半裸になって逮捕され、嫌いな芸人ランキングでは9年連続1位。大好きな女性にフラれたことなど、真剣な表情で語っています。
普通だったら、隠したいことですよね。
「共感されたければ、聴き手の目線まで下げろ」とよく言われます。
しかし江頭2:50さんは、これでもかと言わんばかりに大きく下げているのです。
だから、この最後のメッセージが生きてくるのです。
99人が馬鹿にしたって1人が応援してくれるならそれでいいじゃないか。
夢をおいかけたら必ず壁にぶつかる。
辛くなったら俺を見ろ!
江頭2:50さんが共感されたのは、入学生の人たちに寄り添った上で、自分の弱みを語っているからです。
注意していただきたいのは「ただ自分の弱みを語ればいいわけではない」ということ。
聴き手は必ず何かに悩んでいます。その悩みに寄り添う形で、自分の弱みを語ることが大切なのです。
人前でお話する機会のある方は、ぜひあなたの弱みの棚卸しをしてみてください。
あなたの弱みを、聴き手目線で堂々と語ることで、驚くほど相手に伝わるかも知れません。