プレゼンで人を突き動かす方法

「話し下手だからスルーされちゃって伝わらないんですよね…」というお悩みを多く聞きます。

実はスルーされるのは最悪です。プレゼンの目的は、聴き手に何かを伝え、良い方向に行動を変えてもらうこと。この目的が達成できないからです。

しかし、話し下手でもスルーされない方法があります。

それは「誰もが共感する大義名分」から話し始めること。
つまり「Why」から話すべきなのです。
人は、「それをする意義は何か?」というWhy=大義名分や理念に共感します。

しかし現実には、ほとんどの人は「What」(製品・プロジェクト)や「How」(使い方・方法)しか語りません。
だからスルーされてしまうのです。

人々の心を突き動かす人たちは、必ずWhyを話しています。

低迷するソニーを復活させた前CEOの平井一夫さんは、「ソニーは方向性を失ってしまっている」と感じていました。
そこで「ソニーは『感動』を提供するために存在する。それが今のソニーが目指すべき姿だ」と考え、新しい時代のソニーが向かうべき方向性を示す言葉を「KANDO」(感動)という一言で言い表しました。
この「KANDO」こそが「ソニーはどのような大義や使命のために存在しているのか?」を語るWhyなのです。

平井さんは、世界中の拠点を回り、70回以上のタウンホールミーティングを行い、社員たちに「KANDO」を語りかけてきたと著書「ソニー再生」で述べています。

しかしWhyが語られていなければ、いくら話し方が上手でも人の行動は変わりません

「プレゼンがスルーされてしまう」とお悩みの方は、一度プレゼン資料を見直してみましょう。
あなたはWhyから語っていますか?

 

【参考文献】
サイモン・シネック『Whyから始めよ!』日本経済新聞出版社(2012年)
平井一夫『ソニー再生』日本経済新聞出版(2021年)