人事の専門家から、このようなアドバイスを受けたことがあります。
「永井さん、いい? 絶対一緒に仕事しちゃダメな人はね。
ウソをつく人だよ」
人を見ていると、「あー、ウソ言っちゃって言い逃れているなぁ」という人、いますよね。
なかには「そんな時は、ウソついちゃえばいいんですよ」と言ってくる人もいます。
しかしそういって他人にウソをつく人は、そのうち「自分もその人から同じことをされる」と覚悟しておくべきなのです。
アドバイスをくださった方は、「あなたもいつかこの人に足を引っ張られるから、そんな人とは一緒に仕事をしないほうがいいよ」ということを教えてくださったのですね。
実際に、自分の計画を有利に進めるために、一緒に仕事をしている人にウソの報告をしている人も見たことがあります。
厳しい状況に追い込まれたとき。あと一押しで夢がかないそうなとき。
ついつい情報を盛ったり改ざんしたくなってしまう気持ちも分からないではありません。
でも大抵のウソは、そのうちバレます。
そしてウソがばれると、計り知れない損失が生じます。
それは、仕事仲間の信頼を失うことです。
サミュエル・スマイルズは著書『自助論」で、「勤勉・実直な人はそれほど早く財を成すことはできないかもしれない。しかし何よりも守り通すのは誠実さである。品性はそれ自体がすぐれた財産。インチキせずに手に入れた成功こそ本物の成功である」と言っています。
不誠実な言動を重ねる人は、じつは本物の成功という大きな財産を失っているのです。
自分を必要以上に大きく見せようとするよりも、むしろ虚勢をはらず誠実な対応をする方が、相手に与える好感度が高いのです。