プレゼンで楽に良い声を出す方法

 

「プレゼンで頑張ると、喉が疲れたり声がかすれて困っています」
先日、講演会の後にこんなご質問をいただきました。

「いざ、プレゼン本番」となれば、誰でも喉で頑張ってしまうものです。じつは、発声は喉でするものではありません。

元Jリーガーでサッカー解説者のNさんに、ボイストレーニングをお伝えするラジオ番組に出演したことがありました。

そのとき、下腹のへそ下9センチの場所にある「丹田」という場所を張りながら発声する練習をしました。

そうすると、Nさんは、

「サッカーのシュートを打つときも同じですね」

とおっしゃいました。

「シュートをうつときは、ボクは【内臓を張る】というのですが、下腹を張るように子ども達のサッカーで教えています。リラックスしながら力が発揮できるからです。」

サッカーでも、いざシュートを打とうとすると力みがきて失敗しやすいのだそうです。しかし、丹田を張ることで余分な力が抜け、パワーが発揮できるのです。

声を出すときも、丹田をはることで喉に力みがなくなり、良い声が出るようになります。

例えば、酒屋さんが腰の低い位置でしっかりと前掛けを縛っているのを見たことがあります。重い酒瓶を運ぶときに、下腹を張って丹田に力が入りやすくしているのだそうです。
引っ越し屋さんも、重い荷物を運ぶとき息をはきながら「ふんっ」と持ち上げますが、お腹はへこんでいません。

私は、最初なかなか丹田をはりながら発声することができませんでした。そこで、カフェ・エプロンをぎゅーっとまきながら練習しました。エプロンの圧力を押し返すように下腹をはって発声することで喉の力みがとれて声が良くなるのです。

ぜひ皆さんも下腹を張るようにしてみてください。喉が楽になるはずです。

 

ボタンダウンシャツでスーツを着てはいけない

 

これまで数多くのプレゼンを取材してきて、トップのファッションでとても気になっていることがあります。

それは、正式な場のプレゼンにもかかわらず、スーツにボタンダウンを合わせる方が多いことです。

ボタンダウンシャツはポロ競技に使われるようになって広まったシャツです。もともとはスポーツ用です。一般ではカジュアルな場面で着るものとされています。

ビジネスマンでもスーツにボタンダウンを着る方がいますが、スーツにネクタイでは合わせないのがルールです。こんなちぐはぐな格好をするくらいなら、スーツではなく会社のユニフォームの方が断然潔く見えると思います。ホンダの八郷社長が、たまに作業着でメディアの前に出られることがありますが、とても格好良く見えます。

(ボタンダウンではドゥエボットーニという襟の高いシャツがあり、これは正式な場でもOKとされています)

スーツに合わせるなら、ごく普通のYシャツを着ればまったく問題ありません。

正式なプレゼンをスーツで臨まれるとき、どんなシャツを着るか確認してみてください。

 

トッププレゼンは自分の強みで勝負

「ウチのトップには、あの会社の〇〇社長みたいに会社のことを力強くPRしてほしいのですが、あまり人前に出たがらないんですよね」

広報担当者さんからこんなご相談を受けることがあります。

確かに人には向き不向きがあります。しかし、会社のメッセージはトップが言うことで強い訴求力を発揮します。やはりどんどん人前に出て話してほしいものですよね。

先日、ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社の上島成介社長のプレゼンを取材してまいりました。

1933年創業のコーヒー専業老舗であるUCCは、UCCグループ会長・上島達司氏のもと、グループCEO兼社長を長男の豪太氏が、海外事業を統括するUCCインターナショナルを次男の昌佐郎社長が務めています。この日登壇した成介氏は三男。

実は私が当日会場に到着した時、入り口を間違えてしまいました。すると、成介社長が出てきて「入り口はあちらになります」といってご案内してくれました。また、私の背後に花壇があることに気がつき「あ、後ろが花壇になっています。お足元にお気をつけください」との気遣いもいただきました。

ちょっとしたことなのですが、会場でトップ自ら道案内する姿勢から、「すべてに責任を持つ」という創業家ならではの覚悟が感じられました。

成介社長はプレゼン前、緊張している様子が伝わってきました。しかし、舞台に出ると覚悟を決めたように集中。華やかに舞台慣れした姿ではなく、どちらかというと地味で内向的な姿でしたが、私をご案内していただいたような優しさと上品さに溢れて好感度の高いものでした。
プレゼン内容も、本格派コーヒーの老舗らしく、コーヒーの深い世界観を呼吸するように説明し、ご自身の強みを活かした「強みの土俵」で勝負する説得力の高いものでした。

トップになれば、人前に立つ立場も多いもの。そこでご自身のタイプや強みを活かしてプレゼンすれば、強い訴求力を発揮できるのです。

広報の皆さんにも、トップには理想とする「こうあるべき」というスタイルをお勧めするのではなく、トップのタイプを見極めてプレゼンを構成することを考えてみてはどうでしょうか。

詳しくは、「広報会議4月号」に記事が掲載されています。ご興味ありましたらご覧下さい。

 

聴き手との対話を深めるプレゼン

 

先日、ある記者さんから取材を受けました。

ストレートで本質的な質問をいくつもいただきました。
そうすると、こちらも考えるのですよね。
そしてまた新たな質問をいただき、対話が深まる面白さを感じました。

このような深い質問を受けると、私はその後も考え続けてしまいます。

「あの質問は本当はどういう意味だったのだろうか?
私の答えはあれでよかったのだろうか?」

考え続けていくと、気づきがあったり、新しいアイデアが生まれたりします。

立場を変えて自分が質問するとき、いつも質問の難しさを感じています。
対話が深まらず「つまらない質問をしちゃったなぁ」と反省することもよくあります。
聞くだけなのに難しいのですよね。

ですので良い質問を投げかけてくださる方の力量には敬服しています。

良い問いを投げかけると、相手は深く考える。
その答えにより、さらに新しい問いが生まれる。
そしてまたさらに深い答えが返ってくる。
この良い循環が生まれることが、対話の醍醐味ではないかと思えます。

これは一対一の対話ですが、この対話を不特定多数の方々と行うのが、プレゼンではないかと思います。
聴き手の方々は、黙って聞いているだけでも目や気で問いかけてきます。
それを感じるようになれれば、聴き手との深い対話が生まれてきます。

プレゼンで対話の深まりを感じられるようにしたいですね。

 

新刊『緊張して話せるのは才能である』が発売されました

新刊『緊張して話せるのは才能である』発売されました。

「プレゼンで緊張する。克服したい」とご相談に来る方がとても多くおられます。
でも緊張ってなくそうと思ってもなくせないものですよね。こんな方にお役に立てばと思って書きました。

・人前に出るだけであがる
・大事なプレゼンほど早口に
・質問されると頭が真っ白

でも、緊張の扱いが分かれば、思い通りに伝わるようになります。

アマゾンにも詳しく図などで内容を紹介いただいていますので、よろしければご覧下さい。

【目次】

第1章 「緊張して話せません」 …緊張するのは、実は才能である
1 「緊張は悪いもの」という教えは間違っていた
2 緊張には理由があった
3 あなたが緊張するとき、聴き手は感動する

第2章 「どう話せばいいの? 」…緊張のトリセツ
1 魔の3分を乗り切れ
2 10回の練習より1回の録画
3 「鉄板ネタ」で魔の3分を乗り切る
4 冒頭15秒が、ゴールデンタイム
5 「緊張のピーク」最初の3分にするべきこと
6 5分~10分は、「気を抜かない」
7 リハーサルが下手でも、本番は成功する
8 ダメプレゼンをする人は、直前に資料を修正している
9 「オレ本番強いから」は99% 勘違い

第3章 「何を話せばいいの? 」…口下手でも、緊張しない人に勝てる方法
1 自分のタイプを見極めよ
2 話し上手に勝つ「バリュープロポジション」の考え方
3 ムリめな自分を演じると、結局、損をする
4 人はロジックでは動かない。感情で動く
5 人を動かすには、ホラを吹け
6 失敗談は成功談より100倍伝わる
column 羽生選手のプレゼンはどこがすごいの?

第4章 「じゃあどうすればいいの? 」…緊張で、聴き手の心
を動かす方法
1 息を2回吸えば、大抵の問題は解決する
2 記憶に残り、人が動く五つの技法/濁点法/ 一本指話法/ 悪代官スペシャル/モラウ法/テーマ反復法
3 顔を覚えてもらうには、いつも同じメガネで
column あなたの癖「女子揺れ」に気がついていますか?

第5章 「でも質問、怖いです」緊張しても、困った質問は
切り抜けられる
1 あなたの本気度は、質疑応答が伝えてくれる
2 あらゆる困った質問に対応できる五つのマジックフレーズ
「良い質問です」/「あなたの話が聞きたい」/オウム返し/「勉強不足なのですが」/「もう少し状況を教えてください」
3 質疑応答は得意技で切り抜けよう
column まずは宴会の挨拶から自分の言葉で話してみよう

 

2019/02/18 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : nagaichika

「あー、えー、あのー」を無くせば説得力10倍

 

「あー」「えー」「あのー」といった余分な言葉がどうしても入ってしまう人、とても多いですね。

「『あー』とか『えー』は、よくない」と思っていても、どうしても出てしまうものです。
聴き手から見ても、「あー」「えー」ばかりの話しは聞きづらいものです。
「あー」「えー」が多いプレゼンは、間延びして聞こえ、内容がはっきりせず、聴き手に言いたいことが明確に伝わりにくくなります。
私が見る90%のプレゼンは、この「あー」とか「えー」を多用しています。

ではどうしたら「あー」「えー」を無くすことができるでしょうか。

「あー」「えー」をつけて話す人には、特徴があります。
それは「あー」「えー」でリズムを作りながら話していることです。
だから「あー」「えー」を止めた途端、次の言葉が出てこなくなってしまうのです。

でもこのリズムは自分のためだけのもの。プレゼンを聞いているお客様には、1ミリも意味がありません。
「あー」「えー」をなくすだけでも、すっきりと聞きやすくなりますし、内容が濃く、迷い無く伝わります。

できれば「あー」「えー」なしでも自分のリズムを作って、話せるようになりたいものですよね。

「あー」「えー」をなくすには、「間合い」を作ることです。

皆さんはカラオケで歌うとき、休符だったり伴奏の部分で歌いますか?
例えば「与作」です。

「トントントン〜〜(コーラス:トントントン〜〜)
トントントン〜〜(コーラス:トントントン〜〜)
(ジャジャン!ジャジャン!ジャジャン!ジャジャン!
ジャジャジャジャジャジャジャジャジャン!!!)
(極まって)与作〜与作〜〜・・・・(続く)」

コーラスや「ジャジャン」の部分は、音楽にノリノリですが間合いをとって黙っていますよね?
聴き手からすると、この間合いがたまらなく説得力があって聞こえるのです。
歌い手からしても、この間合いで気持ちを盛り上げているのです。

せっかくの感動的な間合いで、うかつな声を出してしまえば、全体が台無しになります。

プレゼンもまったく同じです。
「あー」「えー」は、この間合いで声を出しているようなものなのです。

「あー」「えー」を言うかわりに、あたまの中で(ジャジャン)というようなリズムを刻むことで、黙って間合いが取れるようになります。
これができれば、説得力は10倍になりますよ。

 

プレゼンでやってはいけない動作ワースト3

たくさんの講演やプレゼンを拝見してきましたが、8割以上の方々が悪気なく「やってはいけない動作」しておられます。ご自分で動画を見て、「え?」と驚く方も多いのです。

(1)手を後ろで組む
「休め」の姿勢のように後ろで手を組む姿勢です。
これは何か隠しているように見えてしまいます。
また、人によっては「偉そう」という印象にとられますのでご注意ください。

(2)腕組みする
胸の前で腕を組む姿勢です。
聴衆に対してブロックしているイメージに見られます。
質疑応答でされると、「怒っているのかな?」と心配になってしまいます。

(3)指で差して指名する
攻撃的なイメージで、「上から目線」になります。
慌てていると思わずやってしまう方が多い代表的な動作です。
政治家で意図的になさる方もいます。
手の平を上にして「どうぞ」と指名すると良いでしょう。

これらは全て手の動きですよね。手は、両脇にたらすか、表現したいときはベルトの位置より上で動かすことです。そして手は握るより広げている状態が「聴き手を受け入れているというオープンなイメージにつながります。

皆さん、「自分はやっていない」と思われていても「自分のことは分からない」ものです。一度、スマホで動画を撮られてみることをおすすめします。

プレゼンで分かりやすく話せない理由

 

「簡単なことをわざわざ難しく話してしまう」

という方が結構多くいらっしゃいます。

難しい話しをする方にはある傾向があります。プレゼンの後に質問をすると、その答えがさらに難しく、かえって分からなくなってしまうということが往々にしてあるのです。

「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男さんが、「『やさしく言えるから管理職』――できないのは自らが理解していないから」についてお話しされていたのがたいへん参考になります。

・・・・(以下引用)・・・・

・やさしく言えるから管理職です。聞く側(部下)が難しく感じるということは、理解できないということです。理解してもらわなければ、部下の方は会社が求めている行動が十分にできなくなってしまいます。

・人は理解していないことはやりたくないし、できないものです。部下を含めた社員がこれでは、組織はまとまりません。

・管理職の一番の仕事は、きちんと理解してもらえるように伝えることです。

・やさしく言えないというのは、管理職自らが理解していないということです。

・・・・(以上引用)・・・・

 

やさしく語ることは、相手の立場に立つということだと思います。

そのためには、まず自分ができる限り深く理解をして、そして、相手の立場に立って「もし自分が初めてこの話を聞くとしたら」という想像力を働かせなくてはなりません。プレゼンテーションは、自分が管理職でなくてもお客さんに理解して行動してもらうためのものですから、考え方としては管理職と同じです。

難しいことをやさしく説明するということは、内容を深く分かっていないとできないことです。子供向けの科学の本や辞典とか、初心者向けのビジネス書など、簡単に面白く書かれている良く出来たものの著者をみると、実は難しいところまで深く理解できている人が書いているのです。

やさしい言葉で語ること、つまり「自分が消化できている自分の言葉で語る」ことの大切さを感じています

風邪で大事なプレゼンを失敗しないために

 

風邪が流行っていますね。こうなると、マスクが手放せません。

そもそも大事なプレゼンで風邪を引くのは、とても困ります。
声も出ませんし、大勢集まっていただいた聴き手の皆さんに風邪をうつしてしまうのも、迷惑ですよね。

上手にマスクを使いこなして、風邪を防ぎたいものですね。

ただ最近のマスクはフィルター性能が高いものは多いのですが、使い方を間違うと、ウイルスをほとんどカットできていないのだそうです。その原因は、マスクと顔のすき間。 すき間があるとフィルター性能が発揮できないのです。

そこで、鼻、ほほ、あごの3点に隙間を出さずフィットさせる必要があります。ワイヤー付きなら、折り曲げてフィットさせたり、プリーツ式ならあごまでしっかりのばせば、すき間が減らせます。フィットさせることに気をつけるだけで、カット率は大幅に改善するそうです。

さらに手洗いやうがいも、風邪の感染防止に効果があります。

風邪を防止して、万全の体調でプレゼンに望みたいですね。

プレゼンで好印象を与えるコツ

「プレゼンで好印象を与えるコツは何ですか?」と聞かれることがあります。

実はそんなに難しいことではありません。

昔、仕事場に行くと、まず「元気ですか!?」と聞いてくる先生がいらっしゃいました。

私は、「風邪をひているわけでもなく、疲れているわけでもないのに、なぜ『元気か?』なんておたずねになるのだろう?」といつも思っていました。

しかし最近になって、先生が「元気ですか?」とおっしゃっていた意味が分かってきたのです。

よくアントニオ猪木さんが「ダァーッ!元気ですかー!?」とおっしゃっていましたよね。
国会で質問に立ったときもコレをなさったので、この方は相変わらず凄いなあと思いました。こういう方がいると、ポジティブな空気感になり、前向きな議論を展開しやすくなるような気がします。猪木さんは、体調を崩されていたそうですが、精一杯エネルギーを出されていましたので、病気がちにはとても見えませんでした。

元気とは「エネルギー量」なのです。

プレゼンで、どうしてもエネルギーが出ない方がいらっしゃいます。

人生いろいろ。仕事が上手くいかないこともあれば、プライベートで悩むこともあると思います。そういうときはエネルギー量が落ちて、マイナスの空気感が出てしまうことも多いものです。
それは周囲にも影響します。

「なんでこんな仕事をしなくてはならないんだろう」と思っている人が、暗い気持ちで人前に立てば、全体もネガティブな空気になって前向きになれませんね。

しかしリーダーともなれば、悩みがあっても、多少二日酔いでも、人の人生の時間をお預かりする立場。まずはたとえカラ元気であっても、自分のエネルギー量を増やして元気を出すことが、好印象につながり、組織も明るくなり、仕事も上手くいく秘訣ではないかと思います。

怖い反復練習による「ズレ」の定着。対策は?

 

プレゼンの練習で気をつけていただきたいことがあります。
それは反復練習です。

勉強でもスポーツでも音楽でも、「反復練習が大事」と言われます。
しかし反復練習は怖い点もあります。

間違ったフォームややり方を反復練習すると、それが身についてしまって、なかなか取れなくなってしまうのです。
時間が経った後でも、間違ったやり方が再現してしまうのが怖い点です。
ずれていることに自分が早く気がつき、方法を変えることが、無駄なく最速で上達するコツです。

十種競技をしていた武井壮さんが「スポーツが短時間で上達するコツ」について、お話されてたことが大変参考になります。

・・・・(以下抜粋して引用)・・・・

・どんなに長い時間練習しても、その練習が間違ったフォームでやってしまっては意味がなくなってしまいます。
・単調な動きは短時間やってみてしっくりこなければ、いくら繰り返しても無駄なのです。ひたすら繰り返せば上手になるというのは大きな勘違いです。
(参照→武井壮が語った「スポーツが短期間で上達するコツ」)

・・・・(以上抜粋して引用)・・・・

根性で反復練習しても、なかなか上達しないということ。
これはプレゼンでも同じです。

たとえば、練習のとき無意識に「あー」とか「えー」とか言って話していませんか?コレを何度も練習してしまうと、「あー」とか「えー」とか言う癖を身につけているようなものです。

 

プレゼンの場合、対策は簡単です。自分のプレゼンしている姿を録画すれば、すぐに自己流の問題点がわかります。
ぜひ録画をして、ずれた動きを発見し、無駄なく上達していただきたいと思います。

 

プレゼンは、笑顔で!

 

こんなご相談が多くいただきます。
「うちのトップ、笑顔がないので困ってます」

取材で感じるのは、フォトセッションや囲み取材で笑顔量不足の方が多いことです。どんな質問が来るかと身構えているのが伝わってきます。
メディア露出のときこそ、笑顔量5割増で訴求したいところです。囲み取材でも表情豊かに受け答えをすれば、記者とのコミュニケーションもスムーズになり、質疑内容も深まります。

メディアとのコミュケーションが上手なトップは、笑顔倍増で受け答えするので、やりとりが活発になり、その後の露出が増えることが多いものです。

今年取材した中では、特にKDDIの高橋誠社長が笑顔の使い方が上手でした。
常に微笑みを絶やさない表情です。基本の顔の作りが、いつも笑っているような顔をしているのです。
この顔は、何も話さなくても周囲が和みますので、とても得です。

ただ高橋社長は、笑った顔でも緩んだ感じになりません。囲みのとき、至近距離で高橋社長を見ていたのですが、高橋社長の目の奥はまったく笑っていないことに気がつきました。その目の奥底にある厳しさに、ある種の怖ささえ感じました。この厳しさや怖さが、敷居を外しながらも、程よい緊張感がある理由なのだと思いました。

水島新司のマンガ「ドカベン」で微笑三太郎という三塁手がいます。微笑は「笑ったような顔をしていて優しそうだが、実は気が強い」というギャップのあるキャラクターが際立っていました。高橋社長は、まさに経済界の微笑三太郎だと思います。

ぜひ頑張って笑顔を出してみることをお勧めします。

 

アゴを引くとよい発声はできない

こんなご質問をいただくことがあります。

「アゴを引いて発声した方が良いのでしょうか?
それとも引かない方が良いのでしょうか?」

ちょっとマニアックな質問ですが、実は結構大事なポイントです。

「アゴを引いて声を出したほうがよい」といわれることが多いですし、私も他の方からそういう指導いただいたことがあります。

でも実際には、アゴは引かない方が良い声が出るのです。

アゴを引いてしまうと、のどの周辺が締まり狭くなってしまうので、声が響かなくなるからです。
発声をする際の最優先は、喉の周辺の余分な力みをとることです。

顎の位置は、どの程度が良いのでしょうか。

会議室でしたら、後ろの壁の真ん中より少し上を見るくらいの角度です。このくらいのほうが喉や首周辺がリラックスして発声しやすいのです。
ちなみに音楽家の場合、「ステージから1階席真ん中あたり見て声を出すのが良い」と言われています。

「声が疲れてきたな」と感じるときは、首周辺が固くなり凝っている状態になっていることが多いものです。いったんゆっくりと上を向いて、首を伸ばして、ストレッチしてあげてください。また、水分をとることも大切。水を飲むことで喉頭がストレッチされるので有効です。

アイコンタクトをしないのは損

真剣な話し合いの場で、もしお相手の方が私たちの目を見て話さなかったり目をそらしたりすると、ちょっと不安になりますよね。
プレゼンの質疑応答でも、同じ事を感じることがよくあります。
質問者に対して目線をすぐにそらしてしまう人は、自信がない印象を与えてしまいます。これはちょっと損ですよね。

アイコンタクトができない方にお話しを伺うと、「相手の目を見るのが耐えられない」という方も少なくありません。
しかし厳しい言い方になりますが、目線を合わせないのは、相手に正対していないからです。
目を見ていることが難しいのであれば、大事なポイントだけでもアイコンタクトをとるべきです。

また、アイコンタクトの印象は、その場だけのものではありません。
「別れる直前の表情を見れば、その人がどういう人かわかる」と教えていただいたことがあります。人は別れ際にその人の人となりが一番表れます。

「あなたとのご縁に感謝しています」という心の余韻を慈しむ気持ちというのが必要なのです。

かけがえのない時間を割いてその場に来ていただいている相手をリスペクトし、正対してアイコンタクトをしたいものです。

 

失敗談は、プレゼン最強の武器

プレゼンでは、私たちはつい「成功した話をしよう」と思いがちです。
でも聴く立場になると、成功談よりも失敗談の方が面白く感じますよね。

実はプレゼンでは、成功談より失敗談のほうが共感されます。

だからプレゼンでも、堂々と失敗談を語ると共感が得られます。

多くの人が過去の成功体験ばかりを語りたがるのは、失敗を語ることは自分の評価を下げると考え、さらに「恥をかきたくない」というプライドがあるからです。

しかし、失敗から自分が何を学んだのかを語ることで、聴き手は共感し、感動し、行動を良き方向に変えることもあります。

現在の社会では失敗は増えていますし、なかなか隠せません。世の中がどんどん変化しているので、新しいことには失敗は付きものなのです。さらにSNSが普及して失敗を隠そうとしても隠せないのが現実です。

むしろ失敗したことは、新しいことに挑戦した証しです。
新しい挑戦をした結果の失敗は、恥でもなんでもない。
そんな時代になっています。

宣伝会議デジタルマガジン 1月号に亀田製菓・佐藤勇社長の「プレゼン力診断」を執筆しました。

佐藤社長は、課長時代にベトナム事業を失敗して1億円以上の損失を出したことがあります。責任を取るため進退伺を出しましたが「当社で失敗の経験者は君だけだから貴重だ。この経験を次に生かしてほしいので昇格させる。辞めることは認めない」という言葉をかけられ、会社に残ることになった方です。

この日のプレゼンでも、肩をすくめ、クスッと笑いながら失敗談を公開していました。

もしご興味ございましたらこちらをご覧下さい。

トッププレゼンで選ぶべきネクタイは?

 

「プレゼンや会見ではできるだけ明るい色のネクタイをしたほうがいいでしょうか?」

というご相談を受けることがあります。

確かに、意図して派手なネクタイをしている経営者がいます。

日本電産の永守重信会長は、日本電産のコーポーレートカラーのグリーンを基調に、大柄の水玉などのド派手なネクタイをしていますが、それ自体がキャラクターと一致していて納得性が高いのも特徴です。

また、ユーグレナの出雲充さんも、同じようにコーポレートカラーのまぶしいばかりのグリーンのネクタイをしていますね。

ネクタイは体の真ん中にあり目に付きやすいこともあるので、「この派手なネクタイといえば00さんね」と思い出してもらえたり、覚えてもらえることができるというメリットが大きいのです。

特に創業者など、自らが会社の看板となるような人は、個性的だったり派手なネクタイをしている場合が多いと思います。
洗練されているかどうかといのは二の次三の次。ファッション性は多少犠牲にしても、会社のために自らを演じられるプロでもあるわけです。

いつも同じものを繰り返しつけていると印象に残りやすくなりますので、もし意図してネクタイを選ぶならぜひ繰り返しつけてください。

 

時間ピッタリの見事なプレゼン

 

先週は2日間、第20回日経フォーラム世界経営者会議に参加していました。
世界のトップのプレゼンを次々と見られる貴重な機会でした。

印象に残ったのは。エアアジアのトニー・フェルナンデスCEOです。
ご自身のプレゼン後、「10分ですよね。時間通りに終えました。私のエアラインと同じく時間厳守ですね」と、時間ピッタリに終わりました。

大抵の方は時間が超過します。トップに限りません。会場のスタッフが常に残り時間の札を持って、登壇者に示しても超過する方が多いのです。こうなるとしわ寄せがお客さんの休憩時間に来て、休憩時間も短くなります。

とても不思議なのですが、プレゼンは指定時間より短めに終わるということがほとんどありません。時間をオーバーすれば、お客さんの満足度は一瞬で下がります。しかし話し手は緊張したり、つい熱が入ったりして、時間が押しても「準備した内容を全て伝えるのが自分の仕事」と考え、悪気がないのに時間オーバーしているのです。

「お客さんの大事な人生の時間をお預かりしている」という最も大切なことに気がついていないのは残念ですね。

逆に余裕をもって時間通りに終わるだけで、簡単に聴き手の満足度はあがるのです。

プレゼンは時間通りに終わる。これを死守しましょう。

一晩中泣く赤ちゃんが声枯れしないワケ

 

「声に自信がない」という方が多くおられます。

でも、本来、人は良い声を持っています。

赤ちゃんが生まれると「オギャー!」と良い声で泣いていますね。赤ちゃんはどんなに一晩中泣いていても声が嗄れることはありません。しゃがれ声の赤ちゃん、なんて聞いたことありません。どんな人でも、平等に良い声を持って生まれてきているのです。

しかし、人生経験を積み重ねる中で、どこかおかしな発声になってしまい、良い声が出せなくなってしまうのです。

例えば、子供の頃「こんな声を出してはいけません」と注意を受けたり、小学校で友達に「変な声」とからかわれたりします。そうすると、自分なりに「こんな声がいいかな?」「こんな風に出すと格好良いかな?」と、間違った方向に工夫し始めます。

そのような状態になると、赤ちゃんの頃は素直に合っていた声帯は、少しずれた方向に働いてしまいます。そして、人生を重ねれば重ねるほど、声帯がおかしな方向に働いてしまう癖がついてしまうのです。つまり、「声帯に厚着をしている」ようなものなのです。

一般的には、声を良くするために始めると思われているボイストレーニングですが、じつは、声帯の厚着を一枚一枚脱がしていって、本来持っていた良い声を取り戻すのが目的です。

ボイストレーニングでは、声帯の働きがずれていることに気がつき、方法を変えていくことが、無駄なく最速で上達するコツでもあります。

 

「トップとメディアのリレーションが作れない」というお悩み

先日、広報担当者さんからのご相談がありました。

「トップとメディアとのリレーションが上手く作れないんですよ」

メディアとのリレーション作りが上手いトップには、二つの特徴があります。

一つ目は、時間をかけること。
トップ就任後にあわててリレーション作りをしてもなかなか難しいものです。

ある通信系会社のトップは、トップ就任の部長時代から、じっくりと時間をかけてメディアと関係作りをしてきました。その結果、トップ就任直後にもかかわらず、会見後の囲みでは一歩も二歩も踏み込んだ深い内容の質問が多くでていました。

二つ目は、メディアからの質問には誠意を持って答えることです。
最近は些細なことでも「詳細は話せません」と紋切り型で答えるトップが多いように思います。もちろん話してはいけないことはいうべきではありません。しかし少しでもリスクがあれば「答えられない」と言い切っていては、メディアとの関係を作るのは難しいかもしれませんよね。

ある食品会社のトップは、普通なら回答NGの難しい質問を受けても、「話せるギリギリの範囲で、少しでも相手に満足いただきたい」と考え、ちょっとしたヒントを与えたりして回答しています。メディアへの真摯な姿勢と誠意を感じます。

メディアとのリレーションも人間の関係です。一朝一夕には出来るものではありません。時間をかけて、誠意をもって関係作りを行っていくことが良い方法だと思います。

2018/10/31 | カテゴリー : スピーチ | 投稿者 : nagaichika

「では、ひと言」といきなりいわれたら…

何かの集まりで、いきなりこうなることってありますよね。

「はい、それでは一言お願いします」

こんなとき(スッと話せたらいいなあ)と以前から思っていました。

昔はよくしどろもどろになり、話し終わって「要はなに?」という状態になっていました。

最近、人前で話すときに気をつけていることがあります。

話す前に、おおまかに話すことを考えて立つことです。
3分程度の短いものでも、必ず構成を考えます。

たとえば3部構成にして、

1部「自分の紹介」(名前だけか、肩書きを一言のみ。最短時間が好ましい)
2部「その場の方々に関連する話し」
3部「まとめ」

このように、簡単に頭でまとめてから話します。

こうしないとダラダラ話したり、「あー」とか「えー」とか言って考えながら話すことになり、人の時間を無駄に使ってしまいます。

「要はなに?」

話し終わったときにそうならないようにしたいですよね。

(気の利いた話をしよう)なんて思わなくても良いのです。
話の構成がまとまっているだけで、人に伝わる話しになります。

頭の中でまとまっていると、次に話すことが頭に思い浮かばずに頭が真っ白になることもありません。落ち着いて話せます。

落ちついて話せれば、あせって早口になり、つっかえることもなくなり、皆さんとアイコンタクトもとれます。

何より良いのは、しっかり息を吸い横隔膜が使えて良い声で話せるので、説得力のある話し方ができることです。

そろそろ忘年会の準備も始まる時期。
ぜひお試し下さい。

2018/10/24 | カテゴリー : スピーチ | 投稿者 : nagaichika