ブログ「次世代トッププレゼン」

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トップも人間だから、間違ってもいい

 

トップのフォローは広報の大切なお仕事。
広報にとって、会見でのトップの発言や一挙手一投足はとても気になるところですよね。

今年1月11日、「東京タワーリニューアル発表記者会見」で日本電波塔、前田伸社長のプレゼンを取材にしたときのこと。

スタッフの皆様の前田社長への気配りが際立っていました。責任者と思われる方は、社長プレゼンや質疑応答で一言一句に頷いていましたし、囲み取材ではフォローのコメントも入れていました。きっと常に近くにいる担当の方なのでしょう。

一方で、背後に立っている社員お二人も、目を見開き緊張感いっぱいの表情。緊張感が伝わったのか、記者の皆さんも徐々に静かになりました。

周囲がトップをサポートするのは良いことですが、一方で前田社長がとても慎重にお話ししたり、質疑応答で慎重に手元の答えを確認しながら読み上げている様子を見ていると、トップがもう少し自由に話せるような配慮をしても良かったのでは、と思いました。実際に囲み取材でご自身の言葉で話されているときは、とても良い表情で言葉もイキイキしていましたし、別の質問で何も見ないで答えた時は、やっと少し笑顔を見せてくれて、聞き手としてもホッとしました。前田社長は自然に話せば強みが出てくる方と感じました。

間違いを言うのはよくありませんが、トップに「間違ってはダメ」というプレッシャーをかけるのもよくありませんよね。「人間なんだから多少間違っても良いじゃないか」というくらいの余裕を持ったほうが、結果は上手くいくことが多いものです。

さらに詳しくは、「月刊 広報会議 4月号」プレゼン力診断に執筆した記事が掲載されています。もしよろしければご覧下さい。

 

メガネ選びは、トッププレゼンの一部です

 

最近、あるトップの写真撮影がありました。メガネをかけている方だったので、カメラマンより「メガネを何点か持って来るように」との指示があったのですが、最終的にはメタリック調でシャープなイメージの講演用メガネで撮影に臨みました。

「メガネは顔の一部です」というキャッチコピーがありましたが、トップのメガネ選びはとても大切です。メイクやヘアスタイルよりも、メガネは顔の印象を強く左右します。

メディア取材はもちろんのこと、人前に立つときは常に同じメガネをすることで、強い印象を与えることができます。

理想的なメガネの選び方をしている、と思ったのが、湖池屋の佐藤章社長です。
2016年に湖池屋の取材にうかがったとき、佐藤社長は「ポルシェデザイン」のメガネをかけていました。メタリックでフレームやテンプル(つる)の部分にスリットが入り、スタイリッシュで存在感のあるデザインです。佐藤さんはキリンビバレッジ社長時代からこのポルシェデザインのメガネを愛用しているようです。佐藤さんのようなに仕事でもブランドにこだわる人は、「これ」とブランドを決めたら変えないものなのでしょう。

星野リゾート・星野佳路社長は、10個のメガネを仮面のようにかけかえることで、モードを切り替えるといいます。仕事用メガネも毎年新しくするそうです。星野社長は2010年に「日本メガネベストドレッサー賞」も受賞しているほどメガネにこだわりをお持ちの方。星野社長は、メガネを変化させることがパーソナルブランドイメージにつながっています。

メガネで、相手に与える印象は大きく変わるのです。
「個人的に、このメガネが好き」も大事なこと。その上で、「そのメガネで相手にどのような印象を与えたいか?」も考えて、メガネ選びをしたいところです。

 

 

 

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羽生選手は、物語で人を動かす

 

羽生結弦選手の演技、深みがあって素晴らしかったですね。以前より、羽生選手の会見やインタビューにおけるプレゼン能力の高さには注目してました。

昨日発売の「週刊朝日」で、このテーマで取材を受けました。(p.157です)

羽生選手は”何を語るか”を周到に準備しています。これはビジネスのプレゼンでも参考になります。

羽生選手は、「王者になる」「アクセルは王様のジャンプ」「僕は勝ちたい」といった、羽生選手の生き様や哲学とか反映された「羽生語」を持っています。

これはトップでも同じです。
たとえば日本電産・永守重信会長の場合は、「千切り経営」「家計簿経営」「井戸掘り経営」。
あちこちで繰り返し話すことで、訴求力が高まり、注目されていきます。

羽生選手は、さらに物語を語る高い能力も持っています。自分の言葉で「自分の物語」を人に伝え、人を動かす。リーダーとして大事な資質です。羽生選手が将来その資質を活かせば、引退後も世界的に影響力のある存在になっていくと思います。

本選の陰陽師をイメージする演出も羽生選手らしく素晴らしかったのですが、予選ショートプログラムの演技も羽生選手の良い面を引き出しており秀逸でした。

羽生選手の資質と音楽の内容が、完全に一致しているからです。

音楽は、ショパン作曲、バラード第1番 ト短調 作品23でした。バラードとは「物語」という意味です。映画「戦場のピアニスト」でも、主人公のピアニスト(ユダヤ系ポーランド人)は、ドイツ軍将校の前でこのバラード第一番を弾き、その音楽に感動した将校により命を助けられます。

人は、物語で動く

それがプレゼンの神髄なのです。

 

 

 

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自分の言葉で語る、日本電産・永守さんの社長退任

 

2月15日、日本電産社長の永守重信さんが社長交代の記者会見を開きました。永守さんはCEO兼会長に就任されます。
今や日本電産は2兆円企業に迫る大企業。主な理由は「体力の限界」とのこと。世界中を走り回るのは並大抵の体力では持ちません。

以前より永守さんは素晴らしいプレゼン力の持ち主だと思っていました。腹の底から信じ、自分の言葉で語る姿は、桁外れの説得力。「千切り経営」「家計簿経営」「井戸掘り経営」など、永守さんの経験から来る、永守さんらしいどんな人にでも分かりやすい言葉選びは、皆が共感します。メディアへの訴求力にも繋がっているのです。

質疑応答の場でも、永守さんは自分の土俵から逃げません。株主総会では、ユーモアを交えながら逆に質問したり、反論したりしてすべて直接解答します。いわく、

「『貴重なご意見たまわりました』と生真面目にやったら(株主)が昼寝して終わる。株主との距離をぐっと縮めることも総会の意義だ」

2016年の世界経営者会議で登壇した永守さんを拝見しました。そのとき、

「私は2030年までやります。これはホラではなく約束します。『出来る』と信じて疑わないから。真田丸のお兄ちゃんも90歳まで生きた。ワシ、人間ドックで48歳なんで。気力と体力があれば事業は儲かる」

と言っていました。有言実行の永守さん。あと12年はやっていただけるものと信じています。

日本の経済のためにも、永守さんにはもっともっと活躍していただきたいですね。

 

 

 

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トップは、完全原稿がないと話せない?

ある社内広報担当の方から聞いた話しです。
社内イベントを、ある事業部の課長と企画していた時のこと。

課長「そうだ。冒頭で数分、A常務に話してもらおう」
広報「A常務は完全原稿を用意しないと話さないですよ」
課長「そんなのあり得ないよ。トップは自分の言葉を持っている。話せるよ」
広報「…じゃぁ、もし原稿が必要になったら、お願いしますね」
課長「まぁ、そうなったら、ね。あり得ないけど」

そして二人でA常務に数分のスピーチをお願いに行きました。

A常務「話してもいいよ。で、スピーチ原稿は?」

結局、課長は「あり得ないよ、これ」と言いながら、スピーチの完全原稿を作りました。

しかし本番では、A常務は原稿はほとんど見ずに、自分の言葉で話したのだそうです。

責任範囲が大きい常務ともなれば、事業全体の中で、個別事業の位置づけや意味づけはちゃんと把握できています。一方で常務ともなれば、多くの事業を見ているので細かいレベルまでは把握できていません。だから何も資料がないと困ってしまうのです。

本当に必要なのは、ポイントとなる言葉を書いた箇条書きのメモ程度の参考資料です。
A常務は、完全原稿を用意させた上で、自分なりの言葉に置き換えて話したのです。

しかし現実には、A常務のように完全原稿を消化して、自分の言葉に置き換えて話せるトップは稀です。
実は完全原稿をそのまま読み上げると、どうしても「借り物の言葉」になってしまい、パッションが聞き手に伝わらないので、消化不良になってしまいます。A常務はそのことがわかっていたのでしょう。

ですので、広報担当者がトッププレゼンの準備をする際には、完全原稿ではなく、ポイントの箇条書きだけを用意して、あとはトップの言葉で話してもらうように習慣づけていきたいものです。

 

 

 

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