ブログ「次世代トッププレゼン」
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共感を得るプレゼンにする方法
「共感を得るプレゼンをしたいのですが、どうすればよいでしょうか」
こんな質問を受けることがあります。
「聴き手の興味・関心に合わせればいい」と考えがちですよね。
でも話し手が「聴き手が聴きたいのはコレだ」と思っても、ズレてしまうことも多いものです。
プレゼンの聴き手のほとんどは、それほど会ったことのない方々。聴き手が心から共感するものは何かをある程度予測できるかもしれませんが、確実ではありません。なかなか難しいものです。
そのような中でも「共感を得る」方法があります。
それは、自分の等身大の話をすること。
それも、出来れば自分の弱みを話すことです。
メディアや書籍でも活躍している立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんは、共感度の高い話をされる方です。たとえば、サラリーマン時代に片道切符の出向を命じられ不遇であったことなど、自然体で話す姿には共感を覚えます。
人は、他人の弱みに対して共感を覚えることが多いのです。
ニトリ・似鳥昭雄会長の日経新聞「私の履歴書」は人気でした。似鳥さんは過去の恥ずかしい体験などを包み隠さず公開していました。
自慢話は、逆に共感度が一気に下がります。
多くの方は、ご自身の弱みを話すことを躊躇します。
しかしどんな方にも、修羅場や挫折の経験を持つもの。
もし、共感を得るプレゼンにしたければ、ご自身の等身大の話を入れてみることをおすすめします。
「弱み」は、実はあなたの「強み」になるのです。
話し上手とは何か
今の社会は話の上手い人がもてはやされます。
内容が良くても「話し下手」だとお声がかからなくなることも多いですよね。
話し下手とは、「話している内容が伝わらない人」です。
これは、必ずしも表面的な技術のことだけではありません。
たとえば、学者が難しい言葉をいくら滑舌よく話しても、一般人にはなかなか理解されませんよね。
伝えたいことを相手が理解できる言葉で伝えることができれば、その人の知恵が相手に届き、はじめて社会の役に立つのです。
ただ「伝えたいこと」はわかりにくい場合も多いものです。
人気がある人は、難しいことでも人びとの生活の感度に合わせて話すことが出来ます。話し上手とはこんな人のことです。
たとえば学者の楠木 建さん。話し上手です。著書もベストセラーになり、メディアでも人気です。
実は真実を話すだけでは、相手に伝わらないのです。
「話すこと」は、エンタテインメントの一面もあります。
まず「話すことはエンタテインメント」と考えた上で、その合間に少しずつ真実をおりまぜながら話していくことで、人びとの心に残る話ができるようになると思います。
プレゼンも行動も待つことである
プレゼンで早口は良くないと言われています。
なぜなら、聴き手が意味を聞き取りにくくなるうえに、落ち着きがないという印象を与えてしまうからです。
しかし私は、ゆっくり話すことよりも、もっと高度であるのが「待つ」ことだと思います。
待つことができれば、もし早口だったとしても、聴き手の思考を促し、深い印象を残すことができると考えます。
これは一般的に言われている「間合い」のことだと思われるかもしれませんが、違います。
待つとは、何かを準備し、観察し、意味を深めることです。
具体的には、次に何を話すかを準備し、その言葉を観察することで吟味し、深みのある内容を話すことです。
多くの人は沈黙を恐れ、すぐに思い浮かんだことを話してしまいがちです。
待つ時間を上手く使える人は、奥行きのある話をすることができるので、人の心をつかむのです。
話だけではなく、行動も同じです。
内村鑑三は「代表的日本人」にて、西郷隆盛は待っていることの重要さを知っている人だと書いています。
しかしただ待っているだけではありません。
「大事なときには、機会は我々が作りださなければならない」と西郷は言っています。
待つことと、自ら積極的に行動することはセットなのです。
オンラインプレゼンで使う背景のコツ
「オンラインコミュニケーションの背景はどうすれば良いでしょうか?」 このような質問をいただくことがあります。
「あまり部屋を見せたくない」というのが本音かと思います。
なぜなら、部屋はそのひとのプライバシーが伝わってしまうからです。
最近は、背景写真を使う方が増えています。
しかし、注意しないと、顔が風景に溶けてしまいよく分からなくなってしまったり、背景写真が突然消えてしまうこともあります。そうなるとせっかく隠していた部屋が見えてしまいます。
背景を使うときはリハーサルしておきたいところです。
しかし、今回のおすすめは、隠すのではなく「部屋を見せてしまう」という方法です。
何を見せて何を見せないか、あらかじめ決めておいてカメラをセットします。
本をたくさん読む方は本棚を背景にすれば知的な印象を与えます。
アートが好きな方は、さりげなく好きな絵を背景にかざって並べておけば美意識の高さを伝えることができます。
スニーカーをコレクションしている人が、天井まである飾り棚一面に綺麗にスニーカーを並べていて驚いたことがあります。普段は知らなかったその人の一面を知ることができて強く印象に強く残りました。
南国の島の海の写真やサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジの写真からは伝わってこない人柄が感じられて好感度が上がりました。
伝えたい価値は何か、何を伝えて何を見せないか、を見極めて背景を見せることです。
つまり、その人の行動がコミュニケーション戦略となるのです。
せっかくのオンラインコミュニケーションです。
その強みを活かしてみることも大事なことだと思います。
オンラインでも表現伝達度をあげ主導権をとる方法
オンラインでは、対面と比較するとコミュニケーションがとりにくいという点が課題です。
とくに聴き手側から見ると、話し手の「表現伝達度」は感覚的なものですが3割減と考えられます。
なぜならスマホやパソコンの画面は機械を通すため、冷たい印象を与えてしまうからです。
加えて、資料が画面いっぱいに映し出されているプレゼンが淡々と続けば、話し手の顔が見えず聴き手とのコミュニケーションはさらに取りにくくなってしまいます。
冷たい印象を与えずにコミュニケーションを行いたい場合、ホワイトボードやフリップチャートを使うことをおすすめします。
ホワイトボードをカメラから映る位置に設置し、手書きで説明していくのです。
手書きをする姿を見せることでライブ感が出て、話し手の温もりが伝わります。
通常のパワーポイントをメインに、コミュニケーションをとりたいところでは手書きのホワイトボードに切り替えていく方法でもよいでしょう。
もしホワイトボードがなければ、事前に紙に手書きで書いたチャートや、その場で書いたメモをカメラ越しに見せれば、同じように熱量が伝わります。
ホワイトボードを使う際にもう一つ良い点があります。
それは、話し手がペンを持って書くことで、場の主導権を持つことができます。会議のときにも優位に進めやすくなります。Zoomのホワイトボード機能(有料)もありますが、「書いている姿を見せる」ことがこの場合大事です。
手書きは上手である必要はありません。
素朴なものでも十分迫力が伝わります。
オンラインで表現伝達度を上げて、コミュニケーション力をアップしたい方はぜひお試し下さい。