不祥事会見では、トップの言葉だけがピンチをチャンスに変えられる

最近、ますます増えているのが不祥事会見。
不祥事で不買運動が起こると、売上激減、最悪倒産。まさに企業の危機です。
この危機で会社の命運を左右するのが、トップの言葉です。

たとえば2014年の野々村元議員の号泣会見。
振り返ればもう7年前の話。いまでもYouTubeにはこの会見動画が多数アップされています。
不祥事の会見で対応を間違えると、その動画が永久保存版になってしまうのです。怖いですよね。これが企業の場合、企業ブランドへの悪影響は計り知れません。

一方で立派だったのが、トヨタ自動車の豊田章男社長。10年ほど前、トヨタはアメリカで品質が大きな問題になって米国議会に呼ばれ、公聴会で証言しました。この時、豊田社長は誠実な姿勢でこう言いました。

「全てのトヨタの車には私の名前が入っている」
「責任をとることがトップの役割である」

自分の言葉で「私は逃げも隠れもしません」いう態度を示しました。これで問題が収まり、豊田社長の評価も高まりました。

公聴会後、豊田社長は米国トヨタの工場を訪れました。従業員からねぎらいの言葉を受けて思わず涙ぐみましたが、この態度がトヨタ社員の結束を高めました。

同じ涙でも、野々村元議員と随分と違うものです。

危機で最も大切なのは、まず誠実な態度。そして自分を見失わないこと。
トップの言葉だけが、大きなピンチを大きなチャンスに変えることができるのです。