ブログ「次世代トッププレゼン」

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No.293 パーパスを語ることの意味

「早く仕事に行きたい」「出勤が楽しみ」

このように思える職場なら、最高ですよね。
ということで今回も前回・前々回に引き続き、パーパスに関するお話です。

従業員60名のある歯科クリニックは、トップダウン経営で離職率が33%。
毎年従業員の1/3が離職するという職場でした。

しかし離職率は、なんと6%と大きく改善。
しかも、診療時間を短縮したにもかかわらず、業績は向上しました。
従業員の皆さんが「仕事に行きたい」と出社を楽しみにする会社に変身したのです。

ポイントは、パーパスです。

このクリニックは、2019年に従業員全員で話し合い、パーパスを決めました。
一人一人の従業員が、お互いに大事にしている価値観や存在価値を徹底的に話し合って決めたパーパスです。
ですから全員が納得しているのです。

現実には、全員がパーパスを話し合って決めるのは難しいかもしれません。

一方で、今の職場には既に何らかのパーパスの原石になる考え方があるかもしれません。
そこでそれをパーパスに見立てて、自分なりのエピソードを交えながらプレゼンで話してみることです。
良いパーパスは、なぜ自分が働くのか「働く意味」を明確にし、プレゼンに首尾一貫性をもたせてくれます。

調査によると、この5年間で転職先を選ぶ際にパーパスを重視するビジネスパーソンは2倍に増え、さらに年収よりもパーパスを優先する人は半数近くにのぼっています。

今の時代、パーパスを語ることは、仕事を語ることそのものでもあるのです。

◆引用記事
出勤が楽しみ」 高い離職率に苦しむクリニックの「働きたい改革」

2023/06/08 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.292 なぜJINS田中仁CEOの前橋プロジェクトに、人が集まるのか?

5月29日のテレビ東京「ワールドビジネスサテライト」で、大手メガネチェーン「JINS」のCEO、田中仁さんが出演していました。
田中さんは今、前橋市の再生に取り組んでいます。

前橋市商店街はかつて賑わっていましたが、現在は最盛期と比べての歩行者数は10分の1以下。「シャッター通り」となっていました。
前橋氏出身の田中さんは、こう話します。

「子供の頃、親に連れられて繁盛している商店街を歩いていた。活気に溢れていたあの頃の街を取り戻したい」

そして率先して商店街におしゃれなカフェやレストランを誘致。ホテルや美術館も作り、今、客足が戻ってきています。
さらに前橋市から起業家を育てるために、9年前に「群馬イノベーションスクール」を立ち上げて無料で起業のノウハウを伝えています。教室には大勢の受講生が集まり、卒業生は次々と起業しています。

短い番組でしたが、田中さんが目指すこと、言っていること、行動は、全て首尾一貫していることがよく伝わってきました。
そしてそんな田中さんの志に、多くの人たちが集まり、前橋が盛り上がろうとしています。

田中さんは、相手が共感するWHY=大義名分を出発点に、行動し、語っています。
そして人は「なぜそれをしなければならないのか」という大義名分を聞くと、心が動き、自分ごとに置き換えて考えるようになります。

逆にうまく伝わらない人の多くは、大義名分をあまり重視しません。
そして「大事なのは中身だ」と考えて、製品やプロジェクトの説明、またはハウツーから話し始めてしまいます。
でもその結果、多くの人からスルーされてしまいます。

皆さんも次のプレゼンではぜひWHYを語っていただきたいと思います。

2023/06/01 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.291 パーパスをプレゼンで語るのは、意味がある

先週のメルマガで、パーパスについて書きました。その続きです。

会見でパーパスを語る企業が増えてきました。
パーパスは、企業の本質を表すものです。
新商品や新サービスの発表会見で、会社のパーパスもあわせて語ることで、その企業が何をしたいのか、そしてなぜその新商品・新サービスなのかが、メディアにストレートに伝わります。

そして良いパーパスは、トップだけではなく一般社員さんが語ることでも大きな効果を発揮します。

パタゴニアのメディア会見を取材したときのことです。
試食会でオーガニック食品が提供されました。しかし価格は一般的な商品よりも高額です。
スタッフにその理由を尋ねると「はい。高いんです。私たちは環境を再生する農業や漁業をサポートしていますからね」と、自信を持って説明してくれたのが印象に残っています。

パタゴニアは「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」と宣言しています。
社員さん一人一人がパーパスの内容に腹落ちしているので、何を聞かれてもぶれることがないのです。

しかし実際には、せっかく良いパーパスを作ってもトップだけが語っている企業が多いように感じます。

パーパスは、トップが語るためのものではありません。
企業の関係者全員のものです。

ぜひあなたも、御社のパーパスをプレゼンの内容に入れ込んで語ってみてはいかがでしょうか?

2023/05/25 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.290 額縁パーパスにならないために

「会社のパーパス」を語るリーダーが増えています。
パーパスとは、会社の存在意義のこと。会社の本質を一言で表現したものです。

最近、さかんにパーパスが語られるようになった背景には、働く会社を決めるときにパーパス重視の人々が増えてきているためです。
入社時や転職時に「パーパスを年収よりも重要視する」という方が半分以上いる、という調査もあります。

「ウォンテッドリー、企業のパーパスと採用に関する調査結果を発表」2022年7月11日)

いまやより良い人材に選んでもらうためには、パーパスは不可欠。
パーパスを掲げるトレンドが生まれているのです。

しかしパーパスを作っても、数ヶ月も経つと経営幹部でも「ウチのパーパスなんだっけ」となってしまうケースは少なくありません。本来パーパスは自分の言葉で語るべきなのに、プレゼンでパーパスを読み上げているトップもいたりします。

一橋大学ビジネススクールの名和高司客員教授は、このようなパーパスを「額縁パーパス」と名付けています。
額縁に入れて飾っているだけで、身についていない…。
リーダーが、台本のように額縁パーパスを棒読みしていたら、嘘くささを感じてしまいますよね。

パーパスは会社の本質です。
リーダーが自然に出てくる自分の言葉で語って、伝えていくものです。

パーパスを伝えるときに単なる綺麗ごとではなく、より説得力を高めるには、具体的な言葉を入れると話しやすくなります。

サイバーエージェントは2021年に「新しい力とインターネットで日本の閉塞感を打破する」というパーパスを制定しました。藤田社長は、パーパスを次のように語っています。

インターネット産業は成長を続け、新しい仕事も増えて、若い人が活躍している。しかし自分達の外に目を向けると多くの先送り世代が居座り、若い人の閉塞感につながっている。既得権益も存在する。
ビジネスも日本の閉塞感はこれからも続く。現状の延長線にある限りそれを打破する動きは進みそうにない。しかし民間企業としてやれることはある。情熱を持って、熱狂しながら変えていきたいと思える問題があれば、その状況を打破するのは自分達の役割の一つだ。
(ハーバード・ビジネスレビュー 2022年6月号)

パーパスは飾っておくものではありません。
ましてや暗記するものでもありません。
ぜひ、ご自身が腹の底から信じることを、具体的で力強い言葉で語っていただきたいものです。

2023/05/18 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

No.289 嗄れをなくす発声法

人前で話すとすぐ声が嗄れてしまう方、結構多くおられます。
それに話している途中で声が嗄れるのは話しにくくて困りますよね。
一方で声が嗄れない人もいます。

声が嗄れる原因は、喉に余分な力みがあるからです。
ただ「つい力が入ってしまう」ということは、醒めていたり、感受性が弱かったりする人よりは何倍も感動する話になって相手に伝わる可能性も高いので、必ずしも悪いことではありません。

ただ、声嗄れを繰り返しすぎるとガラガラ声に移行して定着してしまうことがあるので、要注意です。長時間大声で話す政治家や八百屋さんなどに声が嗄れている方が多いのは、限界を超えて無理に声を出し続けた結果です。

声嗄れは力みが原因なので、声嗄れを防止するには、声帯をリラックスさせるトレーニングをすると良いでしょう。
ポイントは、声帯を緩めるための「息を使う」ことです。方法は以下です。

(1) ガラス磨きや眼鏡を拭くときガラスに「は~」と吹きか
けるような息をはく

(2) 息を吸って話す

(3) (1)(2)を繰り返す

「は~」と暖めの息をはくことで声帯の力みがとれてきます。
簡単ですのでお試しください。

本番中声が嗄れてしまった場合は、水を飲むことで応急処置ができます。
声が嗄れやすい方は、水を用意してプレゼンに臨みましょう。

2023/05/11 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika