口ベタでもプレゼンが上達する方法」

「口ベタでプレゼンが苦手なので、できれば上手になってからプレゼンしたいんです」

このようにおっしゃる方がいらっしゃいました。
「上手になってからプレゼン」と言っていると、いつまで経ってもプレゼンはできません。
人が成長するために必要なのは、アウトプットして、結果から学ぶこと。
プレゼンも本番を経験することで上達します

プレゼンで聴き手の反応がわかります。その反応を元に「どうすればもっと良くなるか」もわかるのです。

他人の考えや頭の中は、絶対にわかりませんよね。でもアウトプットすれば、他人の反応が見えます。こうして自分が知らないことがわかります。知らないことを知ることが、自分の限界を超える助けとなり、成長につながります。

たとえば、営業のプレゼン。Aさんはプレゼンしたのに上手く契約がとれませんでした。
「なぜ上手くいかなかったのか」と振り返ってみて「お客さんが『困っているのはソレじゃないんだよね』って言ってたなぁ。そうか、聴き手の課題が把握できていなかったんだ」ということにAさんは気がつきました。Aさんは「顧客の悩みをまず理解しなければ」という学びを得ました。次からは、顧客のところに行く回数を増やし、顧客とコミュニケーションをとることで、顧客の悩みをまず理解して、それを解決するプレゼンを心がけるようにできます。

この場合、Aさんの失敗の原因は「プレゼンが下手だったから」ではありませんよね。
「顧客の悩みを把握できていなかった」ということです。

「上手になってからプレゼン」と考えてハウツー本を読んでプレゼンの練習をしていたら、こんなことには気付きません。
まずアウトプットして、そこから学ぶ方が学びも大きいのです。

教育理論家のデービッド・コルブは、この営業のようなサイクルを「一度だけではなく何度も循環させることが成長を促進する」と言います。これがコルブの「経験学習サイクル」といわれるものです。

プレゼンが上手になるための第一歩は、まず思い切ってプレゼンしてしまうことが大事なのです。

2022/04/26 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

オンラインは1〜2万円の投資で、圧倒的に好感度を高くできる

「どうもオンラインでのプレゼンが苦手で…」
「対面じゃないと伝わらないのでは?」

こんなお悩みを抱える方は多くおられます。
しかしこのわずか1〜2年で、オンラインでのコミュニケーションが出来ないと、ビジネス自体が成り立たなくなりました。

「いやいや、コロナが落ち着けば必ず対面に戻るはずだ」
こう信じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし人は一度便利なものを知ってしまうと、もう戻れないものなのです。
たとえば普段スマホを使っているあなたは、以前のガラケーに戻りたいと思うでしょうか?
iPhoneが普及し始めると、それまで「ガラケーでいい」と言っていた人も使うようになりましたよね。iPhoneのように便利なものを知ると、人はiPhone以前の世界には戻れなくなるのです。

オンラインも同じです。オンラインは便利です。いつでもどこでも打ち合わせできます。一度この利便性を知ってしまうと、わざわざ時間をかけて移動して会議をしたいと思わなくなってしまうのです。

オンラインのもう一つの良い点があります。
意外なことかも知れませんが、工夫次第でリアルよりも好感度を高めることができるのです。

現実には、オンラインの印象を良くしようと努力している方は多くありません。
「画面上の顔が暗くて怖い」「声が聞き取り難い」「顔が画面の半分しか出ていない」といった要素は、相手にストレスをかけてしまいます。

そこで、オンライン機材に投資することをおススメします。
オンライン専用の照明器具はリアルより顔映りを良くしてくれます。専用マイクで、異次元の声質に品質アップします。
しかも、全部合わせても1〜2万円程度の投資で、別世界のクオリティになるのです。

いくらオンラインで話す練習をしても、顔が暗く、声が途切れているようでは、印象は悪くなる一方です。

他の人がオンライン機材に投資していない今、投資を行えば、差別化することもできます。
オンラインコミュニケーションは今後なくなることはありません。だから投資はムダになりません。

この機会に検討してみてはいかがでしょうか。

2022/04/19 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

プレジデントウーマンに特集記事掲載いただきました

3月28発売の「プレジデントWOMAN プレミア 2022年春号」に、特集記事を掲載いただきました。タイトルは下記です。

「実は、オンラインもリアルもアガりやすい人が強いんです
 いつもの緊張を魅力に変える魔法のプレゼン技」

こう思っている方、多いと思います。
「緊張するのは悪いこと。だから緊張を無くさないと」

じつは緊張は脳のリミッターを外して最高のパフォーマンスを発揮させようとするすごい武器なのです。

「今から勝負!」と思うと交感神経が活性化し、アドレナリンが出て心臓がドキドキします。これは脳が無意識にリミッターを外し、能力以上のものを出そうとする合図なんです。

この能力のおかげで、私たちの祖先は敵や獣と闘って打ち勝つことができたのです。

最近、大学院の講義で元有名プロ野球選手がゲスト講師に来て、お話をうかがったことがありました。
私が「ここ一番で緊張しますか?」と質問したところ、こうおっしゃっていました。

「凄く緊張します。でも緊張しなくなったら、それはプロを辞めるときです。緊張は結果を出すために必要なものなので、受け容れています」

皆さんも、プレゼンで「緊張してきたな」と感じたら、それは戦闘準備が完了した、ということです。
緊張しているときは、高性能のレーシングカーが最高の状態に仕上がっているのと同じ状態なのです。

まずは冒頭はムリせず落ち着いて開始してください。

極度に緊張していても、最初の数分をしのいでいけば、その後はリズムに乗ることができて、良い結果を出すことができます。

ご興味ある方は、ぜひ雑誌記事でご覧下さいね。

2022/03/29 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

株式会社不識庵に顧問として参画いたします

7月1日より、株式会社不識庵に顧問として参画することになりました。

不識庵は、大手企業の経営幹部の皆様が、深い見識を持った尊敬されるグローバル経営者として世界で活躍できるように、リベラルアーツを学ぶ環境をご提供することをミッションとする研修機関です。

今回、不識庵CEOの中谷巌先生(一橋大学名誉教授・元多摩大学長)よりお誘いいただき、この不識庵に参画することになりました。

私は、今年3月に明治大学大学院を修了しました。
大学院での修士論文のテーマは、すべての大人が年齢を重ねても成長し、変容することができることを明らかにしたものです。

人が成長し変容するためには、人間の内面の深い部分にまで掘り下げた根源的な人間形成が必要となります。そのためには哲学が重要な役割を果たします。しかし現代では残念ながら、哲学は薄められて軽視されているのが現状です。「本来は、経営科学と経営哲学の両輪がかみあって初めて充実した経営学を作り上げることができるのではないか」という問題意識を持って修士論文を書き上げました。

今後も日本の社会を背負って立つ経営人材の「変容」をご支援するために尽力して参りたいと思います。
皆さま、ご支援いただけましたらば幸いです。

なお、これまで行ってきました経営者や経営幹部に向けてのプレゼンテーション力強化「トッププレゼンコンサルティング」のお仕事は継続していきます。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

2021/07/07 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

緊張しても話せる面接対策セミナーに登壇しました

4月16日(金)、マスメディアン様主催のセミナーに講師として登壇しました。
139名の方々にご参加いただきました。有り難うございます。

テーマは「記者会見コンサルタントが伝える 緊張しても話せる面接対策セミナー」でした。

面接って緊張しますよね。でも大事な面接は人生の重要局面ですから、緊張するなという方が無理というものです。
ただ、その緊張のために、本当に伝えるべき内容が、伝わっていないのは残念なことですよね。

緊張とは、能力以上のものを引き出そうとする、DNAに組み込まれた、人間に生まれつき備わった力です。打ち消そうとすればするほど上手くいかなくなります。そのために「緊張の活かし方」を知る必要があります。

セミナーでは、面接で緊張して力が発揮できなくて残念な思いをしている方々に向けて、緊張を活かすための方法をお伝えしました。

下記に受講してくださった方々からの感想の一部をご紹介します。

「このようなメソッドはどうせできないと敬遠してしまいがちでしたが、講師の永井さんご本人がその技術を体現されており、心に響くセミナーでした。自己を分析して自分に適したスタイルを強化していきたいと思います。書籍も購入してみたいと思います!」

「コミュニケーションは得意で自信はありましたが、面接で落ちることもあり、少し悩んでいました。今回のセミナーで実は私も緊張していたんだ、とハッと気付かされました。マトリックスでわかりやすく解説してくださり、今後の改善点を見つけることができました。社会人になっても、永井先生の講義を思い出しながら緊張感を持って生きていきたいです。本日は貴重なお時間をありがとうございました。」

「緊張のメカニズムや、明日から実践できる改善方法などわかりやすい言葉で教えてくださりました。ありがとうございました。」

「先日、説明会で急遽面接をすることになった時、緊張してしまって落ち込んでいました。ずっとそれを引きずっていたのですが、緊張を活かせなかったのだと言ってくださり、緊張することは悪いことではなく、客観的になって落ち着いていけば大丈夫なのだと安心することができました。悪代官、フクロウ、舌を鍛える方法を実践してみて、本当に笑いやすくなり、筋肉の緊張がほぐれたような気がしました。緊張を活かす方法を知ることができてよかったです。ありがとうございました!」

「本日は貴重なお時間をありがとうございます。ご教授いただいたテクニックによって、面接の不安が大きく和らぎました。本日の学びを今後の人生に活かしていこうと思います。」

「緊張するのはいいことであることが知れて、ポジティブになれた。また、自分はおそらくパッション型だと思うので、緩急を意識しようと思った。

皆さま、たくさんのご感想をいただきまして本当にありがとうございました。

2021/04/17 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

プレゼンでハスキーボイスを武器にする方法

「ハスキーボイスで声に自信が無いんです」

そんなご相談を受けることがよくあります。

「夕方になると声がしゃがれてしまって・・・」とおっしゃる方もいます。一日声を出すと声帯が疲労してしまい、声帯がしっかり閉じなくなって息が漏れやすくなり、ハスキーボイスになります。水分不足のこともあります。こういう方は、少し休めばすぐに元の声に戻ることが出来ます。

でも、常にハスキーボイスの方も多くいらっしゃいます。ハスキーボイスの原因は、喫煙をしていたり、アルコール度数の高いお酒を頻繁に飲んでその後にカラオケをやっていたり、幼い頃兄弟が多かったり、野球などの大声を出すスポーツをやっていた経験が長かった方など、また、八百屋さんのように一日中喉を締めて声を出していることが長い年月続いた場合などです。

ただ、ハスキーボイスの個性的な声はプレゼンにおいては大きな武器になります。一概にコンプレックスを感じる必要はありません。

ハスキーボイスは、情緒的な感情が伝わりやすいのが強みです。例えば森進一さん、桑田佳祐さんなどが典型的なハスキーボイスとなります。

ただ、使い方が難しいのです。声が響かないためカリスマ性が出しにくいですし、普通に話すと声に芯が無く、弱々しい印象になり、大事な内容が素通りして聴き手が聞き逃してしまうこともあります。

使いこなすポイントは、息のスピードや量です。息を多めに吸って横隔膜を使って声を出せば、独特の情緒と迫力が出て、他の人は真似できない高い次元のカリスマ性が発揮されるようになります。

先日、三井不動産・菰田正信社長の会見を取材してきました。

菰田社長は、典型的なハスキーボイスの方です。ハスキーボイスが柔らかい雰囲気を演出していて、質疑応答でも鋭い質問を上手にかわしていたのが印象的でした。
もしご興味ありましたら、広報会議11月号をご覧下さい。

 

「広報会議 11月号」
日本橋に青空を蘇らせる 中長期を見据える強い意志

2019/10/02 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

良い声を出そうとすると、良い声が出せない理由

人は、良い声を求めようとすればするほど、良い声とはかけ離れていきます。

それは「声は喉で出すもの」という常識から逃れられないからだと思います。

人の心を揺り動かすような良い声、つまり、話し手の心を伝えるような声は、喉ではなく、横隔膜を使うことが重要ポイントとなります。

横隔膜がしっかり使える条件として、発声しているときに「へそ下9センチの場所にある『丹田』を張っていること」があげられます。

通常、発声して息をはけば、丹田は緩んでいきます。しかし、そこをなんとか抵抗して、張ったまま発声するのです。

よく「この人は胆力がある」と言われます。この丹田が張っているときこそ、胆力は発揮できるのです。

声も同じです。丹田が張って、横隔膜が使いやすくなっているときこそ、どんな人でも声は自然に充実してくるものなのです。横隔膜によって、誰でも潜在的に眠っている良い声を呼び覚ますことができます。

しかし、気を抜いていると、丹田がから意識が外れてしまい喉を求め始め、ポイントが喉に向かって上に上がって行ってしまいます。それほど、人にとって「声は喉で出すもの」という呪縛から逃れにくいものだということを念頭においてください。

そこで本日は、喉から意識を外し、一発でポイントを下げて発声できるようになるスペシャルな方法をご紹介しましょう。
(この方法は、私自身が発声ポイントを下げたいときに必ず用いるトレーニング法です)

 

(1)「犬の呼吸」(ドギーブレス)→(2)「吠える」という方法が大変有効です。

(1)犬の呼吸を行う
【方法】犬が舌を出してハアハアしているときの呼吸をする。肋骨下あたりのお腹がぺこぺこ動いているのを確認する。

(2)動いている場所が分かったら、その場所で大型犬が吠えるように「ワン!」と吠える
【コツ】身体全体で吠えるようにすると上手にできます。上手くできない場合は「ウ〜、ウ〜(唸る)ウワン!」と吠えると横隔膜に入りやすい。人間であることを忘れるくらい、本物そっくりに吠えることができるようになるまで何回でも練習してください。

何度か吠えてから発声に戻ると、声の充実度が違うことに気が付くと思います。「ポイントが上がって喉で話していた」ということがすぐに確認できます。

 

2019/09/04 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

プレゼンのお客さんはあなたと違う声が聞こえている理由

「録画した自分の声が甲高くて、想像と違ってショックを受けた」

こんな経験ありませんか?

これには理由があります。

耳をふさいでいても自分の声は良く聴こえますよね。これは、声が声帯という身体に内蔵された楽器から音を出すため、骨を伝わって耳に届くためです。

これを「骨伝導」と言います。

一方、あなたの声を他人が聴く場合、空気の振動を伝わって届きます。

これを「気導音」と言います。

骨伝導で聞こえる声と、気導音で聞こえる声は、落差が生じています。
加えて、一般的には骨伝導で聞こえる声の方が、「良い声」に聞こえている場合が多いのです。

そのため、自分が確認できている声と録音から聞こえる声が違って聞こえてくるのです。
私も、初めて自分の声を録音したときは衝撃を受けました。

でも、よく考えると録音から聞こえてくる声が、他人が聞いている本当の自分の声です。

いつも録画をしていない方も、自分のプレゼンを録画してチェックしてみたいものですよね。

2019/05/15 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

新刊『緊張して話せるのは才能である』が発売されました

新刊『緊張して話せるのは才能である』発売されました。

「プレゼンで緊張する。克服したい」とご相談に来る方がとても多くおられます。
でも緊張ってなくそうと思ってもなくせないものですよね。こんな方にお役に立てばと思って書きました。

・人前に出るだけであがる
・大事なプレゼンほど早口に
・質問されると頭が真っ白

でも、緊張の扱いが分かれば、思い通りに伝わるようになります。

アマゾンにも詳しく図などで内容を紹介いただいていますので、よろしければご覧下さい。

【目次】

第1章 「緊張して話せません」 …緊張するのは、実は才能である
1 「緊張は悪いもの」という教えは間違っていた
2 緊張には理由があった
3 あなたが緊張するとき、聴き手は感動する

第2章 「どう話せばいいの? 」…緊張のトリセツ
1 魔の3分を乗り切れ
2 10回の練習より1回の録画
3 「鉄板ネタ」で魔の3分を乗り切る
4 冒頭15秒が、ゴールデンタイム
5 「緊張のピーク」最初の3分にするべきこと
6 5分~10分は、「気を抜かない」
7 リハーサルが下手でも、本番は成功する
8 ダメプレゼンをする人は、直前に資料を修正している
9 「オレ本番強いから」は99% 勘違い

第3章 「何を話せばいいの? 」…口下手でも、緊張しない人に勝てる方法
1 自分のタイプを見極めよ
2 話し上手に勝つ「バリュープロポジション」の考え方
3 ムリめな自分を演じると、結局、損をする
4 人はロジックでは動かない。感情で動く
5 人を動かすには、ホラを吹け
6 失敗談は成功談より100倍伝わる
column 羽生選手のプレゼンはどこがすごいの?

第4章 「じゃあどうすればいいの? 」…緊張で、聴き手の心
を動かす方法
1 息を2回吸えば、大抵の問題は解決する
2 記憶に残り、人が動く五つの技法/濁点法/ 一本指話法/ 悪代官スペシャル/モラウ法/テーマ反復法
3 顔を覚えてもらうには、いつも同じメガネで
column あなたの癖「女子揺れ」に気がついていますか?

第5章 「でも質問、怖いです」緊張しても、困った質問は
切り抜けられる
1 あなたの本気度は、質疑応答が伝えてくれる
2 あらゆる困った質問に対応できる五つのマジックフレーズ
「良い質問です」/「あなたの話が聞きたい」/オウム返し/「勉強不足なのですが」/「もう少し状況を教えてください」
3 質疑応答は得意技で切り抜けよう
column まずは宴会の挨拶から自分の言葉で話してみよう

 

2019/02/18 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

「声が小さい」という悩みは、誰でも解決できる

広報の方から、こんなご相談をいただきました。

「うちのトップ、声が小さいんですよね。この前も、会場の後ろにいたメディアから”声が聞こえないよ〜”と注意をいただいて、手持ちマイクに変えたんですが、それでも聞こえにくいみたいで…」

聞こえにくいのは、「声が小さい」からだけではありません。
本当の問題を解決しないと、高性能のマイクを変えても効果はありません。

2017年8月30日に行われた、P&Gジャパンの「『ジェルボール3D』発表会イベント」で2年前に社長に就任したスタニスラブ・ベセラさんのプレゼンを取材に行ってきたときのことです。

プレゼンが始まって驚きました。耳元の同時通訳の声にベセラさんの声がかぶってしまって聞き取り難いのです。急いで同時通訳レシーバーの音量を上げたのですが、それでもベセラさんの声は負けませんでした。

ベセラさんは、ただ声量があるだけではく、通訳の声質を上まわる響きの持ち主なのです。
たとえて言うならテノール歌手。

良いプレゼンとは何でしょうか。それは、良く言われる「強い言葉選び」「論理的構成力」「驚きを与えるコンテンツ」ではありません。

人の心を揺さぶる、深く響く声なのです。
この圧倒的な声の前には、どんな小細工をしようともかなわないのです。

でも、「うちのトップが『テノール歌手』なんて、無理…」と思うかもしれませんね。
大丈夫です。誰でも二つのポイントを押さえれば、この声を出せます。

 

一つ目は、横隔膜です。

横隔膜とは、肺の下にあって呼吸で使う筋肉です。横隔膜を使うには、息を十分に吸い、発声の際にはおへその下9㎝の場所にある丹田を張るようにします。

初心者が横隔膜を意識するためのちょっとしたコツがあります。しゃべっているときは常に両手をベルトより上に置いみましょう。姿勢が良くなり、横隔膜が使いやすくなります。ベセラさんは、常にテノール歌手のように手を上に上げていて、意味なく両手をぶらりとさげている瞬間はありませんでした。

 

二つ目は、口の開け方です。

これは、ただ口を大きく開ければ良いということではありません。口の中の空間を保つことが大事なのです。口の中は、響きの良いホールや教会のようなもの。口の中が良く開いている人は声が響くのです。そのためには、あごを下げ、舌を下げることです。あごだけ下げていても舌が邪魔をしてしまうと声は響かなくなります。

初心者が口を開けやすくするコツがあります。それは、常に口の中にゆで卵を入れているような状態にすること。見た目は魚の「ハコフグ」のような感じになります。テノール歌手が良い声を出しているときの顔はやはり「ハコフグ」のようになっています。「歌顔」と言われている表情です。
ベセラさんもしゃべっているときは、「ハコフグ」のような表情をしていました。

口の中が十分に空間がとれていて、横隔膜を使って息を流すようにすれば、声は響くようになるのです。

ベセラさんは、これらの技術を極めて、世界に通用するレベルのプレゼン技術を持っていました。
しかし誰でも、練習次第である程度まではレベルアップできます。

今回、ベセラさんがどのようにしてプレゼンをしたのか、「広報会議 11月号」に更に詳しく書かれています。
もしご興味ある方はご覧ください。

 

 

■当コラムは、毎週メルマガでお届けしています。ご登録はこちらへ。

Facebookページで「いいね」すると、さらに色々な情報がご覧になれます。

2017/10/04 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

滑舌が悪い人でも「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言える方法

「ほんじつぁごへえ…ごへえとう…ん?…ごせいとう…あ?」

プレゼン最後の締めくくりに「本日はご清聴ありがとうございました」が言えなくて、何度も言い直してしまったトップ。挨拶もそこそこに足早に帰って行かれて気の毒になってしまいました。

こういうとき大抵の人は、「今日はなんだか滑舌の調子が悪いなぁ」と思ってしまいがちですが、違います。

これは滑舌の調子の良い・悪いとは関係はありません。原因はたった一つ。早口になっているだけです。

人前で緊張するのは当たり前のことです。興奮すれば、心臓がドキドキするのと同じで、気がつかないうちにいつもより呼吸も浅くなり、早口になっているものです。

ためしに本番で、「今日はできるかぎりゆっくり話そう」と心がけた上で、プレゼンを録画してみるとわかります。自分としてはゆっくり話していても、後で動画再生して見ると、「え?こんなに早口になるの?」と驚かれるはずです。これは本番特有の現象で、事前のリハーサルではこういうことはあまり起こりません。はやり本番は緊張して、誰でも無意識に早くなるものなのです。

だから本番では、普段はスラスラ言えているようなことさえ言えなくなってしまうのです。

では、どうするか?

「あり得ないくらい」ゆっくり話せば滑舌の問題はほとんど解決します。

さて今日は、滑舌のためにもう一つ大事なコツをお伝えいたしましょう。

 言葉を区切る

どんなに難しい言葉でも、区切って言うと確実に言えるようになります。「この言葉ちょっと危険だなあ」と思ったら、区切った間合いの後、分からない程度に小さくアクセントをつけると更に確実です。

例えば冒頭の文章だと、息をしっかり吸い、ゆっくりと話し、

「本日は(間)、ご(微妙な間)清聴(間)、ありがとう(間)、ございました」

のように、言葉を少し区切って、間合いの後の「ご」、「せ」、「あ」、「ご」に、小さくアクセントをつけると絶対に失敗しません。少しずつ間合いを短くして、間合いに気がつかれないようにしていければ完璧です。

この方法であれば「きゃりーぱみゅぱみゅ」も怖くありません。

「きゃりーぱ(間)、みゅぱ(間)、みゅ」

このように発音すれば、どんなに滑舌が悪い人でも、「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言えるようになります。

試しにこのメールを見ながら発音してみて、できれば録画もして確認してみてくださいね。

 

 

■当コラムは、毎週メルマガでお届けしています。ご登録はこちらへ。

2017/06/28 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

「良い声を求めると声は逃げていく」 潜在的に眠っている声を呼び覚ますスペシャル法

声を良くするためのノウハウをお伝えしているのにもかかわらず、あえて逆のことを言います。

人は良い声を求めようとすればするほど、良い声とはかけ離れていきます。

人は、声を求めようとすると無意識にポイントが上へ上へ上がってきてしまうからです。

それは「声=喉」という常識から逃れられないからでしょう。
「良い声を求めると声は逃げていく」 潜在的に眠っている声を呼び覚ますスペシャル法
良い声を出そうと思えば、一にも二にも横隔膜。
横隔膜を使えている感覚をどこまで身につけられるかにかかっています。
他の細かいことは、それほどやらなくても良いと言い切れます。

しかし
「横隔膜を使えているかどうか分からない。」
という方、とても多いと思います。

そこで、あえて横隔膜は意識から外してみましょう。

横隔膜がしっかり使える条件として、発声しているとき「へそ下9センチの場所にある『丹田』という場所が張っていること」があげられます。

普通、意識しなければ、発声して息をはいているとき、下腹はへこんでいきます。
そこを、なんとか抵抗して張ったまま発声するのです。

よく「この人は胆力がある」と言われますね。
この丹田が張っているときこそ、胆力は発揮できます。

声も同じです。
丹田が張って、横隔膜が使いやすくなっているときこそ、どんな人でも声は自然に充実してくるものなのです。
横隔膜によって、皆さんの潜在的に眠っている良い声を呼び覚ますことができるのです。

ただ、横隔膜は、発声のポイントを下げたままにしておくことが大切です。

私も何年もボイストレーニングを行っていますが、やはり気を抜いていると、声を求め始め、ポイントが下腹からどんどん喉に向かって上に上がって行ってしまいます。それほど、人にとって「声=喉」という呪縛から逃れにくいものということを念頭においてください。

こういうときに、喉から意識を外し、一発でポイントを下げて、身体から発声できるようになるスペシャルな方法を何通りか持っています。
そのうちの一つをご紹介しましょう。

「犬の呼吸」→「吠える」という方法が大変有効です。

(1)犬の呼吸を行う
【方法】犬が夏舌を出してハアハアしているときの呼吸をする。肋骨下あたりのお腹がぺこぺこ動いているのを確認する。

(2)動いている場所が分かったら、その場所で、大型犬が吠えるように「ワン!」と吠える。
【コツ】腰のあたりから突き上げるように吠えると上手にできる。「ウ〜、ウ〜(唸る)ウワン!」とすると横隔膜に入りやすい。人間であることを忘れるくらい、本物そっくりに吠えることができるようになるまで何回でも練習してください。

何度か吠えてから、また発声や歌に戻ると全然声の充実度が違い驚きます。
「やっぱり喉に行っていた。ポイントが上がりすぎていたな。」
ということがすぐに確認できます。

2015/06/02 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

滑舌は横隔膜を鍛えることで良くなる

「滑舌がよくない」と気になる方は多く、滑舌を鍛えるために、早口言葉の練習をする方も多いようです。

ところが、せっかく早口言葉の訓練をしたとしても、横隔膜が使えていないと滑舌が良く聞こえるようになりません。

滑舌は主に、子音のさばき方が良いかどうかにかかっています。
子音のさばきは主に横隔膜によって行います。

特に難しいのはハ行。
ハ行はとてもやりにくいものです。

[h]は、他の子音のようにひっかかりがないぶん、横隔膜を特に強く使わなければ発音できないからです。
ただ口先だけで発音していても、流されて聞こえなくなってしまいます。

日本語で「花が散る」と言うのを、[h]が上手く入らないと「穴が散る」と聞こえ、意味が分からなくなります。

日本語だけではありません。
例えばドイツ語の「Herz」(心)。
これも、[h]が横隔膜によってしっかり息を流して発音しなければ正しく聞こえてきません。
(例外もありフランスは[h]を言いません)

ハ行は、横隔膜で息を支えながら時間を操作して発音します。
よっぽど身体(横隔膜)を鍛えていなければ、聞こえないものなのです。

他には、母音を抜いて、息を通しながら発音する[p][t][k][f][s]などの破裂音・摩擦音。「無声音」ともいわれます。
これらのものも、口の中にしっかりと息を通して発音します。

滑舌は、横隔膜を鍛えることによって良くなります。
後は、
①シンプルに口を開ける
②舌を奥に入れないこと
に気をつけてください。

横隔膜を鍛える簡単なトレーニング方法を一つご紹介しましょう。

★★★ 横隔膜ブレス ★★★

(1)横隔膜があるあたり、あばら骨すぐ下(おへそと一番下のあばら骨の間)のお腹に手の平を当てる

ポイント:横隔膜意識のために手を当てます。横隔膜はインナーマッスルで動きます。筋力トレーニングのときに筋肉をつけたい部分を意識すると筋肉の付きが早いですね。それと同じ理論です。

(2)顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う

ポイント:このとき肩が上がらないように。お腹が張る感じを手で確認すること。

(3)口を閉じ、頬と鼻の下をぱんぱんに膨らましながら、唇に針一本通るくらいの隙間を開け、チューブにあいた小さな穴から空気がもれるように、圧をかけながら5秒間息をはく。

ポイント:口の前にティッシューをかざすと簡単に吹き飛ぶくらいの呼気です。ここで大事なのは、横隔膜が張っている(支えている)感じを意識することです。腹圧が高まります。

(4)息をはききったら、再び口を開けて1から繰り返す。

ポイント:息をはき切ると慌てて息を吸い込みたくなりますが、それは我慢してゆっくりと大きく吸うこと。慌てると余分なところに力みがきます。
繰り返すと「頭が白くなる」方がいますが、その場合吸う息が足りません。
そうは言っても楽なトレーニングではありませんので、少しキツいくらいが正解です。

(5)これを10回繰り返します。1ヶ月継続すると横隔膜が鍛えられ、滑舌がよくなり、声も通るようになります。

2015/05/02 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika