ブログ「次世代トッププレゼン」

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口を開けすぎない方が良い声が出る理由

 

「発声のときは大きく口を開けましょう」とはよく言われることです。

しかし、本来は、口を開けない方が声はよく響きます。

なぜなのでしょうか?

あまり口の前を開けすぎると、せっかく良い声を出していても、音の響きが拡散してしまうのです。

ある程度口の前は閉じて、口の中を開けている方が、響きが集まってよく響きます。

よく響くホールや教会は天井が高いですね。口の中も同じと考えてください。いかに口の中を開けるかというほうが大切です。良い声の人は、口の中で音を共鳴させて音を響かせることをしています。

例えばクラシックの歌手は、大きなホールでもたいていマイクなしで歌いますが、野外劇場の場合はマイクを使うことがあります。それは音が散ってしまうからです。

コツは「お」と発声する口を維持することです。「お」の母音は、アゴが下がり、口の中だけが開きやすいからです。
そのために、簡単なトレーニング方法があります。

「1分間ロングトーン」

ロングトーンとは、音を同じ音で伸ばすことを言います。
「mo~」と1分間のばすだけです。
途中で息継ぎをしてもいいので、1分間伸ばし続けます。

口の中が開いて、声も良くなってきます。

誰でも伝わるプレゼン構成のコツ

 

「子供たちにプレゼンする機会が多いのですが、子供でも伝わるコツってありますか?」

3月27日、ITmediaエグゼクティブ様講演の質疑応答で、このような良いご質問いただきました。

解決策は、結論から先に話すことです。

ありがちなのが時系列でお話しすることです。

時系列は話しが長くなりがちで、聴き手は「要は何なのかな?」と思って退屈してしまいます。結局、話しが伝わりません。ですので、ぜひ結論から話してください。冒頭で意図が明確になり聴き手は「聞いてみたい」という姿勢が瞬時にできあがり、話し手も話しやすくなります。

多くのプレゼンは「起承転結」で話しています。
もし多くのプレゼンを「桃太郎」に例えると、よくあるパターンはこうなります。

【起】桃から生まれた桃太郎が大きく育った
【承】村人は鬼ヶ島の鬼にいじめられていた
【転】桃太郎は村娘と恋に落ちたが、心機一転
【結】桃太郎は手下を従え、鬼をやっつけた

特に注意いただきたいのが【転】「桃太郎は村娘と恋に落ちたが、心機一転」の部分です。
もし映画や小説だと美味しいところです。ついつい語りたくなってしまいますが、ここはお客さんにとってはノイズになりやすいのです。

勇気を持って【転】は外して、【結】【承】【起】で話します。

【結】桃太郎は手下を従え、鬼をやっつけた
【承】村人は鬼ヶ島の島の鬼にいじめられていた
【起】桃から生まれた桃太郎が大きく育った

【結】桃太郎は手下を従えて、鬼をやっつけた、から開始して良いのです。

聴き手はウルトラマンだと思いましょう。
ウルトラマンは3分が経過するとカラータイマーが切れて地球をオサラバしなければなりません。聴き手の集中力は、長くても3分しか持ちません。まず結論から入れば、聴き手は聞いてみようかなという姿勢が出来上がり、最後まで集中して聴いてもらえます。

もしビジネスならば、結論・主張から話し、「なぜならば…」と話していくと、聞いてもらえます。

現代のビジネスパーソンは忙しいものです。子供だけではなく、ビジネスでも同じような考え方が必要になると考えます。

 

プレゼンの出来が冒頭15秒で決まる理由

 

プレゼンは、スタートで出来の善し悪しが決まります。

映画や小説は、クライマックスは最後のほうに来るものですが、プレゼンだけは違います。

特に、最初の15秒はゴールデンタイムです。

出だしの15秒は、聴衆が一番興味と関心を持って見ているところです。
ここでしっかりとお客さんのお気持ちをつかんでおく必要があります。
すべってしまったり、つまらないことを話してしまい、一度離れてしまったお客さんの気持ちは二度と取り戻しがききません。

特に危険なのは、「自己紹介」「時事ネタ」「自慢話」の『3J』(スリージェイ)です。

ビジネス・プレゼンの聴衆が興味があるのはテーマです。話し手にはほとんど興味がありません。だから、できるだけ早くテーマに入ることです。他のことは後からゆっくり説明すればいいのです。

この事のことに気がついたきっかけは、2つあります。

1つ目は、「広報会議」さんの連載で、50人以上の社長さんのプレゼンを取材してきて、気がつきました。

最初の15秒が素晴らしいと、プレゼンの結果は確実に良いのです。

2つ目は相撲です。

相撲は、「立ち会い」で勝負がつきます。

お相撲さんは、何度も水を飲んだり、タオルで汗を拭いたり、身体を叩いたりしながら、時間をかけて気合を高めていき、立ち会いに集中します。それほど、立ち会いとは大事なものなのです。

プレゼンも、話す内容を深く考え抜き、本番当日は集中力と気持ちを高めて冒頭15秒に臨みたいものですね。

 

プレゼンで楽に良い声を出す方法

 

「プレゼンで頑張ると、喉が疲れたり声がかすれて困っています」
先日、講演会の後にこんなご質問をいただきました。

「いざ、プレゼン本番」となれば、誰でも喉で頑張ってしまうものです。じつは、発声は喉でするものではありません。

元Jリーガーでサッカー解説者のNさんに、ボイストレーニングをお伝えするラジオ番組に出演したことがありました。

そのとき、下腹のへそ下9センチの場所にある「丹田」という場所を張りながら発声する練習をしました。

そうすると、Nさんは、

「サッカーのシュートを打つときも同じですね」

とおっしゃいました。

「シュートをうつときは、ボクは【内臓を張る】というのですが、下腹を張るように子ども達のサッカーで教えています。リラックスしながら力が発揮できるからです。」

サッカーでも、いざシュートを打とうとすると力みがきて失敗しやすいのだそうです。しかし、丹田を張ることで余分な力が抜け、パワーが発揮できるのです。

声を出すときも、丹田をはることで喉に力みがなくなり、良い声が出るようになります。

例えば、酒屋さんが腰の低い位置でしっかりと前掛けを縛っているのを見たことがあります。重い酒瓶を運ぶときに、下腹を張って丹田に力が入りやすくしているのだそうです。
引っ越し屋さんも、重い荷物を運ぶとき息をはきながら「ふんっ」と持ち上げますが、お腹はへこんでいません。

私は、最初なかなか丹田をはりながら発声することができませんでした。そこで、カフェ・エプロンをぎゅーっとまきながら練習しました。エプロンの圧力を押し返すように下腹をはって発声することで喉の力みがとれて声が良くなるのです。

ぜひ皆さんも下腹を張るようにしてみてください。喉が楽になるはずです。

 

ボタンダウンシャツでスーツを着てはいけない

 

これまで数多くのプレゼンを取材してきて、トップのファッションでとても気になっていることがあります。

それは、正式な場のプレゼンにもかかわらず、スーツにボタンダウンを合わせる方が多いことです。

ボタンダウンシャツはポロ競技に使われるようになって広まったシャツです。もともとはスポーツ用です。一般ではカジュアルな場面で着るものとされています。

ビジネスマンでもスーツにボタンダウンを着る方がいますが、スーツにネクタイでは合わせないのがルールです。こんなちぐはぐな格好をするくらいなら、スーツではなく会社のユニフォームの方が断然潔く見えると思います。ホンダの八郷社長が、たまに作業着でメディアの前に出られることがありますが、とても格好良く見えます。

(ボタンダウンではドゥエボットーニという襟の高いシャツがあり、これは正式な場でもOKとされています)

スーツに合わせるなら、ごく普通のYシャツを着ればまったく問題ありません。

正式なプレゼンをスーツで臨まれるとき、どんなシャツを着るか確認してみてください。