岸田総理の記者会見から見る危機におけるリーダーの言葉

7月8日、安倍晋三元総理が奈良市内で街頭演説中に襲撃された直後、岸田総理が官邸で記者会見を行いました。

おそらく状況を突然知らされ、ご自身が大きなショックを受けた直後だったのではないでしょうか。

私自身でさえ、このニュースを聞いてショックを受け、仕事に手が付きませんでした。
まして、一緒に長年仕事をしてきた安倍さんの悲報です。
恐らく、意識不明で助からないという状況も聞かされているはずです。
会見では涙ぐんでいましたが、感情を抑えながらギリギリの精神状態で話しているのが伝わってきました。
一国の首相として会見しなければならない、究極の状況での会見だったと思います。

しかし見事に岸田さんは会見を終えました。

今回の会見のポイントは、一切憶測を交えず、あくまで知り得ていて、国民と共有できる事実に基づいて話していたことです。

・動機はまだ十分に把握されていないこと
・選挙中に行われた卑劣な蛮行であり、決して許せることでなく、最大限の厳しい言葉で非難すること。
・政府としてあらゆる場面を想定して万全の用意をすること
・現在、懸命の救命措置を行っていること

あらゆる質問に対し、首尾一貫してこの姿勢で臨んでいました。

「今後の政局について」や「戦前的な社会的状況では」という質問に対しても、
「まだ触れる状況ではない」という姿勢を貫きました。

涙を堪えながらの会見でしたが、見事にやりきったのはリーダーとしてあるべき姿です。
カンペを手にしていましたが、ほとんど見ずに、自分の内なる声を言葉にしていた点も素晴らしかったと思いました。

ここ数日、何か大事な物を失ったような喪失感を抱いています。
安倍さんのご冥福をお祈りいたします。

2022/07/13 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika