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プレゼンが確実に上達する方法

「プレゼンが上達できるコツを教えてほしい」
という質問をよく受けます。

「プレゼンが上手になるには練習しかありません」
「プロは、何十回も練習して本番に臨んでいるんです」

というのは、世の中の定番のアドバイス。
断言しますが、練習していてもプレゼンは上手になりません。

それに、忙しい会社員はプレゼンのための練習なんてできないのです。私のお客様で猛練習をしてプレゼン本番に臨んだ方なんてひとりもいません。

それではどうすればいいのでしょうか。方法は一つだけです。

本番の回数を増やすこと

この本番とは、記者会見の舞台や講演会のことだけを言っているのではありません。会議での説明、朝礼のコメント、宴会の挨拶でも良いのです。機会を作って、出来るだけ数多く人前でお話しすることです。もし本番の回数が少ないなら、知り合いや家族にプレゼンのリハーサルを見てもらうことです。私は「10回の練習より1回の本番」と言っています。

それには理由があります。

学びはアウトプットにより高めることができるからです。料理も同じですよね。クックパッドを眺めているだけでは作れるようになりません。クックパッドで美味しい餃子の作り方を見ながら数回作っていれば、あるとき見なくても上手に作れるようになります。

リクルートワークス研究所の辰巳哲子氏も、現代の学びはインプットからアウトプットに変わり始めていて、アウトプットしさえすれば人は成長できると言っています。

プレゼンを上達させるためのアウトプットには、4つのポイントがあります。

(1)アウトプット
まずはアウトプット。でもアウトプットはひとりではできません。相手の反応を見ることで、自分のプレゼンは良かったか、退屈だったか感じることができます。1人で練習しているだけでは他人が面白いと思うかどうかも分かりませんし、分からなければ面白くないプレゼンの練習をたくさんしてしまうので時間のムダです。

(2)フィードバック
アウトプットすれば、他人からフィードバックをもらうことができます。しかし人は本人を目の前にしてなかなか本音を言わないものです。他人の本音を知りたければアンケートをとることをおすすめします。思いもしないコメントをもらうと視野が広まります。特にネガティブコメントは成長の促進剤。他人が知っていて自分だけが知らないことを教えてくれます。嫌がらずに熟読することをおすすめします。

(3)反省
フィードバックで得た他者のコメントから、今までの自分のやり方が良かったのかどうかじっくり考える時間を持ちます。ここでは自分の思い込みや前提を疑う気持ちも大事です。たとえば、「パッションは伝わるけれど、説明が分かりにくい」などのコメントがあったとしたら、「今までジョブズ風な強い印象を与えるプレゼンが良いと思って空回りしていた。地味でも自分らしく丁寧に話したほうがいいのかな…」などの対応策を考えます。

(4)クリエーション
反省で得た知見から新たな考えを編み出します。
情熱的な言葉で伝えることで人の心が動くこともあります。しかし、人によっては雄弁でなくとも丁寧な説明を行う方が良い場合もあるのです。これまではムリをして派手な身振り手振りで話していたけれども、次のプレゼンからは、静かに語り説明を多くすることで説得力を高める方法を検討します。このクリエーションでは、自分の考え方に他人の考え方が加わり、一段高いレベルに達しています。

ここで大事なのは「カンペキ」を期待しないこと。最も大事なのは、すぐにアウトプットすることです。「(4)クリエーション」のアイデアを反映しながら、もう一度「(1)アウトプット」からやり直してみると、新たな成長フェーズに入ります。

このアウトプット型の学びは、プレゼンテーションだけではなく、営業でも企画でも、すべての学びに応用することができます。

成長はアウトプットすることから始まります。準備や練習に時間をかけ過ぎずに、まずは「ゆるく」でいいのです。ぜひアウトプットしてみてください。

 

【参考文献】
辰巳哲子「学びはアウトプットから始まる〜対話型社会の時代の新たな学び型〜」『Works Review「働く」の論点2019』リクルートワークス研究所(2019年7月)

孫正義がプレゼンでレトリックを使う理由

プレゼンや商談では、相手を説得しなくてはならない場面も多いですよね。でも本当に正しく誤解なく伝えた上で、人を説得することは難しいことが多いもの。これは人が物事を自分の受け取りたいように解釈しようとしがちだからです。とくにSNSやメディアにあらゆる情報が溢れている現代において、理論による説得だけでは人は信用しなくなりつつあります。

話し手が主張したいことと、聴き手の感情や思い込みの間に、情報伝達の「ゆがみ」が生じているのです。

このような場合に相手を説得するには、論理を主張するだけでは伝わりません。情報伝達の「ゆがみ」を可能な限り解消していくことが必要です。

ここで武器になるのが、レトリック
レトリックというと「あの人はレトリックがうまい」というように使われて、「言葉巧みに論点をすり替える技法」と思われがちです。しかし本当は違います。
レトリックとは「修辞学」。人を感動させるための表現方法を研究する考え方のことです。感情や思い込みの「ゆがみ」を解消するためには、レトリックで相手に感動してもらうことです。

英語学者で評論家の渡部昇一氏はレトリックを用いて人を説得するには以下、三つの原則があると言います。

【第一の原則】:説得しようと思っていることに確信を持つこと。
自分は正しいと思っていなければ説得力が下がるからです。

【第二の原則】:客観的に証明できる部分で争わないこと。客観的に証明できないことについて相手を納得させようとしているという自覚を持ち続けること

【第三の原則】:比喩を使うこと。
イメージ伝達に欠かせない方法です。

とくに第一の原則が足りないとレトリックの効果は激減します。「正しいと思わないけど会社の命令だから仕方がない。なんとかレトリックの技術で説得しよう」と思っても、気持ちは聴き手に伝わります。レトリックを使ったばかりにかえって「不誠実な人物」という印象を与え逆効果です。

第二の原則は、「円周率」のようなロジックで証明できることではなく、「安室奈美恵と浜崎あゆみではどちらの歌唱力が上か」というような、理論で説明できないものを相手に説得しようとしていると認識しておくことです。

第三の原則である比喩は、情報伝達の「ゆがみ」を解消するのに最適です。たとえば、言いたいことを絵や図で表せば一瞬で伝えることができます。

ソフトバンク代表取締役会長兼社長執行役員・孫正義さんは、レトリックの達人です。
2021年2月8日に行われたソフトバンクグループ2021年3月期第3四半期の決算発表で、孫さんは金の卵を産むガチョウの比喩を使い「ソフトバンクは金の卵の製造業である」と強く印象づけました。

ソフトバンクの時価総額は、負債を考慮に入れると9兆円、負債を差し引けば17兆円。資金の借り入れによって事業を拡大しています。しかし、「負債は“ガチョウのエサ”にすぎない」と孫さんは確信を持って主張します。
「金の卵」とは、ソフトバンクが出資した後に上場したり、100億円以上で売却したスタートアップを指しています。孫さんは、「金の卵を計画的に、仕組みを持って生んでいくのがソフトバンクグループである」と、チャートにガチョウと金の卵をグラフにして見せながら説明していました。

レトリックを用いた説得的なプレゼンテーションだったと思います。

ただし海外でレトリックを用いる場合、気をつけておくべき点があります。文化的背景によって捉え方が違ってくるのです。たとえば日本では、子どもの頭をなでるのは褒めることになりますが、インドでは頭に神が宿るのでNGです。
今回、孫さんの用いた「ガチョウと黄金の卵」は、世界的に有名なイソップの寓話が元になっています。グローバルへ十分に配慮していました。

レトリックを用いる場合、しっかりした論理、主張を持っていることが必要です。論理のないレトリックは、単なる言葉のゲームであり、ごまかしでしかありません。説得できないどころか信用を落としてしまいますので、注意が必要です。

【参考文献】
渡部昇一(2017)『知的人生のための考え方 わたしの人生観・歴史観』PHP研究所

「緊張してしまう」という人は大きな武器を持っている

人前で緊張してしまって辛い思いをしている方、多くおられるのではないでしょうか。

最近、私が講演した「緊張しても話せる面接セミナー」で、下記メッセージをいただきました。

私は人前で話すのが得意で、よく周りから『緊張してなさそうだね』と言われます。しかし、話し出す前はお腹を下し、字が書けないくらい緊張してしまいます。でも、始まってしまえば、たとえミスってもなんとかなっていました。私は場数を踏んで、やっとこの形ができるようになりました。でもなぜ本番前に緊張してしまうのか不思議でした。今回の講演で『緊張するのはいいこと』だとわかり、ポジティブになれました

他の人からは「人前で話すのが得意だ」と思われて、緊張してなさそうに見えるのに、お腹を下し、手が震えて字が書けないくらい緊張している…。こんな方、実は意外に多いのです。「才能がある」と言われているような人たちにもしばしばこんな方が見られます。

私の知り合いでも、プレゼン本番前は落ち着きがなくなり、トイレを往復して、リハーサルの出来はイマイチ、でも本番が始まると凄いプレゼンを成し遂げる、という人がいます。聴き手の皆さんは、その人の控え室の姿を知りません。だから話す姿を見て「プレゼンの名手」と思っています。

彼らは「しっかりと緊張をしている」のです。

人間には自律神経があります。自律神経には2種類あり、活発な活動を行うときに働く交感神経と、リラックスしたときに働く副交感神経があります。

緊張は交感神経が活発になった状態です。交感神経は、アドレナリンを分泌させて、血中をアドレナリンが巡ります。アドレナリンは血糖量を増やし、心拍と血圧が上昇します。さらに、副腎皮質刺激ホルモンの分泌が増加し、副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌され、身体を動かすエネルギー源の生成を促進し、血流を増加させます。

だから緊張すると心臓がドキドキして落ち着きがなくなり、汗が出たり、顔が赤くなったりするのです。

言い換えれば、人は緊張することで「戦闘開始態勢」が整います。「いざ」という時に、意志とは関係なく緊張するのは、人が太古の昔から獣や敵と闘って生き延びてきたDNAの中に組み込まれている反応なのです。

そして激しく緊張をしていても、緊張を活かす方法がわかれば、人は本来持っている潜在力を呼び起こすことができます。

緊張を否定する必要はありません。
緊張は最高のパフォーマンスを発揮するための味方であり、大きな武器なのです

大事なプレゼンや面接の前に緊張しそうになったら、ぜひこのことを思い出してください。

 

【参考資料】
久谷眞理子(2016)『「生物基礎」の授業をとおして伝えたいこと』2016年3月 研究紀要 第11集 P41-56

 

 

 

 

 

緊張する面接で絶対やってはいけないこと

人前で話すのは、緊張するもの。
特に大事な面接は人生の重要局面。
「緊張するな」といわれても、ムリというものです。

ただ緊張していても、これだけは「絶対NG」があります。
それは「ウソ」をいうこと。

ある面接のリハーサルで質問に頭が真っ白になってしまい、つい「でまかせ」を言ってしまった人がいました。
そのとき経験豊富な模擬面接官は、「あなた、今ウソを言いましたね」とすぐに見破ったのです。

頭が白くなると、苦し紛れにその場しのぎで答えたくなるかもしれません。
しかし面接官は、被面接者にない大きな力を持っています。

それは「人を見る目」。

人を見るプロが面接官をしていることが多いのです。大抵のことは見抜かれています。取り繕っても無駄というもの。
加えて面接官は、意外とその人に関する事前資料を熟読しています。事前資料を参考に相手の人物を見抜いた上で、採用すべきか否か、高い評価を付けるか否かを決めようとしているからです。

特に就活面接では、企業は「成長が期待できる素直な人」を採用する傾向があります。ですのでウソを言った時点で「信頼」という一番大切なモノを一瞬で失う、不合格になります。

「面接で厳しい質問をされてボロボロだった…。絶対ムリ…」という人が、不思議なことに受かったという話、聞いたことはないでしょうか?
自分を必要以上に大きく見せようとしてすべてを完璧に受け答えしようとするよりも、むしろ虚勢をはらず誠実な対応をする方が、相手に与える好感度が高いのです。

 

緊張しても話せる面接対策セミナーに登壇しました

4月16日(金)、マスメディアン様主催のセミナーに講師として登壇しました。
139名の方々にご参加いただきました。有り難うございます。

テーマは「記者会見コンサルタントが伝える 緊張しても話せる面接対策セミナー」でした。

面接って緊張しますよね。でも大事な面接は人生の重要局面ですから、緊張するなという方が無理というものです。
ただ、その緊張のために、本当に伝えるべき内容が、伝わっていないのは残念なことですよね。

緊張とは、能力以上のものを引き出そうとする、DNAに組み込まれた、人間に生まれつき備わった力です。打ち消そうとすればするほど上手くいかなくなります。そのために「緊張の活かし方」を知る必要があります。

セミナーでは、面接で緊張して力が発揮できなくて残念な思いをしている方々に向けて、緊張を活かすための方法をお伝えしました。

下記に受講してくださった方々からの感想の一部をご紹介します。

「このようなメソッドはどうせできないと敬遠してしまいがちでしたが、講師の永井さんご本人がその技術を体現されており、心に響くセミナーでした。自己を分析して自分に適したスタイルを強化していきたいと思います。書籍も購入してみたいと思います!」

「コミュニケーションは得意で自信はありましたが、面接で落ちることもあり、少し悩んでいました。今回のセミナーで実は私も緊張していたんだ、とハッと気付かされました。マトリックスでわかりやすく解説してくださり、今後の改善点を見つけることができました。社会人になっても、永井先生の講義を思い出しながら緊張感を持って生きていきたいです。本日は貴重なお時間をありがとうございました。」

「緊張のメカニズムや、明日から実践できる改善方法などわかりやすい言葉で教えてくださりました。ありがとうございました。」

「先日、説明会で急遽面接をすることになった時、緊張してしまって落ち込んでいました。ずっとそれを引きずっていたのですが、緊張を活かせなかったのだと言ってくださり、緊張することは悪いことではなく、客観的になって落ち着いていけば大丈夫なのだと安心することができました。悪代官、フクロウ、舌を鍛える方法を実践してみて、本当に笑いやすくなり、筋肉の緊張がほぐれたような気がしました。緊張を活かす方法を知ることができてよかったです。ありがとうございました!」

「本日は貴重なお時間をありがとうございます。ご教授いただいたテクニックによって、面接の不安が大きく和らぎました。本日の学びを今後の人生に活かしていこうと思います。」

「緊張するのはいいことであることが知れて、ポジティブになれた。また、自分はおそらくパッション型だと思うので、緩急を意識しようと思った。

皆さま、たくさんのご感想をいただきまして本当にありがとうございました。

2021/04/17 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika