神戸製鋼問題で考える、情報が揃うのを待つか?すぐ記者会見するか?

 

神戸製鋼のデータ改ざん問題。いま日本中を揺るがしています。

もしあなたがトップの立場で、いまこの場で、データ改ざんの事実を知らされたとしたら、次のどちらを選ぶでしょうか?

【選択肢1】ほとんどわからない状態だけど、まずは手持ちの情報ですぐに記者会見を開く
【選択肢2】何もわからない状態で記者会見するのは不誠実だと思う。できるだけ情報を揃えた上で、記者会見を開く

神戸製鋼が選んだのは、選択肢2でした。

10月08日 データ改ざんが発表
10月13日 川崎博也会長兼社長が正式な会見の場に現れる

5日間が経過していました。この間に経済産業省の「ゆゆしき事態だ。神戸製鋼にはしっかり対応して欲しい」という会見もありました。さらに川崎会長が経済産業省に謝罪会見した後、翌日に正式に記者会見。また「鉄は問題ない」と言った翌日に、「鉄にも問題の可能性がある」と、言っていることが変わってしまうのもよくありません。

不祥事が起こった際に、何よりも優先すべきことはスピードです。選択肢1で行くべきなのです。

しかし何もわからない状態で記者会見するには、どうすればいいのでしょうか?

私が今まで見てきた中で特に印象に残っているのは、2007年12月14日に長崎県佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で発生した銃乱射事件のトップ会見です。

当時、午後10時にテレビをつけたところ、ルネサンスの斎藤社長が記者会見している映像が流れていました。

事件発生が、14日午後7時15分。
斎藤社長の記者会見開始が、同日午後9時30分。
事件発生から記者会見まで、わずか2時間15分での会見でした。

斎藤社長は、2時間15分で、想定できなかった事件を知らされ、そのとき分かっている事実を把握した上で、記者会見をマスコミ各社に通知し、ご自身の言葉で記者会見に臨まれたのです。

当時、ネットでも「この社長すごい」という書き込みが多く見られました。

斎藤社長はこの後責任をとって辞任されました。トップのリーダーシップのあるべき姿を見た思いがしました。

 

しかし多くの企業では、不祥事が起こると次のように考えています。

「何もわからない状態で会見をしても責められるだけだ。トップの面子もある。データが揃ってから、会見をセットしよう」

しかし最優先事項は「時間」です。

すべてのデータを揃えてから会見をセットしようとすると、広報担当者がどんなに不眠不休で頑張っても、数日後あるいは1週間後になります。

不祥事が起こった際に、何よりも不安なのはお客様です。その不安なお客様に応えるためには、何よりもスピードが大切です。遅くなればなるほど、不安は急拡大します。しかし時間をかけても得られる情報は実はそれほど多くありません。

一方でタイミングを失えば失うほど、市場の信頼が落ちてしまうのです。

では、どうするか?
トップが限られた情報の中で判断し、公開できることは隠さずに話し、不安な顧客に応えることです。そして、「現時点で入手可能な情報で、憶測は排除し、語るべきことは何か」を考え抜いた強いメッセージが必要です。

ルネサンスの斎藤社長は、言葉には出しませんが、覚悟ある態度から、

『私は逃げも隠れもしません。任命責任も含め、すべて自分の責任です』

という覚悟が強く伝わってきました。見事です。

トップの謝罪会見は、「事実」よりも、「誠実」かどうかの姿勢が求められます。そして最後に「トップとしてお客さんにどうしたいか」をポジティブに伝える場でもあるのです。そのために「トッププレゼン力」が必要なのです。

一方で川崎会長の会見を見ると、技術面で今すぐ出来る「トッププレゼン力」の改善点が4点あります。

(1)低く落ち着いた声でゆっくり話すこと

声が弱く、頼りなく感じられてしまいます。呼吸を整えて、ゆっくりと低い声で話すことです。会見直前に「悪代官スペシャル」を行うと、トップとしての覚悟と胆力が伝わります。

(2)水を飲んでおく

会見中、頻繁に舌を出して唇をなめていました。唇をなめると、落ち着きのない印象になります。原因は緊張して口が渇いているからです。会見直前にしっかりと水を飲んでおくことでほとんど解決します。

(3)髪を整える

髪の毛が乱れていました。余裕がないように見られます。お忙しかったのかもしれません。特に、前髪がたれて目線にかぶっていました。アイコンタクトは大事なコミュニケーションの武器になります。会見前、2分でも時間をとって、目にかぶらないよう前髪は後方にセットすると印象が良くなります。

(4)まばたき

まばたきが多く、後ろめたい印象を与えています。人は、緊張しているときや、おびえているとき、目が乾燥しているとき、まばたきの回数が増えるのです。逆に、深く集中しているときほどまばたきの回数は少なくなります。直前に、目が乾かないよう潤いを与えるような目薬をさしておくと、まばたきが軽減されるかと思います。

 

 

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たった2秒で誰でも出来るのに、出来ない人が多い「ボタン問題」

 

ある日のトッププレゼンを見に行ったときのことです。トップがスーツ上着のボタンを留めていないことに気がつきました。

「たかがボタン」と思いがちですが、これが出来ていないトップはとても多いのです。就活生が上着のボタンを全部留めているのを見かけて、「あらら」と思うこともよくありますが、ビジネス経験の長いトップでも、留め方を間違えている方、または「うっかりミス」をしている方は、結構多くいらっしゃいます。

立っているときは、2つボタンでも3つボタンでも、一番下ははずして着ます。一番下のボタンは飾りで、留めるものではないのです。

座るときは、全部はずして、上着の前を開けてください。スーツの型がくずれてしまうからです。
そして、面倒かもしれませんが、立つときはまたボタンをかけます。

立つときはかけて、座るときは開ける、これが基本。たった2秒で出来ることです。

ただ、ボタンに気をとられすぎて”まごまご”してしまうと、かえって良くありません。事前に「相手とのアイコンタクトを外さず、ボタンを留めたり、はずしたりできるように」練習をしておくと自信を持ってスマートに出来ると思います。

この「ボタン問題」について、先日テレビを見ていて「さすが!」と思ったことがあります。

ここ10日間、日本は衆議院選挙で大盛り上がりです。テレビをつければ国会議員の先生方のインタビューばかり。よく見ると国会議員の先生方は、突然メディアインタビューを受けるような場面でも、カメラの前に来ると、カメラ目線と同時に必ず脊髄反射で上着のボタンを留めているのです。数限りなく同じ動作を行ってきたことを感じさせる実にスムーズで自然な動きです。

プレゼンの舞台に立つときでも、ただプレゼンが上手であれば良いというものではありません。お客さんの前に出るからには、ある程度のマナーが必要ですし、見た目も大事です。

ちょっとしたことすが、マナーを守るだけでその人の格は上がるもの。皆さんもプレゼンのときに気をつけてみてくださいね。

 

 

 

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「声が小さい」という悩みは、誰でも解決できる

広報の方から、こんなご相談をいただきました。

「うちのトップ、声が小さいんですよね。この前も、会場の後ろにいたメディアから”声が聞こえないよ〜”と注意をいただいて、手持ちマイクに変えたんですが、それでも聞こえにくいみたいで…」

聞こえにくいのは、「声が小さい」からだけではありません。
本当の問題を解決しないと、高性能のマイクを変えても効果はありません。

2017年8月30日に行われた、P&Gジャパンの「『ジェルボール3D』発表会イベント」で2年前に社長に就任したスタニスラブ・ベセラさんのプレゼンを取材に行ってきたときのことです。

プレゼンが始まって驚きました。耳元の同時通訳の声にベセラさんの声がかぶってしまって聞き取り難いのです。急いで同時通訳レシーバーの音量を上げたのですが、それでもベセラさんの声は負けませんでした。

ベセラさんは、ただ声量があるだけではく、通訳の声質を上まわる響きの持ち主なのです。
たとえて言うならテノール歌手。

良いプレゼンとは何でしょうか。それは、良く言われる「強い言葉選び」「論理的構成力」「驚きを与えるコンテンツ」ではありません。

人の心を揺さぶる、深く響く声なのです。
この圧倒的な声の前には、どんな小細工をしようともかなわないのです。

でも、「うちのトップが『テノール歌手』なんて、無理…」と思うかもしれませんね。
大丈夫です。誰でも二つのポイントを押さえれば、この声を出せます。

 

一つ目は、横隔膜です。

横隔膜とは、肺の下にあって呼吸で使う筋肉です。横隔膜を使うには、息を十分に吸い、発声の際にはおへその下9㎝の場所にある丹田を張るようにします。

初心者が横隔膜を意識するためのちょっとしたコツがあります。しゃべっているときは常に両手をベルトより上に置いみましょう。姿勢が良くなり、横隔膜が使いやすくなります。ベセラさんは、常にテノール歌手のように手を上に上げていて、意味なく両手をぶらりとさげている瞬間はありませんでした。

 

二つ目は、口の開け方です。

これは、ただ口を大きく開ければ良いということではありません。口の中の空間を保つことが大事なのです。口の中は、響きの良いホールや教会のようなもの。口の中が良く開いている人は声が響くのです。そのためには、あごを下げ、舌を下げることです。あごだけ下げていても舌が邪魔をしてしまうと声は響かなくなります。

初心者が口を開けやすくするコツがあります。それは、常に口の中にゆで卵を入れているような状態にすること。見た目は魚の「ハコフグ」のような感じになります。テノール歌手が良い声を出しているときの顔はやはり「ハコフグ」のようになっています。「歌顔」と言われている表情です。
ベセラさんもしゃべっているときは、「ハコフグ」のような表情をしていました。

口の中が十分に空間がとれていて、横隔膜を使って息を流すようにすれば、声は響くようになるのです。

ベセラさんは、これらの技術を極めて、世界に通用するレベルのプレゼン技術を持っていました。
しかし誰でも、練習次第である程度まではレベルアップできます。

今回、ベセラさんがどのようにしてプレゼンをしたのか、「広報会議 11月号」に更に詳しく書かれています。
もしご興味ある方はご覧ください。

 

 

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2017/10/04 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

トッププレゼンは社員と社会に伝わる無言のメッセージ

 

ある有名外資系企業の新戦略発表会でのこと。

トップのプレゼンで、プロジェクターに映しだしている資料と、話している内容が、かみ合わない場面が長く続きました。それは明らかに資料の操作を行っているスタッフのミスでした。企業のトッププレゼンを見る機会も多いのですが、これほど初歩的な失敗はあまりお目にかかったことのないもの。

そのトップは失敗を不満に思ったのか、突如話すのを止め、壇上で腕組みし、立腹した表情を見せたのです。

ここはメディア関係者を招いている公式発表会。トップは会社を代表する立場として見られています。もし自分のミスでなくとも、怒りをスタッフに向けるくらいでしたら、自ら聴衆側に一言お詫びする方が良いと感じました。

しかし、実はもっと怖いことがあります。

メディアに出るということは、多くの自社社員も見ているということです。トップの心のあり方を社員は敏感に感じ取り、会社全体に広がります。一見、「トップ広報はメディアに向けたもの」と思われるかもしれませんが、社員にメッセージを伝える場でもあることを、ほとんどのトップは意識されていないようです。

その後、この外資系企業は、会見で発表した戦略が2年以上経過してもほとんど形になっておらず、苦戦しています。

一方、ある外資系メーカーのブランド戦略発表会でのことです。

トップは、自分のプレゼン後、会場の客席から部下二人が緊張した様子で行っているプレゼンを見つめていました。私はトップのすぐ後ろの席に座っていたのですが、微動だにせず真剣な表情で見守っているのです。そのまなざしは、「上司として厳しい評価の目」というよりは、「任せた」というような腹決めが感じられました。

そして、会見中最も印象的なシーンが訪れました。極度に緊張しながらも無事話し終わった部下に対して、そのトップは座席を立って自ら歩み寄り、メディアの前でがっちりと握手したのです。

「外資系だし欧米式の儀式だろう」と思われる方もいるかもしれません。しかし、この握手によってイベントの成功を印象づけ、部下へのねぎらいとチームが一枚岩になっていることを社会へ向けて強くアピールすることができたのです。

そして、更に大事なことは、トップの形だけではない「腹決め」が、何も言わなくとも態度から社員に、そしてメディアを通して市場に伝わっているということなのです。

この外資系メーカーは、現在も国内シェアトップの王道を走り続けています。

企業においてのトップとは、一般社員にとって「違う世界の人」であるのではないでしょうか?それが、トップの意図と反して「孤高のカリスマ」となってしまうケースも多いのです。国内最強とまで言われた企業のトップ退任のケースも記憶に新しいところですが、こうなってしまうとどんなに上手くいっている企業でも、その末路は遅かれ早かれ訪れることになるでしょう。

トップの腹決めは、トッププレゼンから無言のメッセージとして社員に伝わり、そして社会に伝わるのです。

 

 

 

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早口言葉はいらない

「滑舌が悪くて困りました。早口言葉をやったほうが良いのでしょうか?」

多くのビジネスパーソンからいただくご質問です。
人前で話して滑ってしまったり、つっかかってしまったり、恥ずかしい思いをすると、「滑舌が悪いのは早口言葉ができないからだ」と思いがちです。

じつは、滑舌が良くないのは、「早口言葉ができないから」ではありません。

早口言葉が必要なのは「情報を正確に伝達すること」を目的とするアナウンサー。ビジネスパーソンのプレゼンの目的は、「聴衆がプレゼンを聞くことにより、より良い方向に行動を変えること」です。

早口で饒舌に話しても、初めて聞く聴衆は、内容の理解が追いついていかないことがほとんどです。むしろビジネスパーソンに必要なのは、ゆっくり話すこと。そのために、舌の筋肉を鍛えることです。舌の筋肉を鍛えると滑舌がよくなり、説得力を持って話しが伝わるようになります。

そこで、本日は舌の筋肉を鍛えるための「舌筋のトレーニング」をご紹介しましょう。

一日一回行います。3週間くらい継続すると舌の動きが良くなってきます。

 1 口を閉じます。トレーニングの最後まで口は閉じています
 2 舌を下唇と下歯茎の間にさし込みます
 3 舌の先に力を入れて、右端から左端に5秒間かけて移動します
 4 左端までいったら、そのまま力をゆるめずに右端に戻ります
 5 以上を3往復みっちり行います
 6 3往復終わったら、休まず舌を上唇と上歯茎の間に移動します
 7 同じように3往復行います

確実に行うと、あごの周辺まで筋肉痛になってしまう方が多いかと思います。じつはこのトレーニング、良くなるのは滑舌だけではないのです。

舌の筋肉を鍛え続けることによって、伸びきっていたフェイスラインや二重あごもスッキリ解消されます。特にほうれい線が気になっている人にはとても良いトレーニングです。また、口を閉じる力がつくので、顔全体の筋肉が引き締まって小顔になります。

「プレシャス 10月号」に、『二重あご、ほうれい線が消える!?エグゼクティブ向けボイストレーニングで顔の下半身を鍛え直す』というインタビュー記事を掲載いただきました。「舌筋トレーニング」についてさらに詳しく書かれています。他にも、顔の血流アップ、むくみ、くま、くすみの改善効果や表情筋を鍛えるボイトレもご紹介しています。

もしご興味ありましたらぜひご覧ください。

 

 

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トップの言葉にインパクトが宿る、簡単な方法

 

「トップにプレゼンで『いつもと同じように話してください』と言っても、どうしても堅苦しい言葉で話すんです。インパクトがないんですよね。寝てしまう人も多くって…」

最近、広報の方からこんなご相談がありました。

真面目なトップの方は、「きちんと話さなくては」と思い込み、堅苦しい言葉を使ったプレゼンになりがちです。
また、「頭では分かっているんだけど、本番ではどうしてもよそ行きの言葉になってしまう」という方も多いもの。

アナウンサーがニュースを読むような、普段から使い慣れていないような言葉で話していても、気持ちは伝わりません。

しかし、どんな方でも簡単に、言葉に力を与えてインパクトあるプレゼンができるようになる方法があります。

ファミリーマート社長、澤田貴司さんのプレゼンを取材に行ったときのことです。
じつは、澤田さんは必ずしも上手ではありません。テンションが上がるとだんだん早口になり、言葉が滑って言い間違いも多かったのです。
しかし、今年上半期取材した中で一番の、インパクトあるプレゼンでした。

澤田さんの話し方は、大きな特徴があります。

 「のれんを『ドーンと』(腕を左右に大きく広げる)店の前に作りました」

 「商品開発して、いろんなものを商品展開に『ぶちこんでいく』」

 「『ガツン!』(間合い)と出ますんで(お相撲さんの押しのようにパーにした手を前に出す)」

 「『ガンガン!』(間合い)世の中に対していろんなものを発信していければいいなぁ」

 「面白いものを『ドンドン!』(間合い)仕掛けていきたい」

澤田さんは、「濁点言葉」を多用していたのです。濁点は言葉に迫力を加え、聞き手に強烈な印象を与えます。濁点言葉を言った後に、間合いと手振りを入れると更に効果が高まります。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『熱量の高さで人と市場を動かす ファミマ澤田社長のプレゼン分析』をご覧下さい)

澤田さんのように身振り手振りを加えれば最強ですが、普通に話していても、「濁点言葉」を盛り込めば、簡単に言葉にインパクトを与えることができるのです。

もし、伝えたい強い想いがあるのなら、プレゼンの中で濁点言葉を使ってみてはどうでしょうか。

 

 

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経営者が大変貌する瞬間を実感した、ファミマ・澤田社長のプレゼン

 

「新しいトップは元プログラマーでエンジニア出身です。そのためかすごく地味。うちは営業が強い会社なので、なんとか盛り上げて欲しいのですが…」

確かにエンジニアの方は自分の世界をきちんと持っている人が多いのですが、一方で感情を表に出さない人も少なくありません。もどかしい思いをする広報さんも多いかもしれませんね。

じつは最近、別人のように変わったトップのプレゼンを見て、度肝を抜かれました。

2017年6月5日、ファミリーマート(以下ファミマ)の新戦略記者発表会で、ファミマの社長に就任してちょうど1年の澤田貴司さんのプレゼンを見たときのことです。

どんなプレゼンをするのかとても興味がありました。
プレゼンが始まるや、澤田さんは戦闘能力全開。見た目は以前とは別人でした。

十数年前、ユニクロにご在籍中、澤田さん・柳井さん・玉塚さんが写っている写真があります。この時はメガネをかけてふっくらされていました。前職の経営支援サービス会社・リヴァンプ代表のときは、やや今の雰囲気に近づいてましたが、現在のように首の後ろまで日焼けしていませんし、こんなに筋肉質にシェイプアップされていません。今は目つきも鋭く、プレゼンも完全なパッション型。気合いが漲り、一部のスキも感じられないないほどです。また、ランニングシャツ一枚になって「ファミチキ先輩」というキャラクターに仮装している写真も公開する大サービスぶり。

「演じている」などと言う言葉が生やさしく感じられるほどの「本気」でした。

肉体的な変化はトライアスロンを始めたこともあると思います。しかしこれだけの気迫は、ファミマのトップに就任して世間から脚光を浴び、人生初の「事業会社トップ」という大舞台に立ったことが主な理由かもしれません。

そしてもう一つの理由は、コンビニ業界出身ではなかったということです。

澤田さんはファミマ社長就任当初、「コンビニ業界はど素人です」と言っていたのが強く印象に残っています。コンビニは、社員、店舗オーナー、店舗スタッフを抱えています。さらにファミマだけではなく、会社の風土が違うサークルKとサンクスも買収して仲間になります。巨大な連合体なのでです。

コンビニのプロではない澤田さんが会社を盛り上げるには、「兄貴肌で面倒見よく、積極的な資質を前面に押し出して、社員の目線に立つ」という自分の強みを極限まで活かすことだ、と腹を括ったのではないでしょうか。

この日、澤田さんのなりふり構わない姿を見て、ヒリつくような命懸けの仕事に取り組んでいる姿が心に強く残りました。
人は、人生において何かを成し遂げようと覚悟して進化する瞬間があるのだ、ということを目の当たりにした体験でした。

詳しくは、月刊『広報会議10月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

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プレゼンのピンチを救う「決めフォーム」

 

こんなご質問をいただきました。

「うちのトップ、人前に出ると緊張して普段とは全然変わってしまうんです。いつも通りに話してもらいたいのですが…」

夏の甲子園でも、アナウンサーが「ピンチのときこそ平常心ですね」と言いますよね。でも現実にはなかなか難しいものです。

誰しも、人前に出れば緊張やプレッシャーがあります。とくに責任感の強い人ほど「ちゃんと話さなくては」と硬くなり、緊張がとけないまま、あっという間にプレゼンが終わってしまうこともよくあります。これでは、大切なメッセージがお客さんに伝わりません。

そこで、極度の緊張の中に置かれながらも、リズムを取り戻し、自分のペースで話すためのコツがあります。
プレゼンで独自のリズムを作る方法です。私は「決めフォーム」と名付けています。

2017年5月25日に、カルビー会長・松本晃さんのプレゼンを取材したときのことです。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『カルビー松本晃会長のプレゼン分析「大胆な発言を裏打ちする緻密な戦略」』をご覧下さい)

壇上にあがった松本さんは、両手をブラリと下げて仁王立ちになり、話しながらゴルフするときのように何度も足踏みしてスタンスを探していました。「ビシッ」とベストのスタンスに決まると、リズムに乗ってよどみなく松本節が始まりました。これが松本さんの「決めフォーム」です。「もしかしたら、カラオケもこのスタイルで歌っていらっしゃるのでは」とさえ思わされました。

皆さんもカラオケで歌っているとき、マイクの持ち方とか、足の位置どりで「よし!ここだ!」と感じるところがあるかと思います。「このポジションだと上手くいく」というフォームです。

イチローがバッターボックスに立ってバットをグルグル回したり、振り子打法をしたりするのも、「型」が決まっているそうです。同じように、ゴルフも自分のスタンスを決めることで、上手く打つことができます。

これは、プレゼンもまったく同じです。

人によって決めフォームはそれぞれ違いますが、決めフォームで型を作ることで、プレゼンで自分のリズムを作り、成功に導きやすくなるのです。

真面目な人ほど「そんなポーズをとったら恥ずかしいのではないか」と思いがちです。しかし、プレゼンを失敗するほうがもっと恥ずかしいですよね。

ビジネスパーソンは結果が何よりも大事。円滑にプレゼンを進めるためなら、松本さんのように他人の目は気にせず実行すべきです。

あなた独自の「決めフォーム」を探してみてください。

 

 

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あなたがなりたいのは、アイドル?ビジネスパーソン?

 

「女性らしいカワイイ声、高い声のほうが、社員やお客さんウケが良いのでは?」

という質問を、女性マネージャーの方からいただくことがあります。

そういうとき、「会社のアイドルになりたいですか?それとも一流のビジネスパーソンになりたいですか?」とおたずねします。

カワイイ声や甲高い声は、かわいらしさや屈託の無さ、明るさを感じさせてくれます。

一方、低い声は信頼感、安心感、説得力を感じさせる声なのです。

最近、真矢みきさんという女優さんが、テレビの司会などでひっぱりだこなのだそうです。

昨年の年末、ポルシェ・ジャパン、七五三木敏幸社長のプレゼンを取材に行ったときのことです。真矢さんがゲスト出演していました。

立ち居振る舞いや衣裳の選び方も完璧だったのですが、生で聞く「声」の素晴らしさ。ビロードのような響きの低い声がエレガントで、一流の大人の女性を感じさせました。

真矢さんの真の凄さは、その話し方や声を聞いていると、どんなことを話していても「本音で話している」「真剣だ」と感じさせる点です。そこが信頼感につながっているのだと思います。

そういえば、東京都知事の小池百合子さんも低い声ですね。

ただ、低い声の良さは分かっていても、人前に出るとどうしても甲高い声になってしまう方が多いのも事実なのです。そこで、どんな人でも低くて響く声で話せるようになる方法を考え出しました。

時代劇で悪代官が越後屋と密談する場面を思い出してください。「んっんっんっんっん~。越後屋~、お前もワルよのう」と言う場面です。

まず顎を下げ、口を開けて、ゆっくり大きく息を吸います。横隔膜を意識して肋骨の下のおなかの部分に手を当てたまま、このセリフを言うと、どんな人でも、低い声で話せるようになります。

この方法は、「んっんっんっんっん~」と笑うところでは声の響きと、横隔膜が使えるようになり、台詞では言葉のスピード感や間合い、滑舌の感覚をつかみやすくなります。

特に緊張しやすいプレゼン本番前に試すと効果抜群ですよ。

 

 

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太陽グラントソントン税理士法人様で講演いたしました

2017年8月17日、太陽グラントソントン税理士法人様にて、「ビジネスリーダーは、プレゼン力を鍛えよう」というテーマで講演いたしました。今回で2回目の講演です。
約30名の方々が参加されました。

セミナー講師を務める方も多くいらっしゃるため、より実践に近い内容でお話ししました。

また、皆さまからご質問も数多くいただきました。一つご紹介いたします。

質問:「プレゼンのとき、お客さまを飽きさせないために、歩き回ったりしたほうが良いでしょうか?」

回答:「海外のCEOで、よく激しく歩き回りながら話す人がいます。しかし、あまり動き回ると、落ち着きなく見えますし、感情の浮き沈みが激しいように見えてしまいます。これはリーダーや経営者であれば、あまり良いことではありません。基本的に、話すときは一カ所にとどまり、できるだけ歩き回らない方が、落ち着いて堂々と見え、説得力が増します。話題が変化したりする場合のみ移動し、移動した先でまた正面を向いて下半身は動かさずに話しましょう。メインは、身振り手振り、表情で表現すると良いと思います」

 

皆さまからいただきましたご感想の一部を紹介いたします。

■人前に立って話すことがとても苦手でしたが、どうしてもそうしなければならない機会があるため、ゆっくり低い声で話して信頼を得られるようにしたいと思います。”話し始めの15秒のゴールデンタイム”という概念はとても目からウロコでした。

■クライアントの方とお話しする際、また将来的にプレゼンを行う際に役立つ。筋力という基礎力の不足や、自分自身を分かっていないことを認識できた。

■色々試してみたいことが満載でした。セミナー講師を引き受けるときに参考にしたい。

■これまで独自の研究をしてきましたが、自己流では気づけることに限りがありました。今回の研修によって自己流ではたどりつけないことを色々と学ぶことができました。早速、実際のプレゼンの場で活かしていきたいと思います。

■話すことが苦手で困っていましたが自分のタイプを知って伸ばせばよいと分かり、がんばりたいと思いました。

■セミナー講師をすることが多く、”話し方”で何を注目すればよいか、”滑舌”トレーニングを分かりやすく説明いただき大変参考になりました。

■前回とは異なる視点でのトレーニングもあり、今後のプレゼンに活かせたらと思います。

皆さま、熱心にお聴きくださいましてありがとうございました。

方言の訛りは、封印せずに、活かすべし

ある経営者から、こんなお悩みを伺いました。

「私、田舎出身で、方言の訛りがちょっと恥ずかしいんですよね。訛りをなくそうと思っているんですけどね」

このように、標準語で話さないといけないのではないかと思っているトップは少なくありません。

確かにビジネスでは相手に伝えることが大切なので、わかりやすい標準語で話すことは必要です。しかし訛りまでなくす必要はありません。むしろ訛りは、その人ならではの武器になるのです。

 

2017年5月25日、マンダリンオリエンタル東京で行われた、カルビーの「越境EC事業に関する記者会見」を取材で、松本晃 会長兼CEOのお話しを伺いました。

プレゼンと質疑応答でも、”松本節”本音トークが炸裂していました。

「中国でフルグラに勝てるライバル商品は一つもない」

「中国のECと言われても、IT音痴なのでよく分からない。でもアリババさんの話は、なんとなくワクワクする」

「他に興味がある会社もあるが、アリババと比較するとマイナーだ」

「ポテトチップスはかさばる。運んでたらキリない。ほとんど運賃」

松本会長は京都ご出身。言葉は標準語ですが、アクセントは京都弁です。大胆な発言も、はんなりとした京都弁がクッションになり、不思議とすんなり受け容れられてしまうのです。

(詳しくは、宣伝会議デジタルマガジンの記事『カルビー松本晃会長のプレゼン分析「大胆な発言を裏打ちする緻密な戦略」』をご覧下さい)

 

実は、「方言こそプレゼンの強み」なのです。

聞き手とのハードルを一気に下げて、緊張感を和らげ、暖かみを使えますし、その人ならではの人間性や人柄が伝わってくるからです。

しかしいくら方言がいいと言っても、方言のアクセントを出身者でない人が真似した途端に、バレてしまいます。つまり、方言こそ、出身者ならではの強みになるのです。

 

「奇跡のりんご」で有名な、青森県の木村秋則さんをご存じでしょうか?世界で初めて無農薬・無施肥のリンゴの栽培に成功した方です。

この方のお話しを聞きに行ったことがあります。

「これならすっぱい(失敗)するごとなぐ、あんすん(安心)」

木村さんの暖かいお人柄が伝わってきて、会場が柔らかい空気感に包まれました。

方言を封印せず、自らの強みとして使うことで、更に良いプレゼンになるのです。

 

 

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蓮舫議員の「プレゼン力診断」

 

講演に参加された方から、こんなご質問をいただきました。

「民進党の蓮舫さんの話し方について質問です。話している内容よりも、話し方が気になっていました。声が高めなのか?ゆっくり強調すべき言葉を選び間違えているのか?どうもよくわかりません。」

つい先日の7月27日、蓮舫さんが記者会見を行い、民進党の代表を辞任するという発表があったばかり。そこで今回は、蓮舫さんのプレゼン力について考えてみたいと思います。

 

取調室のカツ丼話法

蓮舫さんはもともと細くて高い声でしたが、民進党代表選挙のとき、どんどん声が低くなっていきました。リーダーとして低い声が有効であることをきちんと分かっているからなのです。低い声でハッキリ言い切っているので、とても説得力があります。このアピール力もあって、民進党の代表になりました。

蓮舫さんはタレントでキャスター出身。いつも、その経験や技術を最高度に駆使して話しています。

例えば、「ゆっくり」と「早口」、また「低い声」と「高い声」を頻繁に出し入れして話すことで、相手に対する攻撃力が高まることをよく分かっていて話しているようです。
刑事ドラマの取調室の場面で、「お前がやったんだろう!吐け!」と甲高い声で攻撃する刑事と、「まぁまぁ。お前だって母親がいるんだろう?安心させなよ」という低い声でなだめる刑事が、絶妙なコンビネーションで犯人を追い込む場面があります。私はこれを「取調室のカツ丼話法」と名付けています。
取調室では、これを二人の刑事が行うのですが、蓮舫さんはそれを一人でできる技術を持っています。

また、蓮舫さんがタレント時代に、ビートたけしのバラエティ番組「スーパージョッキー」の「熱湯コマーシャル」に出ていたのは、今や黒歴史。しかし、「やると決めたら身体をはって何でもやる」という度胸はこの頃から座っていました。民進党代表になってからも、追及疑似体験ゲーム「VR蓮舫」にも自ら出演したとき、やはりここでも蓮舫さんのスタイル は貫かれていると確信しました。「自分が何を期待されているのか察知して、それを徹底して演じる能力が高い」のです。

つまり、「攻撃力の高い野党」の代表として、どう演じればいいのかきちんと理解し、それを忠実に行ってきました。

ただ、これらの技術やタレント性が、民進党代表という立場にあって、裏目に出てしまったのではないでしょうか?

 

プレゼンの技術性3つのパターン

プレゼンの技術性には3つのパターンがあります。

 

Aパターン:信念・志と技術がつりあう。聞き手は、「本音で話している。信用できる」と感じる

Bパターン:信念・志はあるが、技術が下回る。聞き手は、「不器用だけど嘘を言っていない」と感じる

Cパターン:信念・志を技術が上回る。聞き手は「なんだかウソくさいなあ」と感じる

 

蓮舫さんの場合、プレゼン技術があまりにも高くて、「Cパターン」になってしまったのです。

蓮舫さんの話し方は、アナウンサーの話し方がベースにあります。アナウンサーは事実を正確に伝えることが仕事。しかし、リーダーは志を伝え、聞き手やチームメンバーが良き方向に行動を変えること。大きな違いがあるのです。
蓮舫さんの話し方は上手いのですが、志や、わき上がるような情熱が今ひとつ感じられません。そこをありあまる技術でカバーした結果、徐々に「なんとなくウソくさいなぁ」という印象を与えてしまったのです。
また、辞任会見の質疑応答でも、質問者に対するリスペクトが足りない場面も見受けられました。ロジカルで冷たい印象を与えてしまいました。

 

発声法に課題も

もう一点、蓮舫さんはじつは発声方法に課題があります。

辞任会見でもそうでしたが、蓮舫さんの声は頻繁に声帯疲労を起こしています。これは、のどだけで「がなっている」発声のためです。声帯疲労を起こした声というのは、印象がよくありません。横隔膜を鍛えて、正しい発声法を獲得すると好感度も高まります。

また、蓮舫さんは母音の響きが浅く、狭く感じられます。発声するとき口の中が狭いからです。母音が狭いと、リーダーとしての深みや人望に欠けて聞こえてしまいます。母音を広くとり豊かな響きで話すと、トップとして器の大きさを感じさせることができます。

 

技術も大事ですが、その前に「志やビジョンがあるか」「わき上がるような情熱を持っているか」ということが、トッププレゼンでは何よりも問われます。

そして、一番大切なのは、「自分の強みの土俵で勝負すること」

プレゼン技術は、あくまでそれを補うもの。決してプレゼン技術が主役になってはいけないのです。

 

 

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プレゼン本番で良い声を出すコツ

「プレゼン本番で良い声を出そうと思っても、何故かいつもよりか細くて甲高い声になってしまうんです」

と、女性経営者のKさん。

本番で良い声が出ない原因は、「横隔膜」が使えていないせいです。

横隔膜とは、肺の下にある呼吸をつかさどる筋肉です。横隔膜は、精神的な影響を受けやすく、緊張してしまうと固くなってしまい、息が流れにくくなります。緊張すると、自分の意志に反して勝手に声が震えたりすることがありますよね?これは、横隔膜がダイレクトに心の影響を受けているのです。

では、どうやったら本番で横隔膜を使って声の実力を発揮することができるでしょうか?難しいボイトレを行うよりずっと簡単な方法があります。

横隔膜は、おへその下9㎝の下腹にある「丹田」という場所をしっかり張ることで使えるようになります。

そこで、常に丹田を意識するために、何かベルトのようなもので、丹田のある場所をギュッと支えると良いでしょう。

おすすめは、腰でしめる酒屋さんのエプロン、またはカフェエプロンです。

これを、腰骨のあたりで「ありえない」ほどしっかりとエプロンのひもをしめます。そうするとちょうど丹田の場所に圧がかかって、丹田が自然に張りやすくなり、横隔膜も使えるようになります。

もう一つ良いのは、骨盤ベルトです。幅広で安定感があり、ギュッとしめることができます。骨盤ベルトは、洋服の上から目立たないものも出ていて、本番に巻いて出るとさらに安定して横隔膜が使えるようになるでしょう。

丹田は常に意識していないとすぐに張れていない状態になってしまいます。私も、他のことに気を取られていたりすると、丹田が抜けていることに気がついてハッとすることがあります。そのため、練習のときはカフェエプロンや、骨盤ベルトを巻くようにしています。

本番でも良い声で話すために、常に丹田を意識するようにしましょう。

 

 

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ITmediaエグゼクティブ様で講演いたしました

2017年7月26日、ITmediaエグゼクティブ様にて、「ビジネスリーダーは、プレゼン力を鍛えよう」というテーマで講演いたしました。
50名の方々がお集まりくださいました。

皆さまからいただきましたご感想の一部をご紹介いたします。

■あらゆる話しをする場面で使いたいと思います。明日から活かせる内容で嬉しかったです。
■社内・社外に向けたプレゼン時の準備・心構えの参考になりました。
■大変ためになる内容。次回も同様の機会があればぜひ参加したい。
■大きなプレゼンテーションのみでなく、日常の会議での話し方、チームメンバーの前での話し方の参考にもなった。
■とても興味深かった。楽しかった。日々の仕事から離れて自分のスキルを見直すきっかけになった。
■チームで発声練習をしたいと思います。ゆっくり低音を目指します!もう少し長いセッションも聞いてみたいです。
■グループ企業内プレゼン、業界研修会の講師の際、役員会プレゼンなどに役立つ。意外に直接的テクニカルな内容で即効性がありそうです。
■二回目になりますが、再度お話しを伺うことでより身につく様に思われます。実践に活かしていきます。
■最高でした。すごく実践的で良かったです。ぜひ客先提案の機会があれば活かしたいです。
■週末に講演することになっているので、話し方を活用したいと思います。Tipsがあり良かったです。

皆さま、熱心にお聴きくださいましてありがとうございました。

プレゼン本番で集中力を発揮する方法

「プレゼン本番で、いつも集中できないんですよ。失敗することも多くて、もう、プレゼンが嫌いになってしまいそうです。何か良い方法はないでしょうか?」

というお悩みをよくいただきます。

「プレゼン本番で集中力を発揮したい」

これは、多くの人に共通する願いだと思います。

ではなぜ、集中できないのでしょうか?

人前で話すことは誰でも緊張します。緊張すると、普段より多く雑多なことを考えてしまいがちになります。本番間際に思いついても、それでプレゼンが良くなることはほとんどありません。むしろ、マイナスの結果に向かうことが多いのです。

そこで、本番直前は意図的に何も考えない時間を作ります。

私の場合は、少なくとも90分前には会場付近に到着し、静かなカフェやホテルのラウンジに入ります。ちょうどよいカフェがなければ会場の待合スペースでも良いと思います。もちろん、主催者側に楽屋を用意していただければベスト。何処もないときは、人気のないトイレの個室に入ったこともあります。

そこで30分、何も考えない時間を作るためです。

できるだけ周りの音を遮断するために耳栓をし、椅子に座り、静かに目をつぶります。最初のうちは、「これでもか、これでもか」というほど、いろいろなことが頭の中に浮かびますが、その一つ一つを、ピンセットでつまみ出すようにイメージします。

そうすると、頭の中が徐々に静まってきます。

このような状態になってから臨む本番は、頭の中がすっきりとクリアになり、集中できていることに気がつきます。

私自身、今日は講演本番があります。そう書いているそばから、心配ごとや、次々と雑多なことが思い浮かんできますが、90分前まで放っておくことにいたしましょう(笑)

 

 

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プレゼンの「ダメ声」、かすれ声を克服する方法

 

 

先日、ある企業のトッププレゼンを見てきたときのことです。最初は元気よく話していたのですが、開始後たった10分で声がかれていました。

声がかれてしまうと、本人もしゃべりにくいですし、声が通らなくなって内容が聞き取りにくくなってしまいます。

プレゼンで内容が聞きにくいのは困りものです。この問題は多くの方々に共通していて、「プレゼンで声がかすれないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか?」という質問もよくうけます。

声がかすれる原因の一つに、緊張や空気の乾燥などでのどが渇いているということがあげられます。

このようなときは、応急処置として水を飲むと良いでしょう。プレゼンのときは、忘れずに水を用意しておきます。ただ、これはあくまで応急処置であって、水を飲んだとしても声の出し方が良くないと、またすぐに声はかれてしまいます。

声がかすれる主な原因は、声帯に無理なストレスがかかりすぎてしまった場合です。

「頑張って声を出すのだから、のどを使うのは当たり前」と思いがちなのですが、じつはのどに頼りすぎているせいで、声帯疲労を起こしてしまい、声がかれてしまいます。これは、一概に「大きな声を出しているから」ということではありません。声は、出し方を間違えると、ボリュームに関係なく小さな声でも声がかれてしまいます。

とくに、「今日は声が出ている」と手ごたえを感じるときこそ、注意が必要です。そういうとき、聴こえているのは自分だけで、あまり響いていません。つまり「近くはうるさく、遠くは聞こえにくい」という状態になっています。

のどにストレスをかけずに声を響かせることが大事なのです

そのためには、二つの方法があります。

一つ目は、響きを作ることです

「響きを作る」というと難しそうに聞こえますが、じつは皆さんが普段何気なくやっていることで響きは作られています。それは「ハミング」です。機嫌のよいときに「フ~ン♪フ~ン♪」と自然に出てしまうハミングは、響きを作る上で最も簡単な方法です。ハミングをした後、大抵の人は声に透明感が出て響きやすくなっています。ハミングしたときの「ライト感覚」で話すことがコツです。

二つ目は、横隔膜でささえることです

横隔膜でしっかりささえれば、自然に息が流れて声が響きやすくなります。横隔膜を使うには、まず息をしっかり吸うこと。そして、おへその下9㎝の場所にある丹田を張ることです。こうすることで、のどに力みがいかなくなり、ストレスなく声を響かせられるようになります。

 

 

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話しが上手いのに説得力がイマイチ、というトップを簡単に変える方法

 

「うちの社長、話は上手いんですけど、なぜか、説得力がないんですよね」

今までたくさんのプレゼンを見てきましたが、長い間記憶に残っているプレゼンと、すぐに忘れてしまうプレゼンには、一つの違いがあります。それは、説得力があるかどうか。つまり堂々として、聴衆とコミュニケーションできているかどうかの違いです。

どんな人でも、簡単に「堂々として見えて説得力の上がる方法」があります。

最近のトッププレゼンで強く印象に残ったのは、先週もご紹介した日本交通会長、Japan Taxi社長の川鍋一朗さんです。

川鍋さんは大きな手を、めいいっぱい広げながらプレゼンしていました。それは、まるでピアニストがダイナミックに鍵盤をつかむような手ぶりなのです。特にセンセーショナルな内容を話しているわけではありませんが、記憶に残り、堂々として見え、説得力がありました。そして、ただでさえ大きな手を広げて話すので、舞台上で華やかさも感じられました。

「たかが手振り」と思いがちですが、どんな人でも話しの内容に合わせた手振りを使うことで、堂々として見え、説得力が格段に上がります
特に、手を広げる動きはオープンな印象を与え、聴衆と深くコミュニケーションすることができます。

ただ、「内容に合わせて手振りをつけましょう」と言っても、話すことに精一杯で、実際は手振りの出来ない方が多いのです。
そこで、慣れない方が手振りをつけるためのコツをお伝えしましょう。

手をカチッと両脇に固めてしまうと、いざ動かそうと思っても動かすタイミングを逸してしまいます。手は最初から空中に上げ、出来るだけベルト位置より上に置いて、常に動かせる体勢にすることです。これで自由に手を動かせるようになります。

また動かし方にバリエーションをつけます。

川鍋さんは、手を「ぐわっ」とどんぶりをつかむような形にして、まるでピアノを弾くように動かしていました。こうすると、説得力が上がります。

また、両手をひろげて、ろくろを回すように前後に動かすと、パッションが感じられます。

インパクトが強いのはグーです。グーを出すと、力強いメッセージが伝わりますが、グーを頭より高い位置に掲げると、さらに強烈なイメージになります。ガッツポーズのように両手をあげれば最強です。

手振りをつけるともう一つ良い点があります。自分が話しやすくなるのです。カラオケで、手をリズムに合わせて動かしたり、身体をゆすったりすると、ノってきますよね。それと同じです。

最初は手振りをつけるのが恥ずかしいかもしれません。しかし、手振りをつけることで、だんだんと話しやすくなっていき、聴衆とのコミュニケーションもとれて話しに集中して聞いてもらえるようになります。

 

 

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言葉に魂を宿らせる方法

「ウチの社長、特訓の成果で、プレゼンではスラスラと上手に話せるようになりました。
でもなぜか、『心がこもって聞こえない』と言われるんですよね」

こんなご相談をいただくことがあります。

そもそもプレゼン最大の目的は、「プレゼンを聞いた人の心が動き、良き方向に行動を変えること」。
人は感情で動きます。いくら上手に話せるようになっても、不思議なもので、言葉に魂が宿っていないと、人の心は決して動きません。

皆様もご経験はないでしょうか?
「この人、いかにも話し慣れた感じなんだけど、どこか心がこもっていないなぁ」

トップが話す場合は、必ず動かしたい相手がいます。
言葉に魂を宿らせるためには、どうすればよいのでしょうか。

2017年5月11日、日本交通会長の川鍋一朗さんが「陣痛タクシープロジェクト・マタニティギフト発表会」でプレゼンを行ったときのことです。私はここまで心こめて話す経営者は、今まで見たことがありませんでした。

川鍋さんは、「実はやりたいことがある」と言い、宙を睨み、長い間沈黙したあと、覚悟したように正面を向いて話し始めました。

「陣痛タクシーを…無料化したい」
「内閣府に相談している…しかし、形にならない。…地団駄踏んでいます」
「国策として…全、妊婦さんに、広めたい。…各タクシー会社の強力が…必要です」

と、頻繁に大きな間合いを取りながら話します。ただ間合いを取るだけでは「間抜け」になってしまいますが、川鍋さんの場合は、心の中で思いがこみ上げて、形になるのを辛抱強く待ってから言葉に発していました。この間合いにより、言葉に重み生まれ、言葉に魂が宿って伝わってくるのです。

世の中の多くのトッププレゼンでは、このプロセスが省かれているのです。
一生懸命に覚えた内容を話したり、台本を読み上げるので、心が伝わってこないのです。
また、間合いによる静寂に耐えきれず、安易に言葉を発してしまったり、「あー」「えー」などの言葉を入れてしまい、せっかくの間合いを台無しにしてしまっています。

川鍋さんのような間合いは、耳には聞こえてきませんが、言葉を超えた無言の思いが強く伝わってきます。

間合いは、例えて言うならば相撲の立ち会いのようなもの。相撲の立ち会いは、黙っていても力士同士の気合いの高まりが感じられます。そして、力士はお互いの気合いが高まらなければ立つことはできません。だから、行司は気合いの高まりを見守るだけで「よーいドン!」などと言わなくても一番良いところで立てるのです。

これはプレゼンも同じです。

言葉に魂を宿らせる方法はたった一つ。言葉に魂が宿るまで言葉を発しないことです。
このような間合いは、話しのプロであるアナウンサーが取るリズミカルでスマートな間合いとは、全く違います。

トッププレゼンで必要な間合いは、経営者の魂を込めるためのものなのです。

 

詳しくは、月刊『広報会議8月号』に執筆記事が掲載されています。もしよろしければご覧ください。

 

 

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滑舌が悪い人でも「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言える方法

「ほんじつぁごへえ…ごへえとう…ん?…ごせいとう…あ?」

プレゼン最後の締めくくりに「本日はご清聴ありがとうございました」が言えなくて、何度も言い直してしまったトップ。挨拶もそこそこに足早に帰って行かれて気の毒になってしまいました。

こういうとき大抵の人は、「今日はなんだか滑舌の調子が悪いなぁ」と思ってしまいがちですが、違います。

これは滑舌の調子の良い・悪いとは関係はありません。原因はたった一つ。早口になっているだけです。

人前で緊張するのは当たり前のことです。興奮すれば、心臓がドキドキするのと同じで、気がつかないうちにいつもより呼吸も浅くなり、早口になっているものです。

ためしに本番で、「今日はできるかぎりゆっくり話そう」と心がけた上で、プレゼンを録画してみるとわかります。自分としてはゆっくり話していても、後で動画再生して見ると、「え?こんなに早口になるの?」と驚かれるはずです。これは本番特有の現象で、事前のリハーサルではこういうことはあまり起こりません。はやり本番は緊張して、誰でも無意識に早くなるものなのです。

だから本番では、普段はスラスラ言えているようなことさえ言えなくなってしまうのです。

では、どうするか?

「あり得ないくらい」ゆっくり話せば滑舌の問題はほとんど解決します。

さて今日は、滑舌のためにもう一つ大事なコツをお伝えいたしましょう。

 言葉を区切る

どんなに難しい言葉でも、区切って言うと確実に言えるようになります。「この言葉ちょっと危険だなあ」と思ったら、区切った間合いの後、分からない程度に小さくアクセントをつけると更に確実です。

例えば冒頭の文章だと、息をしっかり吸い、ゆっくりと話し、

「本日は(間)、ご(微妙な間)清聴(間)、ありがとう(間)、ございました」

のように、言葉を少し区切って、間合いの後の「ご」、「せ」、「あ」、「ご」に、小さくアクセントをつけると絶対に失敗しません。少しずつ間合いを短くして、間合いに気がつかれないようにしていければ完璧です。

この方法であれば「きゃりーぱみゅぱみゅ」も怖くありません。

「きゃりーぱ(間)、みゅぱ(間)、みゅ」

このように発音すれば、どんなに滑舌が悪い人でも、「きゃりーぱみゅぱみゅ」と言えるようになります。

試しにこのメールを見ながら発音してみて、できれば録画もして確認してみてくださいね。

 

 

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2017/06/28 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

プレゼンでPDCAを簡単に回し、満足度を格段に上げる方法

「いつも通り上手く話せたはずなのに、アンケート結果でお客様満足度が低いんですよ。寝ている人もいました」

コンサルティングにいらしていたあるトップから、こんなご相談がありました。プレゼンは、いつも話している内容なので、もし満足度が低いとすれば何か別の理由があるはずです。動画を見てみると、意外なことが分かりました。

そこで、そのトップに簡単なコツをお伝えしたところ、1週間後の講演会では、お客様満足度は最高の評価になったのです。

さて、どんなことをしたのでしょうか?

講演の録画を見ると、まるで「お風呂場」で話しているような状態でした。声が響きすぎて何を話しているのか聞き取りにくいのです。

調べてみると、会場は多目的な音楽ホールでした。音楽ホールは、演奏が上手に聞こえるよう、残響を長めに設計しています。また音楽ホールに限らず、教会のような天井が高い会場も残響が長めです。

響きが長いホールでプレゼンをすることになった場合のコツは二つあります。

一つ目は、リハーサルをすること

早めに到着して実際に話してみることです。そして、できれば担当者の方に客席に座ってもらい、聞こえ方をチェックしてもらいましょう。自分で録画して確認する方法もありますが、客席に座って聞いてもらうのが確実です。

二つ目は、とにかくゆっくり話すこと

いつも通り話していると残響が声にかぶってしまい聞こえにくくなります。長めに間合いをとり、「これでもか」というくらいゆっくり話してください。ゆっくり話すためのコツは、「滑舌良くしなければ」と気にしすぎないことです。残響の長い環境で滑舌が良くても、ゆっくり話せなければ話しは聞こえません。

ただ、残響の多い音楽ホールは素晴らしい面もあります。お風呂で歌うと、いつもより上手に聞こえて気持ちいいですよね。音楽ホールも同じ。「どんな人でも良い声になり、上手に聞こえる」のです。ぜひゆっくり話して、音楽ホールの良い面を活かしてプレゼンしてみてください。いつもより評価があがります。

今回の改善点が分かったきっかけは、アンケート調査と録画でした。普通は、アンケートと録画をしないので、「何が悪いか分からない」ことが多く、PDCAを回すことが出来ませんアンケートと録画は、プレゼンの品質を維持するために必須なのです。

冒頭のトップ、最初はあまりプレゼンが上手ではありませんでしたが、この方法でPDCAを回すようになって徐々に上手くなりました。

プレゼンは、アンケート調査と録画という一手間をかけるだけで、お客様満足度は格段に上がっていくのです。

 

 

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