声が響かずお悩みの方へ

 

企業の発表会にうかがうと、声の響かない方が結構いらっしゃいます。

響かない声は、元気がなかったり、聞こえにくかったりして、説得力がありません。

響く声とは、ただ大きな声を出せば良いということではありません。声の響かない原因は、「横隔膜が使えていない」その1点にあります。

横隔膜とは、肺の下にある呼吸をつかさどるための筋肉です。この横隔膜をしっかり使うことにより、のどに負担をかけることなく、響く説得力のある声が出るようになります。

では、横隔膜はどのようにして使えばいいのでしょうか?

記事でも何度か書いたことがありますが、「ヘソ下9㎝の場所にある『丹田』という場所を張る」ことです。声を出している間は、この場所を常に張り続けると、とたんに声のトーンが充実して響くようになります。

「息をすって〜お腹をふくらまして〜、はい、息をはいて〜お腹をへこませて〜」という一般的な腹式呼吸のトレーニングに影響されてしまい、ほとんどの人が声を出すときにも腹式呼吸のトレーニングで教わったとおり「お腹をへこましても良い」と思われています。

しかし、発声しているときに「お腹をへこまして〜」とやってしまうと、とたんに良い声が出なくなります。

良い声を出している人のお腹を良くみると、大きくへこんだりしていません。常に、張った状態を維持しています。良い声のためには、息をすってお腹が張ったら、息をはいているときでもお腹が出来るだけへこまないように頑張って張り返すことが基本です。

では、本日は皆さんに、「横隔膜を張り、響く声を出すための呼吸法」のトレーニングをお伝えします。

 

1 口を開けて「ハアッ!」と大きく思い切り限界まで息をすう。(ヘソ下9㎝の場所を頑張って張る)

2 口を開けた状態で10秒間、我慢して息を止める。(ヘソ下9㎝の場所を頑張って張り続ける)

3 「ハアーッ!」と一瞬ですべての息をはききる。(息をはくときもできるだけお腹をへこまさない)

【チェックポイント】

息をはくとき、のどで「クッ…」とか、「あ”っ…」という雑音がしませんでしたか?
この場合は、喉で息を止めています。喉に負担をかけていて、横隔膜が使えていません。
横隔膜で頑張ることができれば、自然と喉はリラックスできるようになり、横隔膜が使えるようになっていきます。
(普段、どうしても喉にストレスがかかってしまい声帯がリラックスのできない方も、まずは横隔膜をつかって止められるかチェックしてください)

 

簡単なトレーニングですが、このトレーニングを続けることで、のどではなく横隔膜で頑張る発声するコツがつかめていきます。

また、緊張して声が甲高くなったり早口になったりしがちな本番でも、この丹田を張るコツをつかんでいれば、のどがリラックスしてスムーズに発声できますので、落ち着いた響く声を出すことができます。