ブログ「次世代トッププレゼン」

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沈黙の時間を増やすと深いプレゼンができる理由

カラオケ

 

「この人、ここをよくするとグッとプレゼンで聞き手とのコミュニケーションがよくなるのになぁ」と感じる点があります。

これは「間合い」を取ることです。

間合いがとれないとどうなるでしょう。

・一気にまくしたてるように話してしまい、落ち着き無く聞こえ、話しが分かり難い
・「あー」とか「えー」などの余分な言葉を挟んでしまいやすくなり、聞き難く、決断力に欠けて聞こえる

などがあげられます。

不慣れな人ほど緊張などからあせってしまい、矢継ぎ早に言葉を繰り出してしまいますので、間合いがとれないのです。終わってみれば、間合いを意識する余裕などなかったというのが現実だと思います。

だからと言って、ただ単に間合いだけとろうとすると、「間が抜けてしまう」ケースも多く見られます。

「そんなの初心者では難しいよ」と思われるかもしれません。じつは、大抵の皆さんは,間合いを上手にとれるだけの素質をもっています。

カラオケのときを思い出してみてください。

例えば、「与作」。

「トントントン〜 トントントン〜♪ ジャジャン、ジャジャン、ジャジャン、ジャジャン、ジャジャジャジャジャジャジャジャン!

のところで次の歌詞、

「与作〜 与作〜 もう、日が暮れる〜♪」

を、聴き手と一緒に想像しながら心と体を盛り上げていきますね。

このとき、音楽と関係なく、目線が落ち着きなくキョロキョロしていたり、資料を確認してうつむいている人は誰もいません。大抵は、宙を見据えたり、目を徐々に「カッ!」と見開いたり、聴衆とノリノリでアイコンタクトしながら気持ちを高揚させていますね。

そうです、この感覚です。

物言わぬ聴き手とのコミュニケーションは、間合いをとることによってこそ双方向に深くなるのです

実は日本人は間合いをとることが上手です。相撲の間合い、歌舞伎の間合い、お能の間合い、俳句の間合いなど、すべて間合いの文化です。動いていないとき、言葉を発していないときに深い意味を込めることができるのです。「阿吽の呼吸」とも言いますね。日本人は、間合いを血の中に持っているとも言えます。

それに、間合いがとれると、間合いから聴衆が内容を租借する時間の余裕ができて、説得力も上がります
ぜひ間合いをとる時間を増やしてみるように意識してみてくださいね。

パッションは熱伝導

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子どもの頃、友だちとの集まりで欠かせないおやつといえば、「イケイケどんどん、湖池屋、ポテトチ〜ップス♪」のCMで有名な、湖池屋さんのポテトチップス。これさえあればみんなご機嫌で、パリパリほおばりながら何時間でもおしゃべりしていたものです。

この湖池屋さんが新社長、佐藤章さんを迎え、「新生・湖池屋」としての第一弾「プライドポテト」の発表会を行うということで、2016年11月30日、会場の椿山荘まで行って参りました。

佐藤社長は、かつてキリンビバレッジのマーケティング部長時代、缶コーヒー「FIRE」を企画し大ヒット商品に育て上げた日本では最高峰のマーケティング・プロフェッショナルです。

当時、「FIRE」を経営会議で提案すると、
「ぜったい許さん」
「『FIRE』なんてガソリンじゃあるまいしそんなネーミングありえない」
「シルバーのパッケージも色気がない」
と総スカンを食らいました。

そこで佐藤さんは、ネーミングは麒麟珈琲、色は青にして、日本人歌手を広告キャラクターにし再提案したら社長さんが大喜び。しかし、そこで終わらないのが佐藤さんの凄さです。「『FIRE』と『麒麟珈琲』両方を実際にモニター調査するので支持が多かった方を商品化しましょう」と社長さんに掛け合ったのだそうです。すると、結果は8対2で「FIRE」の圧勝でした。

「FIRE」の企画を通した佐藤さんの気迫とマーケター魂には度肝を抜かれます。

私は、この”FIRE伝説”を知っていたので、佐藤さんがどんなプレゼンをするのか、ワクワクドキドキしながら開始を待っていました。

始まってみたら、なんと最初の3分で心を完全に鷲づかみにされてしまったのです。

それは、冒頭に出てきた「新スローガン」のチャート。

「イケイケGOGO!」
新しいほうへ イケイケ
難しいほうへ イケイケ
面白いほうへ イケイケ

たった3行でシンプルに美しくデザインされた印象的な言葉は力に満ちて、それぞれが韻を踏んでリズム感があり、一度聞いたら絶対に忘れられません。

3つともマーケティング戦略そのもの。マーケティングの佐藤さんらしい内容で素晴らしいと思いました。

「新しいほうへ イケイケ」は、イノベーション。
「難しいほうへ イケイケ」は、チャレンジと差別化戦略。
「面白いほうへ イケイケ」は、モチベーション3.0、働き方改革。

よく考え抜かれている言葉から一瞬で深みが伝わり、思わず唸ってしまいました。

そして、燃えるようなパッションで語っている姿を見て、毎日の仕事に汗水たらしているビジネスパーソンの熱量そのものを感じました。最前列からよく見ると、佐藤さんは感動のためか目が潤んでいます。私も、「うん、うん」と頷きながら聞いていました。その熱量は会場全体にも広がり、隣の席の記者もいつの間にか大きく頷きながら聞いています。パッションは「熱伝導」でこそ伝わるのです。

「日々の仕事が透けてみえてくる」
これこそが、ビジネスパーソンのプレゼンの神髄ではないかと思います。これはどんなにプレゼンの本を読んでも書いていない、その人だけ強みの世界です。

感動的なビジネスのプレゼンとは、ロジックだけでもダメですし、ただパッションで押すだけでもダメです。佐藤さんの場合、パッションと理論の両輪ががっちりとかみ合っているから、もう鬼に金棒です。

新社長としての初戦。緊張もされたでしょう。しかし、気迫のこもったプレゼンにノックアウトされ、幸せな気持ちで帰路につきました。

月刊『広報会議2月号』に取材した記事が掲載されています。

電子版はこちら→「トップマーケター渾身のプレゼン」に感服!湖池屋・佐藤章社長を分析

プレゼンは、緊張してもいいんです

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「プレゼンはすごく緊張するから話したくない」

そうおっしゃる方、とても多くいらっしゃいます。確かに、緊張するのはあまり気持ちの良いものではありませんよね。

ただ、ごく稀にですが、「なんだか今日は緊張せずに、リラックスして出来そうだ。」と思った本番。必ずと言っていいほど、思ったより上手くいかないのです。以前より不思議に感じていました。

そもそも、なぜ人は緊張するのでしょうか?

人間が緊張するとアドレナリンというホルモンが出て交感神経を興奮させるため、呼吸が多くなり、血圧が上がって、食欲も出なくなる状態になります。手も冷たくなります。
これは、狩に行って獣が現れたとき、戦争に行って戦うとき、戦うための全てのエネルギーを集中させるためで、呼吸を増やして酸素を送り込み、血管を収縮させて攻撃されたときの出血をおさえるのだそうです。
緊張は、人類が大昔から生きるか死ぬかのときに、自分の力を引き出して生き抜いてきた生命の知恵とも言われています。

つまり、緊張しているということは、必ずしも悪いことではなく、人間が自分の眠っている力を発揮させようとする前向きな反応だったというわけです。

それが分かってから、緊張してきてもあまり慌てなくなりました。「スイッチが入ってきたな。準備は段取り良く進んでいる。」と思うようにしています。そうすると、練習しているときより本番で緊張しているほうが、上手くいくようになりました。

私が心がけていることは、3つあります。

1 緊張したときに、自分がどんな状態になるか、知っていること
2 集中しようと無理をして自分を追い込まないこと
3 「これをすると気分が良い」、または、「これをすると上手くいく」ということを一つ以上する

大事なことは、必要以上に慌てず状態を受け入れることです。そうすると過度に緊張しすぎずに、ベストな状態に近づくような気がします。そして、緊張していたとしても、それを聴衆に悟られないようにする術も身についていきます。

徹底した準備は必要だと思いますが、それに加えて、いつもベストのパフォーマンスを発揮するために緊張することは大切なことだったのですね。

 

 

トッププレゼンこそ、「自分ごと」で話そう

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あの「お母さんの手作りの味」で有名な大戸屋さん。私もずいぶんお世話になりました。今年、その大戸屋さん、お家騒動でずいぶん社会の注目を浴びていました。その騒動も記憶に新しい11月9日、イイノホールで行われました事業戦略発表会に行ってまいりました。

このような発表会は、大戸屋さんとしては初めてとのこと。最初はお家騒動もあったためかとても緊張感があったようです。やや硬い雰囲気で、1時間ほどプレゼンが続きました。

ただ、このプレゼンの中で、一筋の光を見るような場面がありました。

「月に1〜2回、手作りの感覚を忘れないためにお店に立って、皿洗いや仕込みのアルバイトをしている。今日も『30本のネギをスライスしてきたので手がネギ臭い』」と恥ずかしそうに話す窪田社長の姿に、温かい人間性を感じたのです。そして、それまでは暗く硬直した雰囲気だった会場に、一瞬ホッとするような温かい空気感が漂いました。
その日の夜。テレビ東京のワールドビジネスサテライトで、その窪田社長が作業着で調理場に立つ姿が放映されていました。その愚直そのものの姿には感動を覚えました。

できれば、プレゼンに社長がアルバイトをしている写真を入れるなどしてこのエピソードを組み込みこんだり、アルバイトのときの作業着姿でエプロンと三角巾をして登壇すれば、より強く思いが伝わったのではないかと感じました。こうすることで窪田社長はプレゼンを「自分ごと」として話せるし、より共感も得られるはずです。

危機管理で会見する際の鉄則があります。それは「悪いことは悪い」と認め、憶測は廃し、事実をもとに語ること。窪田社長はこの基本はきっちりと出来ていました。

一昨年、トヨタの役員が禁止薬物を使用していたときの謝罪会見では、社長の豊田さんが「彼女(役員)は家族のようなもの」と発言しました。これもまた、トヨタの社風が感じられて、かえって好感度があがった場面でした。

同じように、今回、窪田社長は、「窪田社長でなくては語れない、窪田社長の人間性が感じられるお話し」をされている場面で、報道とは違う窪田社長の人間を感じました。

そこから人の心は動いていくのではないでしょうか。

プレゼンで忘れがちなことですが、実は、「パーソナリティは最高の戦略」なのです。

月刊『広報会議1月号』に、大戸屋ホールディングス窪田社長の「プレゼン力診断」を掲載いただきました。電子版も公開されていますので、よろしければご覧ください。

電子版はこちら→お家騒動で注目、大戸屋HDの窪田社長のプレゼン分析 「創業家」への思いは届くか

2016年12月19日、宣伝会議様主催「トップ広報講座」で講演してまいりました

2016年12月19日、宣伝会議様が主催された「トップ広報講座」で、「トップ広報の理想形を知る」というテーマで講演とワークショップを行いました。

宣伝会議様の月刊誌「広報会議」で、経営者「プレゼン力診断」を連載させていただいているご縁です。

参加された皆様は、企業の最前線で、経営トップにいかにコーポレートブランディングを表現してもらうかを悩んでいる広報責任者の方々。

トップ広報でありがちなのは、トップの個性をあまり考えずに、一つの形、たとえばスティーブ・ジョブズ風プレゼンを押しつけてしまうことです。でも、これはトップ広報の理想型とは言えません。トップの個性を活かして、トップの強みの土俵で勝負することが大切です。

今回は午前から午後にかけて、実際のトップ広報の実例をご紹介し、講義とワークショップを交えながら、トップ広報であるべき理想型についてお話ししました。

参加された皆様からこのようなご感想をいただきました。

■広報担当者という立場だけでなく、経営者自身としても有用な内容だったと思います。

■実践的、具体的で活用しやすい内容でした。トップ分類、傾向と対策は大変参考になります。

■具体的な対応策を示していただけたので、すぐに実践できると思う。ポイントがまとまっていたのでトップに伝えたい。

■話し方、立ち居振る舞いによる伝わり方の違いを学べた。社長の社内外のプロデュース方法を学べた。

■トップ広報という言葉の理解と重要さを感じる事ができました。

参加された皆様、企画いただいた宣伝会議の皆様、ありがとうございました。