トップのちゃぶ台返し

 

「記者の質問に対して担当者が答えていたのに、トップがひっくり返すことがありますよね。これってどうなんでしょうか?」

ある会社の広報担当者さんのご質問です。担当者さんからするとストレスがかかる場面でもあります。

私も記者発表会の質疑応答で、そういう場面に何度か遭遇しました。

最近では、タニタの谷田千里社長です。今年3月8日に行われた会見で、記者から値段について突っ込んだ質問を受けたときのこと。担当者さんは「〇〇〇円位を考えています」と回答し、記者が「その値段は、ターゲットのお客さんを考えると、高すぎるのでは」と質問した時、谷田社長は「本当はまだ決まっていません」とあっさりひっくり返してしまったのです。

また昨年3月、ファストリテイリングの柳井社長もそうでした。新しく出来たユニクロの有明物流センターでの記者会見。物流センター内部は公開されませんでした。記者の「物流センターはいつ公開するのか?どんな整備をするのか?」という質問に対して、担当者さんが「具体的には答えられない」と回答したところ、突然マイクを手に取った柳井社長は「現状、人海戦術でやっている。上手くテクノロジーを使っていない。見せられる状況ではない」と言い切ってしまったのです。

スタッフの方は、ご自身が与えられた責任範囲の中でしか答えることはできません。一方でトップは会社の全責任を持っています。トップしか答えられないことも多いのです。そして場合によっては、全体のバランスを見て前言撤回・ちゃぶ台返しも必要になるのです。

 

 

 

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