なぜ首を振りながら話すのでしょうか

「黙って動かずに2時間座っていなさい」
と言われて出来る子供はなかなかいません。

これは、大人であっても、ある程度の訓練と強い意志がないと出来ないことです。

人前でのスピーチで、意志を持って「動かない」、また動くときは意味を持って「動く」ということはとても大事なことです。

「なぜ今動いたのですか?」
と聞くと
「なんとなく」
と答える方のほうが圧倒的の多いと思います。

普通は、意識しなければ、無意識に意味なくフラフラ揺れたり、ウロウロ動き回ってしまったりしています。
このほとんどは、「自分のリズムをつくるため」です。
アグレッシブさを感じさせるために激しく動き回って話すスタイルもあるかと思いますが、話し方と個性が連動していない場合が多く、一般的にはあまり成功していません。聴衆は内容よりも、落ち着きのない印象を受けるか、目が回るだけです。
意味のない動きは、自分のためだけであって、聴衆のためではないのです。

そこを、聴衆に対して正面を向き、動かずに姿勢やポーズを決めてみると、圧倒的な説得力が生まれます。
歌舞伎でも見得を切るというのがあります。
そこに特別な存在感が生まれ、聴衆は引き込まれるのです。

スピーチの場合は、首と足は固定し、出来るだけ手振りで表現していくのが、安定感と存在感を感じさせます。
そして、足が動くときは、何かの動作を行うか、内容が変わったときが良いでしょう。
あまりウロウロと動き回ると落ち着きが感じられません。

いざやってみると、簡単なようでいて、実行するのはなかなか難しいことを実感されると思います。そういう方は、動かないで話すと話せなくなってしまうからです。今まで、いかに自分の話のリズムを作るために首をコクコク振っていたり、動き回っていたかということに気がつきます。

聴衆に対して、説得力と存在感を感じさせるために、ぜひ動かないで話してみることをおすすめします。

2015/07/02 | カテゴリー : スピーチ | 投稿者 : nagaichika