プレゼンで自社商品の訴求力を上げる出発点は、一つしかない

プレゼンで「自社商品の訴求力を上げたいのですが…」というご質問をいただくことがあります。
カギは、商品の良い面を強くPRして良い印象を残すことに尽きます。では、どのようにすればいいのでしょうか?

私が取材した会見の中でも、「よなよなエール」などで有名なクラフトビールのヤッホーブルーイングとキリンとの資本業務提携会見は、商品ブランディングを際立たせる見事な会見でした。

見せ場は会見の最後でした。ヤッホーブルーイングの井手社長がテーブルの上にあった自社ビール「よなよなエール」を二つ手に取り、キリンの磯崎社長に「では、乾杯しましょう!」と声をかけました。そして乾杯して二人で飲んだ後、井手社長は磯崎社長に「どうですかーっ?!」と聞いたのです。

ビールを飲んで「どうですか?」と聞かれると、ビール会社の人は脊髄反射で言う言葉は一つしかありませんよね。
磯崎社長は思わず「旨いっ!」と返したのです。

ポイントは、これが磯崎さんの自社ビールではなかった点。大手ビールメーカーであるキリンの磯崎社長が、当時今ほど有名ではなかったよなよなエールを「旨い」と言ったのは、ヤッホーブルーイングにとって最高の商品ブランディングとなりました。

井手社長は心の底からヤッホーのビールを愛しています。井手社長の行動のすべては、この真っ直ぐな愛情が出発点。だから真正面から大手ビール会社社長を相手に「乾杯しましょう」「旨いでしょう?」と言えるのです。

このように商品ブランディングの出発点は、自社商品に対する一点の曇りもない愛情なのです。
御社は自社商品に深い愛情を持っていますか?