「宴会の場でスピーチをお願いされたときって断れないんですよ。話下手なので困っています。どうすればいいでしょうか」
これから年末にかけて宴会も増えてくる時期、このようなご質問を受けることがあります。
もしご自分で話し下手かも、とお思いでしたら、こういうときに備えてネタを用意しておくことが大事です。
1分くらいで良いので、「指名されたときに、まずは何を話すか」を決めておくと上手くいきます。
冒頭1分が成功すれば緊張もほぐれて、その後は話しやすくなります。
ここで注意したいのが、最初から最後までを詳細な内容を用意して話す必要はないということ。
以前ある研修講師の話を何回か聞いたことがあったのですが、どんなときでも一字一句全く同じように話していて、とても驚きました。
でも最初に聞いた時から、その人の話を聞いてなぜか冷めてしまった経験があります。
この人は話すテクニックもあり、抑揚や感情も込めてお話になる方です。
不思議なことなのですが、何度も話してきた話というのは、無意識に聞けば伝わってしまうものなのです。
宴会でも、いかにも練習してきたとばかりに、スラスラと原稿を読み上げるように完璧に話されたら、あまり感動しませんよね。
じつは、人間の脳は新しいものを好む性質があります。
新しいことを好む脳に新しいことを提供して、新しいことを達成すれば、脳から「ドーパミン」という報酬物質が出ます。
そして結果が予測しにくい「不確実」なものほど脳は喜ぶようになります。
ドーパミンが出た話し手の脳はますます活性化し、話の内容も予測しにくい話になります。
この結果、聴き手も喜ぶようになるのです。
今年の年末の宴会は、冒頭1分のつかみだけ準備し、あとはひらめきで話してみてはいかがでしょうか?
ちょっと勇気が必要ですが、意外と受けるかもしませんよ。