「私、プレゼンが大の苦手。やったら絶対失敗しちゃいます。できれば一生やらないで済ませたいです…」
こんな方がいらっしゃいました。
でも社会人ならどんな人でもいつかはプレゼンする機会は訪れるものです。
本来は「これやりたい」「楽しそう」と思って取り組む方が成功しやすいと言われています。
では「仕方ないからやる」のは、やっぱり無駄なのでしょうか。
知人に誘われて、田んぼの草取りの手伝いに伺ったことがあります。当時の私は、「庭の草取りだって面倒なのに、なんで田んぼの草取りをしなくてはならないの?」と思いました。
なんとなく草取りを始めましたが、つまらない単純作業の連続です。
でもやっているうちに少しずつ雑草の抜き方や水田の動き方のコツがつかめて、気持ちに余裕が出てきました。そうすると、「どうするともっと効率が良くなるか」、「身体を上手く使うにはどうすればいいか」など、工夫しながら作業するようになります。ふと楽しんでいる自分に気がついたのです。その瞬間、自然への畏敬の念と共に、幸せな気持ちがわき上がってきました。
江戸時代初期の思想家・鈴木正三(すずきしょうさん)は、「何の事業も皆佛行なり」 と考え、「ただ無心に行動することで気づきが得られる」と言います。
正三の時代は、悟りを開こうと思えば寺院にこもって修行しなくてはいけないと考えられてきました。しかし正三は、日々の仕事こそ仏行であり、仕事をすれば自動的に世の中に貢献することになり、ただ仕事に感謝して働けば悟りが開けるということを言ったのです。
自分が見えている世界は、これまでの経験からくる前提や思い込みから出来ています。
新たな経験をしてみると何かしらの「気づき」があって、想像していた世界と違って見えてくるということがあるのです。
プレゼンも、ご縁があったらまずはやってみる。そこから自分が変わっていくということがあるのだと思います。