No.273 声が良くなり、二重あご、ほうれい線が消えるボイストレーニングの方法

ある日鏡を見たとき、ほうれい線や、二重あごに気がつくことってありませんか?
年齢が若くても、二重あごだと一気に老けた印象になってしまいます。
じつはボイストレーニングをすると、表情筋もしっかりと鍛えることができ、若々しい印象を与えることができます。

ボイストレーニングの中で特に筋力アップやマッサージ効果の高いものは、「リップロール」です。
リップロールは、声だけではなく、顔の血行や表情筋も鍛えてくれる最高のボイストレーニングです。

今日は、誰でも簡単にできる「リップロール」の方法をお伝えします。

【リップロールの方法】

(1)軽く口を閉じる(上下の歯は軽く離れています)。
 
(2)口を開けて息を吸う
 
(3)口を閉じ、唇をほんの少し突き出し、閉じた唇の間から息を出して唇を「ブルブル」と振動させる。

 
※ポイント:「ブルブル」はできるだけ長めに続けてください。上手く出来ない場合は口周りをリラックスさせて、左右の人差し指で少しずつ口角を寄せたり上げたりしてみてください。
 
(4)(3)が続くようになったら、「ウ~」と歌うように、声帯を反応させながらリップロールを行う。息が切れたら息継ぎしてください。

1日3分くらいでOK。継続すれば声が良くなるだけでなく、表情も若々しくなります。

早口を改善する方法

「ワタシ、早口なんです。プレゼンで緊張しちゃうと、もっと早口になるんです。どうすればいいでしょう?」

こんなご質問をいただきました。

早口の方には共通点があります。まず頭の回転が速い。だから言葉が加速しやすくなります。
しかし早口だと言葉が不明瞭になって、さらに話しの展開が早過ぎるので、聴き手は話しについて行けなくなります。
良いことを話しても、早口で伝わらないのはとても残念ですよね。

そこで早口を改善するために、3つの方法をご紹介します。

(1)まず、しっかり息を吸いましょう
話す前に、まずしっかりと息を吸いましょう。
早口になるのは、文章のワンフレーズを話すための息が足りなくなってしまい、息が続いている途中で慌てて文章を終わらせてしまうからです。

これはプールで10メートル息継ぎ無しで泳ぐことを想像すればわかります。息が足りなければ急いで泳ぐ必要がありますよね。途中で息切れしたら続かなくなります。でも息が足りていれば、ゆっくり泳いでも大丈夫ですよね。

話し方も同じです。しっかり吸ってから話し始めれば、早口にする必要がなくなって、ゆっくり話しやすくなります。意識して大きく呼吸するようにしましょう。

(2)言葉を区切りましょう
早口になっているときは、間合いがなくなっています。間合いがとれないと、スピードはどんどん加速します。
こんなときは、言葉を区切って話します。ブレーキ効果で早口が改善します。

たとえば「先端技術」という言葉。普段言えていても、早口が加速すれば言えなくなります。そこで「先端、技術」、または「先、端、技術」というように短く区切りながら話します。区切ることでブレーキが利き、ゆっくり話せるようになります。

(3)録音して確認しましょう
ゆっくり話しているつもりでも、いつのまにか早口になっていることは多いものです。だから録音して確認してみましょう。今のスマホは録音機能がありますので、カンタンです。実際に会議やプレゼンを録音して自分の声を聞いてみると、想像以上に早口であることが分かります。客観的に早口を認識できれば、改善もしやすくなります。

早口は伝わり難いので損をしがちです。ぜひ落ち着いてゆっくり話す習慣をつけたいものですね。

「高めのカワイイ声だと、失敗も許してもらえる」という女性

私が講演で「落ち着いた低い声で話しましょう」とお話したところ、30代の女性から質問がありました。

「周囲は男性が多いんですよね。だから高めのカワイイ声で話すと、失敗しても許してもらいやすいんですよね」

このようにおっしゃる女性の方、意外と多いのです。

確かに現実には、多くの日本企業でまだまだ男性社員の比率が高いのが現実。女性は少数派。ある意味「男社会」です。

ご質問の裏にあるのは、「男社会だから、女性らしさを演じた方が男性ウケがいいのでは?」ということなのです。

もし「自分は職場の華でいい」というのなら、そのような考え方もあるでしょう。しかし「自分は仕事をちゃんとして評価されたい」とお考えであれば、少し考え方を変える必要があります。

ここでぜひ考えて頂きたいのは、「高めのカワイイ声で話すのは、本当に自分らしい話し方か?」ということです。

人間は誰でも、不思議な能力を持っています。
たとえば、不祥事会見をしている有名人をテレビなどで見ていて、こう思ったことはありませんか?

「これって、自分は悪いと本気で思っていないよね。とりあえず形だけ謝れば良いと思っているんじゃないの?」

自分の本心を偽って無理に演じると、相手は無意識に演じていることがわかるのです。これは人間の脳が、無意識の世界で他者のわずかな感情や行動の表現を読み取る「共鳴」という仕組みを持っているからです。このためにムリに演じて見せようとすると、聴き手はどこか違和感を感じてしまうのです。

「ごめんなさぁ〜い。間違っちゃいましたぁ」

と高い声で誤魔化すのと…、

「申し訳ありませんでした。私の責任でした。今後気をつけます」

と落ち着いた声で言うのとでは、どちらが信頼されるか、という話しですね。

確かに高いカワイイ声で話せば、大抵の男性はその場では大目に見てくれるでしょう。でも「仕事でちゃんと評価されたい」と思っているのに、相手が「カワイイ感じで謝っているけど、誤魔化している感じがする。本当に悪いと思っているのかな」と思ったとしたら、とても残念ですよね。高い声ではなく、むしろ低い落ち着いた声で話した方が、人は「この人は本音で話しているし、信頼できる」と感じます。そして安心感を覚えます。

仕事で評価されたいとお考えでしたら、高めの声で自分を偽るのはやめて、落ち着いた低い声で信頼される話し方をすることをお勧めします。

 

言葉をつっかからずに話す方法

先日の企業幹部研修で、いただいたご質問です。

「本番で言葉をつっかえずに、説得力のあるプレゼンにするにはどうしたらいいでしょうか」

とても大事な場面なのに、一度つっかかってしまうと、同じ間違いを繰り返してしまうことがよくあります。つっかかってばかりでは説得力は格段に落ちてしまいますよね。

2012年ロンドンオリンピック柔道日本代表発表記者会見では、責任者の方が普段は普通に話せている「キログラム」を言えなくなってしまいました。

そこで本日は、言葉がつっかえる理由と対策についてお伝えいたします。

まずつっかえる理由は2つあります。

①早口になっていること。

プレゼン本番で緊張すると早口になりがちです。
最初は「ゆっくり話そう」と意識していても、テンションが上がっていつのまにか早口になってしまうこともあります。
早口になると、普段は普通に話せる言葉が話せなくなる…当然のことですね。

そこで、言葉がつっかえたら、すぐに話すスピードを落とすことです。
スピードを落とせば、つっかえなくなります。

コツは、言葉を区切ったり、意識的にゆっくり話しながら「つなぎ言葉」を入れることです。
例えば「皆さん今日も頑張りましょう!」だったら、「皆さん、今日も、頑張りましょう!」の「、」の部分でしっかり区切りながら話すようにすれば、言葉をつっかえなくなります。
さらに話の合間に「いいですか?」「それで、ですね…」のような「つなぎ言葉」を差し込めば、ブレーキ効果によって、スピードを落としやすくなります。

②十分に息が吸えていないこと。

つっかえる時は、子音でつっかえることが多いのです。
子音は、息を強くはきながら発音します。
しかし息が吸えていないと強く息がはけず、子音が上手く発音できないために、つっかかってしまうのです。

息を吸えば、子音をうまく発音できるようになります。
息を吸うコツは、「間合い」をとること。
間合いがとれなければ、十分に息を吸う時間もありません。
大きく間合いをとり、しっかり息を吸えば、子音が明瞭に発音できて、つっかえることはなくなります。

間合いがとれることで、余裕が感じられるようになり、説得力も格段に高まります。

もし本番中につっかかり出したら、慌てずに「意識してゆっくり話す」「間合いをとって息を吸う」をお試しください。

 

困った質疑応答。質問を受けたら、まず息を2回吸え

「質疑応答が怖い」という方、多いですよね。
他人からの質問は想定できないことが多いもの。思いもしない質問が出ると「頭真っ白」になることもあります。

面接も増えてくるこれからの季節。「頭真っ白」になって残念な答えをしてしまわないようにしたいもの。
そこで今日は、ほとんどの方がやっていない質疑応答を乗り切るコツを2つお伝えします。

1つ目は「息を2回吸う」。

緊張していると、気付かないうちに息が吸えていません。さらに人は驚くと「ヒッ」と息が止まります。一番よくないのは息が吸えないまま慌てて答えること。息が足りないと、声も小さく早口になることが多く、いかにも「自信がなさそう…」に聞こえます。
ですので、質問を受けたら、まず意識的に2回息を吸いましょう。

手順は、慌てずに1回静かに息を吸ってはく。
そして2回目は、口から息を吸う。
そしてゆっくり話し始める。

2回吸う理由は、呼吸をするための「横隔膜」という筋肉が緊張して固まっていると1回ではうまく吸えないからです。2回吸うと横隔膜がスムーズに動くようになり、上手くいきます。
他にもメリットがあります。ゆっくり吸っている間に、良い答えが見つかることもあるのです。
さらに呼吸してから話す方が余裕が感じられ、聴き手にも良い印象を与えます。

2つ目は「オウム返し」。

質問者の質問をゆっくりオウム返しします。「はい、『〇〇〇〇〇〇〇〇』というご質問ですね。これはですね…」のような感じです。
まず質問を確認できるので、間違った答えをするリスクが減ります。ゆっくりオウム返しをしている間に、話す内容をまとめる時間ができ、落ち着いて答えることもできます。

質疑応答での答えはたいていの場合、気持ちが落ち着いた帰り道や廊下で「ああ!こう答えれば良かった!」と後で気がついて、ちょっと悔しい思いをすることも多いもの。しかし質問を受けている時は、意識が集中している時でもあります。だから落ち着いて答えれば、答えられることも多いのです。

まずは「息を2回吸う」、「オウム返し」を試してみてください。

新入社員の前でのお話し。内容だけでなく姿勢も考えましょう

4月、新入社員さんたちが入社される季節です。人前でお話しする機会が増える方も多いと思います。

特に新入社員の前で話す時は、気を配る必要があります。新入社員の皆さんにとって、今月は初めて経験することばかり。ずっと記憶に残ります。人の第一印象は変えられません。新入社員の皆さんのお手本となるためにも、しっかりとお話ししたいものです。

こんな時、ともすると話す内容に気を取られがちですが、気をつけていただきたいことがあります。姿勢が悪いと声の質も落ちてしまい、暗い印象を与えます。そこで姿勢に少し気を配るだけで、声も滑舌も良くなり、内容も良く聞こえるようになります。

良い姿勢というと、「リラックスして立ち、あごを引いて、お腹を引っ込める」などとよく言われますが、これは間違い。あごを引いたり、お腹を引っ込めると、逆に良い声が出なくなります。正しい姿勢は、ひざから下に力を入れて立ち、下あごをやや出し気味にし、お腹は前に出すことです

下あごをほんの少し出すことで声帯や気道をリラックスさせ、足に力を入れてお腹を張るように前に出すことで横隔膜が使えるようになり、安定して良い声が出るようになります。お腹を出すことで「丹田」というおへその下に力が入るため、緊張しすぎずに気力を充実させることが出来ます。

宮本武蔵が書いた「五輪書」に、これと同じ方法が書かれています。

「ややおとがい(下アゴ)を出す気持ちで、首はうしろの筋をまっすぐにして、うなじに力を入れて、肩から全身は同じものと考える。両肩を下げ、背筋をまっすぐにし、尻を出さず、ひざから足先まで力を入れて、腰がかがまぬように腹を出す」

お腹を出すときには、

「帯がゆるまないようにくさびをしめる」。

ちょうど腰骨のあたりにエプロンをギュッと巻くような感覚と同じです。

武蔵は兵法で、心を平静に保って力を出し切るための姿勢を追求したのでしょう。これはビジネスでも応用できます。

人前でお話する機会も多い4月。ぜひ一度、姿勢を見直してみてはいかがでしょうか。

オンラインで感動を伝える簡単な発声方法

「最近はオンラインでのプレゼンテーションがほとんどだ」という方、多いのではないでしょうか。

対面でのプレゼンと比べて、オンラインプレゼンでは、相手に語りかけるような話し方の方が伝わりやすくなります。
オンラインでは聴き手との距離感が短いからです。

対面の場合、声が空間で響きます。聴き手は声で空気が振動するのを感じながら聞いています。
空気を振動させるような声だと、聴き手の心にダイレクトに届きやすくなります。距離感があるからこそ強みを発揮する発声方法です。
たとえば歌手が声を震わせる「ビブラート」という技術があります。これは広いホールで人工的に振動を増幅して聴き手に強い感動を与えるためです。

オンラインプレゼンでは、マイクを通してスピーカーから声が届きます。だから対面と違って空間で声を響かせることができません。そこで近くにいる人に語りかけるような繊細な表現が必要になります。

ここで効果的なのが、声に息を混ぜて感情表現をしながら話すこと。内容に合わせて強弱をつけながら息を多く混ぜたり少なく混ぜたりしていきます。
たとえば「大変でした」というのを、「いや(ぁぁ〜)、大変でした(ぁ〜)」というように表現します。
(ぁぁ〜)や(ぁ〜)で、息を混ぜて感情表現するわけですね。

ここで難しいのが、混ぜ方のさじ加減。普通の話し方では息を混ぜて話せないことが多いので、声帯が硬くなり平べったい響きの一本調子の声しか出なくなっています。そこで、まずは固くなった声帯をリラックスさせることをおすすめします。

声帯をリラックスさせる一番簡単な方法は、上を向いて話してみることです。
もし無理な発声をしていれば、発声しにくく、話しにくくなるはずです。

30秒くらいでもよいので、上を向いて話す練習をしてみてください。声帯がリラックスできるようになります。

オンラインで話しが聞き取りにくい理由

オンラインで会議をしていると、言葉が聞き取りにくいのはストレスになります。

聞き取り難いのは、滑舌の問題ではなく、「言葉が流れてしまっている」の大きな原因です。
オンラインは響きの質に広がりがなく、実際よりも粘って聞こえやすいので、言葉が流れているととても聞き取り難いのです。

「言葉が流れる」とは、言葉と言葉がくっつきすぎているということです。
とくに問題になるのは母音同士が結合してしまうことです。

たとえば、「本日はありがとうございました」が、「本日は〜りがとうございました」のように、「本日は」の最後の母音と「ありがとうございました」の最初の母音がくっついて流れてしまうことです。これがあらゆるところで頻繁に起こると、想像で補うことがストレスとなりたいへん聞き難い話し方になります。

日本語は、このような状態になってしまいやすい言語です。
では解決するために「母音の頭をしっかり言い直しましょう」といっても、話している瞬間に母音にフォーカスしながら母音の頭の言い直しができるようになるには、かなりの訓練が必要です。

そこで言葉の粒を立てるように区切って話すことをおすすめします。

最初の例だと「本日は、ありがとうございました」のように、「、」の部分を作ることです。ほとんどの方が「、」を意識して話していないために、言葉が流れやすくなり、聞き取り難くなっています。

これは、あわてていると難しいので、できるだけ落ち着いて臨むようにしてください。

 

オンラインでNGの声

あるオンラインプレゼンを見ていて、ぐったり疲れてしまったことがありました。

話し手の声が甲高かったのです。

プレゼンでは、緊張してテンションも上がりますので、声は高くなりやすいものです。

対面では響きが空間に散るためなんとか我慢できた甲高い声も、パソコンやスマホのスピーカーを通すと金属音のように響きます。
キンキンと響く金属音は聞いているだけで聴き手にストレスを与えてしまうのです。

甲高い声を避けるためには、コツがあります。

(1)話す前に呼吸をする
話し始める前に、深呼吸しておきます。
気持ちが落ち着いて、声が甲高くなるのを抑えることができます。
また、プレゼン中も意識をして息を吸うようにしてください。

(2)水を飲む
話しの途中でテンションがあがって声が高くなってきたなと思ってもなかなか止められないものです。
そこで、途中で水を飲みます。
声が甲高く薄っぺらくなるときは、大抵は喉にある「喉頭」が上がってきています。
ゴクッと水を飲むことで、喉頭という場所が下がり、声が低くなります。
オンラインプレゼンでは、手元にコップに入れた水か、ペットボトルを置いておくことを忘れないでください。

オンラインプレゼンを聞いていて甲高い声は特に気になるものです。
ぜひ低い声を意識してお話ししてみてください。

オンラインで目立つ語尾落ちしなくなる方法

 

オンライン会議では、語尾の不明瞭が目立ちます。

例えば、「これはこういうことで良ムニャムニャ・・・」と文章の終わりまでしっかり話さないと、「良いのです」なのか「良くないのです」なのか、肯定と否定の区別がつかないこともよくあります。

聴き手の聞こえ方によっては、全く正反対の解釈をされてしまうリスクもあります。

また、語尾を不明瞭に話すと、聴き手は話しの意味を一生懸命聞き取ろうとするのでストレスがかかります。
特にオンラインのプレゼンでそうなってしまうと、離脱してしまう人も増えますので気をつけなくてはなりません。

もし一対一だったら、聞こえにくくて意味が分からない場合、また想像力で補えないほどの場合は、「今のところ、もう一度おっしゃっていただけますか?」とたずねることもできます。しかし、複数人の会議だと聞き直しにくいものです。

どうしても語尾が落ちてしまう方に、録音して聞いてもらうと、大抵の方は驚かれます。つまり、気がついていないのです。

語尾落ちは、頭の回転が早く、次にしゃべることや次のチャートが気になってしまう方の場合によく起こります。
そういうときは、たいてい前のめりで、リズム感が早く間がとれていないので、聴き手が内容についてこれていません。

また、十分に息が吸えていないため、語尾で息が足りなくなってしまうこともあります。
優しい性格ではっきりしたものの言い方をしない人にも多いようです。

改善方法は、次にしゃべるチャートを気にするのはほどほどに留めて、今話していることに集中して言い切ること。

言い切った後に、きちんと息を吸うこと。息をしっかり吸っておけば、語尾に息が足りなくなることはありません。

オンラインでは細かい話し方が目立ちますので、ぜひ語尾落ちしないように気をつけてください。

 

音を立てて息を吸う残念なプレゼンへの対処方法

プレゼンで、息を吸うとき「シーッ」と音を立ててしまう方がよくいらっしゃいます。

具体的には、「虫歯かな?」と気にして確認するときとか、男性に多いのですが、ラーメンのような食べ物を食べたあとの息を吸うときの音に似ています。

これは、話し手が不安を感じて話しているような印象を与えますし、何より聞いていてあまり爽やかではありません。

出来れば、息を吸うときは音が立てない方が良いと思います。

加えて、音を立てて息をすうことをおすすめしない理由はもう一つあります。

それは、口の中が狭くなってしまうことです。

口の中が狭くなるとなぜいけないのでしょうか。それは、良い声が出なくなるからです。良い声で話すための条件は、「口の中」が広いことなのです。
(詳しくはこちらのコラムをご参照ください。→ http://nagaichika.jp/20200108-2)

話すときに「シーッ」と音をたてることが癖になっている方は、口の中が狭くなり良い声が出ていない可能性が高いので、意識して音をたてないようにすることをおすすめします。

また、癖になっていなくても、話すときにストレスを感じたり、強く緊張すると、アゴが固くなったり歯をかみしめてしまうため、口の中が狭くなりがちです。

記者会見の質疑応答で、記者から厳しい質問を受けると「シーッ」と音をたてて息を吸うトップを見かけることがよくあります。こういうときに「シーッ」という息の吸い方をすると、声も小さくなり、余計に悪い印象を与えてしまいます。加えて「シーッ」と息を吸っている人に対して、聴き手は「自信がないのだろうか」と不安を感じやすくなります。

対策方法は、落ち着いてアゴを下げながら息を吸うことです。
アゴを下げるだけで、口の中の空間を確保することができ、「シーッ」という音はしなくなります。

必ずできるコツは、「冷たくなった手を暖めるときの息」で「はあ〜」と息をはき、そのままの状態を変えずに息を吸ってください。

【呼吸のやり方】
プレゼン中に行ってください。
(1)アゴを下げて「手を温めるように」ふわーっと息をはく。
(2)アゴを下げたまま、ふわーっと息を吸う
(3)アゴをゆるめながらそのまま話す
※緊張で硬くなっていると一回では上手くいきません。2〜3度意識して繰り返すと上手くいきます。

この呼吸方法を身につけると、良い声がでやすくなります。
アゴを下げて、よく息を吸ってお話してください。安心感、信頼感、説得力が上がります。

 

肺機能が衰えがちな冬は、声も出なくなる。そこで対策

こんなお悩みを聞くことがよくあります。

「最近、声が出なくなってきた」
「話していて、すぐに息切れする」

原因として、肺機能の衰えがあります。
2015/1/31の日本経済新聞の記事「健康:肺の衰えに気をつけて」によると、

「肺機能の維持には定期的な運動習慣が大切。ただ歩くだけでなく、スポーツジムなどを利用して上半身の筋肉をしっかり鍛えることが必要」

つまり運動不足になると呼吸に使う筋肉の衰えを招いてしまうのです。
冬になると、寒くて外を出歩きたくない日々が続きますが、歩かないとさらに身体が動かなくなり、肺機能が衰えます。
この肺機能の衰えは、声にも影響します。良い声は、良い息を流すことで得られるからです。

風邪などで数日間運動しなかっただけで、仕事で話をすると声にパワーがまったくなくなる経験をした方も多いと思います。

運動も大事ですが、呼吸することでしか鍛えられないインナーマッスルを鍛えることも大事です。どうしても仕事で忙しくなってしまい、運動ができないときは、ちょっとの空き時間や道を歩くときに「横隔膜ブレス」を行って、横隔膜を鍛えて良い呼吸を維持するようにすることをおすすめします。

★★ 横隔膜ブレストレーニング ★★

呼吸だけで横隔膜インナーマッスルを鍛えるトレーニングです。

(1)肋骨のすぐ下あたりに手を当てる

(2)顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う

ポイント:肩が上がらないように。お腹が風船のように張る感じを手で確認すること。

(3)口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて頬と鼻の下がパンパンにふくらましながら5秒息をはき、6秒目に止める。

ポイント:頬と鼻の下がパンパンにふくらむように。口の前にティッシューをかざすと地面と平行になびくくらいの呼気です。お腹はできるだけ張った状態を維持します。

(4)再び口を開けて2から繰り返す。5回行う。

身体を使わないことが多い冬だからこそ、お試し下さい。

苦しい「喉締め」や「力み」を抜くための方法

言葉に気合いが入りすぎて喉を締めて出してしまったり、声に力みが入ってしまう方が多くおられます。

話すことに一途で、伝えようと一生懸命になるのですから、当然のことだと思います。

だから、「つい力んで身が入ってしまう」ということは、冷めていたり、感受性が弱かったりする人よりは何百倍も可能性があり、悪いことではありません。

問題は、力むと声帯に余分なストレスがかかってしまい、声嗄れの原因になってしまうことです。すぐ休めば良いのですが繰り返すと声が戻らなくなってしまいますので注意が必要です。話す量も多い政治家は、ガラガラ声の方が多いのもその理由からです。

そこで、ついつい力んでしまう方向けの練習方法があります。

ガラス磨きをするときや眼鏡を拭くとき、「は〜」と息を吹きかけて磨きます。その息で発声するのです。

方法は、窓ガラスを「は〜」と磨きながら話し、またすぐに「は〜」と磨いて話す、という練習を繰り返します。窓ガラスもキレイになりますので一石二鳥です。

コツは、「は〜」の息のまま発声することです。少しずつ、力みがとれて、楽な発声に変わっていきます。

次の段階は、「フクロウ」の発声法です。フクロウが「ホー」と鳴くまねをします。

これは意外にコツがいります。「ホー」と言うとき感情を込めないことです。一生懸命な人ほどフクロウの鳴き声に感情がこもってしまいますので、あくまで本物のフクロウが鳴いているように「ホー」と鳴きます。

以上が出来るようになったら「ホー」を、ロングトーンで「ホーーーーーーー」と伸ばしていきます。

最初は大きな声が出ないので欲求不満になってしまうかもしれません。しかし、大きな声を出して「スッキリした」というのは大抵喉に負担がかかっていることが多いものです。発声に「手応え」を求めてはいけないということです。

この「ホー」が上手く出来るようになると、話しているときに声の力みが取れていきます。

一生懸命な気持ちはそのままに、発声部分はあえて「そらす」という方法も必要なのです。

 

滑舌悪化の原因「子音」は、ピンポイントで克服せよ

「滑舌が悪く聞こえる」という悩みを抱える方、多くおられます。

滑舌が悪くなる原因は、子音が上手く言えていないこと。
子音は、一つずつピンポイントで克服することが必要です。
ピンポイントで意識せずにたとえば早口言葉の練習すると、いつも同じ子音でつまずいてしまい、滑舌の悪さが癖になります。「繰り返し練習」が「つまずく練習」になっているのは、もったいないですよね。

子音をどのようにしてピンポイントで克服するのか。
今日は多くの方があまり得意ではない[n]の子音についてお伝えします。

[n]の発声は、口が少し開いた状態で、舌が上がり上アゴに舌先がべったりとつきます。とくに舌の筋肉が弱いと、舌先が上アゴにしっかりつかず、[l]に聴こえてしまうか、舌が口腔内で空振りして母音しか聞こえないこともあります。
「バナナ」だと、「バララ」とか「バアラ」と聴こえ、滑舌が悪く聞こえます。

[n]の子音は「第六の母音」とも言われています。母音の特徴は音を伸ばせることですが、[n]も「n〜〜」というように、音を伸ばすことができるからです。[n]が母音と同じように響かせることができるようになると、滑舌の悪さは改善できていきます。

[n]の子音は、伸ばすことで簡単にトレーニングすることができます。

【nのトレーニング】

①口を少し開けて息を吸う
②舌の全面を上あごにぴったりつける
③「n〜〜〜〜〜」と伸ばす
①〜③を10回繰りかえす。

舌の筋肉が鍛えられ、[n]が空振りせず、響くようになってきます。

 

プレゼンで行う呼吸の方法

私自身が発声で一番気をつけていることを一つだけあげるとしたら「呼吸」です。

声を出すのだから、「声の高さ」や「抑揚」と思われるかもしれませんね。もちろん、それらのことも大事です。

しかし、一番難しいのは呼吸です。呼吸の問題は、経験を積み重ねるとより効果も上がりやすくなるのですが、同時に課題が増えてくることも大きな特徴だからです。

呼吸の基本は、横隔膜という肺の下にあるドーム型をした呼吸のための筋肉を使えるようにすることです。横隔膜を使えた呼吸ができるようにすれば、専門家が行うような難易度の高いボイストレーニングは必要ないとも言えます。

しかし一方で、難易度の高いボイストレーニング法をこなせていても、なぜか横隔膜が使えていない方が多いのも事実。これでは、一生懸命トレーニングしたとしても効果は得にくいと思います。

つまり、発声にとって「横隔膜を使えない」ということは、足腰がしっかりしてないままスポーツをするようなものです。

「息を吸う」というと、簡単なように思えますが、結構エネルギーを使います。不慣れな人が呼吸を意識しながら話すのは体力的にキツいものです。

以下に、話しながら横隔膜を使った呼吸を扱う方法を具体的にお伝えします。

 

【基本】息を吸ったときに、下腹(へそ下9センチくらいの場所を意識)を張り、張ったまま息をはいていきます。この呼吸を繰り返しながら、発声していきます。
【プレゼン時】文章ごとに、息を吸いながら話す。話しているとき、下腹はできるだけへこまさないようにする。

不慣れな状態でたくさん吸おうとすると身体が力んでしまいますので、ムリに長いセンテンスを話そうとせず、「少しだけ吸って短く話す」を繰り返してください。

 

口を開けなければ、通る声になる

声が小さい。声が通らない。響かない。だから聞き取り難い。結局、聞いてもらえないので伝わらない。

多くの方々にとって共通の悩みでもあります。

大きな声を出そうと思ったら「口を大きくハキハキとあけなさい」と良く言われています。
これは決して間違っていませんが、あまり口を開けずぎると響きが散ってしまい、かえって声が通らなくなってしまいます。
それに口をパクパクして話すのは、ビジネスのシーンやフォーマルな場でエレガントではありませんね。

声を響かせるためには、口の前を開けずに「口の中」が開いていることが大事です。特に縦方向に開いていることがポイントです。
良く響く教会やホールは天上が高いですよね。口の中も同じです。逆に野外ホールはオープンになっていますが声は響き難いものです。プロのオペラ歌手でも野外ホールで演奏するときはマイクを使わなければ声は届きません。

一方で現代人は、アゴの骨格が小さい傾向にあり、口の中が狭い方が多く、大きく縦に口を開けることが難しいのも事実。その結果、声がぺちゃっとして響かず、舌足らずのような話し方になってしまいます。

対策があります。口はあまり開けず「おちょぼ口」にし、アゴを下げることです。見た目は「ハコフグ」のようになります。

口の中を開け、声を響かせるためのトレーニング方法をお伝えします。

(1)口を閉じる。舌を下げて舌先が下歯茎に触れている状態を維持

(2)唇を少し開けて、アゴを下げる。下げるときのコツは下アゴを前に少しだけ出す感じで「受け口」気味に。

(1)と(2)を10回程繰り返し、アゴ周辺の筋肉をほぐし、アゴの可動域を広げる。

慣れてきたら、声を出してみましょう。

(1)口を閉じる。舌を下げて舌先が下歯茎に触れている状態を維持

(2)唇を少し開けて、アゴを下げ、「Mo〜〜」と長く伸ばして発声する。発声しているときは下アゴを少しだけ前に出し、舌は舌歯茎に触れている状態を維持。

見た目は「ハコフグ」です。鏡で確認してみてください。

ドイツの名歌手に、シュヴァルツコップ(Olga Maria Elisabeth Frederike Schwarzkopf,1915-2006)という人がいます。彼女は小柄だったので、ヨーロッパの大柄な歌手たちと声量の差をうめるために口周辺の作り方を細かく工夫していました。口の開け方は、アゴを下げることと、アヒルっぽく上唇をほんの少し前に突き出すことも行っていました。そうすることで、声がより前に響くようになるからです。この方法は、同じように、骨格の小さい日本人のお弟子さんたちにも彼女は勧めていたそうです。口の作り方をちょっと変えるだけでも、響きが劇的に変わります。

職人は、その職業に合わせて体を作りかえると言います。
声もビジネスにおいての道具になります。
ビジネスでも声という道具を使いこなすために体を作っていくことも大事なことだと思っています。

口角が下がると、業績も下がる。だから口角アップの方法

プレゼンで、怒ったり悲しんだりしていないのに、常に口角が下がっている人をよく見かけます。

口角が下がっている人の表情は、寂しそうで暗いイメージを与えます。怒っているようにも見えます。
実年齢より老けて見えてしまうことも多いのです。
小学生でさえ、いつも口角が下がっている顔つきをしている子は、実際より上の学年に見えていました。

また、口角が下がると、声も暗くなります。口角が下がっている上に暗い声で話されると、たとえ良い話でも良い話しを聞いた感じがしなくなり損をしてしまいます。

加えて口角は、意識していないとあっという間に下がってきて、気が付いたときは取り戻しが効かなくなります。
とくに、一日机に向かって仕事をしている人は、表情もとぼしくなりますので、さらに口角が下がってしまいます。

そこで今日は、ボイストレーニングでも行っている「簡単に口角を上げる方法」をお伝えしましょう。
ランチの後にでもお試しください。

【口角アップ・スペシャル】

(1)唇をぴったりと閉じ、口角をあげるように笑う。(見た目はそんなに上がらない)

(2)左右の人差し指を立てて、口角をトントンと軽くたたく(筋肉を刺激することが必要)

(3)唇の両端に1本ずつストローをくわえ、出来たてのフラペチーノを圧をかけて吸い込むようなつもりで、口角が少し痛くなるくらいに緊張感を持たせる
(ストローとフラペチーノはイメージするだけ。実際に用意する必要はない)

(4)唇の両端に1センチくらい離して左右の人差し指を立て、口角を持ち上げるイメージで指をゆっくりとあげる。ゆっくり20数える。(何回か行うと良い)

これを行うと、口角が上がり笑顔が出やすくなりますし、声も響くようになります。

取材でたくさんのトップを見てきました。会社が上手くいっているトップの口角を見ると、たいていの方は下がっていないことに気が付きます。

ちょっとくらい苦しくても、口角を上げるようにしてみると、気のせいか仕事も人生も開けてくるような気がします。

大声を出さなくても話が伝わる方法

「『さっきのお話、もう一回お願いします』とか、『は?』と耳に手を当てられることがよくあって…。声が小さいんでしょうか?」

こんなご相談を受けました。
聴き手は「もう一回言ってください」とは言い出しにくいもの。これを言われるのは余程のときです。

話す内容が明瞭に伝わるためには、「大きな声を出せばいい」と思いがちです。
これは間違いです。

ポイントは「子音」です。

子音の中でも、音程のつくものがあります。たとえば[n]。「n〜♪」と鼻歌みたいにメロディがつきますよね?「第六の母音」とも言われています。[m]、[r]、[L]も、メロディがつけられます。

とくに日本語の場合、[n]の発音「ん」がとても多いのが特徴です。話すときに「ん」が空振りしていまうために、何を言っているのか分かりにくくなることが多くあります。

「ん」は[m]のときもあります。[n]は口を開けますが[m]は口を閉じる、という違いがあります。

[m]の場合、「新聞紙」「先輩」など、「ん」の次に[b]や[p]などの破裂する音がくるときに用います。破裂させるときに一度口びるをしっかり閉じなくてはなりませんから、[m]を使って、口の動きを一度ですませたいのです。

[n]「ん」の発声の場合、口を少しあけて、舌が上がって上アゴに舌がべったりとつきます。舌の筋肉が弱いと、舌先しか上アゴにつかず、[L]に聴こえてしまうか、空振りして母音しか聞こえないこともあります。「バナナ」が「バララ」とか「バアラ」と聴こえてしまったりするのです。

だから、音程のつく母音がしっかり発音できるようにしましょう。
大きな声を出さなくても言葉が良く聞こえるようになります。
今日は簡単なトレーニングの方法をご紹介します。

これらの「音程のつく子音」を長く伸ばす練習です。

好きな曲を聞きを[n]や[m]だけで歌ってみるなどすると、楽しみながらの良い訓練になります。
[r]は、「rrrrrrrr〜」というように巻き舌で伸ばします。

伸ばしているうちに、舌の筋肉がついて、子音が口の中でしっかり鳴るようになります。

お試し下さい。

 

ボイストレーニングをやっても声が良くならない理由

 

いろいろなトレーニングをやっているけれどなかなか思うような良い声が出ないのは、根本的な呼吸のところで間違っているケースが多くあります。

良い声の条件は呼吸です。

「呼吸?そんなのやっているよ」と思われる方多いかもしれません。

それでは質問です。

発声して言葉の最後に息が切れたことを意識していますか?

ほとんどの人は、声を切るときに「なんとなく」切りすぎています。
だんだん声がなくなる自然消滅型になっています。
つまり、語尾がモニャモニャと不明瞭になる「語尾落ち」していることがほとんどです。

原因は、横隔膜が使えていないせいです。

「良い声にする」ためには、「息を横隔膜でコントロールしている」ことが大前提となります。

それでは、息を横隔膜でコントロールするためにはどうすればいいでしょうか?

まず第一段階として、「息を横隔膜で意識して止められる」といいのです。

ただし、こう言うと息を喉でとめてしまう人のほうが圧倒的に多いのです。

喉でとめていると、喉に余計な力が入ってしまったり、喉声になったりする原因になります。これが続くと喉に負担もかかります。

まずは、横隔膜で息を止められるようにすることです。

それでは、本日は横隔膜で息をとめるための簡単なトレーニングをご紹介します。

まず、横隔膜はどこかを確認するためと、横隔膜を鍛えるために「ドギーブレス」をします。
背中を壁につけて行ってください。

 

★★ドギーブレス★★

1、「あ」と言うつもりで口を開け、舌の力を抜いて舌先を下の歯の裏につける。

2、暑いとき犬がするように「ハッハッハッハッ・・・」と呼吸し、休まず5秒続ける。

チェック1:手をお腹に当てて、へこんだり出たり均一に動いているのを確認
チェック2:吸う息と吐く息が同じ量になるように

こんどは、横隔膜でとめる「横隔膜の呼吸トレーニング」です。
ドギーブレスをした直後に継続して行ってください。

★★横隔膜の呼吸トレーニング★★

1、ドギーブレスしてから、そのまま「はあっ」と大きく息を吸う。
そのとき、下腹の真中あたりを押し返すつもりで息を吸う。(もしわからなければ誰かに押してもらうとよい)

☆ポイント:下腹はしっかりと前に出て、さわるとパンと張っている。このとき、下腹を無理に出そうとして壁から背中が離れないように。

2、口あけたまま息を5秒とめる

☆ポイント:このときお腹は押し返したまま。ドギーブレスのときに動いていた場所あたりで息をとめる。これが「横隔膜止め」です

3、下腹はそのまま出来るだけ押し返しを維持しながら「はーっ」と一気に息をはく。

☆ポイント:息をはくとき喉で小さく「kっ・・・」という言う音がした場合、喉で息をとめているのでよくありません。「喉止め」しないコツは、お腹の頑張りに集中すること。喉周辺の力を抜くようにし、喉で音がしないようになるまで練習すること。

4、1~3を何回か繰り返す。慣れてくればお腹を押してもらわなくてもできるようになります。息を吸っているときもはいているときも、出来るだけ下腹は「パン」と張った状態を維持するようにします。

 

 

「え」と「い」を変えれば、あなたの声は響く

 

「声が響かない」「声が良くない」

というお悩みを持つ方に共通するポイントがあります。
「え」と「い」の母音が響いていないことです。

ほとんどの人は、「え」と「い」を発音するとき口の中の空間が狭くなっています。こうなると音声の質が平べったく変化して聴き苦しくなり、加えて響きが浅くたるため幼稚っぽい声になりやすく、説得力も落ちてしまいます。

 

「え」と「い」が響かせることができれば、説得力が上がります。
さらに「え」と「い」を響かすことができれば、他の母音「あ」「う」「お」も響すことも簡単です。

そこで本日は、「え」と「い」を響かせる発声練習をお伝えしたいと思います。

■「え」の発声

1.基本は「あ」と発声する口の形。顎が下りてほおが十分のびている状態です。舌はのびて、舌先が下唇の上にさわっています。
2.「あ~」と発声しながら、舌を少しずつ持ち上げます。そうるすとだんだんと「え」に変化していきます。途中「え」と 聴こえたら舌の動きを止めてください。そのとき注意しなければならないのは、下あごが舌と一緒に上がってこないこと。上がるのは舌だけです。

「え」を響かすことが出来れば、「い」も簡単にできます。

 

■「い」の発音

1.先の「え〜〜」の発声をしながら、下あごを少し上げていきます。途中で「い」と聴こえたらあごを上げるのを止めてください。舌の両脇が奥歯に挟まれる感じになります。

この発声法が上手くいくと、声がマイクで話しているように離れたところで響いて聴こえます。
ぜひお試しください。