「ジョブズのようなプレゼンがしたい」
「池上彰さんみたいに話したい」
このようにおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
プレゼンでも、「真似る」ことは悪いことではありません。
「学ぶ」ことは、「真似る」ことでもあります。
「まなび」は、模範となる人を見つけて「まねる」ことから開始するということです。
しかし、真似には怖い罠が仕掛けられています。
それは”猿真似”。
猿真似プレゼンほどイタいものはありません。
ジョブズのような達人は、長い年月の試行錯誤と葛藤を経て、自分に合ったスタイルを確立しています。
資質や生き方、体格もまったく違う人が単に猿真似をしても、聴き手が違和感を感じるのは当たり前ですよね。
本来の真似をして学ぶべきは、結果としてのプレゼンスタイルではなく、そのプレゼンスタイルの背後にある考え方ではないでしょうか?
それらを理解せずに単にスタイルを模倣しているだけの人は猿真似の罠にはまり、「イタいプレゼン」になるのです。
では、猿真似の罠にはまらずに大成するにはどうすれば良いのでしょうか。
それは達人のプレゼンスタイルをそのまま鵜呑みにせずに、まずは形を真似てみて、問題意識を持ちながら改善していくことです。
大本山永平寺の七十八代目貫首、宮崎奕保禅師が、真似について以下のように言っています。
『仏の真似を一日真似れば一日の仏、三日真似れば三日の仏。一生真似ればそれは本物だ』
真似は簡単ですが、真似を継続するのは難しいのです。
美味しいところだけ真似るその場しのぎの真似は、学ぶことにはならないただの「猿真似」。
本物の学びとは、葛藤を伴う試行錯誤のプロセスから為されるものなのだと思います。