プレゼンには様々な「型」があります。
古くはプレゼンテーションZen。最近はTEDなどです。でも、本当に型どおりやっていれば上手くいくのでしょうか?
私が、ある企業のインナーコミュニケーション向上のためにコンサルティングで入ったときのこと。
広報担当者さんは「トップのメッセージで社員のやる気が上がらなくて困ってます」とおっしゃいます。
そこで過去に収録したトップのプレゼンを見ると、社員の前で部下の書いた台本を正確に読み上げています。
コンサルティングで、トップに聞きました。
「そもそも、なんでこのやり方でやっているのですか?」
トップはこうお答えになりました。
「うちの会社は今までずっとこのやり方でやってきたから…」
代々受け継がれてきた型に対してまったく違和感を持たずやっていたのです。
でも、これで社員のやる気はなかなか出ませんよね。
そこで、やり方を見直しました。
コンサルティングではトップと話し合いながら、「社員にどんなメッセージを伝えたいのか」をシンプルに構成。
そして本番では台本は見ず、トップ自身の言葉で話すことにしました。
すると地味ではありますが、トツトツとした語り口からトップの実直な人柄が醸し出されて、じんわりと伝わってきます。
話しを聞いた社員の方々から「社長の言葉を聞いてやる気になった」という感想がたくさん届きました。
トップは型を破ることができたのです。
「守破離」という言葉があります。
「型どおりこなす」ということは、大事なことかもしれません。
でも、もしその型が自分のタイプとミスマッチであれば、うまくいかないのは当たり前のことですよね。
その型が本当に正しいのか、一度疑問を持ってみることが、さらなるご自身の成長につながるのです。