企業の方々のプレゼンを拝聴していますと、特にIT企業の方は数字やスペックの話が多いものですね。
私はもともと数字があまり得意ではないので、プロジェクターの資料に細かい数字や数式が映し出されると、とたんに思考がストップしてしまいます。
数字やスペックの話は、お話しているご本人は良くご存知なので、サーッと流してしまいがちです。
じつはこれ、自分自身もそうなってしまいがちだったのです。皆さんのお顔を見ると、こういうときの聴衆の方々は一気に退屈そうな表情をしています。「きっと退屈なさってるだろうなあ」と察して、「話さないわけにはいかないけれど、退屈なさっているからサッサと話してしまおう」と思って、早口になってしまいがちです。
しかし、あるときから、数字やスペック、または理論の話をしなくてはならないとき、工夫するようになりました。
スルーされないようにするには、3点のポイントがあります。
(1)ゆっくり話す・指で示す
ただでさえ分かり難いものを早口にするとスルーされる。しっかりアイコンタクトをとって、念を押すくらいにゆっくり話すこと。と同時に、数字を指で示すジェスチャーをすると印象に残りやすい。
(2)見せる資料の要点をしぼる
できるだけ簡潔に、資料はぎっしり書かず、覚えてもらいたい文字や数字だけ大きく写しだし、あとは口頭で説明する。
(3)例えを用いたり質問形式にする
何か身近な物に例えると頭に入りやすい。
例:スピード感があるものと遅いものを比較したいときは「うさぎ」と「亀」の絵を入れるなど。
質問してみると思考ストップせずに考えてもらえる。
例:「一年間で何種類の製品が発売されていると思いますか?」と聴衆に質問。正解に意外な数字が出てくると驚きとともに記憶に残る。