話に心がこもって聞こえる簡単な2つのポイント

「心がこもってないと言われる」「話し方に抑揚がつかない」

良く受ける相談です。

以下2点を守れば誰でも話に抑揚をつけることができます。

【1】本番で台本を置かない

人に用意してもらった原稿を読むときは要注意。
ほとんどの人が読み上げることに精一杯で、抑揚をつける余裕などありません。

また、原稿をほぼ覚えたとしても、本番で原稿を置いておけばつい見てしまうのが人情です。
せっかく覚えて練習したのに、やはり棒読みになってしまいます。

もし、内容をほぼ覚えたとしたらば、本番で原稿の台本は置かず、話のポイントと全体の流れだけが分かるものを置いておくと良いでしょう。

自分の言葉で話すということです。

自分の言葉ではなしたほうが、より感情がのせやすく抑揚がついて聞こえるようになります。

特に経営者の方々は、他の人に資料を作ってもらうケースが多いので、棒読みになりやすく、内容が伝わりません。
忙しいかもしれませんが、出来れば、基本的に話す内容は自分で用意すると、より会社の理念が皆さんに伝わりやすくなります。

【2】声に息を混ぜる

「抑揚をつける」というと、声に高低差をつけることだと勘違いなさっている方が意外に多いのです。

実は,抑揚は、「声帯をきつく閉じるか、ゆるく閉じるか」によって決まります。

声を高くしたり低くしたりする必要はありません。

声帯をきつく閉じれば、強い声になり、緩く閉じれば弱く柔らかい声になります。
弱い声を出そうとして息を少なく出す方が多いのですが、実は、より弱い声を出したければ、声帯をよりゆるく閉じて息を混ぜれば良いのです。
この方法が良いのは、声帯をゆるく閉じて、息の流れを減らさなければ、どんなに弱い声でも遠くまで聞こえるようになることです。

そして、強い表現や、激情を表現したいときは、声帯をほどほどに閉じて、よりたくさんの息を流すと、熱いパッションを感じさせるような声になります。

例えば、小泉純一郎さんは、パッションが伝わりやすい政治家でした。
小泉さんは、言葉に息をたくさん混ぜて発声していることから、感情が伝わり、抑揚がついて聞こえたのです。

それでは声に息を混ぜて話すにはどうすればよいでしょうか?

まずは、一番簡単な方法をお伝えしましょう。

内緒話のときの声。
ヒソヒソとした声を出すとき、声帯はゆるく閉じられて、息が流れています。

この声で台詞を練習します。
息の量を減らさずに、何度か繰り返しながら、少しずつ声をしっかりさせていくと、息混じりの声で感情を表現できるようになります。

このとき注意すべきは、声を「少しずつ」しっかりさせていくということです。

一気に強くしてしまうと、またいつもの一本調子に戻ってしまいます。
イチロー選手も、練習するときは、ほんの少しずつ動きを調整していくそうですよ。一気に変えてしまうと、どこで良くなかったか分かり難くなるからです。少しずつ変えていけば「ここが良くなかったのか」とか「今ここで丁度良い」という場所がみつかります。

話に豊かな表現力をもって抑揚をつけるには、

【1】本番で台本を置かない

【2】声に息を混ぜる

という2つの方法を行うことです。