「人前で話すと緊張で声が震えてしまって困ってます」
と、こういうご相談を受けることがあります。
極度な緊張で声が震えることはよくあります。
しかしほとんどの人は話し手の声が震えているのは気にしていません。
話し手は骨伝導で自分の声を聞いています。
骨伝導とは骨を通して内耳に直接振動を送り、脳に音を届けること。
声の震えが脳に直接届き、より強調して聞こえるため気になってしまうのです。
逆に、空気の振動で聞いている聴き手は、話し手ほど震えは聞き取れません。
それに声を美しく響かせるために、わざわざ声を震わせる「ビブラート」という発声方法があるくらいです。
声を震わせながらでも、言うべきことをきちんと伝えれば問題ありません。
ただ、声が震えていると話し手自身が気になって話しにくいものですよね。
声が震えるのは緊張で横隔膜が硬くなっているためです。
事前に横隔膜を鍛える発声法を行っておくと震えにくくなります。
下記の悪代官発声法は、誰でも簡単に横隔膜が使えるようになる発声トレーニングです。
【悪代官発声法】
ステップ1:口を開けてゆっくり息を吸い、口を閉じ、あごを下げ口の中に空間を取ります。
ステップ2:口は閉じながら、手をお腹に当てて「フッフッフッフッ……」と悪代官の気持ちで笑う。お腹が動くのを確認します。
ステップ3:ステップ2の笑顔のまま、越後屋と目配せするつもりで、ゆっくりと「越後屋、(間合い)おぬしも(間合い)悪(ワル)よのぅ~~」と言う。
また本番で声が震えたとしても、途中で呼吸しながら話すように意識すれば極度な震えはなくなっていきます。
ぜひお試しください。