プレゼンスタイルは、TPOで変えるべし

 

ある会見で、外資系企業の日本人トップが、米国人が良く行うポケットに手を突っ込む動作をしていました。でも、途中から違和感に気がついたのでしょう。ポケットから手を出して話していました。本番冒頭は誰もが緊張するので、その人のクセがでやすい場面でもあります。ついつい海外でプレゼンしているときのクセが出てしまったのかもしれませんね。

本来日本では、聴き手に対してラフな印象を与えがちなので、ポケットに手はNGです。

 

外資系企業の外国人トップでも、日本での会見では手をポケットに突っ込んで話す人はほとんどいません。ある米国大手飲料メーカーの外国人トップなどは、舞台に上がる直前、お客さんの座っているフロアと同じ高さから丁寧に会釈し、壇上に上がってからも「高い所からすみません」とでも言うように、もう一度会釈をしていました。日本の「何よりも礼節を重んじる」という文化を彼なりに解釈し、リスペクトしているのが伝わってきました。

一方、ハーバードビジネススクールの日本人教授が、権威あるビジネスフォーラムでポケットに手を突っ込みながら話していたことがありました。このときは、ここが日本であっても、形式は「ハーバード流」で行われていたため、まったく抵抗感なく受け入れることができました。

プレゼンでの身振り手振り立ち居振る舞いは、プレゼンの形式、そして聴き手の文化と、聴き手へのリスペクトの問題が大きく関係します。

「こうすると話しやすいから」「格好良いから」とか、「いつもこれでやっているし」ではなく、「聞き手は誰か」「ここはどこか」をあらかじめ考慮に入れて、プレゼンスタイルを決めるべきなのです。

 

 

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