「トップはカッコつける必要はない」と実感した、ファミマ澤田社長の会見

 

「社長が社員の前で話しても、いまひとつ盛り上がらないんですよね」

広報さんからこんなご相談をよく受けます。社内コミュニケーションも広報の大事なお仕事ですね。

トップのプレゼンが、周囲の行動も変えていくことに気がついた会見がありました。ファミリーマート澤田社長のプレゼンです。

昨年、ファミリーマート新戦略発表会を取材をしたときのこと。「月刊 広報会議」の記事でも書きましたが、澤田社長のものすごい熱量の高さに圧倒されました。

会見で印象的だったのが、社員さんたちの明るさです。緊張しがちな会見場ですが、皆さんの表情がイキイキとしていました。
もう一つ、他の会見とは大きく違う点がありました。

囲み取材です。

通常のトップ囲み取材では、あらゆる事態に備えて隣に担当者がつきます。しかし澤田社長は、一人だけ。記者の質問に、しっかりとした声で、自分の言葉で答えていました。自分が分からない質問には、周囲の担当者を大きな声で「おーい!分かる?」と呼びます。その勢いに記者が大勢集まって囲み取材は大盛況。囲み後も、名刺交換に長蛇の列でした。澤田社長と同じ空気を吸っているだけで、元気になるような会見でした。

なぜ、澤田社長がここまで人を元気にさせるのか。その答えが、澤田社長が出演した11月放映の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)にありました。

村上龍さんが、澤田さんが伊藤忠からユニクロに転職した時のことを聞いたときのこと。澤田社長は、

「リクルートに登録し、ご紹介いただいてユニクロに転職した。ヘッドハンティングでも何でもない。一介のサラリーマンなので、どこに行ったらいいのか分からない。マンションを買ったばかりで、借金もあった」

と正直に答えました。

村上さんは、「リクルートですか…こんな経営者は初めて」と驚きを隠しませんでした。

澤田社長は、自分の足で地方の店舗を回り、スタッフ一人一人の手を握って声をかけていました。宮城県の端にある店舗オーナーさんは少し涙ぐみ、「感動した。社長がこんな北の果てまで来るなんて初めてのこと」と言っていました。

なんと澤田社長は、社長就任前の3ヶ月間、ご自身が店舗のスタッフ研修も受けています。

澤田社長の徹底した現場へのコミットメントと同時に、裃を脱ぎ、「自分はこれ以上でもこれ以下でもない」というありのままの姿を、率直に、格好をつけずにさらけだしているのです。

どんなに凄いトップであっても「私たちと同じビジネスパーソンなんだ」ということが強く感じられました。

こういうリーダーに人はついていくのではないでしょうか。

澤田社長を見ていて、プレゼンでは格好つける必要などない、と感じました。人生をかけてきたトップが、ありのままの姿を素直に表現すれば、人は感動し、良き方向に行動を変えていきます。これが格好つけないトップ広報の理想型なのだと確信しました。

ファミマ・澤田社長の「カンブリア宮殿」動画は、3/31まで無料視聴可能です。

 

 

 

 

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