No.306 「パーパスは信頼性を上げる」麻生副総裁のプレゼン力

一昨日に岸田文雄首相が発表した内閣改造・自民党役員人事では、麻生太郎副総裁の続投も決まっていました。

麻生さんは元内閣総理大臣であり、安倍政権では戦後最長の財務大臣も務めた方ですが、無類のマンガ好きでも有名で政治に興味のない世代にも人気がありましたね。

麻生さんの政治的な方向性については賛否両論あるかと思いますが、コミュニケーションで学べる点が多く、私は以前より注目していました。

この麻生さんが議員として駆け出しだった38歳の時、路上で突撃取材を受けたときの動画があります。

記者から「どんな政治家になりたいですか」と聞かれて答えたのが下記のコメントです。

日本の方向を間違えないような政治家になりたい。いくら嫌われてもいい、石もて追われるがごとくなってもいいけど、国会議員として日本の方向を世界の中の日本という立場で間違えずにやりたい

38歳にしてすでに貫禄十分の話しぶり。現在の雰囲気とまった変わりません。

「政治家として日本のために戦う覚悟を固めてるって感じで格好いい」
「ズバッと忌憚なく答えてて今の若い政治家には感じられない気概がある」
「国のことを本気で考えてない人には嫌われてもいいなんて言葉は出てこない」
など、SNSでも好意的なコメントが多く見られました。

麻生さんの良い点は、政治家として駆け出しの頃に自ら定めていた「嫌われてもいい。日本の方向を間違えないような政治家になる」というパーパスを実践し続けていることです。

最近、8月に台湾を訪問した麻生さんは、中国が軍事的圧力を強めている中、「日本、台湾、アメリカをはじめとした有志国に強い抑止力を機能させる覚悟が求められている」とコメント。当然ながら中国側の反発や、与野党からも懸念の声が上がり、大きく話題になっていました。
関係筋によると、「外務省と相談した上での発言であり、岸田総理の口から言えないから麻生さんが言うべきだと判断した」とのことですが、岸田さんが言えない状況で「嫌われても自分が言う」という姿勢を首尾一貫していることが感じられました。

パーパスは企業が語るものと思われていますが、企業だけのものではありません。
個人が自らのパーパスを定め、語り続けることで、何を聞かれてもぶれることがなくなり、信頼性が上がります。

それは時に嫌われることもあるかも知れません。
しかしその首尾一貫している姿勢が、信頼を獲得するのです。
ぜひ、個人のパーパスを仕事の中で語ってみることをおすすめします。

2023/09/15 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika