「低い声で話せ」。でも高田明さん、甲高いですよ?

「『リーダーは低い声が良い』というのは分かりました。ジャパネットたかたの高田明さんは大丈夫なんですか?」

私が、「リーダーは低い声で話すことで、安心感、信頼感、説得力が格段に上がる」と話した講演後によくいただく質問です。

独特の甲高い声で話す、テレビショッピング名物MCと言えば、ジャパネットたかたの高田明さんです。

じつは高田さん、経営者として、社内では物静かで低い声で話しています。2015年1月16日の社長引退記者会見でも、テレビショッピングとは別人のような低く落ち着いた声で話していたのが印象的でした。

 

今、日本経済新聞「私の履歴書」で、高田明さんが連載しています。4月16日掲載の第16回で高田さんはこう書いています。

甲高い声でしゃべる私のスタイルは、ラジオのころから兆候があったらしいが、テレビではさらにキーが上がった。『この商品を伝えたい』と思うと、自然にあのテンションになる。普段の私の話し声は低い方だから、いつも初対面の人に『テレビのときと全然違う』と驚かれる

 

高田さんは迫力のある激しい口調で怒ったりもするそうです。

高田社長の本「社長、辞めます!ジャパネットたかた激闘365日の舞台裏」(日経BP社)の中で印象深い事が書いてありました。

現社長でもある息子さんの旭人さんが、

「高田社長と何度も激しくぶつかりあった。社員の前でも平気でやった」

という言葉に対して、インタビュアーが「高田社長が激しく言う姿が想像できません」と言うと、

「社員はみんな想像できますよ(笑)」

と答えます。

物静かな語り口調と、社員の前で激しく言う姿。そして、テレビショッピングの甲高い声。どれも同じ高田明さんです。

高田さんは、テレビのバラエティ向けとトップとしての声を自然に使い分けていました。それは、ビジネスの修羅場や、厳しい交渉、マネージメントの経験を積んで、自己の様々な可能性を探求した結果なのです。

 

 

 

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