コンサルティングで見違えるようにプレゼンが上達する人にはある共通の特徴があります。
それは「頑固な人」です。
これって意外ですよね。
一般的には「素直じゃないと、人は伸びない」と言われています。
でも「素直」とはそもそも何でしょう。ちなみに辞書にはこう書いています。
「飾り気がなくありのままである様子」
「従順で、人の言動を逆らわずに受け入れるさま」
「非を素直に認める」「忠告を素直に聞く」「行為を素直に受ける」とよく言います。
素直さは、どうやら「受け入れる」という要素があるようです。
でもちょっと考えてみて下さい。なんでも「受け入れる」人って、どうでしょうか?
「Aにしたらいいと、思いますよ」
「そうですね。確かに。Aにします」
「それ、ダメですよ」
「そうですか。早速やめるようにします」
(なんだか物足りない)という気がしませんか。
確かに素直です。でも他人の意見を右から左に受け入れ続ける「自分がない人」のようにも見えますよね。
こんな状況を、精神科医の土居健郎はこう表現しています。
「『自分がない』とは、『私は自分というものを持っていない』、『彼は自分というものを持っていない』など、自身の内面を反省的にとらえている自己意識のこと」
よく会議で「彼には、自分の意見がない」「彼は何をやりたいのか分からない」と言われる人がいます。
こんな人も「自分がない」状態に陥っています。
組織の中で「自分がある」状態にするには、勇気が必要です。
他人と対立したくない場合は尚更です。自分の意見を強く主張すると「あいつはKY」とか「あいつは頑固」と言われてしまいますよね。
人は様々な経験を蓄積しています。だから自分なりの持論や前提を持っています。
こう考えると、人は本来「頑固」なものなのです。
この頑固さが、その人の価値観を形作っています。
一方でこの頑固さという価値観は、何か大きな壁に直面して、価値観の限界に突き当たることがあります。
こんな時には、価値観そのものを大きく変えて行く必要もあります。
その時にこそ必要なのが「素直さ」です。
こう考えると人が成長するためには、頑固さを持ちつつ、相反する素直さも持ち続けることが、必要なのです。
最初の話しに戻りましょう。
コンサルティングで見違えるようにプレゼンが上達する人は、アドバイスを受け入れつつ、自分の意見を人前で通す頑固さを持つ人なのです。