取材3週間後に退任!ドワンゴ川上会長のプレゼンから、感じたこと

 

12月21日、川上量生さんがドワンゴ会長を退任されました。
その3週間前の11月28日。私は川上さんのプレゼンを取材していました。新しいニコニコ動画サービス「ニコニコ(く)」の発表会でした。元々は10月発表予定でしたが、技術的な問題により2ヶ月延期され、この日の会見になったのです。

しかしデモではサービスが上手く動かず、ニコニコ動画ライブ配信では罵詈雑言の嵐。当日来場していたユーザーからも厳しい意見が続出。10分の予定だった質疑応答は、その場で川上さんの判断により延長し、56分にも及びました。

川上さんは平静を保ってはいましたが、最後の「これで発表会を終了したいと思います」という声はかすれ、肩を落とした背中には疲労と寂寥感が感じられました。そして、質疑応答後に予定されていた「エンディング向けデモ配信」は行われず、いつの間にか発表会は終了したのです。

川上さんの、厳しいユーザーの声を最後まで聞き届けた態度は立派でした
しかし今回は、プレゼンの内容以前にとても気になったことがありました。進行と時間管理のマネージメントです。

10月予定の新サービス発表が遅れたこともよくありませんが、当日17時に予定していた開場時間は20分遅れ。質疑応答の延長によって終了時間は20分オーバー。最後に予定していた「エンディング向けデモ配信」も説明なく終了。終了時間を20分超過したためかもしれませんが、予告している以上、中止するならば一言説明が必要でした。

トッププレゼンで大事なことは、「聴衆の人生の貴重な時間を預かっている」という覚悟を話し手が持つことです。
しかし、世のほとんどのトッププレゼンは時間を大きく超過しています。いかに内容が良くても、時間超過はプレゼンの満足度を下げる最大の要因です。逆に余裕を持って短めに終われば、聞き手の満足度は上がります。

今、世の中はもの凄いスピードで変化しています。今や時間は、ヒトモノカネ情報に次ぐ「第5の経営資源」。
時間にルーズだと思われてしまうことは、致命的です。
今回のプレゼンは、時間感覚の緩みがアウトプットにも表れていたような気がしてなりませんでした。

 

川上さんのプレゼンについては「広報会議 2月号」の『プレゼン力診断』に詳しく書きました。
もしご興味ある方はご覧ください。

 

 

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