プレゼンが素晴らしく見える最後の決め手

 

プレゼンが素晴らしい女性は誰ですか?」

女性から、こういう質問を受けることがあります。

もし一人挙げるとすれば、それはIMF専務理事・クリスティーヌ・ラガルドさんです。
(※2019年7月3日加筆:このコラムを書いた翌日2019年7月2日、ラガルドさんは欧州中央銀行(ECB)総裁に就任しています)

ラガルドさんの男性に媚びることがなく、だからといって女性らしさを失わないふるまいは、社会で活動していこうとする女性の良いお手本となる存在です。

凄いのは、低い声で、しっかりと迷い無く言葉を発するところ。ラガルドさんご自身が、腹の底から信じているので言葉に力が宿り、聴き手の不安が消え、「大丈夫だ、出来る」と思えてきます。

ただ、言葉だけではありません。

まず、ファッションセンスも見事です。黒やグレーのスーツでも色味のあるスカーフをあしらい、顔周りを華やかに演出をしています。さりげなくフランスのブランド、ルイ・ヴィトンやエルメスのバーキンを持っているのを見ると、こういう方こそふさわしいと思ってしまいます。

加えて、姿勢が良いのも、素敵に見えるポイントです。ラガルドさんは、1971年にシンクロナイズドスイミングのフランス選手権で二位を獲得した経歴の持ち主です。だから姿勢が良いのでしょう。

そして大きな強みになるのは、シンクロを高い領域まで究めた経験ではないでしょうか?これが彼女に黙っていても伝わる品格や教養を与えています。

高い技術を持つピアニストである米国の政治家、コンドリーザ・ライスさんも同様でしょう。

「日経ビジネス」2014.12.29 No.1772「遺言」にて元首相の細川護煕さんがが興味深いことをおっしゃっていましたのでご紹介します。

・・・・(以下、引用)・・・・

教養は数値でははかれませんが、重要なものです。トルーマンは原爆投下時の米大統領ですが、英国のチャーチルは当初、彼を軽蔑していて敬称に「ミスター」を使っていた。それがある晩餐会後にトルーマンは得意なピアノを披露し、それ以降「プレジデント」に変えたそうです。
トルーマンはピアニストを目指すほどの腕前。チャーチルもそれを解して、敬意を示したんですね。
ピアノでも本でも何だっていい。にじみ出る教養は人を引き付けます。日本では政治家も経営者もハウツーものばかり読んで、そこが不得意ですね。でもこれからはそういう人が
必要でしょう。

・・・・(以上、引用)・・・・

教養とは、長い経験と年月を経て蓄積され、内側からにじみ出るもの。それがプレゼンでは最後の決め手となるのです。