こういう時こそ重いトップの言葉。対応策は?

新型コロナの流行により、安倍総理を始め各トップの会見が続いています。

つい先日も東京での不要不急の集まりは自粛を、との発表がありました。

パンデミックの瀬戸際となっている中、なかなか終わりが見えません。
人はイライラが募り情報に対して過敏になっています。トップのちょっとした一言が原因でパニックや炎上が起こりやすくなります。

このような状況では、トップが発する一言の重みはさらに増していきます。

『貞観政要』では、リーダーが言葉と人徳の二つを立てることと書かれています。上に立つ人の言葉は、本人が思っているよりはるかに重いのです。

・・・(以下、引用)・・・

上に立つ人の言葉はとても重く、一度口にしたことは、簡単に取り消すことができません。
上の人が何気なくいった言葉であっても、下の者は深刻に受け止めます。
皇帝のように絶対的な権力を持つ人の場合、その言葉は法律とほぼ同じになるので、言葉を選び、よく考え、慎重に発言しなければなりません。
またいくら口がうまくても、人格が備わっていなければ、部下の信頼は得られません。
常に言行一致を心がけていないと、部下はついてきてくれないということです。

(「座右の書『貞観政要』」出口治明著より)

・・・(以上、引用)・・・

これは、国のトップだけでなく、企業のマネジャーも同じです。
いま、メッセージは十分に注意しなくてはならない最も厳しい状況と言えるでしょう。

とはいえ、慎重になりすぎて台本を棒読みしているようでは、自分ごとで話していると感じられず、聞き手のモチベーションを下げてしまい逆効果です

リーダーは、聞き手が「何を知りたいか」「どうしてもらいらいか」というニーズを考え抜き、「自分だからこそ話せる内容」を吟味することです。
内容を考えたら一度メモにまとめます。言葉に起こすことで、行き当たりばったりにならず、大事な内容を伝えきるためです。
そして、本番ではメモを見ずに話すことです。
十分に間合いをとって、腹の底からわき上がる言葉を待ち、「私は」と自分主語で話すことです。

こういうときだからこそリーダーのメッセージが大切です。たった一言で、聞き手が前向きな気持ちになってもらうことも可能なのです。