ボイストレーニングをやっても声が良くならない理由

 

いろいろなトレーニングをやっているけれどなかなか思うような良い声が出ないのは、根本的な呼吸のところで間違っているケースが多くあります。

良い声の条件は呼吸です。

「呼吸?そんなのやっているよ」と思われる方多いかもしれません。

それでは質問です。

発声して言葉の最後に息が切れたことを意識していますか?

ほとんどの人は、声を切るときに「なんとなく」切りすぎています。
だんだん声がなくなる自然消滅型になっています。
つまり、語尾がモニャモニャと不明瞭になる「語尾落ち」していることがほとんどです。

原因は、横隔膜が使えていないせいです。

「良い声にする」ためには、「息を横隔膜でコントロールしている」ことが大前提となります。

それでは、息を横隔膜でコントロールするためにはどうすればいいでしょうか?

まず第一段階として、「息を横隔膜で意識して止められる」といいのです。

ただし、こう言うと息を喉でとめてしまう人のほうが圧倒的に多いのです。

喉でとめていると、喉に余計な力が入ってしまったり、喉声になったりする原因になります。これが続くと喉に負担もかかります。

まずは、横隔膜で息を止められるようにすることです。

それでは、本日は横隔膜で息をとめるための簡単なトレーニングをご紹介します。

まず、横隔膜はどこかを確認するためと、横隔膜を鍛えるために「ドギーブレス」をします。
背中を壁につけて行ってください。

 

★★ドギーブレス★★

1、「あ」と言うつもりで口を開け、舌の力を抜いて舌先を下の歯の裏につける。

2、暑いとき犬がするように「ハッハッハッハッ・・・」と呼吸し、休まず5秒続ける。

チェック1:手をお腹に当てて、へこんだり出たり均一に動いているのを確認
チェック2:吸う息と吐く息が同じ量になるように

こんどは、横隔膜でとめる「横隔膜の呼吸トレーニング」です。
ドギーブレスをした直後に継続して行ってください。

★★横隔膜の呼吸トレーニング★★

1、ドギーブレスしてから、そのまま「はあっ」と大きく息を吸う。
そのとき、下腹の真中あたりを押し返すつもりで息を吸う。(もしわからなければ誰かに押してもらうとよい)

☆ポイント:下腹はしっかりと前に出て、さわるとパンと張っている。このとき、下腹を無理に出そうとして壁から背中が離れないように。

2、口あけたまま息を5秒とめる

☆ポイント:このときお腹は押し返したまま。ドギーブレスのときに動いていた場所あたりで息をとめる。これが「横隔膜止め」です

3、下腹はそのまま出来るだけ押し返しを維持しながら「はーっ」と一気に息をはく。

☆ポイント:息をはくとき喉で小さく「kっ・・・」という言う音がした場合、喉で息をとめているのでよくありません。「喉止め」しないコツは、お腹の頑張りに集中すること。喉周辺の力を抜くようにし、喉で音がしないようになるまで練習すること。

4、1~3を何回か繰り返す。慣れてくればお腹を押してもらわなくてもできるようになります。息を吸っているときもはいているときも、出来るだけ下腹は「パン」と張った状態を維持するようにします。