トッププレゼンは自分の強みで勝負

「ウチのトップには、あの会社の〇〇社長みたいに会社のことを力強くPRしてほしいのですが、あまり人前に出たがらないんですよね」

広報担当者さんからこんなご相談を受けることがあります。

確かに人には向き不向きがあります。しかし、会社のメッセージはトップが言うことで強い訴求力を発揮します。やはりどんどん人前に出て話してほしいものですよね。

先日、ユーシーシーフードサービスシステムズ株式会社の上島成介社長のプレゼンを取材してまいりました。

1933年創業のコーヒー専業老舗であるUCCは、UCCグループ会長・上島達司氏のもと、グループCEO兼社長を長男の豪太氏が、海外事業を統括するUCCインターナショナルを次男の昌佐郎社長が務めています。この日登壇した成介氏は三男。

実は私が当日会場に到着した時、入り口を間違えてしまいました。すると、成介社長が出てきて「入り口はあちらになります」といってご案内してくれました。また、私の背後に花壇があることに気がつき「あ、後ろが花壇になっています。お足元にお気をつけください」との気遣いもいただきました。

ちょっとしたことなのですが、会場でトップ自ら道案内する姿勢から、「すべてに責任を持つ」という創業家ならではの覚悟が感じられました。

成介社長はプレゼン前、緊張している様子が伝わってきました。しかし、舞台に出ると覚悟を決めたように集中。華やかに舞台慣れした姿ではなく、どちらかというと地味で内向的な姿でしたが、私をご案内していただいたような優しさと上品さに溢れて好感度の高いものでした。
プレゼン内容も、本格派コーヒーの老舗らしく、コーヒーの深い世界観を呼吸するように説明し、ご自身の強みを活かした「強みの土俵」で勝負する説得力の高いものでした。

トップになれば、人前に立つ立場も多いもの。そこでご自身のタイプや強みを活かしてプレゼンすれば、強い訴求力を発揮できるのです。

広報の皆さんにも、トップには理想とする「こうあるべき」というスタイルをお勧めするのではなく、トップのタイプを見極めてプレゼンを構成することを考えてみてはどうでしょうか。

詳しくは、「広報会議4月号」に記事が掲載されています。ご興味ありましたらご覧下さい。