「ジョブズのような、写真メインで文字が少し、みたいな資料、かっこいいですよね。こんな感じのプレゼン資料を作るコツを知りたい」
このような質問を受けることがあります。
例えば、「プレゼンテーションZen」であるような、画面全体に美しい写真、巨大な文字と短いメッセージのみの資料はプレゼンの達人を思わせます。
最近拝見したプレゼンで気になることがありました。
その方の資料は、大きな写真の中心に1行、短くシンプルなメッセージのみが書かれている美しいチャートでした。
しかし後から資料を見たとき、何の話をしていたのか思い出せなかったのです。
確かにセンスの良い写真やシンプルなメッセージはプレゼンの説得力を上げてくれます。
しかし写真に力点を置くあまりメッセージを削りすぎると、本当に伝えたい事が伝わりにくくなります。
なぜなら人の見え方はバラバラだからです。
同じリンゴでも、赤く描く人もいれば、緑を使って描く人もいます。人の認知は同じではないので、写真の印象に委ねるとメッセージがぼやけてしまいます。
そこで必要なのが、最小限の研ぎ澄まされたメッセージを考え抜いて、資料に入れることです。
ポイントは2つあります。
1つ目は、そのチャートで伝えたいインサイト(洞察)を書く。
相手に伝えたいインサイトを書かないと、そのチャートで何を言いたいのか分かり難くなります。
ただし文字をぎっしり書くのは見にくくなりますのでNG。研ぎ澄ましたメッセージに磨き抜くことです。
2つ目は、チャートのタイトルをつなぎ合わせると、ストーリーが浮かび上がってくること。
「見た目重視」で、ストーリーの流れと関係ないタイトルをつけているチャートが多く見られます。これはいただけません。そこで資料づくりの際に、全体をサムネイル表示にして、メッセージの流れが首尾一貫しているかを見ると、一目で確認しやすくなります。
プレゼンを控えている方は、ぜひこの2点を確認してみてください。