羽生選手は、物語で人を動かす

 

羽生結弦選手の演技、深みがあって素晴らしかったですね。以前より、羽生選手の会見やインタビューにおけるプレゼン能力の高さには注目してました。

昨日発売の「週刊朝日」で、このテーマで取材を受けました。(p.157です)

羽生選手は”何を語るか”を周到に準備しています。これはビジネスのプレゼンでも参考になります。

羽生選手は、「王者になる」「アクセルは王様のジャンプ」「僕は勝ちたい」といった、羽生選手の生き様や哲学とか反映された「羽生語」を持っています。

これはトップでも同じです。
たとえば日本電産・永守重信会長の場合は、「千切り経営」「家計簿経営」「井戸掘り経営」。
あちこちで繰り返し話すことで、訴求力が高まり、注目されていきます。

羽生選手は、さらに物語を語る高い能力も持っています。自分の言葉で「自分の物語」を人に伝え、人を動かす。リーダーとして大事な資質です。羽生選手が将来その資質を活かせば、引退後も世界的に影響力のある存在になっていくと思います。

本選の陰陽師をイメージする演出も羽生選手らしく素晴らしかったのですが、予選ショートプログラムの演技も羽生選手の良い面を引き出しており秀逸でした。

羽生選手の資質と音楽の内容が、完全に一致しているからです。

音楽は、ショパン作曲、バラード第1番 ト短調 作品23でした。バラードとは「物語」という意味です。映画「戦場のピアニスト」でも、主人公のピアニスト(ユダヤ系ポーランド人)は、ドイツ軍将校の前でこのバラード第一番を弾き、その音楽に感動した将校により命を助けられます。

人は、物語で動く

それがプレゼンの神髄なのです。

 

 

 

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