「とにかく会見の印象を良くしたいんですよ」
広報担当者さんからの切実なご相談をいただくことがあります。
会見の印象を良くするために、注意すべき最重要ポイントをお伝えします。
ある有名な外資系企業の発表会に取材に行ったときのことです。
米国本社から役員が来日し、プレゼンを行いました。
プレゼン冒頭での出来事です。
足元を見ると、靴の先がパックリと割れて靴下の先が見えていました。靴を買い換える資金が無いわけではないでしょうから、気にしない性格なのかもしれません。確かにプレゼンは場慣れしたものでしたが、なぜか話すことすべて印象が良くありません。(「まさか米国本社役員が…。話を盛っているのでは」と思われるかもしれませんが、事実です)
逆もあります。
最初の印象が素晴らしいと、その後多少のミスがあっても会見全体の印象が良いのです。
これは”認知的不協和の解消”で説明ができます。
人は、「自分の判断は正しかったのかな?」と、内心不安を抱えています。
例えば、マンションなど高額な買い物をしたとき、「正しい買い物だったのかな?」と内心不安を抱えています。これが認知的不協和です。そして「やはり良い買い物だった」と自分を納得させるために他のマンションの広告を眺めて比較します。これが「認知的不協和の解消」です。人は認知的不協和を解消するために、自分が正しいと証明する理由を探し始めるのです。
プレゼンの聴き手も同じです。
もし最初がダメだと、その後いくら素晴らしいプレゼンをしたとしても、聴き手はダメな理由を探し始めています。もう間に合わないのです。
だから、印象づけるためには、最初が一番大事なのです。人間ですから、長時間のプレゼン全てを完璧にすることはなかなか難しいと思います。でも、最初の3分なら完璧にこなせる可能性は高まります。
つまり、プレゼンの印象を良くしたければ、最初の3分だけは何が何でも「手抜かり無く」行うことです。