ブログ「次世代トッププレゼン」
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「プレゼンで頭が真っ白」を解くコツ

プレゼンで、突然言葉が思い出せなくなる…。
言葉を思い出そうとすればするほど、思い出せない。
頭はパニック。
これ、本当に怖いですね。
この原因は、極度な緊張です。
緊張しやすい人は脳の前頭葉の働きが強く、「あるべき姿」のハードルが上がってしまう、緊張しやすくなるのです。
ここで参考になるのが、今月の日本経済新聞『私の履歴書』で連載している俳優・山崎努さんの体験です。
8月29日の回で、『ヘンリー四世』を舞台で演じたとき頭が真っ白になってしまった体験が書かれていました。
突然頭の中が真っ白になった。最初のせりふが思い出せない。なんだっけ、なんだっけ。腹も痛くなってくる。ダメだ、これは中止だ。出のきっかけ直前、5秒前くらいだろうか、閃(ひらめ)いた。これから舞台に行ってなにかやるのは俺じゃない、ダミアンだ、俺は奴に身体を貸してやるだけだ。ホリゾントに写真で見馴(みな)れたダミアンの顔が浮かんだ、ような気がした。あんたが好きなように喋(しゃべ)れ、好きなようにやれ。俺は知らん。とたんにパニックが解けた。
舞台本番までに厳しい稽古を積み重ねているにも関わらず、山崎さんのような天才でも頭が真っ白になってしまうことがあるのです。
こんなときは、まず「パニックを解くこと」。
そのためにはムリに言葉を思いだそうとしないことです。
私たちビジネスパーソンは役者ではありません。台詞を一言一句完璧に記憶する必要はありません。そして訳者とは違って、資料を手元に置いて話してもOKです。
そこでビジネスパーソンがプレゼンで「頭真っ白」なってしまった場合は、下記の2点の方法でパニックを解いてください。
①まず落ち着いて、プレゼン資料を見る
キーになる言葉が書かれているので、内容を思い出すことができます。大抵は焦ってしまいプレゼン資料を見れていません。
②パワポ資料のメモ欄、または手元のメモ用紙に、カギになる言葉を箇条書きにしておく
メモ欄を”目線のみ”で確認すれば、聴き手から見てそれほど気になりません。
①も②も、頭が真っ白になったときの「浮き輪」だと思ってください。
ほとんどの場合、この準備さえしておけば「浮き輪」を使わずに乗り切れるものです。
脳科学者茂木健一郎が語る「緊張する人は才能がある」

「あがり症なので人前で話すことが本当に苦手」
「プレゼンで緊張してしまい、自分で何を話しているかわからなくなる」
「いつも緊張で冷や汗をかきながら話している」
こんなお悩みを抱えている方、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
実は人前で緊張するのは悪いことではありません。脳科学的な知見からも緊張して話せるのは才能であると言われています。
そこで私は3年前に、「緊張して話せるのは才能である」という本を出版しました。
先日ネットを見ていましたら、脳科学者の茂木健一郎さんが、2022年8月16日の琉球朝日放送で「緊張する人は才能がある」と話していて、「正に我が意を得たり!」と膝を何回も叩いてしまいました。
茂木さん曰く、「脳科学的に言うと、緊張は才能の表れ。緊張する人の方が、大物になることが多い」とのこと。
脳の前頭葉の働きが強い人ほど緊張しやすいからだそうです。脳の前頭葉は、自分が果たすべき役割を判断します。自分の目指すべきことが分かっているため、前頭葉の働きが強い人ほど「あるべき姿」のハードルが上がります。この結果、緊張しやすくなります。緊張するたびに脳の中にドーパミンと言う物質が出て、これを繰り返すことで、脳の回路が強靱になっていく、とおっしゃっています。
逆に「緊張しなくなる方が、好ましくない」と茂木さんは言います。緊張しないと、人は成長が止まってしまうのだそうです。
緊張はデメリットではありません。むしろ強みになります。才能があるからこそプレゼンで緊張するのです。
プレゼンで緊張するという方は、その緊張を活かして、あなたの脳を強くしていきましょう。
不祥事会見は、ある日突然やってくる

不祥事会見、増えていますよね。
つい先日の8月3日にも、日野自動車の謝罪会見がありました。
日野自動車のエンジン不正は2003年以前から長期間にわたって行われていたことが明らかになりました。
記者との質疑応答で、小木曽社長は「経営は直接関与はないが責任がある。失敗を認めて共有し、職場で何が起きているのかを確認すべきだった」と答えています。これはつまり、経営トップが「何があったのか、全く知らなかった」ということです。
多くの謝罪会見に共通するのは、経営トップが「知らなかった」という点です。これは理由があります。現代の日本企業の不正の多くが、外部の告発で不正が発覚するからです。
不正発覚には、「社内」「行政機関」「報道機関」の3パターンがあります。
しかし社内の内部通報システムは機能不全に陥っているのが現実です。
内部通報者が保護されやすい仕組みがあっても、不祥事が多発する企業ほど、通報者名がいつの間にか漏洩し、内部通報が途中でもみ消されがちです。
社内通報が機能しないので、不正発覚の多くは外部経由になります。
この結果、経営トップは突然不正を社外から知らされ、対応が後手に回り、騒ぎが大きくなるのです。
そんな中で見事だったのが、KDDIの大規模通信障害の謝罪会見でした。
問題が発生して次の日の午前に行われた謝罪会見では、高橋社長は、事実関係・影響の及ぶ範囲・原因・時系列での対応・再発防止策まで一人で説明しました。
リスクマネジメントの視点で高橋社長の会見は高く評価できます。
数年前、私は社長就任直後の高橋社長の会見を取材したことがあります。その頃から、技術的な知識の深さに加えて、分かりやすい説明とプレゼン技術の高さが強く印象に残っています。高橋社長の見事な謝罪会見は、この日々の積み重ねの賜物です。
謝罪会見では、ほとんどのトップは冒頭で謝罪をした後、説明を担当役員に任せます。
残念ながら日本の多くの経営トップは説明が苦手。大事な謝罪会見で安心感を与えることが出来ていません。
「その日」は突然やってきます。
説明の練習をする時間はありません。
経営トップは、普段から「その日」に備えて準備しておくことが必要だということを、KDDI高橋社長の謝罪会見は教えてくれていると思います。
プレゼンの「刺さる言葉」をつくる方法

「プレゼンで刺さる言葉が思いつかず、いつも悩みます」
このようなお悩みをご相談いただくことがよくあります。
「刺さる言葉」というと、才能あるコピーライターが考えるようなキレてて強い言葉を思い浮かべがちですが、プレゼンの場合は必ずしもそうではありません。
プレゼンの「刺さる言葉」とは、聴き手が心を掴まれ、確実に記憶され行動につながりやすい言葉です。
聴き手の心を掴むには、聴き手が期待していて、自分しか語れない言葉を語ることです。そうすればどんな人でも「刺さる言葉」を作ることができます。
ビジネスであれば、聴き手であるお客様を知り、お客様のお困りごとを解決できるような言葉を、分かりやすくストレートに語れば良いわけですね。
印象的で強い言葉が一見よさげに見えますが、聴き手の期待を外していては「刺さる言葉」にはなりません。
たとえば、ハズキルーペのCMで、渡辺謙さんがこう叫びます。
「本当に世の中の文字は小さすぎて読めない!」
一度聞くとなかなか忘れない「刺さる言葉」ですよね。このCM、渡辺さんの発案だそうです。
渡辺さんが「予定表の文字が小さくて読めない」と普段から感じていた怒りを手書きで書き出し、その発案書を元にCMの言葉はすべてハズキルーペの松村謙三会長が考えました。まさに、お客様のお困りごとを解決できる言葉を、分かりやすくストレートに語っているのです。
幼稚に聞こえる語尾伸ばしを止める方法

「〇〇でェ〜」「これはァ〜」など、語尾を伸ばして話す方が多く見られます。
語尾伸ばしは、幼稚っぽい印象を与えます。加えて話しが間延びして聞こえますし、迷っているようにも感じられます。
とくに大事なプレゼンや面接で語尾伸ばしをすると一気に印象が悪くなります。
それならすぐにやめたほうがいいのですが、厄介なことに語尾伸ばしは本人が自覚しにくいのです。日常的にやっているので気がつきません。
そして、語尾伸ばしをして話すと楽なのです。リラックス効果があるのでやめられなくなります。
そのため語尾伸ばしをする人は癖になりやすく、直すのに時間がかかります。
でも社会人であれば語尾伸ばしはなくしたいものです。
語尾伸ばしをなくすだけでも知的な印象を与え、迷い無く伝わります。
そこで今回は語尾伸ばしをなくす方法をお伝えします。
(1)録画/録音して聞く
語尾伸ばしを認識することです。認識すれば直しやすくなります。
(2)話の内容を整理しておく
語尾伸ばししている人は、話の内容が整理されていません。その場で考えながら話していることが多いのです。
語尾伸ばし癖のある人は話す内容を整理してから話しましょう。
(3)区切り話法
(1)と(2)に加えて、言葉を短く区切りながら話す「区切り話法」で語尾伸ばしは解決します。
たとえば、「おはようございますぅ〜暑い毎日ですがァ〜今日も元気に頑張りましょう〜」という語尾伸ばし。
こちらを区切って話すとこんな感じになります。
「おはよう/ございます//暑い毎日です//今日も/元気に/頑張りましょう//」
(「/」=短い区切り,「//」長めの区切り)
区切り話法が身につけば、語尾伸ばしは簡単になくなります。
お試しください。