プレゼンの笑顔は、ふざけて見えるか?

 

「プレゼンでは笑顔を心がけています。でも、『ニヤニヤしてふざけている』って言われないでしょうか…」

講演で、「笑顔が大事ですよ」とお話しすると、こんな質問を受けることがあります。

笑顔は、すべてを癒やします。

ただ、普通のビジネスパーソンは、自分では笑っていると思っていても、笑って見えないことがほとんどです。
だから笑顔を出せるということはとても凄いことです。

 

最近拝見したプレゼンの中で好感度が高かったのは、スタバの水口社長と、KDDIの高橋社長です。お二人とも笑顔が素晴らしく、もし「笑顔選手権」というものがあったとしたら確実に上位入賞できそうです。

特に高橋社長は、基本の顔の作りがいつも笑っているようなお顔をしています。この顔は、黙っていても周囲が和みますので、とても得をしていると思います。

そして高橋社長の場合、笑ったような顔をしていても、決してユルんだ空気になりません。囲み取材で高橋社長を至近距離で見ていましたら、目の奥がまったく笑っていないことに気がつきました。目の奥底に湛えた厳しさに、怖ささえ感じたほどです。これは、あらゆる修羅場をくぐり抜けて来た人だけが持つまなざしです。このまなざしが、ニコニコと記者との敷居を外しながらも、程よい緊張感がある理由なのだと思いました。

水島新司のマンガ「ドカベン」で微笑三太郎という三塁手がいます。微笑は、「笑ったような顔をしていて優しそうだが実は気が強い」というギャップのあるキャラクターが際立っていました。高橋社長は、まさに経済界の微笑三太郎だと思います。

「高橋社長は別格だ」と思われるかもしれませんね。でも、どんな人でもユルんだ空気にならないポイントがあります。

それは「緊張感」です。
皆さんは、プレゼンのとき緊張しますよね。
緊張感さえ持っていれば、雑談をしているときの笑顔とはまったく違ったものになります。

緊張感は悪いもののようにばかり言われますが、じつは本番ではなくてはならないものなのです。

ぜひ、笑顔を出して、素晴らしいプレゼンをしてください。